• 作成日 : 2025年12月2日

スプレッドシートで条件に一致したら〇を付けるには?複数条件の指定テクニック

スプレッドシートで特定の条件に合致した場合に自動的に〇印を表示させる方法は、データ管理や進捗確認において非常に重要なスキルです。本記事では、Googleスプレッドシート(通称:スプシ、Google Sheets)やExcelで条件判定を行い、該当する場合に〇マークを付ける具体的な手法を解説します。IF関数を中心に、COUNTIF関数やAND・OR関数を組み合わせた複数条件の設定方法まで、実務で即活用できる内容を網羅的にご紹介します。

スプレッドシートで条件に一致したら〇を付けるには?

条件に一致したら〇を付けるには、IF関数を使用するのが最も基本的で効果的な方法です。IF関数は「もし〜なら〜、そうでなければ〜」という条件分岐を実現する関数で、セル内の値や文字列を判定基準として、〇印や任意の記号を自動表示できます。

IF関数の基本構文と使い方

IF関数の基本構文は =IF(条件式, 真の場合の値, 偽の場合の値) です。条件式には数値の比較、文字列の一致判定、日付の比較など様々な条件を指定できます。

例えば、A列に入力された点数が80点以上なら〇、そうでなければ空白を表示する場合:

=IF(A2>=80, “〇”, “”)

このように記述することで、A2セルの値が80以上の場合に自動的に〇印が表示されます。

文字列の完全一致で〇を付ける方法

文字列が完全に一致する場合に〇を表示したい場合は、イコール記号(=)を使用します。

例えば、ステータスが「完了」の場合に〇を付ける:

=IF(B2=”完了”, “〇”, “”)

大文字小文字を区別せずに判定したい場合は、UPPER関数やLOWER関数と組み合わせることも可能です。

数値の範囲指定で〇を付ける手順

特定の数値範囲内にある場合に〇を付けるには、AND関数と組み合わせます。

例えば、60点以上80点未満の場合に〇を表示:

=IF(AND(C2>=60, C2<80), “〇”, “”)

この方法により、複雑な範囲条件でも柔軟に対応できます。

複数条件を指定して〇を付けるには?

複数の条件を同時に判定して〇を付ける場合は、AND関数やOR関数をIF関数と組み合わせて使用します。AND関数はすべての条件が満たされた場合に真となり、OR関数はいずれかの条件が満たされた場合に真となります。

AND関数を使った複数条件の設定方法

すべての条件を満たす場合にのみ〇を付けたい場合は、AND関数を使用します。

例えば、売上が100万円以上かつ利益率が20%以上の場合:

=IF(AND(D2>=1000000, E2>=0.2), “〇”, “”)

条件を追加したい場合は、AND関数内にカンマ区切りで条件を追記できます。

OR関数を使った選択的条件の実装

いずれかの条件を満たせば〇を付けたい場合は、OR関数を活用します。

例えば、部署が「営業部」または「マーケティング部」の場合:

=IF(OR(F2=”営業部”, F2=”マーケティング部”), “〇”, “”)

この方法により、複数の選択肢から該当するものがあれば判定できます。

条件の優先順位を設定する方法

複雑な条件判定では、ネストしたIF文を使用して優先順位を設定できます。

例えば、90点以上なら「◎」、70点以上なら「〇」、それ以下なら「△」:

=IF(G2>=90, “◎”, IF(G2>=70, “〇”, “△”))

このように段階的な評価も実現可能です。

COUNTIF関数で条件に一致するデータがあれば〇を付けるには?

COUNTIF関数は、指定範囲内で条件に一致するセルの個数を数える関数で、該当データの存在確認に活用できます。この関数とIF関数を組み合わせることで、特定のリスト内に該当項目があるかどうかを判定し、〇印を付けることができます。

COUNTIF関数の基本的な使い方

COUNTIF関数の構文は =COUNTIF(範囲, 検索条件) です。

例えば、商品リストに特定の商品が含まれているか確認:

=IF(COUNTIF(商品リスト!A:A, H2)>0, “〇”, “”)

この数式により、別シートの商品リストに該当商品があれば〇が表示されます。

部分一致での判定方法

ワイルドカード(*)を使用することで、部分一致での判定も可能です。

例えば、商品名に「プレミアム」が含まれる場合:

=IF(COUNTIF(I:I, “*プレミアム*”)>0, “〇”, “”)

前方一致や後方一致も同様にワイルドカードの位置を調整して実現できます。

複数の検索条件を設定する応用例

複数の条件をCOUNTIFS関数で判定することも可能です。

例えば、特定の部署で特定の役職の人がいる場合:

=IF(COUNTIFS(部署列, “営業部”, 役職列, “課長”)>0, “〇”, “”)

このように複雑な条件でも柔軟に対応できます。

条件付き書式を使って視覚的に〇を表示させる方法は?

条件付き書式は判定と強調表示(色・太字など)に使い、〇などの記号は数式または表示形式で出力します。

実装パターンの例
  1. 補助列で文字を出す(最も簡単)
    例:=IF(SUM($A2:$E2)>=100,”〇”,””) を表示列に入れる → 条件付き書式は色付けに使用。
  2. 数値+カスタム表示形式で〇を見せる(Sheets/Excel共通テク)
    入力列は 0/1 を持たせ、表示形式を “[=1]〇;[=0]”””;” のように設定(Excelはユーザー定義、Sheetsはカスタム数値形式)。
    条件付き書式のカスタム数式は判定のみ(例:=SUM($A2:$E2)>=100)として背景色や文字色を変更。
  3. Excel限定の代替:アイコンセットで丸アイコン表示
    条件付き書式→アイコンセットで丸型を選び、しきい値を調整(Sheetsにはアイコンセット機能なし)。

条件付き書式の基本手順

    • 範囲を選択 → 書式→条件付き書式 → 条件で「カスタム数式」を選び、
      例:=SUM($A2:$E2)>=100
    • 書式スタイルでは色・太字・枠線などを設定(記号は設定不可)。
    • 〇を表示したい場合は、別セルのIF式カスタム表示形式で記号を出力します。

    色分けと記号の組み合わせ技

    条件付き書式では、〇印だけでなく背景色やフォント色も同時に変更できます。

    例えば、

    • 優秀(90点以上):青背景に◎
    • 良好(70点以上):緑背景に〇
    • 要改善(70点未満):黄背景に△

    このような視覚的な区別により、データの把握がより容易になります。

    VLOOKUP関数やXLOOKUP関数で参照先の条件に基づいて〇を付ける方法

    VLOOKUP関数やXLOOKUP関数を使用すると、別表のデータを参照して条件判定を行い、該当する場合に〇を付けることができます。マスターデータとの照合や、複数シート間でのデータ連携に非常に有効な手法です。

    VLOOKUP関数での判定実装

    VLOOKUP関数で参照先のステータスを確認して〇を付ける例:

    =IFERROR( IF(VLOOKUP(L2, マスターシート!A:B, 2, FALSE)=”有効”, “〇”, “”), “” )

    ※ 未登録時は空白を返す例。必要に応じて「未登録」などの文言に置き換えてください。

    XLOOKUP関数の活用方法(Excel・最新版のみ)

    XLOOKUP関数の活用方法(Excel/Googleスプレッドシート対応)

    =IF(XLOOKUP(M2, 検索範囲, 返り値範囲, “未登録”)=”登録済”, “〇”, “”)

    ※ Excel は Microsoft 365 / 2021 以降、Google スプレッドシートでも使用可能です。

    INDEX・MATCH関数の組み合わせ技

    より複雑な条件では、INDEX・MATCH関数の組み合わせが有効です。

    =IF(

    INDEX(返り値範囲,

    MATCH(N2&”|”&O2, INDEX(検索列1&”|”&検索列2,0), 0)

    )=”該当”,

    “〇”,””)

    ポイント:”|” などの区切りを挟んで結合し、INDEX(…,0) で縦ベクトル化してから MATCH。重複キーがあり得る場合は XLOOKUP(N2&”|”&O2, 検索列1&”|”&検索列2, 返り値範囲, “未該当”) のほうが分かりやすいです。

    配列数式やARRAYFORMULA関数で一括判定する効率的な方法は?

    配列数式やARRAYFORMULA関数を使用すると、複数のセルに対して一括で条件判定を行い、〇印を付けることができます。これにより、大量のデータに対する処理を効率化できます。

    ARRAYFORMULA関数の基本的な使い方

    Googleスプレッドシートで列全体に一括で条件判定を適用する例:

    =ARRAYFORMULA(IF(P2:P=”完了”, “〇”, “”))

    この一つの数式で、P列全体の判定が可能になります。

    複数列の同時判定方法

    複数の列を同時に判定する配列数式の例:

    =ARRAYFORMULA( IF( (LEN(Q2:Q)>0)*(LEN(R2:R)>0) * (Q2:Q>=80) * (R2:R>=80), “〇”, “” ) )

    先に LEN() で空白除外を掛けると余計な行に〇が出にくくなります。OR 条件は + を使い、>0 で真偽化します(例:((条件1)+(条件2))>0)。

    動的範囲での配列処理

    データの増減に対応する動的な配列数式:

    =ARRAYFORMULA(IF(LEN(S2:S)>0, IF(S2:S>=基準値, “〇”, “”), “”))

    空白セルを除外しながら、データがある部分のみ判定を行います。

    スプレッドシートで効率的に条件判定と〇付けを行うために

    スプレッドシートで条件に一致したら〇を付ける機能は、IF関数を中心とした各種関数の組み合わせで実現できます。

    単純な条件にはIF関数、複数条件にはAND・OR関数、データ検索にはVLOOKUP関数やCOUNTIF関数を使い分けることが重要です。

    また、条件付き書式やデータ検証機能を併用することで、より視覚的で使いやすい表を作成できます。

    業務の効率化と正確性向上のために、これらの機能を適切に組み合わせて活用しましょう。


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