- 更新日 : 2026年1月14日
モチベーションを上げる方法は?自分・部下・組織のやる気を高める心理学
モチベーションを上げる方法は、精神論ではなく、科学的な根拠や心理学に基づいたアプローチが効果的です。この記事では、自分のモチベーションを上げる方法から、仕事や勉強での実践的なテクニック、そして組織や部下のやる気を引き出すマネジメント術までを、心理学的な知見もふまえて解説します。
この記事を読むことで、読者の方が最速でモチベーションを高め、目標達成につながる具体的な一歩を踏み出せることを目指します。
目次
自分のモチベーションを上げる方法は?仕事・勉強で今すぐできる行動習慣
自分で「やる気が出ない」と感じたとき、すぐに試せる効果的な行動と、長期的にモチベーションを維持するための習慣を知ることが重要です。
即効性をもってモチベーションを高めるには、「作業興奮」を利用するのが効果的でしょう。
人間の脳は、行動を始めると、その行動を継続しようとする性質があります。「やる気が出るのを待つ」のではなく、「とりあえず始める」ことが、結果的にやる気を引き出します。
最初の5分だけ取り掛かる「作業興奮」を利用する
人の脳は、「動き出してから」やる気が出てくる性質があります。これは「作業興奮」と呼ばれ、行動を始めることで脳がその活動を継続しようとする現象です。「やる気が出たら始める」のではなく、「やる気を出すためにとりあえず始める」と考え方を切り替えましょう。
ポイントは、「最初の5分だけやる」と決めてハードルを下げることです。たとえば、報告書作成なら「資料を1ページだけ開く」、勉強なら「テキストの1行目だけ読む」といった小さな行動からスタートします。一度手を動かし始めると、作業興奮が起きてそのまま続けられるケースが多く、結果として自分のモチベーションを自然に引き上げることができます。
やる気スイッチになる「環境の儀式」を決める
特定の行動の前に、必ず決まった「儀式」を取り入れます。たとえば、仕事開始前にはデスク周りを片付ける、コーヒーを入れる、といった行動を習慣にします。この儀式が、脳に「これから集中する時間だ」と合図を送り、スムーズにモチベーションを高めるきっかけになります。
軽い運動と姿勢でコンディションを整える
軽い運動やストレッチは、血流を良くし、気分を一新させる効果があります。また、姿勢を正すだけでも、心理学的に前向きな気持ちになりやすくなります。
タスクを細分化し、小さな達成感を積み重ねる
大きな目標は圧倒されやすく、やる気を失う原因になりがちです。目標を細かく分解し、毎日「これなら確実に達成できる」という小さなタスクに落とし込みましょう。小さな達成感を積み重ねることが、脳に報酬を与え、モチベーションの維持につながります。
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「Will・Can・Must」で仕事のやる気の源泉を整理する
ビジネスの現場でよく使われるフレームワークに、「Will・Can・Must」があります。これは、
- 自分がやりたいこと(Will)
- 自分ができること・得意なこと(Can)
- 組織から求められていること・やらなければならないこと(Must)
の3つを整理する考え方です。
日々の業務が「Must」だけに偏っていると、どうしてもやらされ感が強くなり、仕事のモチベーションは下がりがちです。そこで、今の仕事の中に「Will」や「Can」の要素を意識的に織り込めないかを考えてみましょう。たとえば、「経理のルーティン業務(Must)を、効率化の工夫(Can)や新しい提案(Will)と結びつける」といった形です。
自分の価値観や得意分野と仕事の内容が重なるほど、内側から湧き上がる内発的動機づけが高まり、「長く続くモチベーション」を得やすくなります。
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仕事のモチベーションを上げる方法は?目標設定と職場環境づくり
仕事へのモチベーションは、企業の生産性に直結します。モチベーションを高めるには、目標設定の質を高め、集中しやすい環境を整えることが基本となります。
職種ごとに「成果」と「プロセス」の目標を設計する
モチベーションを高める目標設定には、単に売上などの数字を追うだけでなく、仕事への意義や連帯感を高める構造が必要です。特に職種によって、目標設定の着眼点を変えていきましょう。
| 職種 | モチベーションを高める「目標」の着眼点 |
|---|---|
| 営業担当 | 「成約数」だけでなく「顧客との接点数(プロセス)」や「新しい提案方法の習得」など、行動変容を促す目標。 |
| 経理の担当者 | 「月次決算の早期化」や「新しい会計ツールの習熟度」など、効率化・スキルアップにつながる目標。 |
| 人事・労務 | 「社員定着率の改善」や「評価制度の設計スキル」など、組織貢献度をはっきりさせる目標。 |
OKR・MBOで社員のやる気を引き出す目標管理を行う
組織として仕事のモチベーションを高めるには、「OKR」や「MBO」といった目標管理の仕組みも有効です。制度として導入する際は、評価・フィードバックのタイミングや基準を明確にし、「成果だけでなくプロセスも評価する」視点を取り入れることが重要です。
- OKR(Objectives and Key Results)
OKRは、高い目標(Objective)と、それを達成するための具体的な結果指標(Key Results)を設定する方法です。「野心的な目標」を設定することで、社員の意欲を引き出し、組織と個人の目標を結びつけやすくします。目標が連動するため、「自分の仕事が会社にどう貢献しているか」がはっきりわかります。
関連記事|OKRとは?目標設定や管理に使える方法をわかりやすく解説 - MBO(Management By Objectives:目標管理制度)
MBOは、個人が自ら目標を設定し、その達成度合いで評価を決める制度です。目標設定の段階から社員の意見を取り入れることで、「自分で決めた」という主体性が生まれ、やらされ感なく仕事に取り組めます。適切な評価とフィードバックの仕組みとセットで運用することが重要です。
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集中しやすい仕事環境と休憩のルールを整える
モチベーションを高めるためには、物理的な環境作りも重要です。集中できる環境を整えることで、生産性を上げることができます。
「集中」と「交流」のメリハリをつける
集中できる静かな時間と、情報交換が活発に行える時間をはっきり分けます。たとえば、午前中は会議を入れない「集中タイム」を設けるなど、ルールの設定が有効です。
デスク周りの整理整頓
余計な情報が視界に入らないよう、デスクやPCのデスクトップを整理することは、集中力を高めるための基本です。心理学的に、物理的な乱れは精神的なストレスにつながることがわかっています。
適度な休憩と気分転換の仕組み
長時間集中し続けるのは困難です。短い休憩(ポモドーロ・テクニックなど)や、休憩中に軽いストレッチができるようなスペースの確保が、結果的に仕事の継続的なモチベーションにつながります。
部下・社員のモチベーションを上げる方法は?マネジメントの実践ポイント
中小企業の経営者やリーダーにとって、部下やチームのモチベーション管理は欠かせない業務です。人のやる気を引き出すには、心理学に基づいた言葉かけと、公正な評価の仕組みが必要です。
人のモチベーションは、その人が「尊重されている」「貢献できている」と感じられるかどうかに大きく左右されます。
承認欲求を満たす「モチベーションを上げる言葉」を意識する
部下のやる気を引き出す最も強力なツールは「言葉」です。単に褒めるだけでなく、適切なフィードバックを心がけましょう。
「あなた」ではなく「行動」に焦点を当てる
「あなたは優秀だ」と漠然と褒めるよりも、「あの資料は顧客のニーズを的確にとらえていて、とてもわかりやすかった」のように、具体的な行動とその結果を評価します。これにより、部下は何を繰り返せば良いのかがはっきりわかり、再現性が高まります。
「I(アイ)メッセージ」で期待を伝える
ネガティブなフィードバックをする場合も、「なぜあなたはこれができないんだ」というYou(ユー)メッセージではなく、「私はあなたがこの部分をもう少し改善すれば、もっと成長できると期待している」というI(アイ)メッセージで伝えます。これにより、責められているという印象を与えにくく、前向きに受け止められやすくなります。
- この仕事はあなたにしか頼めない
- 〇〇さんの〇〇なところが、チームの役に立っている
- あなたの努力のおかげで、このプロジェクトが成功した
部下のタイプ別にモチベーション管理を変える
画一的なマネジメントではなく、部下一人ひとりの特性を理解して対応することが、人のモチベーションを上げる方法として効果的です。
自立心が強いタイプ
細かく指示するのではなく、目標だけを伝え、アプローチは任せる「権限委譲」をします。「自分のやり方で成功した」という経験が、内側からのやる気(内発的動機付け)を最大限に高めます。
協調性が高いタイプ
個人目標だけでなく、チームへの貢献度を評価したり、感謝の言葉を公の場で伝えたりすることが有効です。「みんなの役に立っている」という実感が、このタイプのやる気につながります。
新人・経験が浅いタイプ
大きな目標の前に、「成功体験」を積ませることに注力します。難しい仕事よりも、確実に達成できる小さなタスクを与え、「やればできる」という自信を育てることが先決です。
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女性社員・女性部下のモチベーションで配慮したいこと
女性のモチベーションを高める上で、一般的に配慮すると良いとされる点をふまえることで、より良好なマネジメントにつながります。
共感とプロセスへの評価
多くの女性は、成果だけでなく、仕事を進める上でのプロセスや周囲との協力を重視する傾向があります。結果だけでなく、「チームのために細かい気配りをしてくれてありがとう」など、努力や貢献を具体的に言葉で認めると、承認欲求が満たされやすくなります。
ワークライフバランスへの配慮
家庭やライフイベントとの両立を重視する層に対しては、柔軟な働き方や、業務の効率化を組織として支援する姿勢が大切です。個人の状況に配慮した環境があることが、会社への信頼となり、長期的なモチベーション維持につながります。
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ビジネスで使えるモチベーション理論とは?代表的な考え方と活用例
心理学的な視点を取り入れることで、一時的な感情に頼らない、再現性の高いマネジメントや自己管理が可能となります。
科学的な根拠に基づいた理論を理解することは、個人として自分のモチベーションを管理する際にも、リーダーとして組織を導く際にも役立ちます。
フロー理論(ゾーン)で集中力とパフォーマンスを高める
心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱した「フロー」は、「完全に没頭し、時間が経つのを忘れるほど集中している」状態を指します。この状態にあるとき、人は最大のパフォーマンスを発揮し、内側からの喜びを感じます。
フローに入るためには、「課題の難易度」と「本人のスキル」のバランスが重要です。
- 課題がスキルよりも高すぎると→不安になる
- スキルが課題よりも高すぎると→退屈になる
リーダーは、部下のスキルを正確に把握し、わずかにチャレンジングで、達成可能な課題を与えることが、フロー状態を作り出し、モチベーションを高めることにつながります。これは自分のモチベーションを上げる方法としても応用でき、タスクを「少し難しいけれど、やればできる」レベルに調整することが大切です。
マズローの欲求5段階説から社員満足度を考える
マズローの欲求5段階説は、人間の欲求を「生理的欲求」から「自己実現の欲求」まで5つの階層で整理した理論です。この考え方を組織に当てはめると、社員のモチベーションがどこで滞っているかを把握しやすくなります。
- 生理的欲求・安全の欲求
安定した給与や福利厚生、ハラスメントのない職場環境など、安心して働ける土台が整っているか。 - 所属と愛の欲求
チーム内で相談できる雰囲気があるか、孤立している社員がいないか。 - 承認の欲求・自己実現の欲求
成果やプロセスが正当に評価されているか、自分の得意分野や強みを発揮できる機会があるか。
人事・労務担当者やマネージャーは、「自社ではどの階層の欲求が満たされていないか」を棚卸しすることで、社員満足度とモチベーションを高めるための打ち手を具体化しやすくなります。
関連記事|従業員満足度は離職率と関係性がある!離職につながる原因や改善策を解説
従業員エンゲージメントで組織全体のモチベーションを維持する
従業員エンゲージメントとは、「会社や仕事に対する愛着・貢献意欲」のことです。社員のモチベーションを単発のイベントやご褒美だけで高めるのではなく、組織と個人が互いに貢献し合いたいと感じる状態をつくることが、長期的な活力につながります。
エンゲージメントを高めるうえで特に重要な要素は、次の3つです。
- ミッションへの共感
企業理念を従業員が理解し、「この会社のために頑張りたい」と思えること。 - 公正な評価と報酬
自分の貢献が正しく認められ、それに見合った報酬やフィードバックがあること。 - 成長の機会の提供
新しいスキルを身につけたり、より責任のある仕事に挑戦したりする機会があること。
これらの観点からエンゲージメントサーベイなどを活用し、組織の課題を見える化することで、社員のモチベーション低下や離職を早期に防ぎやすくなります。
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関連資料|エンゲージメントサーベイを用いて、離職防止を推進する⽅法
モチベーションを正しく理解し、仕事と人生の活力を高めるために
この記事では、自分のモチベーションを上げる具体的な行動から、仕事のモチベーションを高める目標設定や職場環境づくり、部下・社員のやる気を引き出すマネジメント、さらにモチベーション理論やエンゲージメントまで幅広く解説しました。
モチベーションは、一時的なご褒美や感情だけで保てるものではありません。自分自身のやる気を高めるには、作業興奮を活用して小さな一歩を踏み出し、タスクの細分化や「Will・Can・Must」を通じて、内発的な動機づけを育てていくことが大切です。また、部下や社員のモチベーションを上げるには、フロー理論や欲求5段階説、従業員エンゲージメントなどのモチベーション理論を理解し、「尊重」と「貢献感」を感じられる環境と評価の仕組みを整えることが欠かせません。
やる気は、ただ待つものではなく、個人と組織の両方で意図的に設計し、マネジメントしていくものです。今日から、ここで紹介したモチベーションを上げる方法やマネジメントの工夫を一つでも取り入れてみることで、仕事の生産性と人生の充実度を少しずつ高めていけるでしょう。
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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
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