- 作成日 : 2026年2月19日
漁師が儲かる地域は?収入アップのポイントや注意点を解説
漁師が儲かるかどうかは、地域と漁業形態で決まります。
- 漁業産出額が高い地域が有利
- 養殖・高単価魚種は収益性が高い
- 組織力と販路が収入差を生む
農林水産省統計では漁師の平均年収は約300〜400万円ですが、北海道や長崎などでは養殖や遠洋漁業により年収1000万円超もありえます。
漁師として生計を立てたい、または地方での起業を検討している方にとって、「漁業で本当に儲かるのか?」は重要なテーマです。平均年収や、漁業が盛んで高収入を目指しやすい地域、さらに収入を伸ばすための工夫や注意点を知ることで、現実的な展望を持つことができます。
本記事では、漁師の収入実態と収益性の高い地域を解説しながら、安定して稼ぐためのヒントを解説します。
漁師の平均年収は?
漁師の収入は一律ではなく、漁法や地域、漁獲対象によって大きな差があります。全体の平均年収は会社員と同程度かやや低い水準にありますが、一部の漁業では高収入も可能です。
全国平均では300万〜400万円が相場
農林水産省の統計によると、2022年の沿岸漁家の平均漁労所得は約378万円、2023年には約413万円となっています。これは日本全体の平均年収(約458万円)と比べるとわずかに下回りますが、極端に低いというわけではありません。実際には漁業形態や操業回数によって差が出るため、あくまで目安とされます。漁業者の多くは家族経営や個人経営であるため、会社員のような固定給ではなく、収入は漁獲高や市場価格に強く影響されます。
漁法や地域によって収入格差が生じる
漁師の年収は漁の規模や漁場の豊かさによって大きく変わります。例えば、小型船による沿岸漁業を行っている場合、年収は200万円〜300万円程度にとどまることもあります。一方で、遠洋マグロ漁船に乗り込み、長期間の操業を行う漁師は年収1000万円を超えることもあります。漁獲対象が市場価値の高い魚種であるか、または漁業インフラや販路が整った地域に拠点を置いているかも、収入に直結する要因です。
加えて、自営か雇用されているか、設備投資の有無なども影響します。漁業収入の多くは水揚げ量と魚価に依存しているため、資源が安定し、売値が高い地域ほど高収入になりやすい傾向にあります。
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漁師が儲かる地域トップ5は?
漁師が儲かる地域として代表的なのは、北海道、長崎県、愛媛県、宮城県、鹿児島県の5つです。これらの都道府県は漁業産出額(漁業生産額)が全国的に見て上位にあり、豊富な水産資源や盛んな養殖業によって多くの漁師が高収入を得ている地域です。
以下に、それぞれの地域の特徴と儲かる理由を解説します。
【北海道】漁業産出額が日本一の豊かな漁場
北海道は漁業産出額・漁港数ともに日本一で、漁師にとって最も儲かる地域とされています。広大な北海道周辺の海域にはサケ・マス、スケトウダラ、ホタテ、カニなど多種多様で豊富な水産資源があり、年間の漁業産出額は他地域を大きく引き離しています。
オホーツク海沿岸ではホタテ養殖が盛んで、宗谷地方の猿払村では漁師の平均所得が600万~800万円台と全国トップクラスとなり、年間所得1000万円を超える漁師も珍しくありません。このように計画的なホタテ養殖や高価値の水産物輸出により地域全体の所得水準が押し上げられ、日本一豊かな「漁師村」として注目されています。北海道の漁場は規模が大きく安定した漁獲が期待できるため、全国から夢を求めて漁師が集まってくる傾向もあります。
【長崎県】漁港数全国一、豊富な漁獲量を誇る漁業県
長崎県は全国一の漁港数を持ち、年間漁業産出額も900億円超と北海道に次ぐ規模の「儲かる地域」です。長崎県は対馬暖流の影響で魚影が濃く、マアジやマイワシ、サバ類など多獲性魚種の漁獲量が多いことで知られています。五島列島や対馬周辺を含む広い漁場と大小多数の漁港が点在し、県全体で水揚げされる魚介類の種類も量も非常に豊富です。
こうした恵まれた漁場環境により長崎の漁師は比較的安定した高い収入を得やすく、多くの漁師が成功を収めていると報告されています。漁港が多いことで水揚げインフラや流通網が発達している点も強みであり、沿岸漁業から沖合漁業まで幅広い漁業形態が盛んなため、地域全体の漁業収入が底上げされています。
【愛媛県】養殖王国ならではの安定収入と高付加価値
愛媛県は魚類養殖業が盛んな“水産王国”であり、その安定した養殖収入によって全国有数の漁業収入を上げています。愛媛県の漁業産出額は約978億円で全国第3位となっており、マダイ(真鯛)やブリ類(ハマチ・カンパチ)などの海面養殖生産量・生産額は全国トップクラスです。宇和海や瀬戸内海の穏やかな海域を活かした養殖業が地域経済を支えており、養殖魚の品質ブランド化や海外輸出も積極的に行われています。
養殖業は天候に左右されにくく計画的に出荷できるため、漁師にとって収入が安定しやすいのが魅力です。その一方、愛媛では沿岸・沖合での底引き網や定置網漁業も行われ、水揚げされる真珠や伊勢エビ、ハマチの天然稚魚など高付加価値資源にも恵まれています。こうした要素が相まって、愛媛県は漁師が儲けやすい地域の一つとなっています。
【宮城県】三陸の豊かな漁場と復興で伸びる水産業
宮城県は三陸沖という日本有数の好漁場を有し、漁業生産額が全国4位となる水産県です。震災からの復興投資もあって水産インフラが整い、近年はカキ養殖や銀ザケの養殖など安定した養殖業が県内各地で展開されています。また、気仙沼や石巻、塩釜などの漁港ではカツオ、サンマ、マグロ類といった遠洋・近海魚の水揚げが多く、マイワシやサバなど沿岸漁業の漁獲量も全国トップクラスです。
気仙沼漁港は生鮮カツオの水揚げ日本一、塩釜港はマグロの水揚げ基地として知られ、漁師にとって高収入を狙える現場となっています。宮城県は漁港数も全国有数で、水産加工業者や市場も集中しているため、漁獲物を付加価値の高い製品に加工・販売しやすい環境があります。豊かな海と産業基盤に支えられ、宮城の漁師たちは堅実な収入を得ているのが特徴です。
【鹿児島県】多彩な漁業と養殖で稼ぐ南国の海
鹿児島県は沿岸漁業から遠洋漁業まで多彩な漁業形態が盛んで、漁業産出額は全国5位を誇る地域です。黒潮(日本海流)の影響を受ける南北に長い海岸線と離島部を抱え、マグロやカツオの遠洋漁業基地から、イワシ・サバ類の近海漁業、貝類採取まで幅広い漁業が行われています。さらに鹿児島は養殖業でも全国有数で、ブリやカンパチの海面養殖生産量は全国シェアの約50%を占め第1位、ウナギの養殖生産量も国内トップです。
鹿児島湾や錦江湾では大型の養殖いけすで高品質なブリ・カンパチが育てられ、安定した収益源となっています。加えて、近海で漁獲されるクロマグロ(本マグロ)の水揚げ量は全国2位を記録するなど、高値で取引される魚種の漁獲にも恵まれています。このように鹿児島県は天然漁獲と養殖の双方で高い生産額を上げており、漁師にとって収入機会の多い地域といえます。
漁師が収入アップを狙うためのポイントは?
漁業で収入を上げるには、漁獲量を増やすだけでなく、収益構造そのものを見直す必要があります。漁法の選定、販路拡大、副業の展開、設備投資など、多方面からアプローチすることで、より安定的で高収益な漁業経営が可能になります。
高収入が期待できる漁業を選ぶ
漁師の収入は漁法や漁場によって大きく変わります。遠洋漁業や高級魚を狙う一本釣り漁などは、漁獲の成功次第で年収1000万円以上を得るケースもあり、漁法の選択が収入に直結します。遠洋マグロ漁船やカニ漁船は、高リスクながらも高収入が見込めるため、挑戦する価値はあります。また、養殖業への転換や並行展開も有効で、マダイやブリなどの海面養殖は価格が安定しやすく、計画的な出荷が可能なため、収入の波が少なくなります。
安定性を求めるなら、こうした養殖漁業の導入も検討する価値があります。
直販や加工で付加価値を高める
水揚げした魚介類をそのまま市場に出すだけでなく、自ら加工・販売することで利益率を高めることができます。例えば、魚の干物や瓶詰め、燻製などの商品化を行い、道の駅や通販で販売する漁師も増えています。こうした商品はブランド化されやすく、安定したリピーターの獲得にもつながります。さらに、地元の飲食店や宿泊施設と提携し、地産地消メニューとして提供することも収益向上の一手となります。
観光や飲食との連携で副収入を得る
観光資源を活かして漁業体験や漁師料理の提供など、地域に根ざしたサービス業を展開することで副収入を得ることも可能です。実際、漁師が経営する食堂や民宿、遊漁船ビジネスなどを通じて、観光客を取り込みながら本業の漁業と相乗効果を発揮している例は少なくありません。こうした複合経営は、漁獲が少ない時期の収入補填にもなり、年間を通じた安定経営に寄与します。
効率化と支援制度の活用
漁獲効率を高めるためには、設備への投資も不可欠です。最新の魚群探知機や自動巻き網装置の導入によって作業負担を軽減し、漁獲効率を飛躍的に高めることができます。また、国や自治体による漁業支援制度を活用すれば、設備投資費の一部を補助してもらえる可能性があります。就漁支援金や設備更新の助成制度などを積極的に調べて申請することで、初期コストを抑えながら経営改善を進めることができます。
加えて、漁協や地域団体との連携を強めることで、販路や仕入れ情報なども共有されやすくなり、経営基盤の安定につながります。
漁師の収入面で注意したい点は?
漁師はやり方次第で高収入も狙えますが、収入面には特有のリスクや変動要因も存在します。自然を相手にする産業だからこそ、不安定な収入や予期せぬ出費への備えが必要です。
天候や漁獲不良による収入の変動リスク
漁業は自然条件に大きく左右されるため、収入が年ごと、月ごとに大きく変動します。悪天候が続けば出漁できず、漁期が短縮されることもあります。また、海水温の変化や海流の影響によって魚の回遊パターンがずれれば、思うように漁獲できず収入が激減する事態も珍しくありません。不漁年には数百万円単位で年収が下がる可能性もあり、日々の天候や海況に敏感に対応しつつ、年間の収支バランスを長期的に考える姿勢が求められます。
燃料費や設備修繕費などの高コスト構造
漁業には高額な経費が伴います。特に燃料代は大きな負担であり、価格の変動によって収支が大きく左右される要因です。加えて、漁船の維持費、網やロープといった消耗品の補充費用、冷蔵設備や魚群探知機の修理なども頻繁に発生します。これらのコストは天候や魚価とは無関係に発生するため、安定的な利益を出すには経費管理の工夫と無駄の削減が欠かせません。突発的な修繕費に備えて、予備費を用意しておくことも重要です。
労働環境の厳しさと健康への影響
漁師の仕事は体力的に過酷で、長時間労働や深夜・早朝の作業が日常的です。特に冬季の寒冷地では極寒の中で作業を行うこともあり、心身に大きな負担がかかります。また、天候急変や高波といった海上の危険も多く、安全対策を怠ると重大な事故につながりかねません。けがや病気によって数日〜数週間休むことになれば、その間の収入はゼロになることもあります。健康管理と安全対策は、長く漁業を続けていくうえで極めて重要な要素です。
地域社会との関係性や漁協との調整
漁師は個人で収入を得る自由な職業と思われがちですが、実際には地域の漁協(漁業協同組合)との関係や、地元の慣習を尊重することが収入の安定に直結します。漁協の取り決めや操業ルールを守らなければ、水揚げや共同利用施設の使用を制限される場合もあります。また、移住して新規に漁業を始める場合、地域住民との信頼関係を築くことも欠かせません。円滑な人間関係を保つことが、長期的に安定した操業環境を維持するポイントです。
漁業で安定した収入を得るために視野を広げよう
漁師の収入は漁法や地域、取り扱う魚種によって大きく変動します。高収入を目指すには、養殖や遠洋漁業といった収益性の高い業態への挑戦、自家販売や副業などによる収入の多角化、さらに補助金や地域資源の活用が欠かせません。一方で、天候や経費、健康リスクなどの不確定要素もあるため、収入と支出のバランスを見極めた柔軟な経営視点が求められます。長く安定して稼ぐには、常に学び、行動し、地域や時代の変化に対応していく姿勢が大切です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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