• 更新日 : 2026年1月14日

Will・Can・Mustとは?意味や使い方・目標設定のやり方まで解説

人材育成やキャリア開発の現場で注目が高まっているWill・Can・Mustですが、次のような疑問を抱くビジネスパーソンは少なくありません。

「Will・Can・Mustとはどんなフレームワークなのか?」
「自己理解や目標設定にどう役立つのか?」
「組織の評価や育成とどうつながるのか?」

Will・Can・Mustは、Will=やりたいこと・Can=できること・Must=求められる役割を整理し、個人のキャリアと組織の目標をつなぐためのメソッドです。

自分の強みや志向を深く理解しながら、現実的でブレない目標を描ける点が強みで、企業の1on1面談・評価制度・研修でも広く導入が進んでいます。

本記事では、各要素の意味、具体的な設定方法、活用シーン、組織に浸透させる方法まで体系的に解説します。キャリアの方向性を明確にしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

Will・Can・Mustとは?

Will・Can・Mustは、人材育成やキャリア形成のために用いられるフレームワークです。自己理解を深めながら目標設定を行い、個人の成長と組織の成長を同時に支援する目的で活用されます。

Will・Can・Mustの三つの視点を整理することで、自分がやりたいこと、できること、求められていることが明確になり、キャリアの方向性や具体的な行動計画を立てやすくなります。

それぞれの要素をバランスよく捉えることで、納得感のあるキャリア形成につながるフレームワークです。

Willとは

Willは、自分が将来やりたいことや実現したい理想の姿を示す要素です。キャリアデザインの出発点となる重要な考え方であり、自分自身の内側にある価値観や願望を明確にする役割を持ちます。

過去の経験や印象に残っている出来事、将来こうなりたいと感じる人物像などを振り返ることが、Willを見つけるヒントになります。Willはモチベーションの源泉となり、目標に向かって行動し続けるための推進力となるでしょう。

Canとは

Canは、現在自分ができることや保有しているスキル、強みを示す要素です。実現可能な目標を設定するために、現時点での能力や経験を客観的に把握することを目的としています。

自己評価だけでなく、上司や同僚からのフィードバックやスキルマップなどを活用すると、より正確な理解につながります。WillとCanの間にあるギャップを認識することで、今後どのようなスキルを伸ばすべきかといった成長課題が明確になるでしょう。

Mustとは

Mustは、組織や社会から求められている役割や責任を示す要素です。自分の希望だけで考えるのではなく、組織の目標や現状、抱えている課題を踏まえて逆算する視点が求められます。

組織のMustと自分のWill・Canを重ね合わせることで、現実的で実行可能な目標を設定しやすくなります。Mustを意識した行動は組織からの信頼を得やすく、評価やポジションにも直結する重要な要素です。

Will・Can・Mustの具体的な目標設定方法

Will・Can・Mustを用いた目標設定では、それぞれの要素を具体的な言葉で整理し、相互の整合性を取ることが重要です。やりたいことだけでなく、できること、そして求められている役割をあわせて考えることで、理想論に偏らない現実的かつ意義ある目標を設定できます。

ここでは、Will・Can・Mustそれぞれの具体的な設定方法について解説します。

Will(やりたいこと)の設定方法

Willを明確にするためには、まず自分の過去を振り返り、印象に残っている経験ややりがいを感じた場面を洗い出しましょう。どのような状況で前向きに取り組めたのかを整理することで、自分が本当にやりたい方向性が見えてきます。

また、憧れの人物像や将来なりたい姿を具体的にイメージすることも重要です。何歳までにこうなりたいといった数値目標を設定すると、行動の優先順位が明確になります。曖昧な表現を避け、言語化によって自分自身が納得できるWillを定めることが、継続的な行動につながります。

Can(できること)の設定方法

Canを設定する際は、過去の成功体験や成果を整理し、そこから自分のスキルや強みを抽出しましょう。実際に結果が出た経験を基準にすることで、再現性のあるCanを把握できます。

さらに、上司や同僚からのフィードバックを参考にすると、自分では気づきにくい強みを認識しやすくなります。スキルマップや適性診断ツールを活用して客観的に現状を把握し、成果を可視化することで、評価や行動の根拠となるCanを明確にできるでしょう。

Must(求められる役割)の設定方法

Mustを定めるためには、まず所属組織の目標やビジョンを確認しましょう。その上で、組織内の課題や役割分担を把握し、自分がどの部分で貢献できるのかを特定します。

WillとCanだけで目標を立てるのではなく、Mustを軸に据えることで、現実的な行動計画を設計できます。上司との1on1や評価面談を通じて認識をすりあわせておくことで、期待とのズレを防ぎ、納得感のある目標設定が可能です。

Will・Can・Mustを活用するメリット

Will・Can・Mustを活用することで、個人の目標設定やキャリア形成が整理され、組織全体の一体感や成果向上にもつながります。

3つの視点を組み合わせて考えることで、理想と現実、個人と組織の関係性をバランスよく捉えられる点が大きなメリットです。

目標が明確になることでモチベーションが向上する

Will(やりたいこと)を言語化することで、自分が進みたい方向性が明確に設定可能です。理想の姿を具体的に描きながら、そこに至るまでの道筋を整理できるため、目標に対する納得感が高まります。

また、Can(できること)とのギャップを認識することで、これから身につけるべきスキルや経験が明らかになり、行動への意欲が高まります。加えて、数値目標を設定することで進捗を振り返りやすくなり、達成感を得やすくなるでしょう。

チームのエンゲージメントが高まる

個々のWill・Can・Mustを共有することで、メンバー同士の理解が深まり、連携が強化されます。組織全体で目標や強みを共有することで、互いに不足を補い合う関係が生まれやすくなるでしょう。

また、Must(やるべきこと)を意識することで、自分の役割や責任を自覚しやすくなります。その結果、エンゲージメントが向上し、離職率や生産性にポジティブな影響を与えます。

自律的なキャリア形成が進む

Will・Can・Mustを用いることで、キャリアの方向性を自分で設定し、具体的な行動計画を立てやすくなります。Willを中心に据えることで、自分自身が納得できるキャリアプランを描けるでしょう。

Canを把握することで、現実に即した目標設定が可能です。さらに、Mustを理解することで、組織との関係性の中でキャリアを捉える視点が育まれます。

Will・Can・Mustのフレームワーク活用シーン

Will・Can・Mustフレームワークを以下のような場面で活用することで、モチベーションの向上や役割の明確化が図れます。状況に応じて3つの視点を整理することで、自身の行動や判断に一貫性を持たせやすくなります。

キャリアを見直したいとき(年次・節目の自己棚卸し)

キャリアを見直す場面では、自分のやりたいことであるWill、できることであるCan、会社から求められていることであるMustを見える化することで、現在地と将来像を客観的に整理できます。

過去の経験を振り返り、充実していた時期ややりがいを感じた出来事を洗い出すことで、自分のWillを再確認しやすくなるでしょう。あわせて、スキルマップの作成や周囲からのフィードバックを活用してCanを整理することで、自身の強みと課題を把握できます。

また、Mustを考えることで、組織にどのように貢献すべきかという視点が育ち、現実的で納得感のあるキャリアプランを立てやすくなります。

異動・昇進・新しい役割を担うとき

異動や昇進などで役割が変わる際には、変化したMustに対応するためにWill・Can・Mustを再定義することが重要です。自分の強みであるCanが新しい役割にどのように活かせるかを整理することで、不安を軽減し、自信を持って新しい環境に臨めます。

また、Willを明確にすることで、新しい職務においても自分らしさを保った目標設定が可能です。組織からの期待であるMustを具体的に理解し、それをWillやCanと結びつけることで、戦略的で実行力のある目標を設定できます。

新プロジェクトや新しいチャレンジを始めるとき

新しいプロジェクトやチャレンジに取り組む際には、現在持っている能力であるCanをどのように活かすか、そして新たに習得すべきスキルや果たすべき役割であるMustを明確にすることが必要です。

Willを起点に目標を設定し、Canとのギャップを確認することで、必要な準備や学習内容が具体化します。Mustとして求められる役割や成果に意識を向けながら、WillとCanを組み合わせて行動計画を設計することで、実現可能性の高いアクションにつながります。

このフレームワークを用いることで、やりたいことだけに偏らず、成果に結び付くバランスの取れた行動が可能です。

1on1や面談・評価の場面で活用するとき

1on1や面談、評価の場面では、上司と部下がWill・Can・Mustの観点で対話することで、部下の意欲や課題、期待される役割を共有しやすくなります。フレームワークを用いることで、部下のキャリアビジョンや現在抱えている不安や悩みを引き出しやすくなるでしょう。

Canの把握に上司からのフィードバックを取り入れることで、部下の自己理解を深める効果も期待できます。Willを丁寧に確認し、それに沿ったMustや成長支援を検討することで、部下のエンゲージメント向上につながります。

評価やフィードバックの指標としてWill・Can・Mustを活用することで、より納得感のある評価を行いやすくなるでしょう。

組織としてキャリア開発を推進したいとき

組織全体でキャリア開発を進めたい場合には、Will・Can・Mustフレームワークを共通言語として導入することが有効です。

キャリアデザイン研修や1on1制度と組み合わせて活用することで、社員一人ひとりのWill・Can・Mustを可視化・共有でき、組織内の相互理解と連携が強化されます。組織の目標と個人の目標が結び付くことで、目標達成に対するモチベーションと整合性が高まります。

また、チーム間でWill・Can・Mustを共有することで、互いに補完し合える体制が整い、チーム全体のパフォーマンス向上につながるでしょう。

Will・Can・Mustを社内に浸透させる方法

Will・Can・Mustを社内に浸透させるためには、個人任せにせず、組織として活用する仕組みを整えることが重要です。

研修や面談、日常のマネジメントに組み込むことで、従業員一人ひとりのキャリア意識を高め、組織全体の成長につなげられます。

ここでは、社内に定着させるための具体的な方法を解説します。

キャリアデザイン研修に導入する

Will・Can・Mustを軸としたキャリアデザイン研修を実施することで、従業員の自己理解と目標設定を体系的に支援できます。研修を通じて、自身のやりたいこと、できること、組織から求められていることを整理できるため、キャリアの方向性が明確にできるでしょう。

その結果、自分自身のキャリアを主体的に考える姿勢が育ち、キャリア自律が促されます。目標に対する納得感が高まることで、日々の業務に対する意欲の向上にもつながります。

継続的に見直す仕組みづくりを行う

Will・Can・Mustは一度設定して終わりではなく、定期的に見直すことが欠かせません。VUCA時代においては、役割や求められるスキルが変化しやすいため、柔軟に更新できる仕組みが必要です。

半期ごとの1on1やキャリア面談など、見直しの機会を制度として設けることで、継続的な運用が可能になります。定期的な振り返りを行うことで、自身の成長を実感しやすくなり、次の目標設定にも自然につながるでしょう。

マネージャー向けの指導と声かけを工夫する

Will・Can・Mustを社内に浸透させる上では、マネージャーの関わり方が重要です。マネージャーが部下のWill・Can・Mustを理解し、日常の会話や1on1で意識的に活用することで、フレームワークは実践的なものになります。

期待するMustを明確に伝えることで、部下は自身の役割を具体的に捉えられるでしょう。また、Willを引き出す問いかけを行うことで、部下の目標や意欲を把握しやすくなります。組織の目標と個人の目標を結びつけるサポートを行うことで、部下の自律的な行動が促されます。


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