• 作成日 : 2025年12月23日

オンライン古着屋は儲かる?年収目安や開業までの流れを解説

サステナブル志向の高まりとともに、ファッションリユース市場は拡大を続けています。その中でも、低コストで始められる「オンライン古着屋」に注目が集まっていますが、果たして儲かるのでしょうか。

この記事では、収益モデルや年収(≒年商)の目安、メリット・デメリット、開業までの流れなどを解説します。

オンライン古着屋は儲かる?

オンライン古着屋は低コストで始められるビジネスとして人気が高まっています。ファッションリユース市場は年々拡大しており、その一部として古着の需要も増加傾向にあり、今後も一定の需要が見込まれると考えられています。では、実際に儲かるのでしょうか?

運営が適切であれば、利益を出すことが可能

結論から言えば、オンライン古着屋は適切に運営すれば十分に儲けることができます。理由は大きく2つあります。1つ目は市場の成長です。ファッションリユース市場は、環境配慮やフリマアプリ普及を背景に拡大傾向が続いており、古着販売もその主要市場の一つとなっています。2つ目は、オンライン販売の運営コストが低いため利益率を高くしやすいことです。

初期費用が少ない分、赤字リスクを抑えつつ始められる点も強みです。フリマアプリやECサイトを活用すれば、在庫と撮影機材さえあれば誰でも販売を始められ、学生や主婦が副業としてスタートするケースも増えています。なお、事業として継続的に販売する場合は、各プラットフォームの規約や古物営業法、特定商取引法などの法令遵守が前提となります。

稼ぐにはノウハウと工夫が必要

一方で、誰でも簡単に稼げるわけではありません。古着の目利き力や仕入れ先の確保、商品撮影のスキル、販売価格の設定、そして顧客対応や発送手配など、やるべきことは多岐にわたります。これらを適切にこなさなければ、赤字や在庫過多に陥るリスクがあります。

特に、品質のバラつきや一点ものの特性を持つ古着は、詳細な商品情報と信頼性のある説明が求められます。闇雲に出品を繰り返すだけでは長続きせず、戦略的な運営が求められるのが実態です。

オンライン古着販売のメリットは?

オンライン古着屋は、開業や運営のハードルが低く、資金に余裕がない初心者にも始めやすい事業形態です。ここでは、代表的なメリットについて解説します。

初期費用が少なく、資金リスクが小さい

オンライン古着屋最大の魅力は、始める際の初期費用が少なく済むことです。実店舗のように賃貸借契約や内装工事、什器購入などに数百万円を要することはなく、在庫となる古着とスマホやカメラ、PCなどの基本機材を揃えれば十分スタート可能です。

実際の初期費用は仕入れの方法や取り扱うアイテム数などによって大きく変動しますが、撮影機材やECサイト構築費、仕入れ費用を含めても、数十万円規模の予算で始めている事例が多く見られます。このため、起業初心者や副業希望者でもリスクを抑えて参入できる点が評価されています。

全国に販売でき、立地の制約を受けない

オンライン販売の大きなメリットとして、地理的な制約がないことが挙げられます。実店舗では、集客は基本的にその周辺地域の通行人などに限られますが、ネットショップであれば全国、さらには海外の顧客にも商品を届けることが可能です。

立地の良し悪しに左右されることなく、魅力的な商品ラインナップやブランディングによって遠方のユーザーからも支持を得られます。これにより、限られた客層ではなく、幅広い客層に対しビジネスを展開できる強みがあります。

時間の制約がなく、副業にも適している

オンラインショップは24時間365日稼働し続けられるため、販売の機会損失が少ないのも利点です。昼夜問わず顧客はいつでも商品を閲覧・購入でき、販売者側も営業時間を気にせず運営できます。

さらに、仕入れや発送を自分の都合で調整できるため、本業がある人でも副業として無理なく運営できます。在庫スペースさえ確保できれば、自宅の一室で人件費をかけずにビジネスをスタートできる柔軟性も、オンライン古着屋の大きな魅力です。

オンライン古着販売のデメリットは?

オンライン古着販売は低コストで始められる一方で、課題も多く存在します。「現物を見られない」「競争が激しい」「法的対応が必要」といった点が初心者にとって壁になる可能性があります。

実物を見られないため、情報の信頼性が重要になる

オンライン販売では顧客が商品を直接確認できないため、情報の正確性と信頼性が何よりも重視されます。古着は一点ものが多く、サイズや素材感、ダメージの有無など細かな情報を的確に伝える必要があります。

このため、高解像度の写真撮影や、詳細な商品説明の文章作成が不可欠です。撮影環境の整備や、傷や汚れの有無を正直に記載することで、顧客満足度を高め、返品リスクの低減にもつながります。

競合が多く、集客には継続的な努力が必要

オンライン古着市場は誰でも参入しやすいため、競合が多く存在します。商品力だけで差別化するのは難しく、集客にはSNS運用やSEO対策など、マーケティングの知識と実行力が求められます。

魅力的な商品画像の投稿、コーディネートの提案、ターゲット層に合わせた発信などを通じてブランド力を築く必要があります。即効性は低いため、地道に育てる姿勢が欠かせません。

特定商取引法など、法的ルールへの対応が必要

古着を営利目的で反復継続して販売する場合、オンラインでも「通信販売を行う事業者」として特定商取引法の表示義務が課されます。自社ECサイトだけでなく、メルカリなどのプラットフォーム経由の販売でも、事業者として販売する場合は、ショップページに、運営者情報・返品特約・問い合わせ先等の表示が必要です。

また、古着を営利目的で反復継続して仕入れて販売する場合は、古物営業法上の「古物商」に該当し、開業前に警察署で古物商許可の取得が必要です。自宅の不要品を単発で売るだけの場合は、許可が必要ないケースもあります。

いずれにせよ、事業として古着販売を行う場合は、事前に古物営業法などの関係法令を確認し、必要な手続きを済ませておくことが重要です。これらの法令を守らずに販売を行うと、罰則の対象となるため、事前に必要な手続きを済ませておくことが欠かせません。

オンライン古着屋で稼げる年収の目安は?

オンライン古着屋の収益性は、販売戦略と運営力によって変動します。固定費が低いため利益率は高く、工夫次第では副業でも黒字化が可能です。一方で、高収益を狙うには仕入れコスト管理や集客、リピーター獲得といった運営力が問われます。

年収240万円〜1,000万円超も|収益は規模と運営力に応じて変動

オンライン古着屋の収益は、仕入れ・販売・運営効率のバランスで決まります。小規模運営の場合でも、仕入れ・回転率・販路設計がうまく機能すれば、月数万円〜数十万円の利益を目指せるケースがあります。

また、集客力や在庫回転率が高い店舗では、年商1,000万円超規模に成長する例もありますが、あくまで一部の事例であり、収益は運営力に大きく左右されます。

たとえば、客単価6,000円、1日5件の注文、月25営業日の想定では、月商75万円、粗利は45万円。経費25万円を引けば、月利益は約20万円になります。粗利率や販売手数料・仕入れ戦略によって利益は大きく変動するため、これはあくまで一例のモデル計算です。

さらに、販売チャネルを増やし、広告・SNS活用によって月商100万円を超えると、年商ベースで1,000万円規模に到達することも可能です。ただし、それには仕入れ戦略、リピーター獲得、在庫回転率の最適化といった中長期的な施策が不可欠になってきます。

オンライン古着屋と実店舗型の違いは?

オンラインと実店舗の古着販売は、開業コスト・運営費・集客方法の面で大きく異なります。ここではそれぞれの違いを解説します。

オンラインは初期費用10〜30万円、実店舗は300万円以上が一般的

オンライン古着屋は、物件契約や内装が不要なため、開業にかかる費用が圧倒的に少なく済みます。古着の仕入れルート、撮影機材、パソコンなどを用意すれば、数十万円規模の予算で始めている事例が多く見られます。

一方で、実店舗は物件取得費や保証金、内装工事、什器購入、初回在庫の仕入れなどが必要になるため、数百万円規模の開業費用がかかるケースが少なくありません。立地や坪数、内装レベルによって必要資金は大きく変わります。

そのため、実店舗運営は資金に余裕がある人向けの選択肢と言えます。

オンラインは固定費がほぼゼロ、実店舗は家賃・人件費が負担に

オンライン運営では、通信費や撮影環境の維持など一定の固定費は発生しますが、自宅のスペースを活用すれば家賃不要、人件費もかからず、送料・梱包材・販売手数料程度の変動費だけで済みます。売上に応じたコスト構造のため、小さく始めても黒字化しやすいのが特徴です。

実店舗では毎月の家賃に加え、光熱費・人件費などの固定費が継続的に発生します。売上が安定するまで赤字リスクを抱えることもあり、費用負担の面で大きな差が出ます。

オンラインはSNSと写真で集客、実店舗は立地と接客で勝負

オンラインでは、商品の魅力を写真とテキストで伝え、SNSや広告を活用して認知を広げる必要があります。レビュー対応や迅速な配送、SEO対策など、ネット上での信頼構築がカギになります。

実店舗は立地と空間の演出、接客による印象づけが集客の要です。試着や会話を通じた体験が購入意欲につながり、リピーター育成やブランド構築にも向いています。

オンライン古着屋の始め方は?

オンライン古着屋を始めるには、以下のような流れで準備を進めます。

ステップ1:コンセプトとターゲットを決める

まず、どんな古着を誰に売るかを明確にします。ヴィンテージ系、レディース向け、ストリートファッション専門など、ジャンルを絞ることで仕入れやブランディングがしやすくなります。

ステップ2:仕入れルートを確保する

コンセプトに合った商品をどこから仕入れるかを考えます。リサイクルショップ、業者向け古着卸、フリマアプリ、海外輸入など、複数のルートを比較してコストと品質のバランスを取ることが重要です。

ステップ3:販売チャネルを選定・構築する

メルカリなどでの出品から始めるのも良いですし、将来的なブランディングを考えてBASEやShopifyでのECサイト開設を検討するのもおすすめです。

ステップ4:古物商許可を取得する

古着を営利目的で反復継続して仕入れ、販売する場合は、法律上「古物商」に該当するため、事業開始前に警察署で古物商許可を取得することが必須です。開業届もあわせて税務署に提出しておくと、確定申告などの管理がスムーズになります。

ステップ5:出品・撮影・集客をスタートする

古着は基本的に一点ものなので、1商品ごとに丁寧な写真と説明が必要です。サイズ、ブランド、傷や汚れの有無を正確に記載し、信頼を獲得します。加えて、InstagramやX(旧Twitter)などのSNSを活用して集客し、販促にもつなげましょう。

副業としてオンライン古着屋で成功するには?

オンライン古着屋は、副業としても始めやすいビジネスです。しかし、限られた時間と資金の中で利益を出すためには、工夫と計画性が求められます。ここでは、副業として成功するために押さえておきたいポイントを解説します。

ターゲットを絞って「売れる商品」に集中する

副業ではリソースに限りがあるため、「誰に何を売るか」を明確にすることが重要です。たとえば「レディース古着」「Y2Kスタイル」「古着リメイク」など、ジャンルやテイストを絞ることで、仕入れの効率が上がり、出品やPRの方向性もブレにくくなります。

また、ターゲットが明確になるとSNS運用や商品説明にも一貫性が出るため、ファンやリピーターを獲得しやすくなるのが大きなメリットです。

作業をルーティン化して継続しやすくする

副業では、日々の限られた時間をどう活用するかがカギになります。そこでおすすめなのが「仕入れ・撮影・出品・発送」の作業を曜日単位でルーティン化する方法です。たとえば、週末にまとめて仕入れ・撮影し、平日に出品・発送するという形なら、無理なく継続できます。

在庫も多く抱えすぎず、売れ筋に絞って小ロットで回すと保管や管理も楽になり、赤字のリスクも抑えられます。

写真・説明文・SNSで「信頼」と「集客」を確保する

副業では広告費をかけにくいため、無料でできる範囲の集客が重要です。商品写真は自然光や簡易照明を使って明るく撮影し、サイズや使用感、ダメージの有無などを丁寧に説明しましょう。誠実な情報開示はトラブル回避につながり、購入率や評価の向上にも直結します。

また、InstagramなどのSNSでは商品紹介だけでなく、コーデ例や古着に関する情報を発信して認知を広げましょう。投稿は事前に作成し、予約投稿を使えば、平日も無理なく運用できます。

自分に合った古着ビジネスの始め方を選ぼう

オンライン古着屋や無人古着屋は、比較的少ない資金で試しやすい魅力的なビジネスです。どちらも利益を出せる可能性は十分ありますが、成功には仕入れ、集客、販売管理など地道な工夫が欠かせません。副業として小さく始めたい場合はオンライン販売が取り組みやすく、ある程度の実績や資金が蓄積してきた段階で、無人店舗を含む実店舗展開を検討する事業者もいます。まずは自分の予算・時間・目指すスタイルに応じて、最適なスタート方法を選び、少しずつ仕組みを整えていきましょう。


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