藤原運輸株式会社

基幹システムの再構築を前に導入ハードルの低い間接業務から電子化。物流業界特有の紙文化からの脱却へ。

藤原運輸株式会社 管理部 システム室 室長  鷲北 様
管理部 システム室 課長  佐野 様
管理部 システム室 係長  新庄 様
  • 課題

    ・物流業界特有の紙文化が根強く、請求書や経理伝票、経費精算の処理が紙ベースで行われており、業務効率化が必要だった
    ・荷役・保税・通関・倉庫・トラックなど、部署ごとに取引先コードや請求書の体系が統一されておらず、システム連携が困難だった

  • 結果

    ・Web請求書の活用により封入・郵送作業が減少し、即日配信が可能になった。また社印を押す作業も削減された
    ・PDFの請求書読み込み機能により、従来の帳票デザインを維持したまま文字情報をテキスト化でき、スムーズな移行が実現できた
    ・月末・月初のアクセス集中時でもシステムが安定的に稼働し、レスポンスの良さで業務効率が向上した

1935年に港湾運送事業者として創業し、1949年に株式会社化した「藤原運輸株式会社」。事業の発展と共に各拠点を整備し、現在は港湾運送業のみならず通関業や倉庫業、陸運業、工場内作業など総合物流企業として拡大を続けています。

多様化する顧客の要望に応えようと、社内の各機能と長年培ってきたノウハウを一貫体制で提供し、トータルな物流システムを確立。ハード・ソフトの充実を図る中でマネーフォワード クラウドインボイスの運用を開始しました。採用の決め手や導入時の様子、期待するメリットなどを伺います。

海陸空の物流網を看板に、倉庫管理や通関も含めワンストップサービスを提供。全社のDXをシステム室が推進。

基幹システムの再構築を前に導入ハードルの低い間接業務から電子化。物流業界特有の紙文化からの脱却へ。

――初めに会社概要をお聞かせください。
鷲北様:弊社は大阪港における港湾運送事業者として創業し、1949年の改組で「藤原運輸株式会社」が誕生しました。全国に拠点や取引先を増やす中、ベトナム・ホーチミン市にも現地法人を開設しています。

当初からの港湾運送業はもちろん、現在は海上・陸上・航空の各分野でお客さまの貨物を預かり、運んでいます。また、自社倉庫での保管や管理、加工や梱包にも対応しており、輸出入に欠かせない通関業務も担えるなど総合物流会社に成長しました。

中でも港運と陸運において、長年にわたり培ってきた豊富な知見があり、ワンストップでサービスを提供できるのが最大の強みです。

――管理部 システム室の業務内容を教えてください。
鷲北様:主に社内の業務システムやネットワークの構築・管理、インフラの開発・運用、パソコン環境の整備を担当しています。いずれも導入段階から保守、廃棄まで関わり、ほぼ全ての部署をサポートしています。最適な製品やサービスを探し、調達するのも重要な仕事です。

新しいシステムやソフトを導入する際は、役員や経営幹部の意向を踏まえて管理部でDX推進や業務効率化のアイデアを練り、システム室が具現化します。社内の提案制度を基に、従業員の声をダイレクトに反映させることもありますね。

管理部には総務や経理の機能もあり、全体で30人ほどの部署です。うちシステム室は9名で、各自がそれぞれのプロジェクトに参加し、安定的な運用に導く、機動的に役割を果たしています。最近は社内パソコンのMicrosoft Windows 11への切り替え業務が中心です。

――システム室の目標やKPIをお聞かせください。
鷲北様:社内では多くの基幹システムや業務システムが事務処理専用のオフコン(オフィスコンピュータ)上で稼働しています。2028年までに最新のプラットフォームに再構築し、安定稼働させるのが重要な目標です。

また、従業員からの問い合わせ対応やセキュリティ対策、運用・監視業務も含め、安心な職場環境を整えるのも大切なミッションです。新しいシステムやソフトを導入後、各自が快適に使えるまで支援するのも欠かせない役割ですね。

――皆さまのご経歴を教えてください。
鷲北様:新卒で藤原運輸に入社し、30年にわたりシステム室ひと筋です。プログラムのコーディングから業務システムの立案まで、毎回さまざまな依頼を受けています。IT全般に幅広く経験させていただいてきたのが強みと思っています。

佐野様:私も入社以来、ずっとシステム室です。

新庄様:以前は大阪支店で輸入に関わる部署にいました。大阪港などに到着する荷物をお客さまに届けるにあたり、通関や手配業務を中心に担当してきました。海外企業からの商業送り状(インボイス)で品目や金額を確認し、税関への申告準備をしていました。その後はシステム室に配属され今に至ります。

決め手は「新旧の請求書を使い分けられること」「毎月の利用状況に応じた従量課金制を採用していること」

基幹システムの再構築を前に導入ハードルの低い間接業務から電子化。物流業界特有の紙文化からの脱却へ。

――マネーフォワード クラウドインボイスの導入目的をお聞かせください。

鷲北様:喫緊の課題はありませんでしたが、本業に関わる基幹システムの再構築は数年先です。そこで、間接業務の一部だけでも即効性が期待できるクラウドシステムで効率化したいと考えました。弊社を含む物流業界は依然として紙業務が中心であり、まずは請求書や経理伝票、経費精算の処理で電子化やペーパーレス化を目指すことにしました。

そもそも基幹業務や本業に直結するシステムは、そう簡単に変えられません。従業員の声を聞き、オーダーメイドで構築する必要があるのです。一方で、請求書業務の刷新はチャレンジのハードルが低く、導入効果も目に見えて分かりやすいだろうと判断できました。

――本プランをご存じになったきっかけは何ですか?
鷲北様:当初から「経費精算」「請求書発送」「請求書受領」の全ソリューションを提供できるベンダーを探していました。また、初期投資を抑えるためクラウド型のシステムに限定していました。

その中でマネーフォワード クラウドインボイスは企業としての知名度が高く、最初から選定候補でした。後に3社まで絞り込み、機能や仕様の調査を続けました。

――導入の決め手をお聞かせください。
鷲北様:弊社では各部門の業務担当者に請求書業務を任せています。新たなシステムのアクティブユーザー数も多くなると予測しつつも、月ごとに大きく変動すると判断しました。併せて請求書の発行枚数も増減するため、マネーフォワード クラウドインボイスが従量課金制を採用している点に大きく惹かれました。

加えて外部システムとの連携が容易で、既存の請求書フォーマットを流用しPDFファイルにできるのも便利だと感じました。従来のやり方も続けられれば、取引先も弊社の従業員も戸惑いは少ないとだろうと考えました。もちろん新規のフォーマットも作れるという柔軟性も決め手になりました。

――連携する経理部門の反応はいかがでしたか?
鷲北様:従来のやり方に慣れていたので初めは導入後の業務がイメージしづらそうでしたが、担当役員との協議を経てプロジェクトを進めることが決まり、システム室から説明や相談のアプローチを重ねました。次第にワークフローや運用方法について、経理部門からも協力的なアドバイスを受けるようになり安心しました。

素晴らしいのはPDF請求書の文字認識機能。目的達成に向け、クラウド経費とクラウド債務支払も一括導入。

基幹システムの再構築を前に導入ハードルの低い間接業務から電子化。物流業界特有の紙文化からの脱却へ。

――運用開始から約2カ月が経過し、状況はいかがでしょうか?

鷲北様:社内のみならず、お客さまの協力も得られています。特に得意先マスターに関して、取引先から担当者やメールアドレスなどの情報提供があるからこそ登録・編集を進められています。Web請求書が浸透する中、従来の封入や郵送の作業が減り、しかも即日に届けられるのが助かりますね。

システム移行直後であり、各拠点では新しい仕組みに合わせた業務整理が進んでいます。いずれマネーフォワード クラウドインボイスが本格稼働したら、従業員の負担も目に見えて軽減されると思います。

紙業務を変えられない取引先もあり、しばらくは紙とデジタルの請求書をケースバイケースで使い分けることになるでしょう。いずれ一本化できる時が楽しみです。

――中でも重宝している機能は何ですか?
鷲北様:PDFの請求書を読み込み、文字情報を認識してテキスト化する機能が素晴らしいです。弊社の請求書は自社製システムから出力される、こだわりのある帳票デザインが自慢であり、書式を変えずに送れるので助かっています。

――物流業界ならではのシステムに関する課題や活用方法を教えてください。
鷲北様:物流業界の中でも港湾運送業者は、業態の異なる複数の会社が連携し、船舶とお客さまの間を行き来して貨物を動かしています。社内だけでも荷役・保税・通関・倉庫・トラックなどの部署があり、それぞれに専用システムと協力会社が存在します。

今回の導入にあたりネックになったのは、これらの取引先コードや請求書の体系が統一されていないことです。特に取引先コードでは、社内の共通コードと部署のオリジナルコードが混在しており苦労しました。

そのため既存システムには触れず、マネーフォワード クラウドインボイス側で事業領域を6つに分け、それぞれで独自の請求書フォームや得意先マスター、取引先コードを設定していきました。

――マネーフォワードのクラウド経費もクラウド債務支払も一括導入された理由をお聞かせください。
鷲北様:先ほど話した通り、私たちは初めから「経費精算」「請求書発送」「請求書受領」の業務効率化を目標としました。いずれにも対応できるベンダーを探す中、マネーフォワードから全て実現可能で同時に進行できると聞きました。サポート体制の手厚さにも納得し、一括導入に踏み切りました。

――サポートで印象に残っていることを教えてください。
鷲北様:一括導入したクラウドインボイス、クラウド経費、クラウド債務支払のシステムごとに専任のサポートチームが編成され、打ち合わせも定期的に行われました。

弊社内でもマニュアル動画を参照しながら作業イメージを膨らませ、マネーフォワードから提供されたプロジェクト管理ツール内のタスク一覧に沿って準備を進めました。取引先への案内方法やメールのひな形もあり役立っています。

それでもタスクの内容は汎用的だったので、私たちで取り組むべき項目を追加し、管理ツール内のFAQ機能も活用して対応しました。

紙業務のデジタル化が進まない取引先にも柔軟に対応。アクセスが集中してもサクサク動くのがお気に入り。

――マネーフォワード クラウドインボイスに期待することは何ですか?
鷲北様:各従業員が請求処理を行うため、月末や月初になるとマネーフォワード クラウドインボイスへのアクセスが集中します。他者の請求書データと混同する場面も見受けられるので、例えば部署単位での画面検索を可能にしてくれるとうれしいです。

――今後の展望をお聞かせください。
鷲北様:今回、マネーフォワード各製品の導入に携わったのは私たち3人ですが、やがて部署のメンバーにも仕様を理解してもらい、いつでも誰でも社内の問い合わせに応じられるようにしたいですね。

間もなくクラウド経費とクラウド債務支払も本稼働を迎えます。三つのシステムを無事に運用できたら、私たちもひとまずのゴールではないでしょうか。現在は新旧の仕組みが混在するので、マネーフォワードの各システムに一本化できるようサポートを続けます。

また、多くのお客様がマネーフォワード・インボイスへの切替えに協力して下さり、Web請求書に移行していただいたお客様が多数を占めています。社内ヒアリングも考えており、近日中に一連の効果や変化を報告できるのではないでしょうか。

――最後に、導入を検討している方々にメッセージをお願いします。
鷲北様:私たちは「従来の請求書も新しくデザインした請求書も利用できること」を高く評価しました。現行のシステムや請求書を取り巻く状況に合わせ、柔軟に選べることが大きなメリットです。また、紙の請求書に社印を押す作業も減りましたね。ぜひ導入を検討してはいかがでしょうか。

さらに、月末や月初のアクセス集中時でも画面の切り替わりが軽く、サクサク動くレスポンスの良さが気に入っています。アクティブユーザーが多くても安定稼働し、使っていて安心ですね。

公開日:2025年2月19日 公開当時の情報となります

藤原運輸株式会社
当社は1935年の創業以来、港湾運送事業を手掛け、1949年に株式会社へ改組して以降、事業の発展とともに物流拠点の整備を推進し、総合物流企業として、港湾運送業、通関業、倉庫業、陸運業、工場内作業と業容の拡大を続けてきました。 ますます多様化するお客さまのニーズにお応えするため、港運・陸運両部門の機能と、長年培ってきたノウハウを一貫体制でご提供し、お客さまの要望を的確、迅速に実現する総合物流システムの確立を目指し、ハード・ソフト両面の充実を推進していきます。※掲載内容は取材当時の情報です。