• 作成日 : 2026年2月19日

養鶏場は儲かる?収益の仕組み・開業手順・成功の秘訣を解説

Point養鶏場は本当に儲かるのか?

養鶏場は、コスト管理と販売戦略を工夫すれば十分に利益を出せるビジネスです。

  • 飼料費が経費の5割以上を占める
  • 小規模でも直販で高単価を実現できる
  • 公的支援と保険でリスクを軽減する

小規模でも差別化と販路の工夫次第で高収益化は可能です。300羽規模で生活維持ができるといった例もあります。

「養鶏場を始めてみたいけれど、実際に儲かるのか不安」と感じる方は少なくありません。養鶏は需要が安定している一方で、飼料費や市場価格の変動、感染症などのリスクも存在します。しかし、経営スタイルや規模、販売戦略によっては十分な利益を生み出すことも可能です。

本記事では、養鶏の収益構造から、利益を出すための経営ポイント、リスク対策や開業までの手順などを解説します。

養鶏場は儲かる?

養鶏場が儲かるかどうかは、これから参入を考える人にとって最も気になる点です。養鶏経営は、養鶏の種類や経営規模、コスト管理、市場価格の影響を強く受けます。統計データを見ると黒字の年も赤字の年も存在し、安定した利益が約束されている事業ではありません。

養鶏場経営で利益を出すことは可能だが条件次第

養鶏場経営で利益を出すことは可能ですが、誰でも簡単に儲かるわけではありません。農林水産省の統計では、2019年時点で採卵養鶏業は平均▲1,383万円と赤字だった一方、ブロイラー養鶏業は平均1,959万円の黒字でした。しかし翌2020年には、採卵養鶏が平均1,180万円超の黒字へ転じています。このように、収益は年ごとの市場環境や飼料価格、疾病の有無などに大きく左右されます。養鶏場が儲かるかどうかは、経営努力と外部環境の組み合わせによって決まるといえます。

採卵養鶏よりブロイラー養鶏の方が安定しやすい傾向がある

採卵養鶏とブロイラー養鶏では、収益の安定性に違いがあります。採卵養鶏は卵価の変動や飼料価格高騰の影響を受けやすく、赤字に転落する年もあります。一方、ブロイラー養鶏は契約出荷が多く、生産期間が短いため、比較的コスト管理がしやすいとされています。2019年のデータでは、1羽当たりの生産コストが採卵鶏で約3,338円、ブロイラーで約440円と大きな差があり、この違いが利益率に直結しています。養鶏の種類選びは、収益性を左右する重要な判断材料です。

小規模養鶏でも差別化できれば利益を出せる

小規模養鶏であっても、工夫次第では利益を出すことが可能です。成鶏300羽規模の平飼い養鶏で、卵の直販によって家計を支えている事例もあります。現在、日本の鶏卵生産は大規模経営が大半を占めており、価格競争で小規模経営が勝つのは現実的ではありません。そのため、小規模養鶏では安全性や飼育環境、作り手の背景といった付加価値を打ち出すことが重要です。ブランド卵や地鶏肉として販売すれば、規模が小さくても十分な収益を確保できる可能性があります。

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養鶏場の主な収入源と経費は?

養鶏場の収益構造は、卵や鶏肉の販売収入を中心に成り立っています。その一方で、経費の多くを飼料費が占めており、これが利益を大きく左右します。採卵養鶏とブロイラー養鶏では収入源や支出構成が若干異なります。

収入源は卵と鶏肉の販売

養鶏場の主な収益は、採卵養鶏では鶏卵の販売、ブロイラー養鶏では鶏肉の出荷によって得られます。採卵養鶏では、大規模経営ならJAや業者への出荷、小規模であれば直売所や飲食店への販売が一般的です。副次的に、廃鶏の販売や鶏糞の堆肥化による収入もあります。一方、ブロイラーは出荷羽数が収益に直結し、契約養鶏では買い取り価格があらかじめ決まっていることも多く、収入の安定性が高い傾向があります。

支出の多くは飼料費が占める

養鶏場の最大の経費は飼料費であり、経営全体の約50%以上を占めます。採卵鶏1羽あたりの年間飼料コストはおよそ16,000〜28,000円にのぼり、2019年の平均では1経営体あたり約1億円が飼料費に充てられています。そのほか、ヒナや育成鶏の購入費(もと畜費)、人件費、光熱水費、衛生管理費、設備の修繕費なども無視できません。

近年は電気代や燃料価格の高騰により、ランニングコストが増加傾向にあります。多くの経営者は、JAなどが提供する飼料価格安定基金を活用し、コスト変動のリスクを抑えています。飼料コストをいかに効率よく管理できるかが、養鶏場の収益構造を左右する最大の要因となっています。

養鶏場で利益を出すためのポイントは?

養鶏場で安定した利益を出すには、鶏を飼うだけでは不十分です。経費を抑える工夫と、売上を伸ばす仕組みづくりを同時に進めることが求められます。ここでは、養鶏経営で利益を確保するための考え方を整理します。

経費を抑える工夫が利益確保の土台になる

養鶏場経営では、コスト管理の巧拙が利益に直結します。特に飼料費は支出全体の大きな割合を占めるため、給与量や配合を見直し、無駄を減らすことが重要です。自家栽培の飼料作物や、くず米・規格外野菜といった地域資源を活用することで、購入飼料を減らしている事例もあります。

また、初期投資や設備費を抑える工夫も欠かせません。中古設備の活用やDIYによる鶏舎整備により、導入コストを大幅に下げることが可能です。公的事業を活用して既存鶏舎を借り受ける方法もあり、こうした工夫の積み重ねが利益体質を作ります。

販売方法を工夫して収益を伸ばす

養鶏場で収益を高めるには、販売戦略の見直しが効果的です。大量生産された卵や鶏肉は価格競争に陥りやすいため、付加価値を付けて単価を上げる発想が重要になります。平飼いや放し飼い、特定飼料へのこだわりを打ち出したブランド卵や地鶏肉は、高価格でも支持される傾向があります。

また、直売や飲食店との直接取引、インターネット販売を活用すれば、中間コストを抑えつつ安定収入につなげることができます。加工や直販まで手がけることで、収益源を広げる選択肢も生まれます。

公的支援や保険を活用して経営を安定させる

養鶏業は価格変動や疾病リスクが大きいため、公的支援制度の活用が収益安定に役立ちます。卵価下落時に補填を受けられる価格安定制度や、自然災害や伝染病による収入減を補う農業経営収入保険は、経営リスクを和らげる有効な手段です。さらに、日本政策金融公庫の融資や新規就農者向けの資金支援を活用すれば、設備投資や事業拡大も現実的になります。支援制度を上手に取り入れることで、養鶏場経営の持続性と利益確保の可能性は高まります。

養鶏場経営のリスク・注意点は?

養鶏場経営は安定需要がある一方で、さまざまなリスクを内包しています。飼料価格や販売価格の変動、家畜伝染病や自然災害、さらに近隣環境や労働面での問題など、事前に理解しておくべき注意点は少なくありません。

飼料価格や市場価格の変動は経営を直撃する

養鶏場経営における最大のリスクの一つが、飼料価格と市場価格の変動です。飼料の主原料であるトウモロコシや大豆粕は国際相場の影響を受けやすく、近年では数年前と比べて大幅に価格が上昇しています。飼料費の高騰は利益を直接圧迫し、場合によっては飼育規模の縮小や廃業につながることもあります。

加えて、卵価や鶏肉価格も需給や輸入量、疾病発生状況によって変動します。こうしたリスクに備えるためには、契約販売で価格を一定程度固定することや、収入保険・価格安定制度を活用し、価格変動に耐えられる経営体質を整えることが重要です。

感染症や自然災害が経営存続を脅かす

養鶏業では、高病原性鳥インフルエンザをはじめとする家畜伝染病が深刻なリスクとなります。感染が確認されれば、出荷停止や全羽殺処分により、短期間で経営が立ち行かなくなる可能性があります。補償制度はあるものの、休業期間の損失まで完全に補えるわけではありません。

そのため、日常的な防疫対策を徹底し、万一に備えて収入保険や補償制度に加入しておく姿勢が求められます。また、台風や地震、停電といった自然災害も無視できません。発電機の備えや施設の耐久性向上、災害補償制度の活用が重要です。

近隣環境への配慮を怠るとトラブルにつながる

養鶏場経営では、悪臭や騒音、害虫の発生による近隣トラブルにも注意が必要です。糞尿処理や清掃が不十分であれば、住民から苦情が寄せられ、行政指導を受けるケースもあります。糞尿を速やかに処理し、消臭対策や害虫防除を行うことは、経営者としての責任です。立地選定の段階から住宅地との距離や風向きを考慮し、地域と共存できる環境づくりを意識することが欠かせません。

人手不足と労働負担は経営者の負担になりやすい

養鶏業は毎日の世話が必要なため、労働負担が大きい仕事です。小規模経営では特に人手不足に陥りやすく、休日が取りにくい状況になりがちです。作業の自動化や外部人材の活用によって負担を分散し、無理のない体制を整えることが、長期的な経営継続につながります。

初めて養鶏場を始めるための手順は?

養鶏場を開業するには、綿密な準備が必要です。以下に、養鶏経営を始めるための基本的な流れを紹介します。

① 養鶏の知識を学び、現実的な事業計画を立てる

養鶏を始めるにあたって最初にすべきは、基礎知識の習得です。農業大学校や各地の研修施設での実地体験は、未経験者にとって大きな力となります。鶏の生態、餌やり、疾病管理、施設運営などを理解したうえで、自分に合った養鶏のスタイル(採卵・ブロイラー、平飼い・ケージなど)を選びましょう。

次に、収支シミュレーションを含めたビジネスプランを作成します。初期投資額や毎月の支出、目標とする売上と利益の水準を具体的に設定し、必要に応じて新規就農相談センターやJAの指導員に相談して、計画を現実的なものにブラッシュアップすることが大切です。

② 土地や鶏舎を確保し、法律に適合する施設を整備する

養鶏経営には十分な面積と周辺環境への配慮が求められるため、土地選びは慎重に行う必要があります。臭気や騒音を避けるため、住宅地から離れた広い土地を選ぶのが理想です。空き鶏舎の活用や中古施設のリノベーションも初期費用を抑える手段になります。

鶏舎や給餌・集卵設備、冷蔵庫、防疫用品など、必要な設備をリストアップして整備しましょう。さらに、農地転用や建築に関する手続き、衛生管理・と畜関連の法律への対応も忘れてはなりません。開業前には近隣住民への説明と配慮も不可欠です。

③ 融資や補助金を活用して資金を確保する

養鶏場開業には多額の資金が必要ですが、全額を自己資金でまかなう必要はありません。日本政策金融公庫や農協が提供する「青年等就農資金」などの融資制度を活用することで、金利負担を抑えて開業資金を調達できます。

また、「経営開始型補助金」や「強い農業づくり交付金」といった補助金制度も存在し、施設導入や経営安定のための支援を受けられる可能性があります。情報収集は早めに行い、申請の時期と条件を把握したうえで、計画に反映させることが大切です。

参考:青年等就農資金|日本政策金融公庫

④ 鶏を迎え入れて養鶏を開始する

準備が整ったら、いよいよ実際の飼育を開始します。ヒナや若鶏を導入し、衛生や温度管理に注意を払いながら日々の世話を続けましょう。防疫対策は徹底し、疾病の予防に努めることが、安定した生産に直結します。飼育データを記録しながら、適切なサイクルでの出荷や採卵に取り組みます。

開業初期は慣れないことも多く、計画通りにいかないこともありますが、柔軟に対応しつつ改善を重ねていく姿勢が求められます。

⑤ 販売ルートを確保し、収益を安定させる

生産物を確実に売るためには、事前の販路確保が重要です。JAや業者への出荷だけでなく、飲食店との契約販売や地元直売所・オンライン販売など、複数のルートを持つことでリスク分散にもつながります。

ブランディングにも力を入れ、自社の卵や鶏肉の特徴を明確に伝えましょう。SNSや地域イベントを通じた認知拡大も有効です。

養鶏場経営で失敗しないための重要ポイントを押さえよう

養鶏場経営は需要が安定している一方で、収益性は経営判断によって大きく左右されます。採卵養鶏かブロイラー養鶏かという事業選択に加え、飼料費を中心としたコスト管理、付加価値を意識した販売戦略が利益確保の土台となります。さらに、価格変動や疾病、災害といったリスクに備え、公的支援制度や保険を活用する視点も欠かせません。知識習得から計画策定、設備・資金・販路を段階的に整え、無理のない規模で経営を進めることが、養鶏場経営を安定させる最大のコツです。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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