• 更新日 : 2025年12月18日

エンジニアの適性検査で落ちる理由とは?代表的な「CAB」の概要や具体的な対策を解説

エンジニア採用や転職における適性検査は、技術力だけでは測れない論理的思考力や人柄を見極めるために重要です。とくに、ITエンジニア特有の適性検査は、専門的な問題が出題されるため、事前の知識がないと「落ちる」不安を感じる方も多いでしょう。

この記事では、エンジニアの適性検査が実施される理由や、「CAB」などを含む適性検査の種類、そして選考を有利に進めるための効果的な対策をわかりやすく解説します。

エンジニアの適性検査は難しい?落ちる主な理由は?

エンジニアの適性検査で「落ちる」原因は、単なる知識不足よりも、処理速度の遅さや性格面でのミスマッチにあるケースが多いです。

不合格となる主な原因を知ることで、対策のポイントを絞ることができます。

能力検査の処理速度が足りない

ITエンジニア向けの適性検査は、制限時間内に多くの問題を解く必要があるものが多く、スピードが重要です。解答率が高くても、時間内に解き終えられないと処理能力が低いと判断される傾向があります。

性格検査で企業が求める人物像と合致しない

性格検査では「コミュニケーション能力の高さ」「協調性」「論理的思考への志向」など、企業がエンジニアに求める項目に対する回答が一貫しているかが見られます。極端に「地道な作業が苦手」「自己中心的な傾向がある」といった結果が出ると、企業が求める人物像と合わないと判断されるかもしれません。

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検査の形式に慣れていない

とくにITエンジニア向けの「CAB」のような特殊な検査は、出題形式が独特です。対策をせずにぶっつけ本番で臨むと、問題の意図を理解するのに時間がかかり、結果として処理  能力が低いと判断されることがあります。

エンジニアの適性検査とは?

エンジニアの適性検査は、応募者が業務を遂行する上で必要な「基礎能力」と、組織に馴染めるかを見る「性格・志向性」の2つを主に測る検査です。

適性検査の目的は、応募者がエンジニアとしての資質や適性を備えているかを客観的なデータに基づいて判断することにあります。技術の習得スピードや、プロジェクトチームで協調性をもって働けるかなど、面接や書類だけではわかりにくい側面を検査によって把握できます。

エンジニアの適性検査では、主に以下の能力が見極められます。

  • 論理的思考力・数的処理能力
    プログラミングやシステム設計に必要な、物事を筋道立てて考え、複雑な情報を処理する能力。
  • 情報処理能力・暗号解読力
    短時間で大量の情報を正確に読み取り、処理する能力(特にIT特有の検査で重視される傾向があります)。
  • 性格・志向性
    ストレス耐性、チームワークを重視するか、地道な作業に向いているかなど、仕事への取り組み方や人柄。

関連記事|適性検査とは?SPIとの違いや、就活でのテスト対策・落ちる理由について解説

代表的なITエンジニアの適性検査「CAB」とは?

「CAB(キャブ)」は、とくにコンピュータ職や技術職の採用のために開発された適性検査で、プログラマやシステムエンジニア(SE)に必要な能力を測ることに特化しています。

CABは「Computer Aptitude Battery」の略で、システム開発における「暗号解読力」「論理的思考力」「法則性の理解力」といった、情報処理能力や数理的な適性を見るのに適しています。

検査の特徴として、グラフや暗号など独特な図形的な問題が多く、知識ではなくひらめきやパターン認識力が問われます。

CABで出題される主な問題内容と求められる資質

CABでは、情報処理能力や数的な推論力を中心に、以下の4つの能力検査と、性格検査が出題されます。

検査分野目的と概要求められる資質
暗算短時間で正確な四則演算ができるかを見る処理速度、計算の正確性
法則性図や記号の並びから規則性を見つけ出す抽象的な概念の理解力、パターン認識力
命令表命令文を読み解き、その結果を正確に導くプログラミング的思考、処理の正確性
暗号図形と対応する暗号を解読・変換する情報処理能力、論理的思考力

これらの問題を通じて、システムエンジニアやプログラマに欠かせない、「ロジックを理解し、それを正確に処理する能力」がどれだけ備わっているかが測られます。

その他エンジニア採用で使われる適性検査の主要な種類

「CAB」以外でエンジニア採用で使われる適性検査をご紹介します。

「CAB」と類似した適性検査「GAB」「IMAGES」

ITエンジニア向けの適性検査には、CABの他にもGAB(ギャブ)やIMAGES(イメージズ)といった種類があり、それぞれ検査の重点が異なります。

検査名主な実施対象特徴と重点
CABSE、PGなど

コンピュータ職

暗号・法則性など、情報処理能力に特化
GAB総合職・営業職言語・計数など、一般的なビジネス能力と、総合的なマネジメント適性
IMAGES中途採用GABの中途採用版で、より短時間で能力を測る

ITエンジニアを志望する場合、CABやその派生型が出題される可能性が高いため、特にCAB対策に重点を置くことが重要です。

論理的思考力や処理能力を測る「能力検査(SPIや玉手箱など)」

多くの企業で使われる能力検査は、エンジニアにおいても「地頭の良さ」や「情報処理のスピード」を測る目的で実施されます。

検査名特徴エンジニア採用での重視点
SPI言語・非言語の2分野。多くの企業で使われる標準的な検査。論理的思考力、数的処理能力
玉手箱問題形式が複数あり、同じ形式が続くのが特徴。四表・図表の読み取り、処理の正確さとスピード

これらの検査は、ITエンジニア特有のものではありませんが、エンジニアの適性を測る上では非言語(計数)や図表の読み取りがとくに重要になります。

知識や技術力を測る「専門性検査」

専門性検査は、エンジニアとしての知識や技術レベルを測るもので、言語能力や計算能力といった基礎能力検査とは切り離して実施されることがあります。この種の検査は、即戦力を求める中途採用の現場で多く使われます。

プログラミング知識テスト

実際にコードを記述させるものや、特定の言語(Java、Pythonなど)に関する文法や概念の知識を問う形式です。

ITパスポートや基本情報技術者試験レベルの知識テスト

情報セキュリティ、ネットワーク、データベースなど、ITの基礎知識を問う内容です。

 ITエンジニアの適性検査の効果的な対策方法

エンジニアの適性検査の対策は、能力検査では「慣れとスピード」、性格検査では「自己理解」に焦点を当てて進めましょう。

能力検査の対策

  • 問題形式に慣れる
    SPIや玉手箱、CABといった主要な検査は、それぞれ出題の傾向が異なります。まずは公式問題集や市販の問題集で、どのような形式の問題が出るのかを把握しましょう。
  • 時間を測って解く
    能力検査で落ちる最大の原因は、処理速度の遅さです。本番と同じように制限時間を設けて 問題を解き、時間内にどれだけ正確に解けるかを確認する練習を重ねましょう。

性格検査の対策

  • 自己分析を深める
    性格検査は、自分を良く見せようとするのではなく、素直に回答することが大切です。自分が仕事に対して何を重視し、どのような状況でストレスを感じるかを事前に自己分析しておくと、一貫した回答ができるようになります。
  • 企業が求める人物像を意識しすぎない
    企業が求める理想像を予測して回答すると、無理が生じてしまい、結果として「一貫性がない」と判断されることがあります。

エンジニアの適性検査「CAB」への対策

ITエンジニア特有のCAB対策では、独特な問題形式に慣れることが合否を分けます。

暗号・法則性のルールを理解する

CABの暗号や法則性の問題には、いくつかパターンがあります。まずは、問題集の解説を  読み、どのような法則が使われているのかを理解します。

毎日少しずつ問題を解く

独特な問題は、短期間で集中して取り組むよりも、毎日少しずつ頭を慣らしていく方が効果的です。スキマ時間を使って、暗算や簡単な法則性の問題を解く習慣をつけましょう。

スピードを最優先する訓練

CABは他の検査と比べて制限時間が短く、問題数が多い傾向にあります。多少のミスは承知の上で、時間内にすべて解ききる練習を重ね、処理速度の限界を高めることが重要です。

問題集や無料ツールを活用した効率的な学習をしよう

対策を効率的に進めるには、自分の受検予定の検査に合わせた問題集や無料ツールを効果的に活用しましょう。

問題集の活用

まずは1冊の決定版を選び、それを徹底的に繰り返して解きます。複数の問題集に手をつけると、いずれも中途半端になるかもしれません。

市販の問題集を選ぶ際は、自分が受検する可能性のある検査形式(SPI、玉手箱、CABなど)に対応しているかを確認し、以下のポイントを踏まえて選ぶことをおすすめします。

  • 受検形式に特化したもの
    エンジニア採用であれば、「CAB対策」など、IT系に特化した問題を多く収録している問題集を選ぶと、効率的に準備を進められます。
  • 解説が丁寧なもの
    答えだけでなく、問題の解法プロセスや法則がわかりやすく説明されている問題集を選ぶことで、ただ答えを暗記するだけでなく、応用力を身につけることができます。

エンジニアの適性検査対策では無料ツールの活用もおすすめ

多くの問題集やツールがオンラインで提供されており、移動時間や待ち時間など、場所を選ばずに学習を進めることができます。とくに、時間を測って模擬試験ができる無料ツールは本番に慣れるために非常に有用です。

実際の適性検査に近い形式で問題を無料で試せるサイトを活用することは、自分の現在のレベルを把握し、対策の進捗を確認するために非常に役立ちます。

  • SPI対策サイト
    SPI形式の非言語(計数)や言語の練習問題が無料で公開されているWebサイトをいくつか試してみましょう。
  • IT適性検査対策アプリ
    CABやGABに類似した形式の問題を収録したスマートフォンアプリもあります。とくに、暗号解読や法則性といった図形的な問題は、アプリで視覚的に訓練するのも効果的です。

これらのツールは、自分がどの分野で時間がかかっているのか、どのような問題でミスをしやすいのかを分析し、弱点を把握するために使いましょう。

ITエンジニアの適性検査を正しく理解し採用・選考の確度を高める

エンジニアの適性検査は、単なる足切りではなく、応募者の潜在能力や企業との適合性を測るための有効な手段であり、その目的を正しく理解することが採用や選考の確度を高めます。

エンジニアの適性検査は、応募者にとっては「落ちる不安」を生むハードルに見えるかもしれません。しかし、企業側から見れば、入社後のミスマッチを防ぎ、長期的に活躍できる人材を見極めるための科学的なツールです。特にIT業界特有のCABなどの検査は、プログラマやシステムエンジニアに必要な情報処理能力を効率的に測ることができます。

対策を進める上では、出題傾向の把握と時間内に解ききる処理速度の向上が重要です。能力検査で適切なスコアを出し、性格検査で自己理解に基づいた一貫性のある回答をすることで、選考を有利に進められるでしょう。


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