• 更新日 : 2025年8月25日

ExcelのPHONETIC関数の使い方:読み仮名取得からエラー対策まで

PHONETIC関数は、ふりがな情報が設定されているセルから読み仮名(ふりがな)を抽出できる関数です。顧客リストの名前を読み仮名でソートしたい、振り込みリストを作成する際にフリガナが必要、といった場面で役立ちます。

この記事では、PHONETIC関数の基本的な使い方から、具体的な利用シーン、さらには応用例、そしてよくあるエラーとその対策まで、Excel初心者の方にも分かりやすく解説します。

PHONETIC関数の使い方

PHONETIC関数は、指定したセルのテキストからふりがなを取得する関数です。基本的な書式は以下の通りです。

=PHONETIC(参照)参照: ふりがなを取得したいセル、またはセル範囲を指定します。

具体的な操作手順

  1. ふりがなを表示したいセルを選択します。
  2. 数式バーに「=PHONETIC(」と入力します。
  3. ふりがなを取得したいセル(例: A2)をクリックするか、直接「A2」と入力します。
  4. Enterキーを押すと、指定したセルのふりがなが表示されます。

例えば、セルA2に「山田太郎」と入力されており、そのふりがな「ヤマダタロウ」をB2に表示したい場合、B2に「=PHONETIC(A2)」と入力します。

PHONETIC関数の利用シーン

PHONETIC関数は、以下のような様々なビジネスシーンで活用できます。

1. 名簿の並べ替え(五十音順ソート)

顧客リストや社員名簿など、名前が漢字で入力されているデータを五十音順に並べ替えたい場合にPHONETIC関数は非常に有効です。

手順
  1. 名前が入力されている列の隣にPHONETIC関数を使ってふりがなの列を作成します。
  2. ふりがなの列を基準にデータを昇順で並べ替えます。

これにより、漢字の表記が異なっても、正確な読み仮名でソートできるようになります。

2. 振り込みリストの作成

銀行振り込みを行う際に、受取人名のフリガナが必要になることがあります。PHONETIC関数を使えば、手入力の手間を省き、入力ミスも減らせます。

手順
  1. 氏名が入力されているセルからPHONETIC関数でフリガナを抽出し、別の列に表示させます。
  2. 抽出したフリガナの列を、振込先のシステムに合わせた形式で利用します。

3. 名刺情報の整理

名刺をデータ化する際に、氏名だけでなくふりがなも合わせて登録しておくと、後々の検索や分類がしやすくなります。

PHONETIC関数を利用することで、効率的にふりがなデータを追加できます。

PHONETIC関数の応用

PHONETIC関数は単独で使うだけでなく、他の関数と組み合わせることでさらに便利になります。

1. 半角カタカナに変換する

PHONETIC関数で取得したふりがなは全角カタカナで表示されますが、ASC関数と組み合わせることで半角カタカナに変換できます。

=ASC(PHONETIC(参照))

ASC関数: 全角文字を半角文字に変換します。

例えば、セルA2の「山田太郎」のふりがな「ヤマダタロウ」を半角カタカナの「ヤマダタロウ」に変換したい場合、=ASC(PHONETIC(A2)) と入力します。

2. ふりがなの一部を抽出する

特定の条件でふりがなの情報を利用したい場合、LEFT関数やRIGHT関数などと組み合わせることで、ふりがなの一部を抽出できます。

=LEFT(PHONETIC(参照), 抽出文字数)

LEFT関数: 文字列の左から指定した文字数を抽出します。

RIGHT関数: 文字列の右から指定した文字数を抽出します。

例えば、「山田太郎」のふりがな「ヤマダタロウ」から苗字の読み「ヤマダ」だけを抽出したい場合、=LEFT(PHONETIC(A2), 3) と入力します。

PHONETIC関数のよくあるエラーと対策

PHONETIC関数を使用する際に、意図した通りにふりがなが表示されない場合があります。ここでは、その原因と対策について解説します。

エラー①:ふりがなが表示されない、または誤っている

原因:

  • セルにふりがな情報が設定されていない
  • セル内の文字列が半角英数字や記号のみで構成されている
  • 元の文字列に対してふりがな設定が正しく行われていない

対策:ふりがなを手動で設定する

  1. 該当セルを選択
  2. Excelの「ホーム」タブ → 「フォント」グループ内の「ふりがなの表示/設定」アイコン(「あ」+下三角)をクリック
  3. 表示されたふりがなを確認・必要に応じて修正する

※セル内が英数字や記号だけの場合、PHONETIC関数は機能しないため、日本語の文字列が含まれているかを確認する

エラー②:#VALUE!などのエラーが表示される

原因:関数が参照しているセルに数値や日付など、非テキストデータが入力されている

対策:数値や日付のセルはPHONETIC関数で処理できないため、文字列形式に変換するか、別の方法で対応する

エラー③:一部の文字にふりがなが表示されない

原因:セル内の一部の文字に対して、ふりがな情報が未設定となっている

対策:Excelの「ふりがなの設定」機能を使って、該当部分のふりがなを手動で入力または修正する

ふりがなの設定方法

上記対策にもある通り、PHONETIC関数が正しく機能しない主な原因は、元となるセルにふりがな情報が設定されていないことです。手動でふりがなを設定する手順を改めてご紹介します。

  1. ふりがなを設定したいセルを選択します。
  2. ホームタブの「フォント」グループにある「ふりがなの設定」アイコン(「あ」の右側に小さな下向き三角があるアイコン)をクリックし、「ふりがな」を選択します。
  3. 選択したセルの上にふりがなが表示されます。必要に応じて、ここでふりがなを修正できます。
  4. 修正が完了したら、Enterキーを押すか、他のセルをクリックします。

この設定を行うことで、PHONETIC関数が正確なふりがなを取得できるようになります。

PHONETIC関数でふりがなを抽出

PHONETIC関数は、セル内の日本語テキストからふりがなを抽出できるExcel関数で、名簿の並べ替えや振込先のフリガナ生成などに役立ちます。

ただし、ふりがな情報が設定されていないセルや、英数字・記号のみのデータでは正しく機能しません。ふりがなが表示されない場合は、Excelの「ふりがなの設定」機能で手動修正するのが有効です。

また、ASC関数と組み合わせて半角カタカナに変換したり、LEFT関数で苗字のみ抽出したりと、他関数との連携で応用範囲が広がります。

正しくふりがなを設定し、PHONETIC関数を活用すれば、データ整理や入力ミスの防止に役立ちます。


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