- 更新日 : 2025年12月8日
アンラーニングとは?意味は?リスキリングとの違いやメリットを解説!
アンラーニングとは、必要に応じてこれまでの知識やスキルを手放し、新たな学習を通じて自身をアップデートさせることです。「学習棄却」や「学びほぐし」とも呼ばれます。アンラーニングの意味や注目された背景、メリットなどをまとめました。
アンラーニングとは?
アンラーニングとは、現状に合わないと判断したそれまでの価値観やスキルを手放し、成長や進化に応じて新しい学びを得て、自身をアップデートさせることです。過去の知識をすべて棄てるのではなく、現状に合わない価値観や固定概念を取捨選択することがポイントです。
アンラーニングとリスキリングの違いや、経験学習モデルとの関係などを解説します。
日本語では「学習棄却」や「学びほぐし」とも言われる
アンラーニングは、日本語では「学習棄却」や「学びほぐし」とも言われます。「学習棄却」という言葉からは、すべてを棄てるといった意味が連想されますが、あくまでもそのときに価値観に照らした取捨選択を行うイメージです。
すべてを棄てるわけでも、自分が正しいと考えていることに固執するわけでもなく、状況に合わせて価値観を刷新していくことを指します。
リスキリングとの違い
アンラーニングとリスキリングの主な違いは、知識やスキルを取捨選択するのか、新たにそれらを獲得するのかという点にあります。アンラーニングは過去に得た知識や価値観の取捨選択をメインに行うのに対し、リスキリングは新たなスキルの獲得に主眼を置く取り組みです。
ただし、アンラーニングとリスキリングは相反するものではありません。アンラーニングに取り組むことは、リスキリングを促進する効果があるためです。具体的には、過去の学びや成功体験を取捨選択することで、新たな知識の習得が阻害されることを防ぎます。つまり、アンラーニングはリスキリングの土台になるといえるでしょう。
経験学習モデルとの関係
アンラーニングは、「経験学習モデル」とも深い関係があります。経験学習モデルとは、経験を通して学んだ知識やスキルを、新たな業務で活かす学習プロセスのことで、アメリカの組織行動学者である、デイビット・コルブ氏が提唱しました。「具体的経験」「内省的反省」「概念化・抽象化」「能動的実験」の4つのサイクルを繰り返すことを指します。
4つのステップのうち、「概念化・抽象化」において、過去の教訓や学びにいつまでも固執していると、そこから新たな教訓を得られないでしょう。そのため、経験学習モデルへの取り組みにおいても、アンラーニングは欠かせないプロセスであるといえます。
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アンラーニングが注目された背景
アンラーニングが注目された背景としては、近年のめまぐるしく変わるビジネス環境が挙げられるでしょう。時代の変化に対応していくには、年齢にかかわらず誰もがアンラーニングを行い、知識やスキルの陳腐化を防がなければなりません。
アンラーニングは個人に限った取り組みではなく、企業などの組織にも求められます。市場において高い優位性を保ち続けるには、アンラーニングを行い、成長を続けていく必要があるでしょう。
アンラーニングを行うメリット
企業がアンラーニングを行うメリットは、主に以下の3点です。
- 従業員の自己成長につながる
- 業務改善・効率化に寄与する
- 従業員の意識改革につながる
- 時代の変化に強い企業になる
各メリットを解説します。
従業員の自己成長につながる
アンラーニングの取り組みは、従業員の自己成長を促します。一定の知識や技術の習得を理由に学びを放棄してしまうと、そこからの成長は見込めないためです。
マネジメントを担う管理者や熟練の技術者であっても、かつて習得した知識や経験がいつまでも有効であるとは限りません。むしろ、管理者や熟練の技術者にこそ、過去の知識や経験に固執せずに、価値観や知識の取捨選択を行うことが求められるといえます。
業務改善・効率化に寄与する
業務改善・効率化に寄与する点も、アンラーニングのメリットです。「今までずっとこのやり方をしていたから」と思考停止の状態で仕事を進めていては、業務の効率化は一向に進まないでしょう。
アンラーニングを行うことで、既存の仕事の進め方や求められるスキルなどを、フラットな視点で見直せるようになります。それにより、業務改善や新たな視点に基づいた業務フローの導入が実現するでしょう。
従業員の意識改革につながる
アンラーニングに取り組むことで、従業員の意識改革も進むと考えられます。
アンラーニングは、培ってきた経験や知識を見直し、そのときに必要なものを取捨選択する取り組みです。「すでに知識やスキルを習得しているため、新たに学ぶことは何もない」と考えている従業員については、その考え方自体を変化させなけれななりません。
アンラーニングに取り組むことで、おのずと各従業員の意識改革を促し、組織の成長を妨げる過去に固執した価値観や手法を手放すことが可能になります。
時代の変化に強い企業になる
アンラーニングは、時代の変化に強い企業になるためにも欠かせない取り組みです。既存の仕事の進め方や価値観にとらわれず、新たな学びを習得する慣習が根付けば、組織は時代の変化に応じて成長ができるでしょう。
常に取捨選択を行いながら、棄てることや学ぶことを抵抗なく行えるようにすることは、変化の激しい時代には必須といえます。
アンラーニングを実施する方法
ここからは、アンラーニングを実施する方法を確認していきましょう。アンラーニングは、以下のようなステップで実施します。
- 従業員に内省・振り返りの機会を設ける
- 自身の価値観において「必要・不要」を判断する
- 不要なスキルへの依存を断つ・行動を行う
各ステップで行う内容について解説します。
1. 従業員に内省・振り返りの機会を設ける
はじめに、各自が内省・振り返りを行う機会を設けましょう。内省・振り返りは、知識や経験の区分だけでなく、自分自身が抱える「こだわり」を認識できる機会でもあります。「このやり方をしてきたから」「ルールで決まっているから」といった概念を、手放すことも大切です。
1人では、内省・振り返りを行うことが難しい場合もあります。人事部門やチームメンバーがサポートに入ったり、ワークショップで行ったりすることなども検討しましょう。
2. 自身の価値観において「必要・不要」を判断する
内省によって洗い出した自分の価値観やスキルについて、古くなっているものと今後も使えそうなものを区分けします。このステップも1人で行うのではなく、チームメンバーや上司からのフィードバックを得ながら行うことが効果的です。
現状のビジネス環境や社会で求められるものは何か、他者の価値観とも照らし合わせながら、手放すスキルや価値観を明確にしていきます。
3. 不要なスキルへの依存を断つ・行動を行う
スキルや価値観の取捨選択を終えたら、不要だと判断したものへの依存を断ちつつ、新たな行動に移ります。
実際に行動することなく、価値観だけを変化させることは現実的ではありません。従業員に対して、異なる価値観を持つ相手と交流する機会や、これまでの固定概念を断ち切れるような体験をできる機会を提供する必要があります。
価値観を変化させるには時間を要するため、コーチングや1on1ミーティングなどを実施し、振り返りや新たな学びにつながる取り組みを継続していきましょう。
アンラーニングを実施するうえでの注意点
従業員の自己成長や、変化に対応できる組織への脱却に向けて欠かせないアンラーニングですが、実施に際して注意点もあります。主な注意点は以下のとおりです。
- 従業員のモチベーション低下につながる可能性も
- 個々人に求めるのではなくチーム単位で行う
それぞれの内容を解説します。
従業員のモチベーション低下につながる可能性も
アンラーニングを行うことで、従業員のモチベーション低下を招かないように注意しましょう。
過去の経験や学びを棄てる局面が出てくるため、これまで自分が培ってきたものを否定されていると捉えられる可能性があります。決して個々の経験やスキルなどを否定するのではなく、成長に必要な取り組みであることを繰り返し伝えていくことが重要です。
個々人に求めるのではなくチーム単位で行う
アンラーニングは個人でも取り組めますが、チーム単位で行うことで、より一層の効果を得られるでしょう。
1人だけが過去のやり方や慣習を断ち、新たな方法で業務を進めようとすると、周囲との間に軋轢が生まれかねません。ある程度のスピード感を持って意識改革や業務効率化を進めるために、チーム単位でアンラーニングを行うようにしましょう。
アンラーニングに取り組み組織の成長につなげよう
アンラーニングとは、必要に応じてそれまでの価値観やスキルを手放し、成長や進化に応じて新しい学びを得ることで、自分をアップデートさせることです。近年の変化の激しいビジネス環境に対応していくためには、誰もがアンラーニングを行い、知識やスキルの陳腐化を防がなければなりません。
ただし、個々人で内省・振り返りや、価値観やスキルの取捨選択を行うことは難しい可能性があります。外部からの刺激を受けながら取り組めるように、人事部門やチームメンバーがサポートに入ったり、ワークショップで行ったりすることなどが効果的です。アンラーニングに取り組み、組織の成長につなげましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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