• 更新日 : 2025年12月22日

OPQ適性検査とは?例題・対策・結果の活用方法を徹底解説

opq適性検査とは、個人の仕事に対する「資質」や「動機」を測定し、採用・配属に活用できる心理検査です。受験者はもちろん、採用側の経営者や人事担当者にとっても、どのような検査なのか、SPIとの違いは何か、対策は可能なのかなど、気になる点は多いでしょう。

この記事では、opq適性検査の基本的な知識から、SPIとの違い、Web版の例題と対策、企業が導入するメリットまでをわかりやすく解説します。

OPQ適性検査とは?

opq適性検査とは、働く人々の個性や性格を客観的に評価する心理検査です。

opq(Occupational Personality Questionnaire)は、その名のとおり「仕事上のパーソナリティ(個性)」を測定するために開発されました。

この検査では、「思考スタイル」「感情スタイル」「対人関係スタイル」の3つの側面から、個人の生まれ持った資質や仕事への動機づけを分析します。これにより、企業は候補者が自社の職種や企業文化に合った個性を持っているかどうかを把握できます。

OPQ適性検査の例題

WebOPQは、受験者が自分の個性を意識的に操作しにくい特殊な設問形式を採用しています。

WebOPQで最も多く用いられる設問形式は、「強制選択法」です。これは、提示された複数の選択肢の中から「自分に最もあてはまるもの」と「最もあてはまらないもの」をそれぞれ一つずつ選ぶという形式です。

WebOPQの例題の形式は以下のとおりです。

  • 設問:以下の4つの文章の中で、「最もあてはまるもの」と「最もあてはまらないもの」を一つずつ選びなさい。
    • A. 私は新しいアイデアを出すのが得意だ。
    • B. 私は人に頼られると嬉しいと感じる。
    • C. 私は細かい計画を立ててから行動する。
    • D. 私は間違いを指摘されると落ち込む。

この形式により、すべて良いと思える文章の中から一つ悪いものを選ばなければならなかったり、逆にすべて悪いと思える文章の中から一つ良いものを選ばなければならなかったりするため、正直な回答を引き出しやすくなります。

Opq適性検査の回答時間

opq適性検査の回答時間は、Web版(WebOPQ)で20分目安です。

WebOPQでは、一つの質問に対して回答時間の目安が設定されていることが多く、時間内にすべての質問に回答する必要があります。設問数は100問を超えるため、1問あたりにかけられる時間は数秒程度です。深く考えすぎると時間が足りなくなるため、直感的に答えることが求められます。時間を意識し、ペースを乱さずに進めることが、適切な結果を得る上で大切になります。

OPQ適性検査の対策は何をすべき?高評価をとるための心構え

無料で公開されているopq適性検査の例題を試して設問形式に慣れること、そして何よりも「仕事に対する自分の考え方や行動」に正直に答えることが、opq適性検査の適切な対策といえます。

opq適性検査は「学力」ではなく「個性」を測る検査であるため、能力検査のように解答を暗記するような対策はできません。しかし、WebOPQの形式を理解し、高評価をとるための心構えを準備しておくことで、本来の個性が評価されやすくなります。

opq適性検査の対策として、以下のような心構えで臨むようにしましょう。

時間配分を常に意識

WebOPQは時間との勝負です。例題などで形式に慣れておき、一つひとつの質問に時間をかけすぎず、リズミカルに回答していく練習をしましょう。

「ありのままの自分」で正直に回答する

自分を良く見せようと意図的に回答を操作しても、opq適性検査の設問形式や分析システムは、その回答の歪みを検知するように設計されています。結果として「回答に一貫性がない」と判断されるリスクがあり、正直に回答した方が、結果として職務に合った個性が高く評価されます。

設問の意図を深く考えすぎないようにする

「最もあてはまる」「最もあてはまらない」を選ぶ際に、深く考えすぎると時間が足りなくなるだけでなく、かえって不自然な回答につながりかねません。直感で感じたことを選ぶのが適切な対策です。

OPQが役立つ具体的なシーン

opq適性検査が役立つシーンは以下のとおりです。

【採用選考】

  • 採用基準の明確化
    すでに活躍している従業員の結果を分析し、「自社で成功する人の個性プロファイル」を作成することで、求める人材像を客観的に明確にできます。
  • 初期スクリーニング
    応募者が多い場合、職務に必要な最低限の個性特性を満たしているかどうかを初期段階で効率よく判断できます。
  • 面接での深掘り
    検査結果で特に高かった、あるいは低かった項目について、面接で具体的なエピソードを聞くことで、個性の裏付けや再現性を確認できます。

たとえば、営業職であれば「社交性」や「目標達成意欲」、研究職であれば「分析力」や「細部へのこだわり」といった項目に注目し、選考の精度を高めることができます。

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【配属・育成】

採用後の配属や育成においても、opq適性検査の結果は非常に有用な情報となります。

配属・育成でopq適性検査が役立つシーンは以下のとおりです。

  • 最適な配属先の決定
    部署やチームの個性特性を分析し、新入社員の個性との相性をふまえた配属を行うことで、チームの生産性向上につながります。
  • OJTトレーナーとの相性確認
    新入社員と指導役(トレーナー)の個性の違いを理解し、コミュニケーション上の摩擦をあらかじめ予測・回避する指導ができます。
  • キャリア開発の支援
    従業員本人が自分の個性を客観的に理解することで、自己成長の方向性を明確にし、キャリアプランを主体的に描く助けとなります。

opq適性検査の結果は、一度きりの採用選考のためだけでなく、従業員が長期的に活躍し、成長していくための羅針盤として活用できるのです。

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OPQ適性検査の5つの特徴

現在、opq適性検査はインターネットを通じて受験するWebOPQ形式が主流です。従来の検査にはない、WebOPQならではの5つの具体的な特徴があります。

1. 幅広い測定尺度から多面的に評価できる

WebOPQは、個人のパーソナリティを30種類もの幅広い尺度で測定します。この多面的な評価により、候補者の個性を深く、細かく把握できます。

たとえば、「社交性」という側面一つをとっても、単に「人と話すのが好き」というだけでなく、「グループの中心になりたいか」「新しい人に会うことに積極的か」といった具体的な行動傾向まで分析できます。これにより、企業は職務やチームの環境に合わせた、より適切な人材を選びやすくなります。

2. 作為的な回答がしづらい設問設計

WebOPQでは、意図的に自分を良く見せようとする「作為的な回答」を抑制するため、「強制選択法」という設問形式が多く用いられています。

これは、複数の選択肢の中から「最もあてはまるもの」と「最もあてはまらないもの」を一つずつ選ぶ形式です。ポジティブな内容ばかりの選択肢でも一つ「最もあてはまらないもの」を選ばなければならず、受験者は自分の個性に正直に答えることを促されます。これにより、回答の信頼性が高まります。

3. 科学的根拠に基づいた「信頼性」と「妥当性」

OPQは、心理測定学に基づき、世界中の研究者によって長年にわたり検証され続けている検査です。結果の「信頼性(測りたいものを安定して測れているか)」と「妥当性(本当に知りたい資質を正確に測れているか)」が高いことが証明されています。

この科学的な裏付けが、企業が採用判断を客観的かつ公正に行うための強い根拠となります。

4. 多言語に対応したグローバルな検査

WebOPQは、40を超える言語に対応しています。

グローバル展開している企業や、外国人材の採用を検討している企業にとって、言語の壁なく、世界共通の基準で個性を評価できる点が大きな強みとなります。文化的な違いをふまえた標準化も行われているため、グローバル採用においても安定した精度を保てます。

5. 入社後も活用できる多様な結果レポート

WebOPQの結果は、単なるスコアだけでなく、採用・配属・育成といったさまざまな目的に合わせてカスタマイズされた多様なレポートで提供されます。

たとえば、「面接質問レポート」では深掘りすべき質問が提示されたり、「コーチングレポート」ではその人の強み・弱みをふまえた育成のヒントが得られたりします。これにより、検査結果を入社後も継続的に従業員の成長支援に活用できるようになります。

SPIとOPQ適性検査の違い

OPQ適性検査とSPI(エスピーアイ)は、どちらも企業が採用活動で用いる適性検査ですが、測定する内容と目的に大きな違いがあります。

SPIが「基礎的な能力と一般的な性格」を見るのに対し、OPQ適性検査は「職務内容との適合性を評価するための、仕事に特化した深い個性」を見る検査である点が決定的な違いです。

SPIは主に受験者の「知的能力(基礎学力)」と「性格」の2つを測定し、幅広い業種で一般的な能力や定着性を評価するために使われます。特に、言語能力や非言語能力といった基礎的なスキルレベルを測ることに重点が置かれます。

一方、OPQ適性検査は、その名のとおり「仕事におけるパーソナリティ(個性)」に特化して測定します。「思考スタイル」「感情スタイル」「対人関係スタイル」という3つの側面から、候補者が特定の職務や組織文化において、どのように振る舞い、どのような動機で働くのかという、より深い個性の特性を分析します。

そのため、SPIが採用選考の初期段階でのスクリーニング(足切り)にも利用されるのに対し、OPQは採用後の配属や育成、リーダーシップ評価など、人材開発の多岐にわたるシーンで活用される情報が多いのが特徴といえます。

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OPQ適性検査分析を企業が導入するメリット

企業がopq適性検査を導入することで、採用の質を高め、入社後の従業員の定着や成長を促す多くのメリットがあります。

opq適性検査は、候補者の「仕事で発揮する個性」を深く掘り下げて分析できるため、採用や人材配置におけるミスマッチを防ぐ効果が期待できます。企業がopq適性検査を導入する主なメリットは以下のとおりです。

入社後の活躍予測ができること

単なるスキルだけでなく、その人の思考様式や対人スタイルから、特定の職種やチームで高いパフォーマンスを発揮するかどうかを予測しやすくなります。

組織文化への適合度を測れること

企業の持つ文化や価値観に合うパーソナリティを持っているかを客観的に評価し、早期離職のリスクを減らすことができます。

面接で引き出せない情報を得られること

面接では本音を隠しがちな候補者も、心理検査を通じて客観的な個性を把握でき、面接官の主観に頼らない多角的な評価ができます。

配属・育成計画の精度が高まること

測定結果をふまえて、候補者の強みや弱みに合わせた配属や、効果的な育成・研修プランを立てることができます。

これらのメリットを最大限に活かすためには、検査結果を単なる合否の判断材料とするだけでなく、面接や入社後のフォローアップにも役立てることが大切でしょう。

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OPQ適性検査を正しく理解し採用と個人の成長につなげる

opq適性検査は、候補者の仕事上の個性と動機を客観的に測定し、採用のミスマッチを防ぐために非常に有効なツールです。

SPIとの違いを理解し、WebOPQの特殊な設問形式や時間配分をふまえて対策することで、受験者はありのままの自分を企業に伝えることができます。また、企業側は検査結果を採用選考だけでなく、配属や育成の場面にも活用することで、従業員一人ひとりの力を最大限に引き出し、組織全体の成長につなげることが可能です。opq適性検査の結果を正しく読み解き、人材の個性と向き合うことが、企業の信頼と長期的な発展につながります。

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