- 更新日 : 2024年8月29日
運転日報とは?書き方や保管期間を解説 – 無料テンプレートつき
運転日報は、配送などで車両を活用する物流系企業やさまざまな業種の営業などで社有車を保有している企業においては欠かせないものです。では、なぜ運転日報を記録する必要があるのでしょうか。
今回は、運転日報の義務化に関する法律や運転日報の書き方、保管期間、アプリを使った電子化・ペーパーレス化ができるのかについて解説します。
目次
運転日報とは?
運転日報とは、企業が保有している車両を業務で使用した従業員が氏名や運転開始・終了した日時、走行を要した距離など、車両を使用した内容を都度記録したものです。
日々の状況を記録しておくことにより、従業員が就業している状況や、保有している車両の最新の状態などが把握できます。
運転日報は安全運転管理者の必須業務
一定数以上の車両を使用している事業所においては、道路交通法令を遵守し交通事故の防止を図るため、安全運転管理者の選任と公安委員会への届け出が義務付けられています。
運転日報の管理は、安全運転管理者が事業所において主導すべき安全運転管理業務の1つとして必須業務とされています。
運転日報は法律で義務化されている
一般貨物自動車運送事業者等は、貨物自動車運送事業輸送安全規則において運転日報の記録と保管が義務付けられています。また、一般企業でも一定数以上の車両を保有する場合には、道路交通法施行規則により運転日報の記録と保管が義務付けられています。
運転日報の書き方は?
運転日報には記載をする必要のある項目が決まっています。一般貨物自動車運送事業を営む企業の場合と一般企業でも一定数以上の車両を保有する企業の場合とをそれぞれ見ていきましょう。
一般貨物自動車運送事業を営む企業の場合
貨物自動車運送事業輸送安全規則で規定されている事項を記載する必要があります。
- 運転者の氏名
- 乗務した自動車の自動車登録番号、またはその他の使用した自動車が識別可能な表示
- 乗務開始・終了日時と場所、主な途中経過の地点や乗務した距離
- 途中で運転を交代した場合には、その場所と日時
- 休憩や睡眠をとった場合は、その場所と日時
- 貨物の積載状況(車両総重量が8トン以上、または最大積載量が5トン以上の事業用普通自動車に乗務の場合)
- 交通事故、著しい運行の遅延、その他異常な状態が発生した場合の概要と原因
一定数以上の車両を保有する企業の場合
道路交通法施行規則で規定されている事項を記載する必要があります。
- 運転者の氏名
- 運転開始・終了日時
- 走行を要した距離
- その他、当該自動車の運転状況を把握する上で必要な事項
これらは、法律で定められた最低限の項目です。これ以外にも、業務の効率アップやコスト削減につながるような項目(例えば、給油記録、同乗者など)があれば合わせて記録しておいてもよいかもしれません。
運転日報のテンプレート【無料ダウンロード可】
運転日報には特に決まった書式がないため、自社で書式を作成する必要があります。ただ、不足などがあると大変ですので、テンプレートを使うのがおすすめです。
「マネーフォワード クラウド給与」では、今すぐ使用できるワード形式の運転日報を無料でダウンロードできます。ダウンロードして試してみてはいかがでしょうか?
▼ 運転日報のテンプレートはこちらから無料でダウンロードできます
運転日報の保管期間は?
運転日報を保管しておく期間は、「貨物自動車運送事業輸送安全規則」においても「道路交通法施行規則」においても最低1年間とされています。
ただ、運転日報には使用した従業員の運転時間などを記録するため、上記の法律の他に、労働基準法についても考慮しておいた方がよいでしょう。
労働基準法では書類の保存期間は3年間と決まっていますので、運転日報の保存も労働基準法に合わせて3年間としておくと問題ないでしょう。
運転日報はアプリで電子化・ペーパーレス化できる?
以前は手書きでの記入が主流だった運転日報ですが、「書く時間が取れない」「手書きなので人によっては読めない」「記入内容に誤りがある」など、管理部門は頭を悩ませることが多いと思います。
では、現在のデジタル化の技術でアプリなどを利用した電子化やペーパーレス化はできるのでしょうか?
デジタル化が進んだ現在においては、運転日報の作成業務はアプリで電子化が進んできているようです。それらのアプリを有効に利用することによって、生産性は上がり日報の内容が効率良く管理できるようになり、業務分析などにも役立つように運用ができます。
運転管理日報を作成してきちんと車両管理しましょう
車両を保有している企業にとって、運転日報は法律でその管理方法が定められ、労働者にも「運転管理日報を手書きで記入する」ということを指示し、実行していかなければなりません。
アプリ等を利用した運転管理日報の作成を行うことにより、入力する側は統一したルールでの入力ができます。また、管理する側も業務効率化が図れる上に、正確な車両管理を行うことができるようになるのです。
運転日報は、なるべく時間をかけないように作成し、正確で適切な車両管理が行えるような日報になるようにしましょう。
よくある質問
運転日報とは?
運転日報とは、企業が保有している車両を業務で利用した従業員が氏名や運転日時、走行距離などを都度記録したものです。日々記録することで従業員の就業している状況や、保有車両の最新の状態などが把握できます。詳しくはこちらをご覧ください。
運転日報の無料テンプレートはある?
「マネーフォワード クラウド給与」では、すぐ使用できるワード形式の「運転日報テンプレート」を無料でダウンロードできます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
36協定における連勤は何日まで可能?連勤の考え方や労働時間のルールを解説
労働基準法では労働者を何日連続で勤務させられるかについて規定があり、違反すると6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。しかし条文を読むだけでは分かりづらく、調べても「6日」「7日」「12日」「13日」「24日」…
詳しくみる200連勤は違法である理由|労働基準法に基づき分かりやすく解説!
200連勤は非常に異常な労働条件であり、このような長期間の連続労働は、身体的および精神的健康に甚大なリスクをもたらします。 本記事では 「200連勤は違法なのか?」 という疑問を労働基準法に基づいて分かりやすく解説します。法令遵守はもちろん…
詳しくみる作業報告書とは?テンプレートを基に書き方、ポイントを紹介
作業報告書は、プロジェクトや業務などの進捗状況や成果を記録し、関係者と共有する重要な文書です。この記事では、作業報告書の意義や作成のメリットから、テンプレートを活用した具体的な書き方、書く際のポイントまで詳しく解説します。効果的な作業報告書…
詳しくみる建設業は2024年4月から36協定の時間外労働の上限規制が適用
2024年4月から、建設業においても36協定の上限規制が適用されました。 長時間労働の是正を目的としたこの規制は、労働者の健康を守りつつ、企業が法令を遵守するための重要なルールです。 しかし、現場単位での締結や特別条項の運用など、建設業特有…
詳しくみる過労死ラインは何時間?人事労務担当者が気をつけること
過労死ラインとは、健康被害に発展するリスクが高まる時間外労働の時間のことです。発症前1ヶ月間に100時間、2~6ヶ月間を平均し月80時間の時間外労働があると、業務と疾病との関連が強くなるとされています。この記事では、過労死や過労死ラインの定…
詳しくみる人事異動で通勤時間が2時間になったら、会社都合の退職になる?
人事異動によって通勤時間が大幅に伸びると、仕事だけでなく私生活にも大きな影響を及ぼします。とくに片道2時間となると、往復で1日4時間を通勤に費やすことになり、従業員の負担は大きくなります。 また、このような人事異動が原因で従業員が退職してし…
詳しくみる