- 更新日 : 2025年12月8日
エドテック(EdTech)で教育はどう変わる?企業の活用法や具体例
エドテック(EdTech)はEducationとTechnologyを合わせた造語で、テクノロジーを活用した教育を指します。オンライン学習(e-ラーニング)やアダプティブラーニングが挙げられ、一人ひとりに合う教育が可能になる、いつでもどこでも学べるといった理由から注目されています。企業でのエドテックの活用方法や具体例を解説します。
目次
エドテック(EdTech)とは?
エドテック(EdTech)は「Education(教育)」と「Technology(テクノロジー)」を合わせた造語です。「科学技術を活用した教育」を意味し、ITなどを教育に取り入れることを指します。アメリカで2000年代初頭に発祥し、リーマンショック後の2008年頃から活発になりました。日本では2017年に第5期科学技術計画が打ち出されたのをきっかけに、社会に広まっていきました。
エドテック市場は世界的に拡大を続けています。2010年には7割以上がアメリカによって占められていましたが、2020年には中国が6割以上を占めるようになり、さらにIT分野に強いインドがヨーロッパを押さえて3位になりました。こういった流れにより、アジア各国の躍進が期待されています。
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エドテック(EdTech)が注目されている理由
エドテック(EdTech)は世界的にも日本においても注目され、産業分野としても大きく市場拡大しています。なぜ注目されているのか、特徴やメリットを説明します。
一人ひとりに合う学習が可能になる
エドテックでは、個人に合わせた教育が可能になります。それぞれの能力や習得度、意欲、スピードにより最適な学習ができるようになり、従来の画一的な学習よりも高い学習効果が得られるようになります。過去の学習で身についていない箇所、つまずきやすい部分を学び直し、十分に理解したうえで次の単元に進めます。習得が早い人なら、よりスピードアップが可能です。こうした個人に合わせた教育ができるようになることで、全体的な教育のレベルアップが図れます。
いつでもどこでも学習できる
エドテックは時間や場所に縛られずに、いつでも、どこでも教育が受けられます。授業や講座、勉強会のように決められた時間に現地に向かわなくても、都合の良い時間に自宅などで学べるからです。時間・場所の制限で諦めざるを得なかった教育がなくなり、機会の損失を防げます。
思考力が養われる
エドテックにより多くの意見を一瞬にしてまとめたり共有したりできるようになるため、従来の教育方法より深い学びが可能になります。さまざまなツールに情報の整理などを任せることで、時間を有効活用できるからです。テーマを深く掘り下げたり異なるアプローチを試したりできるようになり、思考力が養われます。
主体性が重視される
エドテックでは従来の教育に比べて、学ぼうとする個人の意志が尊重されます。自由度が高く柔軟性に優れた教育方法であるため、学習意欲が乏しいと十分な結果が得られないからです。他人に強制されるのではなく自分から進んで学ぶ姿勢が求められ、主体性が育ちます。
エドテック(EdTech)で教育はどう変わる?
エドテック(EdTech)によって、教育機関は大きく変化しています。どのように変化したのか、学校教育、大学や社会人教育、学習塾のそれぞれについて、見ていきましょう。
学校(小中高)教育の変化
エドテックは学校(小中高)教育に対して、思考力・主体性の向上の働きかけが期待できます。教育の基礎となる力を身につけさせるのに、大いに役立つとされています。
一方で、学校教育は定められたカリキュラムを決められた期間・時間でこなす必要があるため、エドテックとは相性が悪い一面もあります。
大学・社会人教育の変化
学校教育とは違い、エドテックとよくマッチングするのが大学・社会人教育です。特に、昨今は社会人のリスキリングも活発に行われています。今後もますます大学・社会人教育へのエドテックの活用が進んでいくでしょう。
学習塾の変化
エドテックによって塾では講師の担う役割の大きな変化が見込まれます。塾で講師は生徒に指導を行う以外に、モチベーションの維持・向上や学習方法の指導などを行わなければなりません。エドテックにより録画機能などを有効活用することで、実際に教える作業の軽減が図れます。空いた時間や労力を生徒のケアや、より効果的な指導方法の検討などに充てられるようになります。
エドテック(EdTech)を活用した企業向け教育
エドテック(EdTech)によって、教育機関での教育だけでなく企業向け教育も変化しています。どのような変化やメリットがあるのか、説明します。
オンライン学習
オンライン学習は、インターネットを介して学ぶ学習形式を指します。時間や場所を選ばず、いつでも、どこでも学べます。企業向け教育に取り入れ、会場を準備しなくても集団教育の実施が可能です。また、自由に好きな時間にアクセスして学べる環境を整えることで、忙しいビジネスパーソンでも希望する教育が受けられます。
学習管理
学習管理は学ぶ人それぞれが自分自身で学習内容・期間・レベルなどを計画し、進捗状況・達成度などを管理することを指します。学習能力を高める効果があり、生涯学習の実現に向けて重要なスキルとされています。企業向け教育でモチベーションの維持や向上の効果が期待できます。
アダプティブラーニング
学習者の能力や理解度に応じて学習内容や進度を調整する教育手法のことを指します。全員が同じ学びをする従来の教育手法とは異なり、それぞれに合わせたカリキュラムを提供します。強みや弱みを把握し、より効果的な学びを実現します。
エドテック(EdTech)企業一覧
国内企業10社のエドテック(EdTech)に向けた取り組みを紹介します。
| 日本電気(NEC) | 日教販と協業してデジタル教科書・教材、学習アプリなどのデジタル学習コンテンツの流通・普及に取り組む |
| 大日本印刷(DNP) | EdTech導入補助金の令和3年度の事業者に採択され、群馬県高崎市をはじめとする10自治体の小中高等学校へ「DNP学びのプラットフォーム リアテンダント」を導入 |
| TOPPAN | EdTech導入補助金の令和元年度の事業者に採択され、10自治体の小学校68校へ先端的教育ソフトウエアを導入 |
| 学研 | 世界中どこにいても同じ授業が受けられるオンライン学習塾を立ち上げ |
| ベネッセ | 家庭学習領域でのデジタル商品開発に強みを持ち、長年培ってきた進研ゼミの価値をベースにさらなる価値向上を目指す |
| Schoo | 「一生学べる学校」を謳い、参加型生放送授業と、8,500本以上の録画授業で幅広い学びを提供 |
| NTTアドバンステクノロジ | EdTech導入補助金2022の事業者に採択され、高機能デジタルドリルアプリ・WEB算数学習ツールを教育委員会・小学校へ導入 |
| KUMON | EdTech導入補助金2022の事業者に採択され、自治体・小学校に「小中学生向け実践英語力チェックアプリ」「プロンテストシリーズ」を導入 |
| Libry | 既存の教材をデジタル化し、蓄積された学習データに基づく個別最適化された学習体験を提供 |
| Aoba-BBT | インターナショナルスクール、企業研修、大学・大学院など多岐にわたる、幼児から経営層までを対象に生涯学習プラットフォームを提供 |
エドテック(EdTech)を支援する国の取り組み
経済産業省は人材育成に必要なエドテック(EdTech)を開発・導入に向けた課題検討を目的に、「『未来の教室』とEdTech研究会」を設けました。2018年1月から2019年6月にかけて10回の研究会開催、2回の提言を行っています。2018年6月25日に出された第1次提言では「EdTechが民間教育・公教育の姿を変え、世界・地域社会・産業界・先端研究と繋ぎ合わせる」として、エドテックを活用したさまざまな学習プログラム等の開発、実証や、学校へのエドテックの導入に必要な環境整備について、さらに検討が必要だとしました。
文部科学省は「Society5.0におけるEdTechを活用した教育ビジョンの策定に向けたの方向性」を示し、エドテック活用の推進を打ち出しました。「EdTechを教育におけるAI、ビッグデータのさまざまな新しいテクノロジーを活用したあらゆる取り組み」と整理したうえで、「児童生徒・教師にとって使いやすく、教育の質につながるものでなければならない」とし、さまざまな課題へ取り組むことを表明しています。
エドテック(EdTech)の課題・デメリット
エドテックには、結果が教育を受ける者の意欲に大きく左右されやすいという課題・デメリットがあります。高い意欲を持って教育に取り組む者には期待を越える結果がもたらされることが期待できますが、そうでない場合は相応の結果しか与えられないことが多々あります。
また、教育を受ける者の全員が必要なテクノロジーにアクセスできないデジタル格差や、プライバシー、データセキュリティといった問題もあります。
社員の学びにエドテック(EdTech)による企業向け教育を活用しよう
エドテック(EdTech)は、テクノロジーを活用した教育を意味します。経済産業省と文部科学省の支援により推進され、小学校から大学、塾での教育にさまざまな変化をもたらしています。企業向け教育における活用も進み、多くの企業によって導入されています。
エドテックのメリットには一人ひとりに合わせた教育が可能になる、いつでもどこでも教育が受けられるといった点が挙げられます。また、思考力が養われる、主体性が重視されるといった点でも、今後ますます競争が激化するビジネス界で活躍する有能な社員を育てるためには効果的でしょう。理解を深めて、活用に向けての検討を始めましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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