学校法人日本学園

教職員の働き方をクラウド勤怠で可視化。“働き方改革”の第一歩に活用

学校法人日本学園 教務事務 八木利行様
出勤状況や業務負荷の偏りを “可視化”し、働き方改革の第一歩へ!
創設から130年以上の歴史を持つ学校法人日本学園様。都内にて私立男子中学校・高等学校を運営し、現在、約540名の生徒と約100名の教職員を擁しています。これまで勤怠管理には、手書きの出勤確認カレンダー用紙を使い、出張や有休取得の申請などもすべて紙ベースで行っていました。そのため、出退勤時間の把握ができない状況でした。

こうした課題の解決に取り組むため、2020年4月、マネーフォワード クラウド勤怠を導入。勤怠管理における集計業務の効率化はもちろんのこと、全教職員の働き方の可視化や、有休取得の申請がしやすい環境づくりに取り組み始めました。これにより、教職員それぞれの働き方に対する意識が変化し、有休取得率もアップし、上長からのコミュニケーションも活発化。クラウド勤怠によって、職場の風土も「働き方を考えよう」という方向に変化しつつあり、働き方改革への第一歩を踏み出せたそうです。

紙の勤怠管理により、働き方や業務負荷の偏りを把握できない課題が

各自が出勤確認の用紙に手書き・捺印し、手作業・手計算で集計

八木様:私たちは私立男子校である日本学園中学校・高等学校を運営しています。中高一貫教育を提供し、現在の教職員数は約100名です。

教職員の勤怠管理には、カレンダー形式の出勤簿を使用していました。各自が出勤時に日付欄へ捺印し、教務室の壁にかかった自分の名前の札を裏返しにすることで出勤状況を共有していました。また、遅刻・早退・病欠・有休などは手書きで届出用紙に付記し、休日に部活動の引率などを行った場合は出張印を押していました。月末に、出席簿を目視でチェックし、手作業で勤怠の集計を行っていたので、リアルタイムで「誰がいつ出勤し、どのくらい働いていたのか」を把握できず、働き方の確認も改善指導もできない状況でした。
現在、多くの一般企業が働き方改革に向かっていますが、学校教育を手掛ける多くの学校は、専任教員の働き方やその管理について悩ましい課題を抱えています。非常勤講師や契約職員の場合は、契約上の業務時間を守ることが前提となっているため、管理は難しくありません。しかし、専任教員は放課後に部活動の指導を行ったり、講習や職員会議に参加したり、休日に部活動の引率をしたりするために、勤務時間の管理が難しく、残業抑制の指導も一律には行えない背景と環境があるのです。
「一般企業のように一律で働き方改革を進めることが難しい中、教員の業務負荷をどう軽減していくことができるか」。私たちは、その課題解決に向けて、まずは出退勤状況を把握できる仕組みづくりを目指そうと考えました。

「有休申請・承認の煩雑さ」と「集計作業の業務負荷」も課題だった

有給休暇の取得や出張の申請・管理についても、やはり紙ベースで行っていました。個別にファイルを用意し、所定の場所に保管していましたが、教職員が有休申請をする際には、まずこのファイルを取りに行くことから始めなければなりませんでした。申請書は各自でコピーし、日付や詳細を手書きで記載した後、校長・教頭の元に向かい、印を押してもらうのです。そして、申請書をファイルに納めた上で、教務事務を担当する職員に申請書を手渡すまでが一連の流れとなっていました。申請から受理までの手順が煩雑なことが課題となっていました。

一方、申請を受けた担当職員は、ファイル内に記載された有休取得時間の残数を目視で確認し、申請受理後の残数を手計算した後、手書きにて届出用紙に記録するのです。月末の締め作業では、職員が勤怠管理や出張申請の集計を行っていましたが、一人ひとりの出勤簿を目視で確認するために、作業に数日程度を費やしていました。出張や有休取得の申請書と照らし合わせる際、再度の確認が必要になることもしばしばありました。

私たちは働き方改革の第一歩としてクラウド勤怠の導入に向かいましたが、勤怠管理をシステム化することで、各種申請手続きの煩雑さをなくし、集計業務の負荷を軽減することもできると考えました。

「誰にでも扱いやすい」が決め手。コロナ禍の休校期間にも役立った!

打刻の簡単さと操作性が決め手。導入サポートで設定もスムーズだった

導入の際は、マネーフォワード クラウドを含む3社の勤怠管理システムを検討しました。各社から説明を受けながら操作デモを体験した結果、大事なのはやはり、「シンプルで、誰にでも扱いやすいこと」だと考えました。マネーフォワード クラウド勤怠は、打刻の手順が簡単で、直感的な画面のために操作もしやすかったので、これなら大丈夫だろうと思いました。また、準備期間が3カ月弱と短く、かつ、初めてのクラウド導入のためにわからないことも多くありましたが、導入サポートで設定方法などを丁寧に教えてもらえることから導入を決めました。担当者の方もしっかりサポートしてくれたので、初めてのクラウド導入にもかかわらずスムーズに導入を進めることができました。

コロナ禍の休校期間に運用スタート。テレワークや時差通勤にも対応

私たちがマネーフォワード クラウド勤怠の運用をスタートしたのは、2020年の4月であり、新型コロナウィルスの影響を大きく受けていた時期でもありました。学校への臨時休業措置により、本校も4月〜6月の間は休校し、非常勤講師や契約職員の方々は休業、専任教員と職員の方々も当初は自宅待機となりました。かつて経験のないような様々な出来事に対応していく大変さの中、新たな勤怠管理の仕組みを浸透させていかなければならないので、システムの周知、操作方法などに時間をかけていきました。
運用時には、教職員に使い方を理解してもらうために、操作方法を解説するPDFを作成し、まずは校内のコミュニケーション・システムツールやメールなどで情報共有していきました。休校期間中も、教職員たちは「コロナ禍の中でも最大限に学習環境を提供したい」と考え、Web授業の動画を作成するために出勤するケースが多くありました。そのため、「とにかく出勤・退勤のタイミングで打刻すること」のみを徹底していきました。また、テレワークで教材作成や動画編集を行ったり、時差通勤を実施したり、勤務状況はかなり変則的になっていましたが、クラウド勤怠によって、各自の状況が把握しやすかったと思います。

教職員の勤怠管理への意識が変化し、有休取得率の向上にも役立った

勤怠の集計作業が数日から1日に!各自に時間管理の意識も芽生えた

クラウド勤怠の導入後、紙ベースだったものが全てシステム化されたため、勤怠管理を担当する職員の業務負荷が激減しました。以前は集計作業に数日は掛かっていましたが、今は早ければ1日で終了してしまいます。打刻漏れがあっても、その都度、エラーメッセージが出るため、素早く修正対応することができるので、確認のために奔走する必要も無くなりました。また、有休の申請・承認もシステム上ですべてでき、残数の計算や表示が自動で行われるため、有休日数の管理業務も格段に効率化されたと思います。

導入の際には、「一般社会の考え方で切り分けるのは難しいのはないか」などの声もありました。しかし、今となっては利便性を感じる声も多く聞かれるようになっています。また、以前は遅くまで作業を続けてしまう教員が多くいましたが、一人ひとりの労働時間が可視化され、目で見て自分の働き方を把握できるようになったことで、時間管理への意識も少しずつ変化してきているように思います。

有休取得率がアップ!働き方改革への第一歩となった

もう一点、クラウド勤怠によって目に見えて変化したのが“有給休暇取得率”です。導入前と比べて有休取得率がアップしています。以前は、届出用紙を取りに行かねばならず、取得予定日の2〜3日前には申請する必要がありましたが、クラウド勤怠を使えば、自席はもちろん、自宅からでも申請・承認ができます。時間休を上手に利用するケースも増え、柔軟な働き方を実践する教職員も増えてきています。こうした変化の要因は、有休取得の手順が簡単になり、休みを取ることに対する心理的なハードルが下がったからではないかと感じます。

また、勤務時間や有給休暇残日数の一元管理ができることによって、労働時間が長かったり、あまり有休を取得していなかったりする教職員を把握することができるようになりました。教員に対しては、校長や教頭が勤務状況や休暇取得状況などを把握し、「お休みを取ってください」などの声掛けをして、以前よりもコミュニケーションが取れるようになりました。校長から「できる限り早くお帰りください」「明日の午後は研修扱いでお休みとします」など、メールも一斉配信できるようになりました。

クラウド勤怠を導入してからわずか1年程度のため、解決すべき課題はまだまだ山積していますが、各自の労働時間が可視化されたことで、「自分の働き方を見直そう」という意識が芽生えつつあり、職場の風土そのものが少しずつ変化していることを実感しています。教育の現場では、新たなシステムの導入が難しいケースもありますが、実際に本校で取り入れてみた結果、勤怠管理の業務効率化や個々の働き方へを改善する意識付けなどに役立っていると感じます。働き方改革への第一歩を踏み出し、少しずつ改善に向かう中、これからも現場の意見を取り入れ、教員の方々の負荷を減らす効率化や環境改善に取り組み、「より良い教育の実現・提供」を支えていきたいと思います。

  
学校法人 日本学園
1885年、明治の大教育者・杉浦重剛先生が創設した東京英語学校を前身とし、日本の私学としては指折りの長い歴史と伝統を持ち、横山大観、吉田茂など多くの著名人を輩出。男子中学校・高等学校を運営し、中高一貫教育を提供している。豊かな創造力と発信力を養うことを目的とする日本学園オリジナルプログラム“創発”教育や、グローバル教育などにも注力している。