- 更新日 : 2025年12月18日
優秀な人材を確保するには?採用担当が知っておきたい見極め方と採用の秘訣
優秀な人材の採用は、企業の成長を左右するといっても過言ではありません。しかし、労働人口の減少が進む現代において、「優秀な人材が採用できない」という課題を抱える中小企業の人事担当者や経営者は少なくないでしょう。
優秀な人材を獲得し、長期的に確保するためには、まず自社にとっての「優秀な人材」を明確に定義し、採用だけでなく、入社後の定着までを見据えた戦略が欠かせません。
この記事では、優秀な人材を見極めるポイントから、採用競争を勝ち抜くための具体的な戦略、そして定着を促す組織づくりの秘訣までをわかりやすく解説します。
目次
優秀な人材を採用するには?
優秀な人材を採用するための第一歩は、自社にとっての「優秀」をはっきりさせることにあります。
一般的に「優秀な人材」とは、単に高いスキルを持つ人ではなく、企業に利益をもたらし、事業成長に貢献できる能力や資質を持つ人を指す場合が多いでしょう。しかし、その具体的な基準は、企業の業種や風土、採用ポジションによって異なります。
企業が求める「優秀な人材」の定義とは?
企業にとっての優秀な人材とは、会社のビジョンやミッションに共感し、その達成に向けて期待以上の成果を出せる人と定義できます。
単なる「即戦力」としてではなく、将来的な成長も見据えて、変化に適応し、自ら課題解決に取り組めるポテンシャルを評価することが大切になります。
具体的な定義をはっきりさせるには、以下の視点から検討しましょう。
- 会社への貢献度
企業の利益に直結する行動ができるか、期待以上の成果を出せるか - 将来性
現状に満足せず、自らスキルアップを継続する姿勢があるか - 現場のニーズ
特定の部署やプロジェクトで求められる、不足しているスキルや人物像
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優秀な人材に共通する8つの特徴
自社独自の基準をふまえつつ、多くの企業で優秀とされる人材に共通する特徴を知ることは、見極めの精度を高めることにつながります。
優秀な人材は、一般的に以下のような特徴を持っています。
- 主体的に行動できる
指示を待つだけでなく、自ら考え、判断して行動に移せる - 自己認知力が高い
自分の得意なこと、苦手なことを客観的に理解している - 自分の役割を理解している
会社やチームから何を求められているかを把握し、それに合った貢献ができる - 柔軟に対応できる
予期せぬ状況や変化に対して、臨機応変に対応し、解決策を見つけられる - 明確な目標がある
自分の将来のビジョンを具体的に持ち、目標達成に向けて行動している - 謙虚さを持っている
成功に慢心せず、他者からの意見を素直に受け入れ、学びを継続できる - ストレス耐性が高い
困難な状況でも冷静さを保ち、前向きに取り組むことができる - 自己管理を徹底している
体調や時間、感情を適切にコントロールし、安定して成果を出せる
新卒採用と中途採用における「優秀さ」の違い
新卒採用と中途採用では、当然ながら「優秀さ」の評価軸が変わってきます。
| 採用種別 | 優秀さの主な評価軸 | 重視するポイント |
|---|---|---|
| 新卒採用 | ポテンシャル・将来性 | 主体性、自己成長意欲、企業文化への適応性、論理的思考力 |
| 中途採用 | 実績・即戦力 | 過去の実績とスキル、問題解決能力、転職理由との一貫性、役割理解度 |
中途採用では、これまでの実績やスキルが自社の求める水準にあるかどうかが重要になりますが、それ以上に、その実績を出すまでの思考プロセスや自社文化への適応性を見極めることが、定着につながります。新卒採用では、入社後の伸びしろとなるポテンシャルや自律的な学びの姿勢を重視するとよいでしょう。
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優秀な人材の採用方法
採用競争が激化する中で、「優秀な人材が採用できない」という課題を解決するには、従来の採用手法を見直し、戦略的な採用アプローチが求められます。特に中小企業においては、大手企業にはない独自の魅力を発信し、限られたリソースで効率よくターゲット層にアプローチすることが重要になります。
優秀な人材は、転職市場に積極的に参加しているとは限りません。そのため、従来の求人サイトだけに頼らず、ターゲットに合わせた多様なチャネルを活用しましょう。
リファラル採用
既存社員からの紹介は、企業の文化や仕事内容を理解した、マッチ度の高い優秀な人材につながりやすい方法です。
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ダイレクトリクルーティング(スカウト)
企業側から特定のスキルや経験を持つ優秀な人材に直接アプローチすることで、潜在層に働きかけることができます。
SNS採用
LinkedInやInstagramなどのSNSを活用し、ターゲット層に合った情報や企業のリアルな雰囲気を発信することで、接点を持つことができます。
副業・社会人インターンシップ制度
実際に働いてもらうことで、書類や面接では見えにくい働きぶりや人間性を見極めることができ、採用のミスマッチを減らすことができます。
AIの活用と効率化
2025年以降、採用活動におけるAIの活用はさらに重要になると予測されます。AIは、採用プロセスの効率化だけでなく、データに基づいた精度の高い選考を可能にします。
- AIスクリーニング:履歴書や職務経歴書をAIが解析し、応募者の適性や定着可能性をデータに基づき評価することで、選考の初期段階での効率を高めます。
- チャットボットによる問い合わせ対応:応募者の質問に迅速かつ24時間対応することで、求職者の不安を軽減し、応募意欲を維持できます。
限られた人員で採用活動を行う中小企業にとって、AI活用による採用プロセスの最適化は、優秀な人材との接点を増やすことにつながります。
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優秀な人材が集まる会社に共通する特徴
優秀な人材は、単に良い条件を提示する会社を選ぶだけでなく、長期的に成長できる環境や働きがいを重視します。
優秀な人材を惹きつけ、集める会社には、共通して彼らのモチベーションを高め、能力を最大限に引き出すための組織文化や制度が整っています。
企業ビジョン・ミッションの明確な浸透
優秀な人材は、自分が進むべき方向がはっきりしている会社を求めます。会社のビジョンやミッションが社員全体にはっきり浸透していると、「何のために働くのか」という目的意識が共有され、共感した求職者が集まりやすくなります。
経営者や採用担当者だけでなく、既存社員一人ひとりが自社のビジョンを語れるようにすることで、採用面接においても一貫したメッセージを伝えられるようになるでしょう。これは、内定辞退や入社後のミスマッチを防ぐためにも有効です。
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公平で納得感のある人事評価制度の整備
努力や成果が正当に評価されない環境では、優秀な人材のモチベーションは低下し、離職につながりかねません。人事評価基準が明確で公平であること、そして評価結果に対するフィードバックが適切に行われることは、優秀な人材を惹きつけるうえで欠かせません。
- 評価基準を公開し、社員が「どうすれば評価されるか」をわかるようにする
- 評価者によるバラつきをなくすための研修を実施する
- 評価結果を単に伝えるだけでなく、成長を促すための具体的なフィードバックを行う
多様な働き方と成長機会の提供
ワークライフバランスやキャリアの多様性を重視する傾向は、2025年時点でも高まっています。リモートワーク、フレックスタイム制度、副業の許可など、多様な働き方を提供することは、優秀な人材にとって大きな魅力となります。
また、スキルアップのための研修制度の充実や、新規事業への参画など意欲的な人にチャンスがあるカルチャーも重要です。優秀な人材は常に自己成長を求めているため、会社がその機会を提供することで、エンゲージメントを高められます。
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優秀な人材の離職を防ぐ対策4つ
せっかく採用した優秀な人材が、短期間で辞めてしまうことは、企業にとって大きな損失です。採用後の定着と長期的な活躍を促す戦略を確立することが、「優秀な人材の確保」につながります。
定着においては、採用時に示したビジョンと、入社後の現実とのギャップを最小限に抑えることが特に重要になります。
優秀な人材が早期に離職する背景には、「より難易度の高い仕事に挑戦したい」「会社のビジョンと現実の業務内容にギャップがある」「正当な評価や報酬がない」といった理由が挙げられます。これを防ぐためには、以下の施策が効果的です。
1. 入社後のフォローアップ
既存社員によるOJTだけでなく、定期的な面談を実施し、入社後の課題や目標を共有することで、孤立を防ぎます。
2. ストレッチ目標の設定
常に新しい挑戦や、自身の能力より少し高いレベルの仕事を与えることで、優秀な人材の成長意欲を満たし、マンネリを防ぎましょう。
3. キャリアパスの明示
自社内でどのような成長の道筋があるのかを具体的に示し、長期的に働くことのメリットを提示します。
4. エンゲージメントの強化
優秀な人材は、他社からの引き抜きの対象になりやすいものです。外部からの誘惑に負けないようにするには、企業と社員のエンゲージメント(結びつき)を強化することが欠かせません。
社員が「この会社のために貢献したい」「この会社が好きだ」と感じる状態をつくるには、彼らが会社に対して意見を言いやすく、その声が職場環境の改善に反映される仕組みが重要です。意見が反映されない、あるいは言っても無駄だと感じる環境では、優秀な人材は定着しないでしょう。
エンゲージメントサーベイなどを活用して、社員の現状の満足度や課題を定期的に把握し、職場環境の改善につなげることが重要です。
関連資料|エンゲージメントサーベイを用いて、離職防止を実現する方法
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優秀な人材を採用し持続的な企業成長につなげよう
優秀な人材の採用と確保は、単なる人事部の仕事ではなく、経営戦略そのものです。労働人口の減少が進む2025年以降も、企業が持続的に成長していくためには、採用活動を短期的な補充としてではなく、長期的な人材投資として捉える必要があります。
自社に合った優秀な人材を明確に定義し、採用チャネルの多様化、そして入社後の定着と活躍を促すための組織づくりを一体的に進めることが大切になります。優秀な人材が最大限に能力を発揮できる環境を整えることで、採用競争を勝ち抜き、企業の信頼と成果につながるでしょう。
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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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