• 作成日 : 2026年1月5日

パワーポイントのスマートアートとは?図解や組織図を瞬時に作る使い方と実用例

パワーポイント(PowerPoint)で資料を作成する際、箇条書きだけのスライドでは味気なく、内容が伝わりにくいと感じたことはありませんか?しかし、図形を一つひとつ組み合わせて図解を作るには手間とセンスが必要です。そこで活用したいのが「スマートアート(SmartArt)」機能です。これは、文字情報を自動的に美しい図解やフローチャートに変換してくれる強力なツールです。

本記事では、スマートアートの基礎知識から、8つの種類の使い分け、そして誰でも即座に実践できる操作手順と具体的な活用例について解説します。

パワーポイントのスマートアート(SmartArt)とは?

スマートアートとは、「テキスト情報」を、ボタンひとつで「視覚的なグラフィック(図解)」に自動変換する機能のことです。

その根拠として、パワーポイントにはあらかじめ「リスト」「手順」「階層構造」などの論理構造に基づいたデザインテンプレートが多数内蔵されており、ユーザーが文字を入力するだけで、最適なレイアウトに自動調整してくれる仕組みがあるからです。

通常、図解を作るには「四角形を描く」「矢印を引く」「色を塗る」「整列させる」という多くの工程が必要です。しかし、スマートアートを使えば、これらのデザイン作業をパソコンが代行してくれます。そのため、デザインの知識がない初心者でも、情報の構造(順序や関係性)さえ決まっていれば、プロが作ったような見やすいスライドを一瞬で作成できるのです。これは「作図ツール」というよりも、「情報の可視化支援ツール」と呼ぶべき機能です。

使うとどのようなメリットがあるのか?

最大のメリットは、「作成時間の劇的な短縮」と「修正・メンテナンスの容易さ」にあります。

手作業で描いた図形は、項目が一つ増えるたびに全体の配置やサイズを微調整しなければなりませんが、スマートアートなら項目を追加しても自動的にレイアウトが再計算され、均等に配置されるからです。

具体的には、5つの工程があるフローチャートに、急遽もう1つ工程を追加する場合を想像してください。手作業ならすべての箱を縮小して移動させる必要がありますが、スマートアートならテキストを追加するだけで、全体のバランスを保ったまま6つの工程に書き換わります。また、色やスタイル(立体的、フラットなど)も一括で変更できるため、資料全体のトーン&マナーを統一するのも容易です。業務効率化を考える上で、これほど費用対効果の高い機能はありません。

スマートアートにはどのような種類があるのか?

代表的な8つのカテゴリーとその用途は?

スマートアートには、表現したい情報の「関係性」に合わせて、主に8つのカテゴリー(種類)が用意されています。

それぞれの図解は「何を見せたいか」という目的が明確に定義されており、適切な種類を選ぶことが、わかりやすい資料作成の第一歩となるからです。

各カテゴリーの特徴は以下の通りです。

  1. リスト:
    順序関係のない項目を並列に並べる場合や、グループ化して見せる場合に使用します。箇条書きの代わりとして最も汎用的に使われます。
  2. 手順:
    「ステップ1→ステップ2→ステップ3」のように、時間の経過や作業の手順など、方向性のある流れを表現するのに適しています。矢印を使ったデザインが豊富です。
  3. 循環:
    PDCAサイクルのように、終わりがなく繰り返される流れや、中心となる概念との関係性を表すのに使います。円形のデザインが主です。
  4. 階層構造:
    会社の組織図や家系図、あるいは商品の分類ツリーなど、上下関係や親子関係を整理するのに最適です。
  5. 集合関係:
    2つの要素の対比や、3つの要素が重なるベン図など、項目同士のつながりやバランスを表現します。
  6. マトリックス:
    SWOT分析のように、2つの軸(縦軸・横軸)を使って要素を4象限に分類し、全体像を分析する場合に使います。
  7. ピラミッド:
    基礎から積み上がる構造や、階層ごとの比率(底辺が広く頂点が狭いなど)を視覚化する際に役立ちます。
  8. 画像:
    テキストだけでなく、写真をメインに見せたい場合に使います。社員紹介や商品カタログなど、ビジュアル重視のスライドに適しています。

目的別にレイアウトをどう選べばよいか?

レイアウト選びで迷ったら、「情報の流れ」が「縦・横・中心」のどれに当てはまるかを基準に選定してください。

デザインの好みで選ぶよりも、情報の論理構造(ロジック)に合った形を選ぶ方が、読み手の脳に負担をかけず、スムーズに内容を理解させることができるからです。

  • 時系列なら「手順(横向き)」:左から右へ流れる矢印型を選びます。
  • 並列なら「リスト(縦・横)」:項目の優劣がない場合は、シンプルなボックス型を選びます。
  • 包含関係なら「集合関係(ベン図)」:重なり合う部分がある場合は、円が重なる形を選びます。

適切なレイアウトを選ぶだけで、言葉で説明しなくても「これは手順の話だな」「これは比較の話だな」と直感的に伝わるようになります。

スマートアートの基本的な使い方と操作手順は?

箇条書きテキストを変換して作成するには?

すでに入力済みのテキストがある場合、そのテキストボックスを選択し、「ホーム」タブの「SmartArtに変換」ボタンをクリックする方法が最も速くて便利です。

ゼロから図形を挿入して文字を打ち直す必要がなく、今ある箇条書きをそのまま図解にアップグレードできるため、作業の手戻りが発生しないからです。

手順は以下の通りです。

  1. スライド上の箇条書きテキストボックスを選択するか、カーソルを置きます。
  2. 「ホーム」タブの「段落」グループにある「SmartArtに変換」アイコン(緑色の矢印と小さなリストのマーク)をクリックします。
  3. 表示されたギャラリーから、好みのレイアウトを選択します。
    これだけで、単なる文字の羅列が、色鮮やかな図解に生まれ変わります。もし希望のレイアウトが一覧にない場合は、「その他のSmartArtグラフィック」を選べば、全種類の中から選択可能です。

新規で挿入してテキストを入力するには?

白紙の状態から作成する場合は、「挿入」タブから「SmartArt」を選び、表示される「テキストウィンドウ」を使って文字を入力していきます。

図形を直接クリックして入力するよりも、テキストウィンドウ(文字入力専用のパネル)を使った方が、項目の追加や階層の変更(レベル上げ・下げ)がキーボード操作だけで完結し、圧倒的に速いからです。

手順STEP1:挿入する

「挿入」タブの「図」グループにある「SmartArt」をクリックし、ダイアログボックスからカテゴリーとレイアウトを選んで「OK」を押します。

手順STEP2:テキストを入力する

スライド上に図解が挿入されると、その左端に「<」というマークがあります。これをクリックすると「テキストウィンドウ」が開きます。ここに箇条書きを入力してください。

手順STEP3:項目を調整する

  • 項目の追加:Enterキーを押すと、新しい図形が自動的に追加されます。
  • 階層を下げる:Tabキーを押すと、その項目が一つ下のレベル(サブ項目)になり、図形も自動的に小さくなったり、枝分かれしたりします。
  • 階層を上げる:Shift + Tabキーを押すと、元のレベルに戻ります。

この「テキストウィンドウでの操作」こそが、スマートアートを使いこなすための最大のコツです。マウスを使わずにキーボードだけで図解の構造を制御できるようになります。

色やデザインを一括変更するには?

作成した図解の色味を変えるには、図解を選択した状態で「SmartArtのデザイン」タブを開き、「色の変更」や「スタイル」のギャラリーから選択します。

個別の図形を選択して「塗りつぶし」で色を変えることも可能ですが、専用タブの機能を使えば、テーマに沿った配色パターンを一括適用でき、デザインの統一感を損なわずにアレンジできるからです。

「色の変更」メニューには、カラフルな配色や、同系色のグラデーションなどが用意されています。また、隣にある「SmartArtのスタイル」を使えば、図形に光沢を持たせたり、3D(立体)風にしたりといった効果をワンクリックで付与できます。ただし、過度な装飾は文字を読みづらくするため、ビジネス文書では「シンプルなスタイル」または「微細な効果」程度に留めるのが無難です。

業務で役立つスマートアートの活用例は?

箇条書きを読みやすい「アジェンダ」にするには?

会議の議題(アジェンダ)や、プレゼンの目次を作成する際は、「リスト」カテゴリーの「縦方向箇条書きリスト」や「横方向画像リスト」を活用します。

単なる黒丸の箇条書きよりも、項目ごとに枠で囲われている方が視認性が高く、それぞれの議題が独立したトピックであることを明確に示せるからです。

例えば、以下のような箇条書きがあるとします。

  • 現状の課題報告
  • 新プロジェクトの提案
  • 予算の承認
  • 今後のスケジュール

これを「縦方向箇条書きリスト」に変換すると、それぞれの項目が帯状の図形になり、メリハリがつきます。さらに、各項目の先頭に内容を象徴するアイコンを添えれば、一目で内容が推察できる洗練された目次になります。

スケジュールや手順を「フローチャート」にするには?

業務マニュアルやプロジェクトの進行表を作る際は、「手順」カテゴリーの「基本プロセス」や「連続ブロックプロセス」を活用します。

矢印そのものが図形の一部として組み込まれているため、自分で矢印線を引いて位置合わせをする手間がなく、工程の増減にも柔軟に対応できるからです。

例えば、商品の購入フローを説明する場合、「商品選択」→「カート確認」→「ログイン」→「決済」→「完了」といった5つのステップをテキストウィンドウに入力します。「連続ブロックプロセス」などを選べば、大きな矢印の中に各工程が埋め込まれたようなデザインになり、全体がひとつの流れであることを強調できます。強調したい工程だけ色を変える(個別に選択して書式設定する)ことで、現在地や重要ポイントを示すのも効果的です。

組織図や体制図を「階層チャート」で作るには?

プロジェクトチームの役割分担や、会社の部署構成を説明する際は、「階層構造」カテゴリーの「組織図」を活用します。

このレイアウトは、親項目(リーダー)と子項目(メンバー)の関係を自動的に線で結んでくれるため、複雑なツリー構造もテキストの階層(Tabキー操作)だけで表現できるからです。

作成のポイントは、テキストウィンドウでのレベル操作です。

1行目:部長(Enter)

2行目:課長A(Tabで下げる、Enter)

3行目:メンバー1(Tabでさらに下げる、Enter)

4行目:メンバー2(そのまま入力)

このように入力するだけで、部長の下に課長Aがぶら下がり、その下にメンバーが配置される図が完成します。もし「アシスタント」のような特殊なポジションを追加したい場合は、「組織図」レイアウト特有の機能として、左上の「図形の追加」メニューから「アシスタントの追加」を選ぶことで、通常の階層とは異なる分岐を作成することも可能です。

パワーポイントのスマートアートで伝わりやすいスライドを

パワーポイントのスマートアートは、単なる装飾機能ではなく、情報を整理し、伝わりやすい形に翻訳してくれる強力なビジネスツールです。

  • メリット:箇条書きを瞬時に図解化し、修正時のレイアウト調整も全自動で行える。
  • 種類:8つのカテゴリー(リスト、手順、階層構造など)から、情報の論理構造に合わせて選ぶ。
  • 基本操作:「テキストウィンドウ」を活用し、TabキーとEnterキーだけで構造を作るのが最速。
  • 活用:アジェンダ、フローチャート、組織図など、日常業務のあらゆるシーンで応用可能。

まずは、手元にある箇条書きのスライドを1枚選び、「SmartArtに変換」を試してみてください。情報が整理され、見違えるほどわかりやすい資料に変わるはずです。

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