- 作成日 : 2026年1月14日
ゴマ栽培は儲かる?年収や具体的な利益の出し方、将来性を徹底解説
ゴマ栽培がビジネスとして儲かるかどうかは、加工や直販による高収益化モデルを構築できるかにかかっています。単に作って市場に出荷するだけでは大きな利益を得にくいものの、国産ゴマの自給率は極めて低く、その希少性を活かせば勝機は十分にあるでしょう。
この記事では、ゴマ栽培の現実的な収支や儲からないと言われる理由、そして利益を最大化するための具体的な方法について解説します。
目次
ゴマ栽培は本当に儲かる?
ゴマ栽培が儲かるかどうかは、販売戦略と省力化の工夫によって大きく左右されます。多くの農家が直面するのは、栽培の手軽さに反して収穫後の手間が膨大であるという現実ですが、国産ゴマの希少性は高く、適切なターゲットへ届ければ高収益化も不可能ではありません。
ここでは、ゴマ栽培は本当に儲かるのか、さらに市場の現状と具体的な収益性について見ていきましょう。
結論:ただ出荷するだけでは薄利で儲からない
ゴマ栽培で十分な利益を出すためには、「生ゴマ」としてJAや市場への単純出荷ではなく、付加価値をつけた加工品として直販を行う必要があります。一般的な農産物と同じように卸売市場へ出荷した場合、買取単価は安く抑えられてしまい、収穫や調整にかかる膨大な人件費を回収できないケースが多いためです。
輸入ゴマが安価で流通している現在、価格競争で勝負するのは得策ではありません。しかし、自ら焙煎して「煎りゴマ」にしたり、油を搾って「国産ゴマ油」として販売したりすれば、利益率は大幅に向上します。ゴマ栽培においては作るだけでなく加工品を「売る工夫」が欠かせません。
国産ゴマは希少性が高い
国産ゴマの市場価値は極めて高く、流通量の99.9%以上が外国産であるという圧倒的な希少性が強みです。日本国内で消費されるゴマの年間輸入量は約16万トンに上りますが、対する国内生産量はわずか100トン程度に過ぎません。
この大きな需給ギャップは、生産者にとってまたとないチャンスといえます。消費者の食への安全志向が高まるなか、顔の見える生産者が作る国産ゴマは、輸入ゴマの数倍の価格でも買い手がつく傾向にあります。「国産」というだけで差別化ができる作物は他になく、潜在的な需要は非常に大きい状態です。
参考:国産ゴマ取り扱い日本一への挑戦|農林水産省 東海農政局 、食材まるかじり ごまのチカラ|農林水産省
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ゴマ栽培農家の年収は?
ゴマ栽培農家の年収は、栽培規模や販売ルートにより大きく異なりますが、10アール(1反)あたりの売上は数万円から、直販に成功したケースで最大数十万円程度が目安であり、特に生産性がよいとは言えません。
反収(収穫量)は通常50kgから100kgほどで、全量をキロ単価2,500円以上で直販できれば利益率は高くなります。しかし、手作業中心では規模拡大に限界があり、専業で生計を立てるレベル(年収数百万円)を目指すには、数ヘクタールの作付けと機械化が不可欠です。まずは副業や複合経営の一つとして始めるのが現実的でしょう。
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ゴマ栽培が「儲からない」と言われる原因は?
ゴマ栽培が儲からないと言われる主な原因は、栽培そのものではなく、収穫から出荷に至るまでの調整作業に膨大な労力がかかる点にあります。とくに機械化が進んでいない小規模栽培では、人手による作業負担が利益を圧迫してしまうのが実情です。
ここでは、ゴマ栽培における労働コストの課題や、収益化を阻む具体的な要因についてくわしく解説します。
収穫・乾燥・調整に手間がかかる
ゴマ栽培の工程でもっとも大変なのは、種まきや水やりではなく、収穫したあとの乾燥と調整作業です。収穫、乾燥、調整作業には栽培全工程の労働時間の半分以上がかかるとされます。ゴマは収穫して終わりではなく、刈り取った束を乾燥させ、サヤから実を叩き出し、さらにゴミを取り除くという工程が必要になります。
特に「調整作業」には、労働時間の多くが割かれることも珍しくありません。ほかの野菜のように収穫してすぐに箱詰め・出荷ができるわけではないため、時間的なコストがかさみます。この工程をいかに効率化できるかが、儲かる農業への分かれ道となるでしょう。
手作業での刈り取りに限界がある
ゴマの収穫時期は品種や地域にもよりますが、主に9月から10月にかけて行われ、手作業での刈り取りには限界があります。この時期は秋の長雨や台風シーズンと重なるため、タイミングを逃すとサヤが弾けて畑にゴマが落ちてしまい、大幅な収量減につながりかねません。
手鎌での刈り取りは重労働であり、10アールの作業だけでも数日を要します。さらに、刈り取ったゴマを束ねて乾燥させるためのスペースや設備も必要です。適期に素早く収穫を終えるには、ある程度の規模からはバインダーなどの機械導入を検討したほうがよいでしょう。
ゴミ除去の労働コストが高い
ゴマの「洗い」と「選別」にかかる労働コストは、利益を圧迫する大きな要因のひとつです。収穫後のゴマには砂や埃、虫、葉のカスなどが大量に混ざっており、水洗いをして浮いてくるゴミを取り除き、沈んだ砂を分ける作業は、専用の道具や機械がないと非常に根気のいる作業になります。
また、洗ったゴマはすぐに乾燥させなければカビの原因となるため注意が必要です。天日干しや乾燥機を用いた徹底的な水分管理も欠かせません。美しい製品に仕上げるまでの選別コストが、販売価格に転嫁できない場合、利益が出にくい構造になってしまいます。
連作障害や台風のリスクがある
ゴマ栽培には、連作障害による病気の発生や台風による倒伏といったリスクが伴います。同じ畑で続けて栽培すると土壌環境が悪化し、土壌中の細菌等による立枯病などが発生しやすくなるため、計画的な輪作が不可欠です。
また、収穫前の背が高くなった時期に台風が直撃すると、倒伏して収穫不能になる恐れも抱えています。露地栽培が基本である以上、天候リスクを完全に避けることはできません。安定した収益を得るためには、水はけの良い圃場(ほじょう:農作物を栽培するための整備された土地)選びや支柱の設置、あるいは排水対策といった事前のリスク管理が求められます。
ゴマ栽培で利益を出す方法は?
ゴマ栽培で確実に利益を出すには、コストを抑えつつ単価を上げる戦略を実行することが大切です。国産という強みを活かした品種選びや、労働時間を短縮する機械化、そして6次産業化への取り組みがカギとなります。
ここでは、マイナス面をカバーし、ゴマ栽培を収益性の高いビジネスに変えるための具体的な手法を紹介します。
肥料・農薬代が安いメリットを活かす
肥料や農薬代が安いというゴマ栽培のメリットを最大限に活かし、支出を抑えることが利益確保の第一歩です。ゴマは吸肥力が強く、やせた土地でも育つため、一般的な野菜栽培と比較して初期投資やランニングコストが安く済む特徴があります。
肥料を与えすぎると逆に「つるボケ(葉や茎ばかりが茂って肝心の実が十分に育たない状態)」を起こして実がつきにくくなるため、低投入型の栽培が基本です。耕作放棄地の再生作物としても適しており、土地代や資材費を低く抑えることで、利益率を高めることが可能になります。支出を減らす経営戦略として、ゴマの特性をうまく利用しましょう。
金ゴマ栽培で単価アップを狙う
単価アップを狙うなら、一般的な白ゴマや黒ゴマよりも高値で取引される「金ゴマ」の栽培が推奨されます。金ゴマは香りが豊かで濃厚な味わいがあり、料亭や高級菓子店からの需要が高いため、高単価での販売が期待できるからです。
地域特産のブランド品種として売り出せば、他産地との差別化も図りやすくなります。栽培方法はほかの色と大きく変わりませんが、収益性の面では金ゴマが有利なケースが多く見られるのが実情です。市場のニーズを調査し、より高く売れる品種を選定してみてください。
機械化で規模拡大
まとまった収益を得るためには、汎用コンバインや色彩選別機を導入し、栽培規模を拡大することが有効な手段です。手作業がボトルネックとなっていた収穫・選別工程を機械化できれば、作付け面積を数倍から数十倍に増やせます。
近年では、ゴマ栽培に対応した機械の技術開発も進んできました。初期投資はかかりますが、地域で機械を共同利用したり、補助金を活用したりすることでコストを分散させることも可能です。労働時間を短縮し、規模のメリットを活かした経営を目指しましょう。
加工・直販(6次産業化)で付加価値をつける
ゴマを加工して直販する6次産業化は、利益率を劇的に高める方法として非常に効果的です。例えば、自園で収穫したゴマを搾油して「プレミアム国産ゴマ油」として瓶詰めすれば、贈答用としての需要も取り込めるでしょう。
なお、ここでの「6次産業」とは、「1次×2次×3次」という意味での6次産業です。1次産業(ゴマ栽培と収穫)、2次産業(ゴマの製造・加工)、3次産業(流通・販売サービス)があってこそ成立する6次産業という意味になります。
ドレッシングやふりかけ、スイーツなどの加工品にすることで、賞味期限を延ばし、通年での販売が可能になります。ネットショップや道の駅などで消費者に直接届ける直販ルートを開拓し、中間マージンを省くことが、ゴマ栽培で稼ぐための近道です。
自分に合ったゴマ栽培の規模を選びましょう
ゴマ栽培で成功への近道は、自身の処理能力に見合った栽培規模から始めることです。国産ゴマは希少で需要が高い魅力的な作物ですが、収穫後の選別作業の大変さは、実際にやってみないと想像しにくい部分があります。
まずは家庭菜園や小規模な作付けで一連の流れを体験し、労働負担と成果物のバランスを確認してみましょう。そのうえで、機械化による規模拡大や加工販売への展開を検討し、着実な収益化を目指すのが賢明なステップです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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