- 更新日 : 2025年12月17日
ワーキングプアとは?年収の目安や原因、解決策を解説
ワーキングプアとは働いているのにもかかわらずに、貧困状態にある人を指します。一般的には年収200万円以下、収入が生活保護を受ける基準を超えない場合がワーキングプアに該当するとされています。大きな社会問題であるため国が支援するとともに、企業も正社員採用や賃上げ、ワークライフバランスなどで積極的に対策することが求められます。
目次
ワーキングプアとは?
ワーキングプアとは働いているのにもかかわらずに、貧困の状況に陥っている人を指しています。労働時間は正社員と同程度であるのに収入は大きく下回る人たちのことで、「働く貧困層」と呼ばれます。
NHKの番組「クローズアップ現代」で取り上げられ、働いても貧しい生活から抜け出すことができず、さまざまな点で問題がある社会問題として認識されるようになりました。
ワーキングプアは働いて少ないながらも収入があることを理由に、公的扶助の受給資格が得られないことがほとんどです。本来であれば生活保護を受けることができるのに、基準を超える収入があるばかりに必要としている保護費を受けることができなくなっています。また、少ない収入を補おうと労働時間を増やし、健康を損なうことが多いこともワーキングプアの問題点とされています。
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ワーキングプアの年収の目安
収入とワーキングプアとの関係に明確な基準は設けられていませんが、一般的に年収200万円以下の人がワーキングプアとされます。年収200万円は生活保護の受給対象とされる収入額で、働いていても年収が生活保護対象基準額を超えない年収200万円が、ワーキングプアに該当するか・しないかの目安とされています。
国税庁は民間の事業所における年間の給与実態を明らかにするため、民間給与実態統計調査を毎年実施しています。2021年の給与階級別分布で人数がもっとも多い層は男性が年間給与額400万円超500万円以下であるのに対し、女性は年間給与額100万円超200万円以下になっています。
ワーキングプアが増えた原因
ワーキングプアと呼ばれる人々が多く存在している社会には、多くの解決すべき問題点があります。健全で誰もが生き生きと、安心して生きていけるようにするためには、働く人々がワーキングプアに陥ることなく、相応の報酬を得られる社会にしていく必要があります。ワーキングプアが増えた原因には、どのようなことが挙げられるのかを理解し、解決する方法を考えましょう。
非正規雇用の増加
非正規雇用はパートやアルバイト、契約社員といった雇用形態で働く労働者で、正規雇用に比べて賃金が低いこと、長く勤務しても賃上げが望めないことを特徴としています。バブル経済が崩壊して以降、日本は非正規雇用が増え続け、ワーキングプアが増える主原因とされています。
物価高、賃金水準の低下
燃料や原料の価格の高騰などを理由に、日本は物価高になっています。生産コストに加えて運送費・倉庫保管費用も高額化し、企業は多額になったコストを製品へ転嫁せざるを得なくなっているからです。一方で、賃金水準は企業の体力減少から低下している傾向にあります。給料は上がらないのに物の価格はどんどん高くなり、生活にかかる費用が上がっていることも、ワーキングプアが増えている原因になっています。
介護や子育ての負担増
介護や子育てをしている期間は制限された働き方しかできず、給料も低くならざるをえません。短い労働時間でしか働けなくなる、休業しなければならない、やむを得ない理由での遅刻・早退・欠勤によって手取額が減少するといったことのため、ワーキングプアになる場合があります。
働き方の多様化
働く意欲を持っている人が自分の都合に合わせて、さまざまな働き方ができるような社会が実現しつつあります。しかし、働き方の多様化は非正規雇用の増加、自分のライフスタイルを維持するために労働時間を短くする、ということにつながります。非正規雇用が増える原因になり、ワーキングプアの増加の理由の1つになります。
ワーキングプアになりやすい職業
ワーキングプアになりやすい職業には、一般的に給料が低いもの、特別な知識やスキルを必要としないものが挙げられます。また、時間が不規則であったり労働環境が過酷であったりするものも生活水準の低下を招き、ワーキングプアになりやすいとされています。ワーキングプアになりやすい職業には、具体的に以下のものが挙げられます。
- 介護職
- 飲食店店員
- 清掃業
- 警備員
- オペレーター
- データ入力作業員
- 農業・漁業作業者
ワーキングプアに対する国の支援
ワーキングプアは深刻な社会問題であり、国としても解決に向けた施策として、次のようなさまざまな支援を行っています。
子育て世代への教育支援
国がワーキングプアに対する支援として、子育て世代への教育支援を積極的に行っています。教育水準の低い人がワーキングプアに陥りやすく、また現在ワーキングプアになっている家庭では子供の教育が不十分となることが多いため、十分な教育を受けさせることで将来ワーキングプアになることを防ぐ目的で行っている支援策です。具体的な支援方法としては保育園や託児所の整備、学習機会の提供、必要な金銭的補助などが挙げられます。
就労の支援
就労支援は国がやらなければならない、重要なワーキングプア支援策です。求職者に対して職業のあっせんを行うほか、非正規雇用者が正規雇用の仕事につけるようにすることも国が行うべき就労支援として大切です。就職先を紹介したり職業訓練を受けさせたりするほか、企業に対して正規雇用者の採用を促すことも就労を支援することにつながります。
最低賃金の引き上げ
最低賃金の引き上げによってワーキングプアとなる原因である低賃金が改善されます。就業者の収入増・生活水準の向上につながり、ワーキングプアに対しての支援が行えます。
企業ができるワーキングプアの解決策
ワーキングプアは大きな社会問題であり、国に支援を任せるだけでなく企業も積極的に解決に向けてできることをする必要があります。企業としてできる解決策を紹介します。
正社員の採用を増やす
非正規雇用の増加は、ワーキングプアが増えている原因の筆頭に挙げられます。非正規雇用は正規雇用に比べて低収入であるため、企業が非正規雇用人材の活用をやめて正社員の採用を増やすことは、ワーキングプア減少が図れます。また、非正規雇用は身分の不安定さからワーキングプアに転落しやすくなっているため、正社員として身分を安定させる意味でもワーキングプア対策になるでしょう。
賃金・給料を上げる
ワーキングプアが増えている原因の主要なものには、非正規雇用の増加や賃金水準の低下が挙げられています。非正規雇用の増加がワーキングプア増加の原因とされる理由は、正規雇用に比べて非正規雇用は低収入であるためです。企業が賃金・給料を上げることによってワーキングプアが増える原因を減らす、有効な解決策とすることができます。
ワークライフバランスを実現させる
労働環境の改善などによってワークライフバランスを実現することも、ワーキングプア対策として企業ができることの一つになります。ワーキングプアになる要因には低賃金だけではなく、労働環境が悪いことも挙げられます。労働時間が長かったり良好でない労働条件で働いたりする労働者は、健康を損なうなどの理由からワーキングプアになる可能性が高くなります。企業が労働環境を改善して、良好なワークライフバランスを実現することは、従業員の生活の質の向上につながり、ワーキングプア対策にもつながります。
ワーキングプアの現状を把握し、企業のできる解決策を講じよう
ワーキングプアとは働いているのに貧困状態にある人を指し、「働く貧困層」とも呼ばれます。正社員並みの労働時間にもかかわらず生活水準の上がらない人たちのことで、収入を増やすために長時間労働になりやすく、そのため健康を害しやすい点が問題となっています。ワーキングプアに対する支援策として、国は子育て世代への教育支援や就労支援、最低賃金の引き上げなどを行っています。
ワーキングプア問題を解決するために、正社員採用や賃上げ、ワークライフバランス向上など、企業にもできることがあります。自分たちにもできる解決策がないかを検討して、積極的に講じましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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