- 更新日 : 2025年12月18日
エンジニア採用が難しいのはなぜ?効果的な採用方法や成功のコツ
IT技術が進化するにつれて、企業におけるエンジニア採用の重要性はますます高まっています。しかし、「採用活動をしているのになかなか人が集まらない」「求めるスキルを持つ人材に巡り会えない」と、エンジニア採用が難しいと感じている企業は少なくありません。この問題は、単に求人を出せば解決するものではなく、採用戦略そのものを変える必要があります。
この記事では、エンジニア採用が難しい理由を解説し、採用に苦戦する会社の特徴から、ITエンジニアを獲得するための効果的な採用方法と成功のポイントまでをわかりやすく解説します。
エンジニア採用が難しい理由とは
エンジニア採用は、なぜこれほどまでに難しいのでしょうか。その主な要因は、以下の三つにあります。
IT人材の需給ギャップと技術の多様化
エンジニア採用が難しい理由の第一は、需要と供給のバランスが崩れている点にあります。企業のデジタル化(DX)の推進により、ITエンジニアの需要は年々高まっていますが、供給が追いついていません。
経済産業省の調査でも、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足するという試算が示されており、この需給ギャップが採用の難易度を押し上げています。さらに、プログラミング言語や開発フレームワークの多様化が進み、企業が求める専門的なスキルが細分化しているため、「自社に合ったスキルを持つエンジニア」を見つけ出すことが一層難しい状況です。
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ITエンジニアが重視するキャリア志向の変化
ITエンジニアは、他の職種と比較して、自分のスキルやキャリアを非常に重視する傾向があります。彼らが転職先を選ぶ際、給与や知名度以上に以下のポイントを深くチェックします。
- 技術的な成長機会
最新の技術スタックを使えるか、新しい技術に挑戦できる環境があるか。 - 柔軟な働き方
リモートワークやフレックスタイムなど、自由度の高い働き方ができるか。 - 技術への評価
エンジニアとしてのスキルが正当に評価され、報酬に反映される仕組みがあるか。
企業側がこれらのエンジニア特有のニーズに応えられていない場合、求人を出しても選考辞退や応募の減少につながります。
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ITエンジニア採用における採用単価の高騰
需給ギャップの拡大とエンジニアのキャリア志向の変化は、エンジニア採用にかかるコストの高騰を招いています。優秀なITエンジニアは、複数の企業から引く手あまたの状態であり、人材紹介会社を利用した場合の紹介手数料や、求人広告を掲載する際の費用が上昇する傾向にあります。
特に、高度なスキルや経験を持つエンジニア採用においては、提示する年収水準を上げなければ、他社との競争に勝つことができません。そのため、エンジニア採用は、その他の職種と比較して、企業が負担するコスト(採用単価)が高くなりやすいという特徴があります。このコスト負担の増加も、中小企業にとってエンジニア採用が難しい理由の一つです。
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ITエンジニアの効果的な採用方法
エンジニア採用の難しい現状を打破するためには、従来の待ちの姿勢ではなく、ターゲット層に合わせた多様な採用方法を組み合わせる戦略が必要です。
求人広告:求職者の興味を引く魅力的な広告を公開する
求人広告は、専用サイトに募集情報を掲載し、広く応募者を募る手法です。利用者数の多いサイトを活用すれば、企業の認知度を広げることが可能になります。
ただし、企業の知名度が低い場合、掲載するだけでは応募につながりにくい側面があります。そのため、応募者の目を引き、行動を促すような工夫を施した求人広告の作成が非常に重要です。
求職者が応募したくなる広告を作るには、以下のことを実践しましょう。
- 求める人物像を具体的に定める
- タイトルで企業の持つ独自の強みを簡潔に伝える
- 事業の方向性やビジョンを明確にし、入社後の目標を持たせるようにする
- 働く環境や社風が伝わる情報を記載する
- 社員やオフィスがわかる、明るい印象の写真を載せる
求職者が企業が目指すものや、働く人々の様子を理解しやすい内容にすることが大切です。最初に広告をクリックしてもらうために、タイトルと写真を選定しましょう。
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人材紹介:経験豊富なハイクラス人材との接点を持つ
人材紹介は、エージェントを通じて、企業が求める条件に合った人材を紹介してもらうサービスです。
専門性の高いエンジニアや、即戦力となるCTOなど、通常の転職市場では見つかりにくい経験豊富な人材を採用したいときに利用すると効果的です。外国籍のエンジニア採用についても、専門のエージェントを通じて進めることが一般的です。
人材紹介の多くは成功報酬型を採用しています。採用が決定した際、人材の年収の30〜40%程度を手数料として支払うため、給与水準が高い人材を採用する場合、支払額が高額になる点がデメリットの一つといえます。
ダイレクトソーシング:転職意欲が低い層にもアプローチ
ダイレクトソーシングとは、専用プラットフォームやSNSを利用し、企業側からエンジニアに直接スカウトメッセージを送る採用手法です。
企業が求める人材に積極的にアプローチできるため、希望するスキルを持つ候補者との接点を持ちやすいのがメリットです。知名度に左右されにくく、メッセージの内容次第でコミュニケーションを始めやすいのも特徴です。
ただし、メッセージを送る候補者がすぐに転職活動中であるかを判断できません。転職を検討し始めたばかりの「転職潜在層」へ接触することになるため、短期間での採用実現は難しいかもしれません。効果を上げるには、他の採用手法と組み合わせて利用することが推奨されます。
リファラル採用:組織文化に適合する人材を獲得する
リファラル採用は、社員を通じて、友人や以前の同僚などを紹介してもらう採用手法です。「自社の文化や仕事内容に合いそう」なエンジニアを紹介してもらい、会社は紹介者に謝礼(インセンティブ)を支払います。
内情を理解している社員からの紹介であるため、企業の文化や価値観に合うエンジニアと出会いやすく、結果として入社後の定着率が高くなる傾向があります。一方、日々の業務で忙しい社員に協力してもらうためには、企業側の働きかけに工夫が必要です。
また、紹介された候補者を不採用とした場合、社員と候補者の人間関係に悪影響を及ぼす恐れがあります。そのため、たとえ不採用となった場合でも、紹介に対する感謝として何らかのインセンティブを支払うなど、社員が積極的に紹介できる体制を取り入れるようにしましょう。
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採用代行活用RPOの活用:採用コストと手間を削減
エンジニア採用の専門知識や工数が社内に不足している場合、外部の採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)サービスを活用することも効果的です。特に、エンジニア採用が難しいとされている中小企業にとって、採用活動の手間とコストを適切に保つ手段となります。
エンジニア採用代行は、以下のような業務を外部に委託できます。
- 採用戦略の立案やペルソナの策定
- 求人サイトや採用媒体の選定・運用
- 応募者のスクリーニングや面接日程の調整
- 外国人エンジニア採用における手続きサポート
これにより、人事・採用担当者はコア業務に集中でき、かつプロの知見を活かしたスムーズで効果的な採用活動ができるようになります。
関連記事|RPOとは?採用代行のメリット・デメリット、選び方や導入すべき企業を解説
外国人エンジニア採用も視野に入れる
国内でのエンジニア採用が難しい現状から、外国人エンジニア採用を検討する企業が増えています。これは、優秀なITエンジニアが世界中に存在しており、採用の幅を大きく広げることにつながります。
外国人採用を成功させるためには、以下の点に留意する必要があります。
まず、外国語に対応した求人サイトや、外国人エンジニア採用に特化した人材紹介会社(エージェント)を利用し、現地の優秀な人材へアプローチします。
次に、ビザ申請のサポートや住居の手配など、生活サポート体制を整備することが重要です。外国人エンジニアが日本で働く上での不安を解消するための細やかなサポートは、優秀な人材を引きつける大きな魅力となります。
未経験エンジニアを採用し潜在層にアプローチ
エンジニア採用の慢性的な不足を解消する手段として、未経験エンジニア採用を強化する企業も増えています。即戦力ではないものの、育成することで長期的に企業に貢献してくれる人材を確保できます。
未経験エンジニア採用では、「成長意欲」と「論理的思考力」を重視します。
まず、採用方法としては、ITスクールとの提携や、自社でのプログラミング体験会、あるいはSNSを活用した情報発信を通じて、未経験ながらエンジニアに興味を持つ潜在層へアプローチします。
次に、採用後のフォローが重要であり、入社後の研修プログラムやOJT体制をはっきりさせる必要があります。これにより、「未経験でも安心して成長できる」というメッセージを強く打ち出すことが、未経験エンジニア採用を成功させるコツです。
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エンジニア採用を成功させるポイント
エンジニア採用を成功させるためには、単に多くの採用媒体に求人を出すだけでなく、自社の組織体制や文化にも目を向け、抜本的な改善を行うことが重要です。
現場エンジニアを巻き込む「スクラム採用」を行う
現場エンジニアを巻き込む「スクラム採用」は、エンジニア採用の精度とスピードを向上させるコツです。単に協力を仰ぐだけでなく、以下の手順で組織的に進めましょう。
- 採用目的の共有
現場エンジニアに対して、なぜ採用が必要なのか、そして具体的にどのようなスキルを持つ人材を求めるのか(評価基準)をはっきりさせます。 - カジュアル面談の実施
選考の初期段階で、人事ではなく現場のエンジニアがカジュアル面談を実施します。これにより、応募者は企業の技術レベルや雰囲気を深く理解でき、ミスマッチを防ぐことができます。 - 技術課題の作成と評価への参加
現場のITエンジニアに、実務に合った技術課題(コーディングテストなど)の作成や、その採点・評価に参加してもらいます。これにより、専門的な観点からスキルを正確に見極めることが可能になります。
採用後の離職を防ぐ「定着のための仕組み」を構築
エンジニア採用が難しいからこそ、せっかく採用した人材を離職させない仕組みが、採用成功の重要なポイントとなります。採用後のオンボーディングや評価制度を具体的に見直しましょう。
- スキルマップの導入
エンジニアの役職や給与と、具体的な技術スキルや経験を紐づけた「スキルマップ」を導入します。これにより、「何をすれば昇進・昇給できるか」が透明になり、エンジニアのモチベーションと成長意欲を維持することにつながります。
関連記事|スキルマップとは?例を用いて作り方を解説!
関連資料|スキルマトリックス(ワード) テンプレート - スムーズなオンボーディング(受け入れ)
入社直後に、使用ツールのアカウント発行、開発環境のセットアップ、チームメンバーの紹介などをスムーズに行えるよう、チェックリストを用意しておきましょう。これにより、エンジニアがすぐに業務に集中できる環境を整えられます。
関連資料|オンボーディングで検討すべき項目のリスト(ワード)
エンジニア採用に苦戦する会社の特徴
エンジニア採用に苦戦している会社には、いくつかの共通した特徴が見られます。これらに当てはまる場合は、採用活動を進める前に、まず自社の体制や発信内容を見直すことが重要です。
これらの特徴を理解することが、エンジニア採用の難しい壁を乗り越えるポイントになります。
採用ターゲットやペルソナが不明確
エンジニア採用に失敗する会社は、「とにかくエンジニアが欲しい」という漠然としたニーズしか持っていないことがあります。具体的に「どのようなスキル(例:Python、AWS)が必要か」「どのような経験(例:リーダー経験、toCサービス開発)を求めているか」といった採用ターゲットやペルソナがはっきりしないと、以下のような問題が発生します。
- 求人票が曖昧になり、優秀な人材が興味を持たない。
- 採用媒体や採用サイトを選定する際に、どの層にアプローチすれば良いかわからなくなる。
- 面接での評価基準がブレてしまい、採用後のミスマッチを引き起こす。
エンジニア採用を成功させるには、まず「自社が求めるITエンジニアとは何か」をはっきりさせることが欠かせません。
関連記事|採用ペルソナとは?設定方法や項目を解説!無料テンプレートも紹介
関連資料|採用ペルソナ(ターゲット)設定シート(ワード)
企業独自の魅力や働くメリットを発信できていない
エンジニアは、仕事内容や給与水準だけでなく、「どのような環境で働けるか」「技術的に成長できるか」といった点を重視する傾向があります。採用に苦戦する会社は、これらの企業独自の魅力を求職者に適切に発信できていません。
例えば、以下のような情報の発信が不足していると、エンジニア採用が難しい状況に陥りやすいです。
- 具体的な開発環境
使用技術スタック、利用しているツール、開発手法(アジャイルなど) - 技術的な裁量権
新しい技術を試せる機会や、エンジニアとしての意見が反映される文化 - 評価制度
スキルアップがどのように評価・給与に反映されるかの透明性
他社と同じような内容の求人情報だけでなく、ITエンジニアが具体的に働くイメージを持てる情報を発信することが、採用成功のポイントです。
関連資料|採用強化の後押しに!最小限の手間と負担額実質0円から導入できる福利厚生とは
エンジニア採用の難しい課題を乗り越え組織を強化する
エンジニア採用の難しい課題を乗り越えることは、現代の企業にとって避けて通れません。人手不足という外部要因はありますが、採用に苦戦する会社の特徴をふまえて自社の採用戦略や体制を見直せば、必ず道は開けます。自社が必要とするITエンジニア像をはっきりさせ、ターゲットに合った採用媒体やサイトを選び、時には採用代行も活用しながら、全社一丸となって採用活動を進めることが重要です。質の高いエンジニア採用を実現することが、企業の持続的な成長と組織力強化を可能にします。
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