- 更新日 : 2025年12月24日
8連勤は違法? 連勤は何日まで可能かを解説
日本の多くの会社では1ヶ月に1回以上、休日が2日間ある週を設けるという、週休2日制を導入しています。したがって5連勤までは、一般的な働き方であると考えられます。
しかし、変則的な働き方を採用している会社では、8連勤や9連勤をしている方も少なくありません。そこで「労働基準法に違反していないか?」や「そもそも何連勤までできるの?」といった疑問を抱いている方もいるでしょう。
この記事では法律上、連勤は何日間まで認められているかを解説します。
目次
8連勤することは違法ではない
結論からいえば、8連勤や9連勤は労働基準法違反ではありません。はじめに連勤の上限日数について解説します。
連勤の上限日数は、原則として12日間まで
労働基準法第35条1項では、労働者の休日について、以下のように定められています。
使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
引用:労働基準法第35条1項
労働基準法第35条1項にもとづいて考えると、日曜日が休日だった場合、その翌週の土曜日までのどこかに休日があれば、働き方として問題はありません。つまり法律上では、あまり現実的ではないものの、連続して12日間までは休みなく働けるのです。
変形休日制の場合は、最大で24日間まで
労働基準法第35条1項にもとづいて考えると、連勤の上限日数は12日間までです。しかし、労働基準法第35条2項に該当する場合は、この限りではありません。
前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
引用:労働基準法第35条2項
つまり変形休日制の場合は、労働基準法第35条1項にもとづく休日の制度が適用されないため、理論上では12日間以上、最大で24日間まで休みなく働けることになります。
なお変形休日制とは、1週間に1日以上の休日を与える週休制をとれない場合に、4週間に4日以上の休日を与えてもよいとする制度のことです。
変形休日制では法律上、24日間までは休みなく働けるものの、従業員の心や体の健康を害するおそれがあります。もし実際に変形休日制をとる場合は、休日と勤務日のバランスに十分に配慮しましょう。
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パートやアルバイトも8連勤することは違法ではない
前述した労働基準法第35条1項の規定については、パートやアルバイトの従業員に対しても適用されます。パートやアルバイトの従業員であっても、休日や勤務日は、ほかの従業員と同じように扱われるのです。
たとえば1週間に1日の休日を与えられていれば、パートやアルバイトの従業員であっても、連続して12日間まで働けます。また、4週間に4日以上の休日が与えられている場合は、連続して24日間まで働くことが可能です。
なお、経営者や経営者と密接な立場にある従業員、すなわち管理監督者の場合は、このような労働基準法の休憩・休日に関する規定が適用されません。
この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
引用:労働基準法第41条
とはいえ従業員の健康管理の観点から、管理監督者の連勤については、ほかの従業員と同じように扱いましょう。
連勤の上限を超えた場合に起こり得ること
連勤の上限日数を超えた場合は、労働基準法に違反しているとみなされ、罰金が科されたり、労働基準監督署の調査が入ったりすることがあります。ここからは、連勤の上限日数を超えた場合に起こり得ることを解説します。
労働基準法違反になり罰金が科される
法律上、連勤が認められているのは原則として12日間までです。よって変形休日制を採用していない場合は、13日間以上、休みなく働かせることは違法とみなされます。
なぜなら1週間に1日の休日は付与されているものの、その休日が突如として出勤日に変更された結果、連続して13日間以上、休みなく働いていることになるためです。
このような場合は、前述した労働基準法第35条1項に違反しているとみなされ、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。
労働基準監督署の調査が入る
連勤の上限日数を超えた場合、労働基準監督署の調査が入る可能性があります。
労働基準監督署は、厚生労働省の出先機関です。労働基準法にもとづいて管轄区域の会社を指導監督したり、労働安全衛生法にもとづいて設備を検査し、労働条件を確認したりしています。
労働基準監督署による調査の結果、重大または悪質な違反が認められた場合は、書類送検されるおそれがあります。連勤の上限日数を超えたからといって、即座に書類送検されることはないものの、労働基準監督署の調査には真摯に対応しましょう。
従業員の健康を害してモチベーションの低下を招く
法律上は、12日間ないしは24日間まで休みなく働けます。しかし、過度な労働は従業員の健康を害する一因になります。
休日がないためにリフレッシュできず、精神的・肉体的に疲労が溜まった結果、心身に不調をきたし、休職や退職を余儀なくされる従業員もいるかもしれません。ほかの従業員に「労働環境が悪い」「労働環境が改善されない」というイメージを与えかねず、会社に対する信頼度が著しく低下する可能性もあります。
その結果、従業員のモチベーションが低下し、生産性が落ちてしまうケースも考えられます。退職者や転職検討者が増えるなど、人材が定着しない原因にもなりかねません。
労災が認定されて慰謝料が発生するおそれがある
さらに過度な労働が理由で、なんらかの事故が発生した場合は、労災が認定される可能性があります。過労が原因の場合、業務時間外の事故であっても、労災が認定されるおそれがあります。
労災が認定された場合は、労働者から慰謝料や損害賠償責任を請求される可能性もあるでしょう。労災が認定されると、会社は経済的なダメージや社会的なダメージを受けるでしょう。貴重な人材を失う可能性も否定できません。
連勤の上限を超えないためにすべきこと
連勤の上限日数を超えてしまった場合は、法律上のペナルティが科せられるだけでなく、そもそも従業員の健康を害し、モチベーションの低下を招くおそれがあります。このような事態を避けるためには、どうすればいいのでしょうか? ここからは、連勤の上限日数を超えないためにすべきことを解説します。
計画的な休暇取得を推奨する
連勤の上限日数を超過しないように、計画的な休暇取得を推奨しましょう。
従業員の心身の健康を守るために、定期的に休息をとれる日を設ける必要があります。年次有給休暇の「計画的付与制度(計画年休)」を導入するという方法もあります。
年次有給休暇の計画的付与制度を導入するにあたっては、はじめに就業規則に年次有給休暇の計画的付与制度について定めましょう。続いて、労働者の過半数からなる労働組合または労働者の過半数の代表者との間で、書面による協定を結びます。その際は、以下の5つの項目について、定めなければなりません。
- 計画的付与の対象者
- 対象となる年次有給休暇の日数
- 計画的付与の具体的な方法
- 年次有給休暇の付与日数が少ない者の扱い
- 計画的付与日の変更
年次有給休暇の計画的付与制度の導入手順については、厚生労働省の「働き方・休み方改善ポータルサイト」において、詳しく紹介されています。ぜひ参考にしてください。
参考:働き方・休み方改善ポータルサイト|計画的付与制度(計画年休)の導入に必要な手続き
勤怠管理システムを導入して労働時間を可視化する
連勤の上限日数を超過しないように、従業員ひとりひとりの労働時間を可視化することも大切です。
従業員ひとりひとりの労働時間を可視化するには、勤怠管理システムを導入するという方法があります。勤怠管理システムを導入することによって「誰が」「どのくらい」働いているかを把握しやすくなるでしょう。
過度な労働をしている従業員がいれば、計画的に休暇を取得させるなど、必要な対策を早めに講じられるようになります。その結果、従業員の心身の健康を害するリスクを低減できるでしょう。
定期的にシフトを見直す
さらに労働時間が可視化されたことによって、勤務日に偏りがある従業員を見つけられるかもしれません。その場合は、シフトの見直しを行いましょう。
シフトの見直しと同時に、業務量を平準化し、適切な人員配置を行うことも必要です。またシフトは一度のみならず、定期的に見直しをし、継続して改善していきます。
勤務間インターバル制度を導入する
勤務間インターバル制度を導入する方法もあります。
勤務間インターバル制度は、従業員の生活を改善し、睡眠時間を確保することを目的とし、終業時刻から始業時刻の間に一定の休息時間を設ける制度です。労働時間等の改善に関する特別措置法の改正をきっかけに、2019年4月1日より、勤務間インターバル制度の導入は努力義務になっています。
勤務間インターバル制度を導入すると、以下の3つのメリットを享受できます。
- 従業員の健康を維持、向上できる
- 人材の定着や確保が期待できる
- 生産性が向上する
いずれも会社側にとって大きなメリットといえるので、連勤の上限日数を超えないためにも、勤務間インターバル制度の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
参考:働き方・休み方改善ポータルサイト|勤務間インターバル制度とは
8連勤は違法ではないが、過度な連勤にならないように注意しよう
8連勤は違法ではありませんが、過度な労働は、従業員の健康を害するおそれがあります。最悪のケースとして事故が発生し、労災が認定され、慰謝料が発生するリスクもはらんでいます。
このような事態に陥らないように、この記事を参考に勤怠管理システムを導入し、定期的にシフトを見直すなど、従業員の働き方を管理できる環境を整えましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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