• 更新日 : 2025年12月15日

【例文付き】異動挨拶メールの返信はどうする?社内・社外の書き方を解説

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社内の上司や同僚、社外の取引先から異動挨拶のメールが届いた場合、どのように返信すべきか悩む方も多いのではないでしょうか。

返信の際は、単なる確認連絡で終わらせず、これまでの感謝をしっかり伝えることが大切です。お礼の言葉に加えて相手との思い出(エピソード)を一文添えたり、新天地での活躍を応援する言葉で締めくくったりすることで、相手の心に残る温かいメッセージになります。

この記事では、異動挨拶メールの返信の構成や社内・社外別のそのまま使える例文、担当者変更や後任への連絡方法、気の利いたフレーズまでわかりやすく解説します。

異動挨拶メールの返信の構成

異動挨拶メールに返信する際の基本的な構成は、はじめに感謝を伝え、思い出を共有し、未来を応援するような構成にしましょう。もっとも大切なのは、できるだけ早めに、温かみのある返信をすることです。難しく考える必要はありません。

1. 最初の一文ではお礼を伝える

最初の一文では、異動挨拶メールを送っていただいたことに対するお礼を伝えます。わざわざ挨拶の連絡をいただいたこと、そしてこれまでの関わりに対する感謝を伝えます。「異動のご連絡をいただき、誠にありがとうございます」など、簡単なお礼の言葉を記載しましょう。

相手が目上の人であれば「在任中は公私にわたり大変お世話になり、心より感謝申し上げます」と続けると、より丁寧な印象になるでしょう。

2. 差出人とのエピソードを簡単に添える

定型文だけでは、どうしても事務的で冷たい印象になりがちですので、差出人との関係性や過去のエピソードを、短い文章で盛り込みます。

「○○プロジェクトでご一緒した際は、お力添えいただき誠にありがとうございました」

「入社当時、右も左もわからない私を丁寧に指導してくださったこと、今でも感謝しています」

といった具体的なエピソードを入れることで、相手への思いが伝わりやすくなります。あまり面識がない場合も、「○○部の業務では大変お世話になりました」と、差出人の業務内容に簡単に触れるようにしましょう。

3. 今後の活躍を応援する結びで締める

メールの結びには、新しい部署での活躍やこれからのキャリアを応援する言葉で文章を締めます。「さらなるご活躍を心よりお祈り申し上げます」といった表現で、相手を後押しする気持ちを伝えましょう。また、「環境が変わりますので、どうぞご自愛ください」といった健康を気遣う言葉を添えるのも、大人な対応といえるでしょう。

「これからも何かありましたらぜひお知らせください」といったメッセージを添えると、異動後も連絡を取りやすくなります。

社内の異動挨拶メールの返信の例文

社内の方から異動挨拶メールを受け取った場合、相手の立場や関係性を考慮しながら返事することが大切です。ここでは、上司・同僚・部下、そしてあまり面識がない方への返信例文をご紹介します。

上司・先輩の異動挨拶メールの返信の例文

日頃お世話になっている上司や先輩が異動する場合、敬意と感謝を込めて返信するのが基本です。これまでの指導やサポートに対する感謝や、今後の活躍への期待をしっかりと伝えましょう。

○○部長

このたびは異動のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
○○です。

○○部長には、これまで大変お世話になりました。○○のプロジェクトで困ったときにも丁寧にご指導いただき、心より感謝しております。○○部長のご指導やサポートのおかげで、ここまで成長できました。

寂しくなりますが、教えていただいたことを活かし、チームに貢献できるよう精進いたします。 新しい部署での益々のご活躍をお祈りしております。

今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

同僚・同期の異動挨拶メールの返信の例文

同僚や同期の異動挨拶メールは、上司や先輩ほどかしこまる必要はありませんが、これまでの思い出や新しいスタートを応援する気持ちを伝えることが大切です。また、今後も気軽に連絡を取り合う姿勢も伝えられるとよいでしょう。

○○さん

お疲れ様です。○○です。

お忙しいところ、異動のご連絡をいただきありがとうございます。

○○のプロジェクトでは、○○さんの前向きな言葉にいつも励まされていました。苦しい状況を乗り越えられたのは、○○さんのおかげです。

部署は離れてしまいますが、落ち着いたらまたランチでも行きましょう。 新しい環境でも、○○さんのご活躍を心から応援しております。

また何かあればいつでもお声がけください。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

部下・後輩の異動挨拶メールの返信の例文

部下や後輩の異動挨拶メールでも、感謝やねぎらいの言葉を伝えるとよいでしょう。これまでの努力を励ましつつ、困ったことがあればサポートする姿勢も伝えると、上司や先輩としての誠意を示せます。

○○さん

お疲れ様です。○○です。

異動のご連絡をいただきありがとうございます。

○○さんの柔軟な対応力は、チームにとって大きな助けになりました。新しい部署での更なる成長を、上司として期待しています。

慣れないうちは大変かもしれませんが、わからないことがあれば遠慮なく相談してください。

○○さんのこれからの活躍を心より願っています。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

差出人とあまり面識がない場合の例文

社内でも部署が異なるなど、差出人とあまり面識がない場合は、無理に親密さをアピールするより、簡単な文章にまとめると好印象です。直接的な関わりがなかったことを踏まえつつ、部署としてお世話になった部分に感謝するのもよいでしょう。

○○様

お疲れ様です、○○部の○○です。

このたびは異動のご連絡をいただきありがとうございます。

一緒にお仕事する機会は少なかったものの、○○様のご活躍はよく耳にしておりました。短い間ではございましたが、大変お世話になりました。

新しい部署での○○様のさらなるご活躍を心よりお祈りしております。

社外の取引先からの異動挨拶メールの返信の例文

社外の取引先から異動挨拶メールを受け取った場合、相手の役職や会社との関係性を考慮しながら返信する必要があります。丁寧な感謝とともに「今後も変わらぬお付き合い」をお願いしましょう。

社内の方からのメールよりも、ビジネスマナーを意識した返信を心がけましょう。

○○株式会社

○○部 ○○様

いつもお世話になっております。 株式会社△△の○○です。

このたびは異動のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。

○○様には、これまで△△のプロジェクトをはじめ、多岐にわたりご協力いただきましたことを改めて感謝申し上げます。特に納期の件でご調整いただいた際は、大変助かりました。

新天地でも、これまで以上にご活躍されることと存じます。後任の△△様とも、引き続き連携を深めてまいりたいと存じます。

今後とも何かございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

担当者変更に伴う後任や引き継ぎの連絡への返信の例文

「担当者が変わります」という連絡は、前任者へのねぎらいと、後任者への挨拶をセットで行い、スムーズな引き継ぎをサポートします。

ここでは、「後任者がCCに入っている場合」や「後任者から着任メールが来た場合」の返信方法を解説します。

後任者がCCに入っている場合の「全員返信」例文

担当者変更のメールは「To:あなた」「CC:後任者(新担当)」という形で送られてきます。この場合は、「全員に返信」機能を使って、前任者への感謝と後任者への挨拶を一度に済ませるのがスマートでしょう。

【書き方のポイント】
  • 宛名は「前任者様(CC:後任者様)」と併記するか、本文中でそれぞれに呼びかける。
  • 前任者には「お礼」、後任者には「歓迎とこれからのお願い」を伝える。

件名:Re: 担当者変更のお知らせ(株式会社○○) 

株式会社○○ ○○様(前任者)

(CC:△△様(後任者))

いつもお世話になっております。 株式会社△△の○○です。

ご丁寧にご連絡をいただき、ありがとうございます。 担当者変更の件、承知いたしました。

○○様(前任者)

これまで迅速かつ丁寧なご対応をいただき、誠にありがとうございました。 ○○様のおかげで、安心して業務を進められました。 新しい部署でのご活躍を心よりお祈り申し上げます。

△△様(後任者)

(はじめまして。)このたびは、後任としてご担当いただけるとのこと、大変心強く存じます。 貴社の○○プロジェクトにつきまして、引き続きご相談させていただくこともあるかと存じますが、何卒よろしくお願いいたします。

改めまして、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

後任者から着任挨拶が来た場合の返信例文

前任者からのメールとは別に、後任者から「着任のご挨拶」メールが届くこともあります。この場合は、これからの実務の話が中心になりますので、なるべく早めに「確認しました」という安心感を与える返信をしましょう。

【書き方のポイント】
  • 前任者からの引き継ぎを受けていることを確認する。
  • 直近で打ち合わせが必要であれば、その日程調整も提案する。

件名:Re: 着任のご挨拶(株式会社○○ 氏名)

株式会社○○ △△様

はじめまして。株式会社△△の○○と申します。 ご丁寧に着任のご挨拶をいただき、ありがとうございます。

前任の○○様より、△△様は○○の分野にお詳しいと伺っておりました。 これからご一緒できることを楽しみにしております。

現在進行中の案件につきましては、別途お打ち合わせのお時間をいただけますと幸いです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

異動挨拶メールに返信するときのポイント

異動挨拶メールに返信するときは、相手の状況を想像し、負担をかけない配慮をすることが大切です。最後に、異動挨拶メールに返信するときのポイントを紹介します。

なるべく早めに返信する

異動挨拶のメールの返信を後回しにすると、相手が不安になる可能性があります。また、相手のメールアドレスが異動日に使えなくなるケースもあります。できれば受信後24時間以内、難しい場合でも2〜3日以内に返信するのが理想的です。

すぐに返信できない場合は、簡単な挨拶と謝罪の言葉だけでも先に送りましょう。後ほど落ち着いてから改めて丁寧な文面を送ると、より好印象を与えられます。

宛名や返信先を間違えないようにする

異動挨拶のメールに急いで返信しようとして、宛先や返信先を間違えてしまうケースがあります。相手の役職や氏名を送信前に確認することが大切です。社外の方へのメールの場合は、社名の略称や表記揺れにも注意しましょう。 特にBCCで送られてきたメールに対して、うっかり「全員に返信」をしてしまうと、面識のない多数の人に返信が届いてしまい、情報漏洩や迷惑メール扱いになるリスクがあります。返信ボタンを押す前に、必ず宛先(To/CC)を確認しましょう。

相手との関係性によって文章を調整する

異動挨拶のメールの返信では、相手の立場や関係性によって文章を調整することも大切です。

親しい同僚や部下への返信の場合、ある程度フランクでもよいでしょう。一方、上司や取引先などへの返信の場合は、失礼がない敬語表現を心がけます。特に、「ご指導いただきありがとうございました」「今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」といった一文を加えると、礼儀正しい印象を与えられます。

一斉送信の異動挨拶メールも必要に応じて返信する

一斉送信の異動挨拶メールでも、差出人と普段からやり取りしている場合は、個別に返信するのがおすすめです。一方で、あまり関係がない部署や担当者であれば、必ずしも返信しなくても失礼ではありません。

一斉送信の異動挨拶メールに対しては、長文で細かなエピソードを語る必要はありません。必要以上に長い返信は避けて、必要事項だけ簡潔に伝えるようにしましょう。

なお、一斉送信の異動挨拶メールで、むやみに「全員に返信」機能を使わないよう注意しましょう。意図しない相手にまで返信が届いてしまい、相手のプライバシーや業務の進行に影響を与える可能性があります。

異動挨拶の返信で使える気の利いたフレーズ

異動挨拶の返信には、「こちらこそ」や「返信はお気遣いなく(返信不要)」などのクッション言葉やフレーズを状況に合わせて一言添えることで、相手への配慮を示せます。

「こちらこそ」の使い方

異動の挨拶メールには「大変お世話になりました」と書かれていることが多いです。それに対し、「こちらこそお世話になりました」と返すのが自然です。

  • 「こちらこそ、○○様には多大なるご支援をいただき感謝しております。」
  • 「こちらこそ、いつも温かいお言葉をいただき、励みになっておりました。」

このように、「こちらこそ」の後に感謝の言葉を続けると、より心がこもった表現になります。

返信不要を伝える「返信はお気遣いなく」の使い方

異動時期は、挨拶回りや引き継ぎで相手は非常に多忙です。返信メールを送ることで、相手に「さらに返信しなくては」と思わせないよう、気遣いの言葉を添えるのもよいでしょう。

  • 「なお、異動前でお忙しいことと存じますので、ご返信には及びません。」
  • 「ご多忙の折かと存じますので、返信はお気遣いなくなさってください。」

異動は人脈を広げるチャンス

多くの人は異動挨拶を「別れの挨拶」と捉えますが、実は「人脈を広げるチャンス」でもあります。相手が新しい部署に行けば、これまで接点がなかった分野とつながりができるかもしれないからです。

メールアドレスが変わってしまうと連絡が取れなくなる可能性があるため、親しい関係であれば、ビジネスSNSでのつながりを提案するのも現代的な方法です。

「もしよろしければ、今後は●●などでつながりを維持させていただけますと幸いです。」

また、「また会いましょう」という社交辞令を一歩進めて、具体的な未来の約束を匂わせるのも効果的です。

「新しい環境に慣れた頃に、ぜひ改めてお祝いのランチでもご一緒させてください。」

異動挨拶メールは相手との関係構築のチャンス

異動挨拶メールへの返信は、社内外を問わず相手の立場を尊重し、感謝や応援の気持ちを伝えることが大切です。

社外の取引先には会社としての感謝を、社内の仲間には労いと応援を、担当者変更の際には前任と後任双方への配慮を忘れずに伝えることがポイントです。たとえ短い文章であっても、具体的なエピソードや温かい言葉が含まれていれば、相手の心に深く残ります。

この記事を参考に、相手に失礼のないマナーを守りつつ、相手と良好な関係を構築しましょう。

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