• 更新日 : 2026年1月5日

建設業許可の種類とは?「一般」と「特定」の違い、29業種一覧や金額基準まで分かりやすく解説

建設工事を発注する際、建設業許可には工事内容や金額によって複数の種類があることをご存知でしょうか。許可の種類には、下請に出せる金額で分かれる「一般」「特定」の2つの区分と、工事の専門内容で分かれる「29の業種」があります。

この記事では、建設業許可の種類について「一般建設業」と「特定建設業」の違いや29業種の一覧、許可に必要な金額基準や資格などを分かりやすく解説します。

そもそも建設業許可とは何か?

建設業許可とは、一定規模以上の建設工事を請け負うために必要な行政手続きです。建設業法に基づき、1つの都道府県に営業所がある場合は都道府県知事、2つ以上の都道府県に営業所がある場合は国土交通大臣からの許可が必要です。

この制度は、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進することを目的としています。無許可の業者によるずさんな工事や、技術力・経営基盤のない業者によるトラブルを防ぐための重要な仕組みです。

許可が不要な「軽微な建設工事」とは?

建設業法では、比較的規模が小さい「軽微な建設工事」に限り、許可がなくても請け負うことが認められています。

  • 建築一式工事以外の場合:
    1件の工事の請負代金が500万円未満(消費税込)の工事。
  • 建築一式工事の場合:
    1件の請負代金が1,500万円未満(消費税込)の工事、または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事。

これを超える規模の工事を請け負う場合は、必ず建設業許可が必要となります。

許可の2つの区分:「一般」と「特定」の違いは何か?

建設業許可は、「一般」と「特定」の2種類です。元請として受注した工事を、下請に出せる金額の上限によって区分されます。

特定建設業許可は、大規模な工事を管理する元請負人に対し、下請負人を保護するための、より重い責任を担保する目的で設けられています。そのため、許可取得の要件も一般建設業許可より要件が厳格です。

一般建設業許可とは?

下請契約の合計額が、1件の工事につき5,000万円未満(建築一式工事の場合は8,000万円未満)となる工事のみを元請として施工する場合に必要な許可です。

下請として工事を請け負う場合や、元請であっても下請発注の規模が上記未満であれば、一般建設業許可で問題ありません。

特定建設業許可とは?

元請として受注した工事において、下請契約の合計額が5,000万円以上(建築一式工事の場合は8,000万円以上)となる場合に必要となる許可です。

一般と特定の金額基準(下請発注額)

許可の種類下請に出せる契約金額(1件の工事あたり)
一般建設業許可5,000万円未満(建築一式は8,000万円未満)
特定建設業許可上限なし

許可のもう一つの区分:「29の業種」とは何か?

工事の専門性や内容に応じて分類された、29種類の工事カテゴリーのことです。建設業の許可は、この業種ごとに取得する必要があります。

建設業者は、自社が実際に施工する工事内容に応じた業種の許可を保有していなければ、その工事(500万円以上)を請け負うことはできません。

29業種一覧(一式工事と専門工事)

業種名略称業種名略称
【一式工事】【専門工事】
1. 土木一式工事16. ガラス工事
2. 建築一式工事17. 塗装工事
【専門工事】18. 防水工事
3. 大工工事19. 内装仕上工事
4. 左官工事20. 機械器具設置工事
5. とび・土工・コンクリート工事21. 熱絶縁工事
6. 石工事22. 電気通信工事
7. 屋根工事23. 造園工事
8. 電気工事24. さく井工事さく
9. 管工事25. 建具工事
10. タイル・れんが・ブロック工事26. 水道施設工事
11. 鋼構造物工事27. 消防施設工事
12. 鉄筋工事28. 清掃施設工事
13. ほ装工事29. 解体工事
14. しゅんせつ工事しゅ
15. 板金工事

「一式工事」と「専門工事」の考え方

「一式工事」(土木一式、建築一式)は、複数の専門工事を組み合わせて施設全体を完成させる、大規模で総合的な工事を指します。一方、「専門工事」(27業種)は、個々の具体的な専門分野の工事を指します。

【注意点】

「建築一式」の許可は、万能な許可ではありません。例えば、建築一式の許可しか持っていない業者が、1,000万円の内装改修工事(専門工事)だけを単独で請け負うことはできません。この場合は、別途「内装仕上工事」の許可が必要となります。

許可取得に必要な資格や要件は何か?

許可の種類(一般・特定)や29の業種ごとに、経営経験、技術力(国家資格や実務経験)、財産的基礎といった取得条件を満たす必要があります。

これらの要件は、建設業法第7条(一般建設業)および第15条(特定建設業)で定められており、適正な工事を行うための体制が整っているかを審査するためのものです。

経営業務の管理責任者

建設業許可における経営業務の管理責任者とは、その営業所で営業取引上対外的に責任を持つ地位にあり、建設業の経営業務を総合的に管理・執行した経験がある人です。法人の常勤役員や個人事業主が、建設業に関する一定の経営経験(例:5年以上)を持っている必要があります。

専任技術者

専任技術者とは、建設工事の技術的責任者を担う存在で、営業所に常勤で配置が義務付けられている技術者です。許可を受けたい業種ごとに、営業所に専任の技術者を配置する必要があります。この技術者は、業種に応じた国家資格(例:建築一式なら1級・2級建築施工管理技士や建築士)を保有しているか、または一定期間の実務経験(例:10年以上)を有している必要があります。特定建設業許可の場合は、原則として1級の国家資格など、より厳しい要件が求められます。

財産的基礎

工事契約を履行するための資金力があることを証明するために、建設業者として事業を継続するための財務的な基盤・資金力が必要です。一般建設業許可では「500万円以上の自己資本または資金調達能力」が求められます。

特定建設業許可では「資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上」など、格段に厳しい要件が課されます。ほかにも、欠損金額が資本金の20%を超えておらず、流動比率が75%以上という要件もクリアしなければなりません。

発注者として許可の種類を理解するメリットは?

工事の発注者として許可の種類を理解することで、依頼したい工事に合った適切な種類の許可を持つ建設会社を選べます。その結果、工事の品質確保やコンプライアンス遵守につながるでしょう。無許可営業などの法令違反リスクを回避し、信頼できるパートナーを見極める指標となります。

例えば、飲食店の大規模な内装工事(1,000万円)を発注する場合、その建設会社が「建築一式工事」の許可だけでなく、「内装仕上工事」の許可(一般または特定)を正しく保有しているかを確認することが重要です。

建設業者の許可番号は「〇〇県知事許可(般-5)第XXXXX号」のように表記されます。「般」が一般、「特」が特定建設業許可を示しており、これも見分けるポイントの一つです。

許可の種類の理解が、適切な業者選びの第一歩

本記事では、建設業許可の2つの区分「一般・特定」と、29の「業種」について、その違いや金額基準を分かりやすく解説しました。

工事を発注する際は、その工事がいくらで、どの専門業種にあたるのかを把握し、それに見合った適切な種類の建設業許可を持つ業者を選ぶことが、トラブルを防ぎ、工事品質を確保する上で重要です。建設業許可の種類を正しく理解することは、信頼できるパートナー探しの大切な第一歩です。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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