• 更新日 : 2025年8月29日

タイムカードの00分退勤は問題ない?残業の扱いや出勤時の場合を解説

タイムカードを定時ぴったりの「00分」に打刻して退勤すると、上司から注意されたり、早退と見なされるのではと不安に感じる人もいるかもしれません。実際の勤務実態と打刻時刻が一致していれば、法律上は問題になりませんが、会社のルールや機器の設定によって扱いが異なることもあります。

この記事では、タイムカードの00分退勤が問題になるケースや、残業・出勤時との関係、注意点と運用の工夫について詳しく解説します。

タイムカードの00分退勤は問題ない?

実際の勤務終了時刻と一致していれば、00分退勤が問題になることはありません。労働時間の記録は、実際に働いた時間に基づいて行う必要があります。たとえば、就業時間が17時までで、その時刻まで業務を行い、17:00に退勤打刻をしたのであれば、それは適切な記録といえるでしょう。00分だからといって、ただちに不正やルール違反とされるものではありません。

毎日ぴったりは誤解されやすい

タイムカードの打刻が常に定時ちょうどだと、「形だけ押しているのでは?」と疑われることもあります。社内で1〜2分後に押すように求められる背景には、こうした印象を避ける目的があると考えられます。

実際の勤務と打刻のズレに注意

17:00に打刻しても、5分後まで業務を続けていればその時間も労働時間としてカウントする必要があります。反対に、業務終了と同時に打刻したのであれば、00分であっても問題はありません。

タイムカードの記録が実態に合っていることが大前提です。誤解を避けるためにも、ルールや打刻方法をあらためて確認しておくとよいでしょう。

タイムカードを00分で退勤すると注意される理由

タイムカードの打刻のタイミングが勤務実態とずれていると受け取られることがあるため、注意されることがあります。

タイムカードをちょうど00分に退勤打刻しても、実際にその時間まで勤務していたのであれば問題はありません。

ただし、毎回ぴったりの時刻で記録されていると、機械的に押しているだけで本当に働いていたのか疑問視されるケースがあります。こうした状況が続くと、上司や人事担当者から指摘を受ける可能性もあるでしょう。

タイムレコーダーの仕様のため

タイムレコーダーの機種によっては、退勤打刻が17:00でも16:45と認識されてしまうことがあります。これは、15分単位などで切り捨て設定がされている機器があるためです。

たとえば、17:01で打刻しないと「17:00台の勤務」と認識されず、労働時間が短く処理されてしまうこともあるため、会社ごとに「少し遅らせて打刻してほしい」というルールを設けている場合もあります。

職場ごとの慣習や社内ルールのため

「1分後に押すように」といった口頭指示や、「残業がつかないよう17:05以降でないと退勤とみなさない」といった慣習が、正式なルールとして運用されている職場もあります。ただし、こうしたルールが就業規則や社内規程に明記されていない場合、従業員から不公平と感じられることもあるため注意が必要です。

打刻の扱いに差が出る原因には、システムや勤怠管理方法の違いだけでなく、会社独自の運用方針も影響しています。ルールがあいまいなまま放置されている場合は、誤解やトラブルを防ぐために見直しが必要になるでしょう。

タイムカードの00分退勤で残業扱いになるのは何分から?

残業とみなされるのは、法定労働時間を超えた「1分後」からです。

労働基準法では、原則として労働時間を1分単位で管理することが求められています。たとえば定時が17時であれば、17時を1分でも過ぎて実際に業務をしていた場合、その時間は時間外労働(残業)にあたると考えられます。

これは、10分単位や15分単位で計算されるわけではなく、1分単位で管理する必要があります。

出典:よくあるご質問(時間外労働・休日労働・深夜労働)|厚生労働省 大阪労働局

残業の起算点は「打刻」ではなく「実際の労働」

退勤打刻が17:00だったとしても、その後に数分間業務を続けていれば、その時間は労働時間とみなされる可能性があります。反対に、17:00に業務を終えてその場で退勤打刻した場合は、00分退勤でも問題にはなりません。打刻時刻がすべてではなく、実際に働いていたかどうかが判断の基準になります。

こうした実態とのズレが続くと、サービス残業が発生しているとみなされることもあるため注意が必要です。

一定の条件下では15分単位の集計も認められる

企業によっては、残業時間を10分・15分単位などに「丸めて」計算しているケースがあります。これはすべて違法というわけではありません。原則として労働時間は1分単位で計算すべきですが、例外的に「1ヶ月の残業時間の合計」を計算する場合に限り、事務処理を簡便にするため30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げる方法が認められています。

ただし、「切り捨て」だけを一方的に適用し、労働者に不利となる運用をしていた場合には、労働基準法に違反する可能性があります。たとえば「31分働いても残業0分と扱う」「切り捨てだけして切り上げない」といった対応は、労働基準法違反となるため注意が必要です。

出勤時の00分ちょうど打刻は遅刻扱いになる?

始業時刻ちょうどの打刻は、職場によっては遅刻と判断されることがあります。

就業時間の管理は会社の運用方針によって異なりますが、「9:00始業」の場合に9:00ちょうどにタイムカードを押すと、すでに始業時刻を過ぎているとみなされるケースもあります。遅刻とされないためには、始業前に業務を開始できる状態であることが求められるため、打刻も数分前に済ませておくのが一般的です。

始業=業務開始とされている職場では注意が必要

多くの企業では「始業時刻は業務を始めている状態」を前提にしています。したがって、9:00始業であれば、9:00にパソコンを起動して仕事を始めていることが求められ、タイムカードの打刻が9:00ちょうどでは、実質的に業務開始が遅れているとみなされることもあります。

これを避けるため、社内ルールで「始業の5分前までに出社・打刻を済ませる」といった基準を設けている企業もあります。明文化されていない場合でも、職場の雰囲気や上司の判断で遅刻扱いになることがあるため注意が必要です。

機械の仕様によっては繰り下げ処理されることもある

タイムレコーダーや勤怠管理システムの設定によっては、「9:00に打刻した場合でも、9:15始業と記録される」ような繰り下げ処理がされてしまう場合があります。これにより、出勤していたにもかかわらず遅刻扱いになる可能性もあるため、社内のシステム設定は事前に確認しておくと安心です。

タイムカードの打刻タイミングに関するルールを決めるには

勤怠管理の公平性を保つには、打刻タイミングのルールを明確に定めておくことが重要です。

タイムカードの打刻タイミングに関して、職場で「なんとなくの雰囲気」や「上司の指示」によって運用されているケースも少なくありません。しかし、こうしたあいまいな取り扱いが続くと、従業員間で不公平感が生まれたり、労働時間の記録に不整合が出たりすることにつながります。客観性のある勤怠管理を行うには、企業としてルールをはっきりさせておく必要があります。

社内で共通の基準を定める

ルールづくりにあたっては、以下のような観点が基準になります。

  • 始業・終業打刻は、それぞれ業務の開始・終了と一致させる
  • 早めに出社しても業務開始前の時間は労働時間に含めない
  • 終業後に私的な準備をしてから打刻しても、その間は労働時間に含めない

これらを就業規則や勤怠ルールに明記することで、打刻に対する判断が統一され、トラブルの予防にもつながります。

使用している機器やシステムの仕様を踏まえる

タイムレコーダーの中には、15分単位で時間を切り上げたり切り捨てたりする設定がされているものもあります。こうした機器を利用している場合は、実際の打刻時間と記録される時間に差が出る可能性があるため、事前に設定内容を確認し、それに沿った社内運用ルールを整える必要があります。

たとえば「17:00に押したつもりでも、16:45で記録されていた」といったケースがあれば、その機器の仕様をふまえて、退勤打刻は17:01以降に行うよう社内で案内するのが現実的です。

タイムカード以外で出勤退勤を記録するには

近年、タイムカードの物理的な制約や曖昧さを解消するため、より正確に労働時間を管理できる方法を導入する企業が増えています。これらの方法は客観性が高く、勤務実態との乖離が起きにくいという大きなメリットがあります。

勤怠管理システム

PCやスマートフォンアプリを利用して打刻するクラウド型のシステムです。従業員は自分のデスクや外出先からでも簡単に出退勤を記録できます。GPS機能と連携させれば、どこで打刻したかを記録できるため、直行直帰やテレワークにも対応可能です。

また、IPアドレス制限を設定することで、オフィスのネットワークからしか打刻できないようにするなど、不正打刻を防止する機能も充実しています。

PCのログオン・ログオフ記録

従業員が業務で使用するPCの起動(ログオン)と終了(ログオフ)の時刻を、客観的な労働時間の記録として利用する方法です。特にデスクワークが中心の職場では、PCの利用時間と業務時間がほぼ一致するため、信頼性の高いデータとなります。

多くの企業では、このログ記録を勤怠管理システムのデータと突き合わせ、労働時間の実態をより正確に把握するために活用しています。

入退室管理システムの記録

オフィスのドアに設置されたICカードリーダーや生体認証(指紋や顔認証など)システムの入退室記録を勤怠データとして利用する方法です。誰が何時何分にオフィスに入り、何時に退出したかが正確に記録されるため、タイムカードの押し忘れや代理打刻といった問題を根本的に解決できます。

セキュリティ対策と勤怠管理を同時に実現できる点も大きなメリットです。

タイムカードで00分に退勤しても実態と合えば問題ない

タイムカードの00分ぴったりで退勤しても、、法律上、早退にはあたりません。実際の勤務終了時刻と一致していれば問題とされるものではありません。

ただし、タイムレコーダーの仕様などで、1分の差で時間が切り捨てられたり、不利益を受けるケースもあります。

また、毎回ぴったりの打刻が続くと不自然と見なされることもあるため、勤務実態と記録のずれを防ぐには、社内ルールの明文化と運用の見直しが必要です。

ICカードや勤怠システムを使う場合も同様に、実際の労働時間と記録が一致しているかを意識した運用が求められます。


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