- 作成日 : 2026年2月19日
えごま栽培は儲かる?収益の仕組みから始め方まで解説
えごま栽培は、油への加工と販路確保を組み合わせれば、小規模でも十分に利益化が可能です。
- 加工で利益率が2倍以上に
- 直売やネット販売が有利
- 国産品の需要が安定して高い
種子販売のみでは利益が限られますが、えごま油として加工し直売すれば、利益率は上昇します。
健康志向の高まりを背景に注目を集める「えごま油」。その原料であるえごまを自ら栽培し、販売することに興味を持つ人が増えています。しかし、えごま栽培は本当に儲かるのでしょうか?
本記事では、これから農業を始めたい初心者の方に向けて、えごま栽培の収益構造や成功のポイント、初期費用や始め方の手順などを解説します。
目次
えごま栽培は儲かる?需要はある?
えごま栽培は、適切な加工と販路を確保すれば、十分に利益を上げられる可能性がある農業です。とくにえごま油として商品化することで、種子のまま販売するよりも大幅に収益性を高めることができます。また、健康志向の高まりを背景に国産えごまの需要は今後も安定して伸びると考えられます。以下では、収益構造と市場環境の2つの視点から解説します。
加工して販売すれば小規模でも十分利益が見込める
えごまの種子をそのまま出荷するだけでは利益は限定的ですが、搾油して「えごま油」として販売することで収益性が格段に高まります。例えば10a(アール)あたりの利益は、種子販売では約2万円程度であるのに対し、加工販売では約5万3千円に増加し、利益率は36%程度まで向上するという試算があります。また、大規模に5ヘクタール栽培しすべて搾油すれば、年間約330万円の利益も現実的とされています。このように、6次産業化の視点で付加価値を加えることが、えごま栽培を儲かる農業に変える鍵となります。
国産えごま油の需要増により販売の追い風が続いている
えごま油は、α-リノレン酸を豊富に含む機能性食品として注目されており、健康意識の高まりとともに需要が拡大しています。とくに国産のえごまは供給が少なく、輸入品に比べて安全性や品質の面で消費者から支持を得やすい状況です。国内の栽培面積は限られており、需要に対して供給が追いついていないため、品質の高いえごま油であれば比較的高値で安定的に販売できる可能性が高いです。販路を確保できれば、えごま栽培は市場環境にも後押しされ、利益を生み出しやすい事業となるでしょう。
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えごま栽培で成功するためのポイントは?
えごま栽培で安定した収益を得るためには、作物を育てるだけでなく、収量の確保、販売の工夫、商品としての価値づけという3つの視点が欠かせません。以下では、成果につながりやすい成功のポイントを紹介します。
適切な栽培管理によって収量を安定させる
収穫量の安定は収益の基盤です。鳥取県の事例では、栽培密度や収穫時期の調整、雑草・害虫対策を徹底することで、収量が約1.8倍に改善されました。特に株間の最適化(25〜40cm)と、収穫適期を逃さない観察が大きな効果を発揮します。初期除草を怠らず、必要に応じて病害虫の対策も講じることで、単位面積あたりの収益が向上します。
参考:特産物若桜のえごまの振興と地域水田担い手の育成|鳥取県
搾油による加工で付加価値を高める
収穫した種子をそのまま売るより、えごま油として販売した方が利益率は2倍以上になるケースもあります。搾油設備がなくても、各地の搾油施設に委託すれば加工が可能です。加工販売によってブランド化しやすく、国産えごま油として高単価での販売が期待できます。副産物の油かすも肥料などに利用でき、無駄なく活用できます。
多様な販路とストーリーで販売力を強化する
道の駅、直売所、ECサイト、マルシェなど多様な販路を持つことが安定販売につながります。また、「誰が・どこで・どう育てたか」という背景を伝えることで、消費者の信頼を得やすくなります。小規模でも、品質と情報発信力で差別化できれば、高価格帯でも継続的に販売することが可能です。
えごま栽培の注意点・リスクは?
えごまは比較的育てやすい作物ですが、実際に取り組む上では収益性や栽培環境に関するいくつかのリスクが存在します。ここでは、注意点を整理します。
市場価格や在庫による収益の不安定さがある
えごまの販売価格は需要と供給のバランスに大きく左右されます。需要が高まっているとはいえ、国内での生産者増加や輸入量の変動によって価格が下落するリスクは常に存在します。また、搾油によって一度に大量の商品ができるため、売れ残ると在庫を抱えることになります。えごま油は比較的保存性が高いものの、長期間保管すれば風味や品質が落ちる可能性があり、過剰在庫は収益を圧迫します。
気象や栽培条件に左右される栽培リスクがある
えごまは病害虫に強いと言われますが、台風や長雨、早霜といった気象条件には弱く、倒伏や生育不良を招くおそれがあります。また、収穫期に天候が崩れると脱粒やカビの原因になり、品質が低下します。さらに、連作による土壌病害のリスクも考慮が必要です。輪作や土壌改良を取り入れるなど、長期的な栽培計画が求められます。
手間や労力が想定よりかかる可能性がある
「簡単にできる」と紹介されることもあるえごま栽培ですが、除草や収穫、乾燥・選別といった作業にかなりの手間がかかります。特に初期の草取りや収穫のタイミング管理は労力を要します。副業や家庭菜園レベルであっても、時間的な余裕と体力の確保が不可欠です。無理のない作業計画を立て、家族や地域の協力を得ることが成功の鍵になります。
えごま栽培の初期費用や必要な準備は?
えごま栽培は、小規模であれば家庭の農機具を流用して始められる点が大きな魅力です。栽培を事業として本格化させる場合は、必要な設備投資も増えますが、補助金などの支援制度を活用すれば、実質的な負担は軽減できます。
小規模栽培の費用目安は5万円前後から
えごまを0.1〜0.2ヘクタール程度で栽培する場合、苗・肥料・除草剤・機械使用料などを含めた初期費用は約5万円程度が目安です。新潟県出雲崎町の実証栽培では、苗代約2.3万円、除草剤0.76万円、肥料と石灰で約0.8万円、耕耘委託料1万円とされており、人件費を除いても比較的安価に始められることがわかります。
基本的な農機具を準備し、乾燥・搾油工程は外部委託も可能
特別な機械は必要なく、トラクター・耕耘機・じょうろ・鍬などの基本的な農具があれば十分です。収穫後の乾燥や選別も、篩(ふるい)や唐箕(とうみ)など昔ながらの道具で対応できます。また、えごま油への加工は外部の搾油所へ委託できるため、自前で搾油機を持たずとも製品化が可能です。これにより、初期段階の設備投資を大きく抑えることができます。
事業化・規模拡大には補助制度を活用
5ヘクタール以上の大規模栽培を行う場合、大型トラクター・コンバイン・乾燥機・搾油機などの導入で数百万円規模の投資が必要になります。ただし、中古農機やリース、農機レンタル制度の利用によりコスト削減が可能です。さらに、自治体によっては作付補助や6次産業化支援があります。たとえば、島根県川本町では1aあたり2,000円の補助金制度があり、国の就農支援と併用することで、自己資金を抑えた開業が可能になります。
えごま栽培を始める手順は?
えごま栽培は、他の畑作物と同様に準備から収穫・販売までの段階を踏んで進めていきます。
① 農地を確保し、土づくりを行う
まずは栽培に使う畑を用意します。自宅に畑があればそのまま利用できますが、持っていない場合は市町村やJAに相談して耕作放棄地などを借りる方法があります。えごまは痩せた土地でも育ちますが、排水性と日当たりが良い場所が望ましいです。準備段階として、植え付けの1〜2か月前に石灰でpH調整を行い、堆肥と化成肥料を施してしっかり耕します。畝は幅1m程度で、高さ10〜15cmの平畝を立て、作業しやすいよう畝間も確保します。
② 種まきから収穫までを管理する
播種の適期は5月上旬〜下旬で、条間40cmほどの溝に種をまきます。発芽後は間引きして健全な苗を残し、生育の良い株に育てます。育苗して定植する方法もあり、株間25〜30cmで植えると初期成育が安定します。管理の中で特に重要なのは雑草対策です。初期の除草を怠ると雑草に負けて生育が遅れます。追肥は草丈30cm頃に窒素を中心に与え、必要に応じて摘芯を行うと倒伏を防げます。開花後、種子が黒くなり落ち始めたタイミングで収穫を行い、乾燥・脱穀して種子を得ます。
③ 搾油や加工を行い、販売に備える
収穫した種子はそのままでも販売可能ですが、搾油してえごま油にすることで利益率が高まります。自家搾油が難しい場合は、地域の搾油施設に委託する方法も一般的です。油は沈殿・ろ過後、瓶詰めし、ラベルを貼って商品化します。販売時には食品表示法や衛生基準に沿った対応が必要です。販路としては、直売所やインターネット、知人への販売など多様な方法があり、最初はテスト販売から始めると安全です。販路拡大に伴って、ドレッシングや味噌などの加工品への展開も検討できます。
えごま油販売に必要な法令・許可申請は?
えごま油を販売するには、食品としての安全性を確保するための法的な手続きや表示義務が発生します。とくに搾油・瓶詰めといった加工工程を行う場合には、衛生管理と表示のルールに注意が必要です。販売形態や加工規模によって求められる対応も異なりますので、以下の3点を中心に確認しましょう。
① 食品衛生法に基づく営業許可が必要
えごま油を搾って瓶詰めし、一般に販売するには、原則として「食品製造業(油脂製品製造業)」や「瓶詰・缶詰食品製造業」などの営業許可が必要です。許可は所在地を管轄する保健所で申請・取得します。許可には専用の加工施設(作業室、手洗い、換気、清掃設備など)が必要とされますが、自治体によっては「簡易加工所」や「小規模事業者向け特例」が認められていることもあります。
② 食品表示法に基づくラベル表示が必須
販売するえごま油には、食品表示法に基づき以下の情報を記載したラベルを貼る必要があります。
- 名称(例:食用えごま油)
- 原材料名(えごま(国産)など)
- 内容量(例:100ml)
- 賞味期限または消費期限
- 保存方法
- 製造者の氏名または名称・住所
- 栄養成分表示(熱量・脂質・飽和脂肪酸・炭水化物・食塩相当量)
特に栄養成分表示は、義務化されている項目です。計算による表示も可能ですが、第三者機関での分析に基づく表示の方が信頼性が高くなります。
③ 農家の自家加工・直売には緩和措置もある
農家が自ら栽培したえごまを加工し、産直所やマルシェなどで販売する場合、一部自治体では「農産物加工品の簡易製造」に対する衛生基準の緩和措置があります。たとえば、「加熱を伴わない瓶詰め油」のような商品でも、施設基準を満たせば営業許可が不要となる場合があります。こうした特例の有無や要件は地域により異なるため、事前に必ず保健所に相談することが重要です。
えごま栽培は工夫次第で十分収益が見込める
えごま栽培は需要拡大中のえごま油を生産・販売することで儲けるチャンスがある分野です。栽培にあたっては高収量を狙う適切な技術と、安定した販路確保が成功の鍵となります。初期費用は比較的少なく始められ、農閑期の活用や副業にも適した作物と言えるでしょう。もっとも、市場価格の変動や販路構築には注意が必要で、計画と努力次第で結果が大きく変わります。公的機関の情報も活用しつつ計画的に取り組めば、えごま栽培は十分「儲かる」可能性を秘めた挑戦と言えるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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