- 更新日 : 2025年10月8日
経営課題はDXで解決する?その必要性や取り組む際の注意点を解説
中小企業の経営者にとって、経営課題をいかに解決するかは重要な課題です。経営にDXを導入し、データ活用や分析で正しい経営判断を行い、会社の問題の解決を図ることが、経営陣にこれからますます求められます。
ここでは、経営課題をDXで解決する必要性やそのメリット、進め方のほか、企業が取り組みを行う際の注意点を解説します。
目次
DXが経営に求められる背景や実現することとは?
はじめに、DXが経営に求められる背景や、DXによって実現することについて見ていきましょう。
デジタル化により業務効率化と生産性向上を実現
DXを導入すれば、デジタル化により業務効率化と生産性向上を実現できます。DXでは、それまで人の手で行っていた業務のうち、定型的なものについて、デジタル化により自動化することができます。
業務を自動化することで、空いた人手を別の部署、例えば、会社で重きを置く部門の業務に集中させることができ、業務効率化と生産性の向上を実現することが可能です。
人材不足をDXで解決
DXを導入すれば、以下のような理由から人材不足を解決できます。
今いる人材の活用
まず、定型的な業務を自動化することで、そこに充てていた人材をほかの部署に回すことが可能です。
新しい人材の確保
DXの導入は、新しい人材を募集する際の大きなアピールになります。DXを導入すれば、ビジネスのプロセスが変わるため、従業員に合わせた様々な働き方を実現できます。育児や介護をしている人、勉強と仕事を両立したい人、シニア層など、あらゆる層の人材を確保することができ、人材不足を解決できます。
迅速なデータ収集・管理により経営判断を最速化
会社を存続・成長させるためには、経営陣による正しい経営判断が必要不可欠です。そこで必要なのがデータドリブンです。データドリブンとは、会社が収集可能なさまざまなデータをもとに、経営判断(意思決定)をすることです。
DXを導入すれば、会社にあるデータが自然と蓄積され、一元管理できます。そうすることで必要なデータを迅速に抽出・分析することができ、経営判断を最速化できます。
ビジネスモデルを一新、抜本的な事業構造変革の実現も
DXによってビジネスモデルを一新し、抜本的な事業構造変革が実現します。例えば、バックオフィスとフロントオフィスの業務のスムーズな連携が可能になります。
また、DXで現在の情報資産を分析し、評価し直すことで、ビジネスモデルの最適化もできます。
DXに取り組む企業の現状
次に、DXに取り組む企業の現状を見ていきましょう。
大企業から中小企業までDX導入を進める企業は多数
一般社団法人日本能率協会が公表している「日本企業の経営課題 2022」によると、DXへの取り組み状況について「既に取り組みを始めている」企業は55.9%と半数を超えていました。また、大企業では、DX に取り組む企業が8割を超えています。
このことからも、多くの企業がDXの導入を進めていることがわかります。しかも、その多くが「取り組みの成果は出ている」と回答しているため、今後もDXを導入する企業は増加することが予想されます。
ITツール導入などにより業務効率化やコスト削減は進む
DXに取り組む企業では、ITツール導入などにより業務効率化やコスト削減が進んでいます。
上述した調査結果によると、DXに取り組んでいる企業のうち、業務プロセスの効率化・高度化を重視している企業は、なんと100%となっており、このことからも、DXの導入で業務効率化やコスト削減が進んでいることがわかります。
知識不足により事業変革までたどり着かない事例も
DXを進めるにあたり、社内にDXを扱う人材が必要になるほか、経営者層にもDXについての一定の知識が求められます。
しかし、DXについての知識を所有している人材は少なく、せっかくDXを導入しても、事業変革までたどり着かないこともあります。
DX推進が遅れてしまう経営課題と解決策
企業の成長のためには、DXは必要不可欠です。しかし、DX推進が遅れている企業も多いです。ここでは、DX推進が遅れる経営課題や解決策を見ていきます。
DXを推進させる人材や体制が充足しない場合
DX推進が遅れている大きな要因として、人材の不足が挙げられます。人材が不足するとDX推進の体制も作ることができません。
DXの知識のある人材を充実させるためには、社外からの人材確保だけでなく、研修などにより、社内の人材を育成する必要があります。
DXに対するビジョンや経営戦略が整備されていない場合
DXは、ただ導入すればよいというものではありません。社内でDXに対するビジョンや経営戦略が整備されている必要があります。
DX導入で何を改善したいのか、何を生み出すことができるのかを社内全体で考え、経営層だけでなく、従業員にもビジョンを共有することが重要です。
ITへの投資が足りない場合
DXの導入では、ITツールの導入費用だけでなく、社内体制の構築費用や人材の教育費用など、多くの費用がかかります。ITへの投資が足りないと、DXの導入がうまくいかないことも多いです。
資金が足りない場合は、DXの導入に使える補助金や助成金を利用することを考えます。
DXの導入には「IT導入補助金」や「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」などいくつかの補助金や助成金が利用できます。
それぞれの補助金や助成金で、要件や補助金の上限などが異なります。自社が使える補助金や助成金があれば、積極的に利用しましょう。
もはやデジタル対応は必須!会社経営にDXを導入しよう
DXの導入は、企業に「業務効率化と生産性向上の実現」や「人材不足の解消」「抜本的な事業構造変革の実現」など様々なメリットをもたらします。そのため、大企業から中小企業までDX導入を進める企業は多いです。
しかし、DXを推進させる人材や体制が充足しない、あるいはITへの投資が足りないと、DXの導入がうまくいかないこともあります。これらの課題を速やかに克服し、DXの導入を成功させることが、これから企業が生き残っていくためには必要不可欠といえるでしょう。
システム乱立を解消するためのステップとは?
多くの企業がバックオフィス業務効率化のため多様なクラウドシステムを導入するも、「便利なはずが非効率」という現実に直面しています。
その原因は、勤怠や経費など「部分最適」なシステム導入による乱立です。システム同士がつながらず、データの手入力やExcelでの突き合わせ作業が常態化。
これは「見えないコスト」を増やし、業務フローを複雑化させ、現場の負担を増大させます。システム乱立のリスクを整理し、業務アセスメントによる根本解決策をご紹介するホワイトペーパーを用意していますので、ぜひお気軽にご覧ください。
>「システム乱立を解消するためのステップ」の無料ダウンロードはこちら
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