- 更新日 : 2024年12月18日
17連勤は違法?労働基準法に基づき分かりやすく解説!
17日間連続で働き続けると、自分の時間や家族との時間が削られていきます。趣味やリラックスするための時間を取ることができないため、気分転換ができず、日々の疲れがさらに増していくように感じられます。
本記事では 「17連勤は違法なのか?」 という疑問を労働基準法に基づいて分かりやすく解説します。法令遵守はもちろん、従業員の健康や働きやすさを守るためのポイントも合わせてお伝えしますので、労務管理の改善にお役立てください。
目次
17連勤は違法?
17連勤が違法かどうかは、企業が「法定休日」をどのように設定しているかによって判断されます。
(1) 週1日の法定休日を設定している場合
この場合、最大で12連勤が上限となります。したがって、17連勤は12日を超えて働いてしまうため、法定休日が適切に確保されていないと判断されます。
(2) 4週間で4日の法定休日を設定している場合
4週間(28日間)で4日以上の休日を確保する形であれば、最大48日間連続して勤務することが理論上可能とされています。そのため、17連勤はこの制度の範囲内であれば法的には問題ないと考えられます。
ただし、いずれの場合も健康管理や労働者保護の観点から、長期的な連勤は望ましくないといえます。
※36協定が締結されている場合には、極論連続勤務自体には上限はないものの、労働時間の限度時間があります。(もっとも、長期間の連勤は好ましくありません)
※労働基準法第41条では、管理監督者(監督・管理の立場にある者や機密業務を扱う者)には労働時間や休憩、休日に関する規定が適用されません。ただし、健康管理の観点から、一般の従業員と同じような配慮が求められます。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
労働基準法の基本と実務 企業がやりがちな15のNG事項
労働基準法は「労働者が人たるに値する生活を営むための労働条件の最低基準」を定めた法律です。
本資料では、企業がやりがちな違法行為を軸に、最低限把握しておきたい労働基準法の基本ルールをまとめました。
時間外労働の管理 労基法違反から守る10のルール
年5日の有給休暇の取得が義務化され、企業には正確な休暇管理が求められています。
本資料では、有給休暇に関する基本ルールをはじめ、よくあるトラブルへの対処方法を社労士がわかりやすく解説しています。
労働時間管理の基本ルール【社労士解説】
多様な働き方を選択できる「働き方改革」が世の中に広まりつつありますが、その実現には適切な労働時間管理が欠かせません。
労働時間に関する用語の定義や休憩・休日のルールなど、労働時間管理の基本ルールを社労士が解説します。
労働条件通知書・雇用契約書の労務トラブル回避メソッド
雇用契約手続きは雇入れ時に必ず発生しますが、法律に違反しないよう注意を払いながら実施する必要があります。
本資料では、労働条件通知書・雇用契約書の基本ルールをはじめ、作成・発行のポイントやトラブル事例について紹介します。
そもそも労働基準法での休日のルールについて
労働基準法第35条では、会社(使用者)が労働者に対して必ず与えるべき「法定休日」について定められています。会社は以下のいずれかの方法で休日を設定しなければなりません。
- 週に1日
- 4週間を通じて4日
この法定休日に対して、会社が独自に設定する休日は「法定外休日」と呼ばれ、労働基準法ではなく、労働契約や就業規則に基づいて付与されるものです。
たとえば、週2日休みがある会社の場合、そのうち1日が法定休日、残りの1日は法定外休日に該当します。
12連勤が可能な場合について
労働基準法第35条では、使用者(会社)は労働者に対して 「毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」 と定めています。このルールに従えば、厳密には 12連勤が認められるケース があります。
12連勤が発生する仕組み
例えば、1週間の区切りを「日曜から土曜」とした場合の例を見てみましょう。
- 1週目:日曜日が休日、月曜日から土曜日まで6日間働く
- 2週目:日曜日から金曜日まで6日間働き、土曜日が休日
この場合、1週目の月曜日から2週目の金曜日まで 連続12日間 の勤務が発生しますが、法定休日は週に1回確保されているため、労働基準法には違反しないことになります。
48連勤が可能な場合について
労働基準法第35条では、会社(使用者)は労働者に対して 「毎週少なくとも1回の休日」 または 「4週間を通じて4日以上の休日」 を与えることが義務付けられています。この「4週間で4日」のルールを活用すると、 最大48連勤(1カ月あたり24日間)が理論上は認められるケースがあります。
48連勤が発生する仕組み
4週間単位で休日を設定する「変形休日制」を採用している場合、連続勤務が理論上可能になります。具体的な例を見てみましょう。
- 1週目:日曜から水曜まで休み、木曜から土曜まで勤務
- 2週目~7週目:毎日勤務(42日間連続勤務)
- 8週目:日曜から火曜まで勤務、水曜から土曜まで休み
この場合、 1週目の木曜日から8週目の火曜日まで 連続 48日間 の勤務が発生しますが、 4週間ごとに4日間の休日が確保されているため違法ではありません。
17連勤はきつい?その理由とは
17連勤ともなると、日々の疲れが抜けきらないまま次の日を迎える状態が続き、心身に大きな負担を感じます。
特に、毎日同じようなリズムで仕事に取り組むことは、体力を奪うだけでなく、精神的にも疲労を蓄積させます。仕事の終わりに少しでも休息を取ろうとしても、翌日の準備や必要な家事などに追われ、十分にリフレッシュできないことが多くなります。
このような連勤では、休む時間が確保できないことで、体力だけでなく集中力や判断力も低下しやすくなります。例えば、いつもであれば難なくこなせる仕事も、些細なことに注意が向かずミスを招くことがあります。
さらに、そのミスがストレスとなり、負の連鎖を生むことも少なくありません。
違法な連勤が引き起こすリスク
違法な連勤を避けるためには、 法定休日の確保 と 労働者の健康配慮 が重要です。36協定を遵守し、過度な連勤が発生しないよう適切な労務管理を行うことで、従業員の健康と企業の信頼を守りましょう。
安全配慮義務について
労働契約法第5条では、使用者に 「安全配慮義務」 が課されています。これは労働者の健康や安全を守るための配慮義務です。
- 健康を害するほどの連勤:
過度な連勤が続くことで、労働者が心身に不調をきたした場合、安全配慮義務違反に該当します。
違反した場合のリスクとして、使用者には 損害賠償責任 が発生する可能性があり、企業の信頼を大きく損なうことになります。
労働安全衛生法違反となるケースも
労働安全衛生法では、使用者は職場環境を整え、労働者の健康や安全を確保することが義務付けられています。
- 過度な連勤で健康被害が発生:
長時間の連勤が原因で労働者が過労死やメンタルヘルスの不調に陥った場合、違反と判断される可能性があります。
違反した場合のリスクとして、労働基準監督署からの指導が入り、労働環境の改善を求められることになります。
従業員の健康被害・チベーション低下を引き起こす
過度な連勤は、うつ病や過労死など深刻な健康被害を引き起こす恐れがあります。労災認定されれば、企業は慰謝料や損害賠償責任を負う可能性もあります。
連勤が続けば、労働者の業務意欲は低下し、生産性にも悪影響が出ます。労働環境への不満が高まれば、離職者の増加や定着率の低下にもつながります。
企業の信頼失墜にもつながる
労働基準法違反が発覚すれば、罰金や懲役といった刑罰だけでなく、企業名が公表される可能性もあります。社会的信用の失墜は大きなダメージとなるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
36協定に押印は必要?法的根拠や実務のポイントを解説
36協定の押印の必要性や、電子契約への対応が可能なのかといった点について疑問を抱える企業担当者や労務管理者は少なくありません。従来、36協定は紙の書面に押印し、労働基準監督署に届け…
詳しくみる勤怠管理を代行や外注するには?依頼できる業者範囲や選び方を解説
従業員の労働時間を正確に管理する「勤怠管理」は、企業のコンプライアンス遵守と健全な経営に不可欠です。しかし、法改正への対応や複雑な集計作業は、人事労務担当者にとって大きな負担となり…
詳しくみる夜勤の仮眠時間の理想は?16時間夜勤で仮眠なしは違法?
深夜に及ぶ夜勤で労働時間が長時間になる場合、仮眠時間が問題となることがあります。例えば、16時間に及ぶ夜勤で仮眠時間が与えられない場合、法律上違法なるのでしょうか。今回は、仮眠時間…
詳しくみる出張とは?各種手当や日帰り・宿泊の判断基準を解説!
普段の就業場所において業務を行うだけでなく、異なった場所に出張する必要性が生じる場合もあります。会社員には馴染みの深い出張ですが、正しく理解できている方は少ないのではないでしょうか…
詳しくみるICカード式のタイムカードとは?種類やメリット、スマホ対応・モバイルSuicaも解説
毎月の給与計算前、山積みの紙のタイムカードを前に頭を抱えていませんか? 打刻漏れや押し忘れの確認、手書きの時間の判読、そしてExcelへの手入力…。これらの作業は、コア業務の時間を…
詳しくみる1日13時間労働は違反?認められる条件や労働基準法のルールを解説
1日13時間労働は、原則として労働基準法に違反する可能性があります。法律で定められた労働時間は「1日8時間・週40時間」が上限であり、これを超えるには特別な労使協定が必要です。しか…
詳しくみる


