- 作成日 : 2025年5月21日
エクセルのハイパーリンクの挿入・開き方・ショートカットを解説
エクセル作業を効率化するハイパーリンク。右クリックやリボンからの挿入、HYPERLINK関数、ショートカットキー(Ctrl+K)での設定方法から、リンクの編集・削除、開けない時の原因と対処法まで、解説します。
目次
エクセルでハイパーリンクを挿入する3つの方法
エクセルでハイパーリンクを設定するには、主に3つの方法があります。状況に応じて使い分けましょう。
右クリックメニューから挿入する
最も一般的で直感的な方法です。
- ハイパーリンクを設定したいセルを選択します。
- 選択したセルを右クリックし、表示されたメニューから「リンク(K)…」または「ハイパーリンク(I)…」を選択します。(エクセルのバージョンによって表記が若干異なります)
- 「ハイパーリンクの挿入」ダイアログボックスが表示されます。
- リンク先を指定します。
- 既存のファイル/Webページ: コンピューター内のファイルやフォルダ、またはWebページのURLを指定します。
- このドキュメント内: 同じエクセルファイル内の別のシートやセル番地を指定します。
- 新規作成: 新しいエクセルファイルを作成し、そこにリンクします。
- 電子メールアドレス: クリックすると設定したメールアドレス宛の新規メール作成画面が開くようにします。
- 表示文字列(T): セルに表示されるテキストを指定します。デフォルトではリンク先のアドレスやファイル名が表示されますが、分かりやすい名前に変更することをおすすめします。(例:「詳細はこちら」「参照資料A」など)
- ヒント設定(P)…: マウスカーソルをセルに合わせた際に表示される説明文(スクリーンヒント)を設定できます。(任意)
- 「OK」ボタンをクリックすると、セルにハイパーリンクが設定され、文字が青色になり下線が表示されます。
リボンメニューから挿入する
エクセル上部のリボンメニューからも同様の操作が可能です。
- ハイパーリンクを設定したいセルを選択します。
- リボンの「挿入」タブをクリックします。
- 「リンク」グループにある「リンク」または「ハイパーリンク」ボタンをクリックします。
- 「ハイパーリンクの挿入」ダイアログボックスが表示されるので、右クリックメニューの場合と同様に設定を行います。
- 「OK」ボタンをクリックします。
HYPERLINK関数を使って挿入する
特定のルールに基づいて動的にリンク先を変更したい場合や、数式の一部としてハイパーリンクを利用したい場合に便利なのがHYPERLINK関数です。
HYPERLINK関数の基本的な書式は以下の通りです。
エクセル
=HYPERLINK(リンク先, [表示文字列])
- リンク先 (必須): リンク先のファイルパス、URL、または同じブック内のセル参照などを文字列で指定します。
- 表示文字列 (任意): セルに表示するテキストを指定します。省略した場合は、「リンク先」に指定した文字列がそのまま表示されます。
使用例:
- Webページへのリンク:
エクセル
=HYPERLINK(“https://www.google.com/”, “Googleを開く”)
セルには「Googleを開く」と表示され、クリックするとGoogleのトップページが開きます。
- ファイルへのリンク:
エクセル
=HYPERLINK(“C:UsersUsernameDocuments資料.xlsx”, “資料ファイルを開く”)
セルには「資料ファイルを開く」と表示され、クリックすると指定したエクセルファイルが開きます。(パスはご自身の環境に合わせてください)
- 他のセルと組み合わせて動的なリンクを作成:
A1セルにURLが入力されている場合、B1セルに以下のように入力すると、A1セルのURLへのリンクが作成できます。
エクセル
=HYPERLINK(A1, “Webサイトへ”)
HYPERLINK関数を使えば、VLOOKUP関数など他の関数と組み合わせて、検索結果に該当するページへのリンクを自動生成するなど、より高度な活用が可能になります。
エクセルでハイパーリンクを開く方法
設定したハイパーリンクを開く方法は簡単です。
クリックして開く
最も基本的な方法です。ハイパーリンクが設定されたセル(青文字で下線が表示されている箇所)にマウスカーソルを合わせると、カーソルの形が手のマークに変わります。そのままクリックするだけで、リンク先に指定されたファイルやWebページが開きます。
キーボード操作(Enterキー)で開く
マウスを使わずにキーボード操作でハイパーリンクを開くこともできます。
- 矢印キーを使って、ハイパーリンクが設定されているセルを選択します。
- Enterキーを押します。
これにより、選択されているセルのハイパーリンクが開きます。セルの編集モードにしたい場合は、F2キーを押してください。
ハイパーリンク関連のショートカットキー
エクセル作業の効率を上げる上で、ショートカットキーの活用は欠かせません。ハイパーリンク関連で最もよく使われる便利なショートカットキーをご紹介します。
ハイパーリンク挿入ダイアログを一瞬で開く (Ctrl + K)
ハイパーリンクを設定したいセルを選択した状態で、キーボードの Ctrl キーを押しながら K キーを押します。
Ctrl + K
このショートカットキーを使うと、「ハイパーリンクの挿入」ダイアログボックスが一瞬で表示されます。右クリックメニューやリボンメニューからたどるよりも格段に速く、ハイパーリンクの設定作業をスムーズに進めることができます。エクセルを使う上でぜひ覚えておきたいショートカットキーの一つです。
(現時点(2025年4月)で、ハイパーリンクを開くための直接的なショートカットキーは標準では用意されていません。上記で解説したEnterキーでの操作が最も一般的です。)
ハイパーリンクの編集と削除
設定したハイパーリンクの内容を変更したり、不要になったリンクを削除したりする方法も覚えておきましょう。
ハイパーリンクを編集する
リンク先や表示文字列を変更したい場合は、以下の手順で編集します。
- 編集したいハイパーリンクが設定されているセルを右クリックします。
- 表示されたメニューから「ハイパーリンクの編集(E)…」を選択します。
- 「ハイパーリンクの編集」ダイアログボックスが表示されます。
- リンク先や表示文字列などを修正します。
- 「OK」ボタンをクリックして変更を確定します。
ハイパーリンクを削除する
ハイパーリンクの設定のみを解除し、セルに入力されている文字列は残したい場合は以下の手順で行います。
- 削除したいハイパーリンクが設定されているセルを右クリックします。
- 表示されたメニューから「ハイパーリンクの削除(R)」を選択します。
これで、セルの文字色や下線が標準の状態に戻り、クリックしてもリンク先に飛ばなくなります。セル内の文字列ごと削除したい場合は、セルを選択して Delete キーを押してください。
エクセルでハイパーリンクがうまく機能しない場合のチェックポイント
「ハイパーリンクを設定したのにクリックしても開かない」「エラーメッセージが表示される」といった場合、いくつかの原因が考えられます。以下の点をチェックしてみてください。
リンク先のファイルやWebページが存在しない・移動した
最もよくある原因です。特にファイルへのリンクの場合、リンク先のファイルが削除されたり、名前が変更されたり、別のフォルダに移動されたりすると、リンク切れを起こして開けなくなります。
- 対処法:
- リンク先のファイルやフォルダが元の場所にあるか確認します。
- 移動・名称変更されている場合は、ハイパーリンクの編集機能を使って、正しいパスに修正します。
- Webページの場合は、URLが正しいか、そのページが現在も公開されているかブラウザで確認します。
絶対パスと相対パスの設定を確認する
ファイルへのリンクを設定する際、パスの指定方法には「絶対パス」と「相対パス」があります。
- 絶対パス: ドライブ名から全てのフォルダ階層を含めて指定する方法(例: C:UsersUsernameDocuments資料.xlsx)。エクセルファイルやリンク先ファイルを移動するとリンク切れを起こしやすいです。
- 相対パス: ハイパーリンクを設定しているエクセルファイルの位置を基準として、リンク先ファイルの場所を指定する方法(例: ..資料資料.xlsx)。エクセルファイルとリンク先ファイルをセットで移動させる場合には便利ですが、どちらか一方だけ移動するとリンク切れになります。
ハイパーリンク挿入・編集ダイアログで、ファイルを選択する際にパスの形式を確認・選択できます。(特に意識せずに設定すると絶対パスになりやすいです)
- 対処法: ファイルの管理方法に合わせて、適切なパス形式で設定し直します。エクセルファイルとリンク先ファイルを一緒に移動させる場合は、相対パスでの指定を検討しましょう。
エクセルのセキュリティ設定を確認する
エクセルのセキュリティ設定によっては、ハイパーリンクを開く際に警告が表示されたり、場合によってはブロックされたりすることがあります。
- 対処法:
- エクセルの「ファイル」タブ → 「オプション」 → 「トラストセンター」 → 「トラストセンターの設定」を開きます。
- 「信頼できる場所」に、よく利用するファイルが保存されているフォルダを追加するなどの設定を見直します。(セキュリティリスクを理解した上で行ってください)
- 「メッセージバー」の設定で、ブロックに関するメッセージが表示されるように設定されているか確認します。
リンク先のURLやファイルパスの入力ミス
単純な入力ミスも原因となります。特にHYPERLINK関数を使用する場合や、URLを手入力した場合に起こりやすいです。
- 対処法:
- URLの場合:「http://」や「https://」が抜けていないか、ドメイン名やパスに誤りがないか、大文字小文字(サーバーによっては区別される)が正しいかなどを確認します。
- ファイルパスの場合:フォルダ名やファイル名に誤りがないか、拡張子(.xlsx, .docx など)が正しいか確認します。
- 全角スペースなどが紛れ込んでいないかもチェックしましょう。
セル内改行が影響している
HYPERLINK関数を使用している場合、表示文字列の部分にセル内改行(Alt + Enter)が含まれていると、リンクが正常に機能しないことがあります。
- 対処法: HYPERLINK関数の第2引数(表示文字列)にセル内改行が含まれていないか確認し、含まれている場合は削除します。
HYPERLINK関数の記述エラー
HYPERLINK関数を使用している場合、関数の引数の指定方法が間違っている可能性もあります。
- 対処法:
- 第1引数(リンク先)が正しく文字列として認識される形式になっているか(ダブルクォーテーション”で囲む、または文字列が入力されたセルを参照するなど)確認します。
- 引数の数が正しいか、カンマ,の区切りが適切かなどを確認します。
これらの点を確認・修正することで、多くの場合ハイパーリンクの問題は解決できます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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