- 更新日 : 2025年12月8日
キャリアカウンセラーとは?資格は必要?仕事内容や役割を解説
仕事を続けていると、自身の「キャリア」について考えることも多いでしょう。キャリアカウンセラーは、相談者にとって望ましいキャリアの選択や開発を手助けしてくれるキャリア形成の専門家です。
この記事では、キャリアカウンセラーの仕事内容、キャリアカウンセラーがなぜ必要か、活躍できる場所、資格が必要かどうかなどについて解説します。
目次
キャリアカウンセラーとは?
キャリアカウンセラーは、相談者との対話を通して得られた興味や知識、スキルなどの特性から、相談者にとって望ましいキャリアの選択や開発を手助けするキャリア形成の専門家のことです。
日常で抱えてしまう下記のような悩みについて話を聞き、相談者にとってより幸せな人生やキャリアを得られるための支援をしてくれます。
- 就職や転職に関する悩み
- 仕事上で抱えている悩み
- 職場における人間関係
- 将来に対する不安
- 子育てや介護、仕事と治療の両立などの悩み
具体的なキャリアカウンセラーの役割やキャリアコンサルタント、キャリアアドバイザーなどとの違いについて見ていきましょう。
そもそも「キャリア」とは?
日常においてよく耳にする「キャリア」という言葉には、職業・仕事・進路・経歴・就職・生活など、さまざまな意味が含まれています。
「キャリア」とは、仕事に取り組んでいく中で身につけていくスキルや経験のみならず、その人の生活や生きがいなどを含めた人生をも含む意味になります。
キャリアカウンセラーはどういった役割
キャリアカウンセラーのようなキャリアカウンセリングの専門家が必要になった背景には「社会や個人の変化」があります。
1990年代に起こったバブル崩壊や2008年からのリーマンショックなどにより、日本は長い経済不況に陥りました。その間に、日本の終身雇用制度や年功序列の慣行は失われていき、成果主義の導入や非正規雇用者の増加など、雇用環境は大きく変化しました。
個人も「仕事が第一」から「私生活も重視」「自分が望んだ生き方に合わせた生活」という「ワークライフバランス」に考え方が変わってきています。
このように社会や個人が変化することで、それぞれ自分でキャリアデザインを行うことが必要になってきました。そのキャリアデザインを行う役割を担うのが、キャリアカウンセラーです。
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)との違い
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)は、特定非営利活動法人日本キャリア開発協会(JCDA)が認定する民間の資格です。CDAとキャリアカウンセラーの仕事内容はほとんど同じですが、違いとしては、CDAの資格を取得しているかどうかになります。
CDAは、JCDAが認定するCDA養成カリキュラムを終了して国家資格キャリアコンサルタント資格試験に合格する、もしくは、国家資格キャリアコンサルタント資格試験に合格してJCDAが指定する講座を受講すると取得できます。
キャリアコンサルタントとの違い
キャリアコンサルタントとキャリアカウンセラーは、以前は同じ意味で使われていました。しかし、2016年にキャリアコンサルタントは厚生労働省に認定された国家資格になったため、現在キャリアカウンセラーとキャリアコンサルタントは明確に異なる資格になっています。
キャリアカウンセラーは資格がなくても名乗ることができますが、キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルタント試験に合格して、キャリアコンサルタント名簿に登録していないと名乗ることはできません。
キャリアアドバイザーとの違い
キャリアアドバイザーとキャリアカウンセラーは同じ意味で使われることが多く、相談者のキャリア形成に関してアドバイスを行うという点では大きな違いはありません。
キャリアアドバイザーは、就職や転職を希望する求職者に対して、その実現に向けてのサポートやアドバイスをする職種です。主に下記のようなことを行います。
- 求職者へのヒアリング
- 求人の紹介
- 履歴書や職務経歴書の添削や模擬面接
- 会社とのスケジュール調整
- 就労条件の交渉
キャリアカウンセラーは、就職や転職だけではなく、相談者にとって望ましいキャリアの選択や開発を手助けするキャリア形成の専門家です。その点がキャリアアドバイザーとは異なります。
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キャリアカウンセラーの仕事内容
キャリアカウンセラーの仕事は、具体的にはどのような内容なのでしょうか。主な仕事内容について見ていきます。
相談者との対話を通したキャリア選択・開発支援
キャリアカウンセラーは相談者の知識や興味、スキル、価値観などの特性をヒアリングして、相談者にとって望ましいキャリアの選択や開発を支援します。
仕事と家庭の両立についても対話する
キャリアカウンセラーは、対話することを通して、キャリアの選択や開発の支援だけではなく、職場における人間関係、仕事と子育てや介護、治療などとの両立の悩みについても支援します。
面接やマナーなどの実践的なスキル指導
求職者が就職や転職活動において必要になる書類の作成を支援することもキャリアカウンセラーの仕事の一つです。
その他に、履歴書や職務経歴書の書き方、面接での自己アピールのアドバイス、実際の面接を想定した練習、ビジネスマナーのチェックなどを行います。
求職者へは仕事の紹介・各企業とのやりとり
キャリアカウンセラーは、求職者にこれまでの経験や興味、適性などをヒアリングし、求職者が目指す方向性を一緒に考えます。そのうえで、求職者に適切な職場や職種を提案し、実際の求人情報を提供して就職や転職活動を支援します。
キャリアカウンセラーは、人事部門などとの面接などを通じて、企業が求める人材を把握しており、条件が合致すれば求職者と各企業をつなげることも行います。
キャリアカウンセラーはなぜ必要?
キャリアカウンセラーが必要な理由は、働き方の変化が大きな要因です。かつての日本では終身雇用や年功序列が一般的でしたが、働き方が多様化し転職も珍しいことではなくなりました。
現在は、続けて同じ会社で働き続けることや同じような働き方には固執せず、それぞれの人が自分らしく働くことができる時代になっています。よって、自分のキャリアに向き合いながら自分から行動していく必要があります。
しかし、実際には自分に合う働き方や目標を実現する方法がわからなくて悩む人も大勢いるでしょう。そのような悩みの相談相手になり、寄り添ってくれるのがキャリアカウンセラーやキャリアコンサルタントです。
国としても、企業に対して社員のキャリア形成に関して積極的に支援するように求めています。
キャリアカウンセラーに向いている人の特徴
キャリアカウンセラーに向いている人にはどのような特徴があるのでしょうか?
人の役に立ちたい人
キャリアカウンセラーは、相談者に寄り添って相談者のキャリア形成をサポートする仕事です。そのため、人の役に立つことにやりがいや喜びを感じる人が向いています。
コミュニケーション能力の高い人
キャリアカウンセラーは、相談者へのヒアリングで問題点や課題を見つけ出し、的確なアドバイスを行う必要があります。そのためには、コミュニケーション能力がとても大切な要素です。
相談者との円滑なコミュニケーションを取れることが必須のため、高いコミュニケーション能力のある人が向いています。
難しい問題に向き合える人
キャリアカウンセラーは、相談者の現状や希望に関する話を聞いて分析し、問題点や課題を見つけ出します。その問題点や課題をどのようにして解決していくかを考え、実行に移すアドバイスを行わなければなりません。
どのような難しい問題であっても、多面的な視点で考えて柔軟に向き合える人が向いています。
キャリアカウンセラーが活躍する場
キャリアカウンセラーが活躍する場には、以下の5つがあります。
- 企業の人事部
- 人材紹介会社・人材派遣会社
- 自治体・公的機関
- 教育機関
- 研修・セミナー
それぞれの場所でどのような支援を行っているのかを解説します。
企業の人事部
近年、企業の人事部などにキャリアカウンセラーを配置してキャリアコンサルティングを実施するケースがあります。ある程度の規模を超える企業ではキャリアカウンセリング室が設置され、その中で働くキャリアカウンセラーも増えています。
企業内での今後のキャリア、職場での不満、社内の人間関係などの悩みを抱える従業員も少なくありません。キャリアカウンセラーがカウンセリングによりキャリアデザインの支援を行うことで、従業員と企業が共に成長できる環境を作れるでしょう。
人材紹介会社・人材派遣会社
人材紹介会社や人材派遣会社でも、登録している派遣スタッフや求職者の相談窓口としてキャリアカウンセラーが活躍しています。
相談者との間でよい関係性を築き、キャリア形成を支援するだけではなく、就労後のフォローアップも実施することにより、キャリアカウンセラーの活躍の場がさらに広がるでしょう。
自治体・公的機関
ハローワークなどの公的職業支援機関や市役所などの自治体で、キャリアカウンセラーが求職者と対面での相談を実施したり、適性や状況に合わせた職業探しのサポートを行ったりしています。また、求職スキルに関するセミナーの実施に携わる場合もあります。
教育機関
大学や専門学校でも就職支援のためのキャリアセンターを設けて、キャリアカウンセラーが学生からの相談に応じています。
履歴書の書き方や面接に関する指導だけではなく、各学生の適性や興味分野に応じたキャリア選択を支援するなど、就職活動に役立つ実践的なアドバイスを行います。
研修・セミナー
キャリアカウンセラーの活躍できる場所として、企業や個人に向けた研修やセミナーもあります。
キャリアカウンセラーはさまざまな業界や分野などで活躍できる職種です。企業や団体などからの委託により、対象者にセミナーを行ったり、管理職や若年層に向けたセミナーを開催したりしています。
キャリアカウンセラーに資格は必要?
キャリアカウンセラーの仕事は、特に資格を持っていない人でも行うことができます。ただし、キャリアカウンセラーとして働こうと考えた場合、資格を保有していることを示すと、相手に安心感を与えられるでしょう。
独立を目指す場合には、キャリアコンサルタントなどの資格取得がおすすめです。キャリアカウンセラーに関係する資格には、国家資格、民間資格があります。
国家資格
- キャリアコンサルタント
- キャリアコンサルティング技能士
民間資格
- CDA資格(特定非営利活動法人日本キャリア開発協会)
- GCDF-Japan資格(特定非営利活動法人キャリアカウンセリング協会)
- キャリアカウンセラー資格(一般財団法人日本能力開発推進協会)
- メンタルキャリアカウンセラー資格(一般財団法人日本能力開発推進協会)
- シニアキャリアカウンセラー資格(一般財団法人日本能力開発推進協会)
継続的な知識やスキルを維持するためには、資格を取得して継続教育を行うほうがよいでしょう。
キャリアカウンセラーが活躍している企業例
現在では、数多くの会社がキャリアカウンセラーを導入しています。ここからは、伊藤忠商事株式会社の実際の活用事例を紹介します。
■伊藤忠商事株式会社
伊藤忠商事株式会社では、キャリアカウンセリング室を設置して、社員全員のさまざまなキャリアに関する相談や支援を行っています。キャリアカウンセリング室に属しているカウンセラーは、全員国家資格キャリアコンサルタントの有資格者です。
キャリアカウンセリング室では、入社後の節目ごとに行う研修に合わせて、キャリアカウンセリングの機会を設ける仕組みを整えています。
社員一人ひとりに対して、将来のキャリアだけに限らず、職場でのコミュニケーション、育児や介護との両立などについても、相談者が主体的に取り組むことを支援しています。
年間の相談数は800件超あり、守秘義務を徹底した環境で安心して対話することで、主体的なキャリア形成の気づきを得られることを目指しています。
キャリアカウンセラーの仕事内容や役割を確認しましょう
キャリアカウンセラーは、相談者にとって望ましいキャリアの選択や開発を手助けするキャリア形成の専門家です。企業の人事部や人材派遣会社、公的職業支援機関などで、そのスキルが求められています。
自分が希望する生き方を実現する、また、仕事の中でいろいろな悩みごとがある場合に「考える時間が取れない」「一人で考えてもどうすればよいかわからない」と思う人もいるでしょう。そのようなときに、話を聞いて寄り添い、アドバイスをくれるのがキャリアカウンセラーです。
キャリアカウンセラーの仕事内容や役割を確認して、自身の会社に必要な際にはすぐに対応できるようにしておきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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