バックオフィスを一元管理し、上場企業レベルの体制へ
全ての業務が効率化され、月次決算や給与計算のスピードがアップし、有給休暇の管理などもスムーズに。また、会計業務の“見える化”や、リアルタイム反映の勤怠データにより、企業としてより“透明性”を保てるようになり、従業員の勤怠管理に対する姿勢も変化したそうです。現在、人事管理における各種業務の整備も進めるために、クラウド人事管理の導入も検討しています。
組織の成長に合わせ、バックオフィスの体制改革に向かうことに
勤怠は紙の出勤簿に手書き。給与計算も手計算と手入力で行っていた
加藤様:当社は、「徹底したお客様第一主義」を掲げ、適正価格と品質にこだわった安心の住宅リフォーム・サービスを提供してきました。川越に本社を置き、地元埼玉を中心に10カ所の営業所を展開しています。
現在(2021年4月時点)の従業員数は80名で、うち1名は契約社員、1名は嘱託社員という構成です。2015年の創業以来、成長を続けてきた当社は、2018年にさらなる規模の拡大に向け、社内体制の整備に向かうことになりました。その際、バックオフィス業務の社内改革を行う専任人材として私が入社したのです。
着任当時、各営業所の勤怠管理は、各自が紙の出勤簿に手書きし、月末に事務の担当者がまとめてエクセルの出勤簿に入力し、それをサーバーにアップしてこちらに共有する形式を取っていました。この頃、従業員数はすでに50〜60名規模となっていましたが、給与計算は、エクセルの給与明細シートに1名分ずつ手入力していました。所得税の金額は、ネット上の計算ツールに課税対象額を手入力して算出し、それをまたエクセルに入力するという流れでした。また、給与の振り込みもインターネットバンキングで1名ごとに手入力し、毎月の給与明細は紙で印刷して各支店へ郵送していたので、かなり効率が悪かったですね。
今後の組織の成長を見据え、まずは経営データの自計化へ
一方、会計業務自体も、帳票類を税理士に送り、2〜3カ月以内に会計ソフトに反映してもらうフローだったため、必要な情報をリアルタイムで確認できない状況でした。給与計算については、最初の数カ月は、社内で使われないまま放置されていたパッケージ型の給与ソフトを使ってみることにしました。手計算に比べれば効率化できましたが、会計とのデータ連携がうまくいかないことが難点でしたね。
効率化はもちろんのこと、この先、会社がさらに成長していくことを考えたら、さまざまな仕組みを早急に整備することが必要でした。そこで、まずは経営に必要なデータを自計化しよう、と。経営の“透明性”を高め、スピーディな月次決算で財務状況を把握し、経営戦略に反映していける環境を作ろうと考えたのです。クラウド型の会計システム導入に向かったのは、インストール型の会計ソフトと違い、どのパソコンからでも使用でき、データの閲覧・共有ができる点に魅力を感じたからです。
会計・給与計算・勤怠の連携性が決め手になり、段階的に導入へ
3社を比較し、会計業務の機能面やデータの連携性が決め手に
導入検討の際には、3社のクラウド会計システムを比較し、お試しで実際に使ってみました。3社の中でも、マネーフォワード クラウド会計は、振替伝票の入力をはじめ、会計業務に必要な機能が揃っていて使いやすいと感じました。
また、クラウド給与とデータ連携できる点も決め手となりました。実際、クラウド会計導入直後に年末調整の時期が迫っていたこともあり、すぐにクラウド給与も導入することにしたのです。こういったシステムは設定が面倒で、初めて利用する場合は使い方を理解すること自体が難しいと思いますが、マネーフォワードは最初に使い方のレクチャーをしてくれたので、そこも安心できました。
クラウド勤怠で有給休暇の申請や残日数の管理も自動化
一方、クラウド勤怠については、2019年に導入しました。勤怠管理については、従業員に固定残業代を支払っており、かつ、残業や休日出勤もほぼなく、給与計算時に利用するデータの数がそもそも少ない状況でした。そのため、先に会計と給与を導入し、段階的に勤怠にも着手しました。クラウド勤怠の導入に踏み切ったきっかけは、従業員数が増えていく中、残業時間などの勤怠データもクラウド給与に自動で取り込めるようにした方がいいと考えたからです。
当時、従業員の残業・有休の申請や上長からの承認も、営業所ごとにSNSのチャット上で行っていました。管理体制も、各自の残業時間や有休取得日数を出勤簿に書き込んでもらい、チャットの記録と照合する形式だったので、きちんとした申請・承認のワークフローを作るべきだと感じました。また、有給休暇の残日数の確認も従業員から申請を受けるたびに行っていたので、管理そのものにも手間が掛かっていました。それが、マネーフォワード クラウド勤怠なら、クラウド上で残業・有休の申請・承認ができ、有給休暇の付与や残日数の管理なども自動化できます。リアルタイムにデータが反映されるので、従業員の勤怠状況をひと目で確認できる点も非常に便利だと考えました。
月次決算や給与計算がスピーディに。給与データも会計に連携可能に
手入力作業の削減やペーパーレスの実現などで、バックオフィス業務を効率化
導入後、様々な面でプラスの効果を感じています。現在、私を含む2名のチームでバックオフィス業務を担当していますが、まず、クラウド会計によって、仕訳の手入力作業がゼロになりました。銀行からの各種明細も自動で記帳されるため、わざわざ銀行のサイトから預金の残高照合をする必要もなくなりました。経費も承認されたらクラウド会計にデータを取り込むように設定したため、月次決算のスピードも上がっています。
また、クラウド給与では、給与計算の効率化はもちろん、給与明細のペーパーレス化も実現できました。一部の部門のみ歩合給の制度があり、そこだけはまだ手計算で行っていますが、給与計算作業に必要な日数は1〜2日程度は削減できたと感じます。また、年末調整に必要な情報もクラウド内で従業員とやりとりでき、申告書も自動作成できるので、書類送付の手間もなくなりました。振込データがダウンロードできたり、給与データはクラウド会計に連携できるので、賞与のシミュレーションなどにも柔軟に活用していけるのではないかと考えています。
クラウド勤怠と給与を使って上場企業レベルの体制整備を目指す
きちんとしたワークフローの運用で従業員の勤怠管理の大切さを意識付けもできた
クラウド勤怠の導入後は、リアルタイムで従業員の勤怠データを確認できるようになりました。特に役立っているのは、有給休暇の管理ですね。クラウド上で有給休暇の自動付与ができますし、残日数も一目で把握できます。出勤簿とチャットの申請内容を照らし合わせたり、残日数の計算や入力したりする作業が不要になりました。振替休日の申請機能もあるため、誰がいつ振替休日を取得したかも一目瞭然で把握できます。
有休の取得や残業、振替休日などの申請・承認について、きちんとワークフローを設定できたことで、従業員の勤怠管理に対する意識も変化しました。これまで上長にチャット上で承認・申請をしていましたが、支店長を経由するルートを設けたことで、組織としてしっかり勤怠を管理していくことの大切さを意識付けることができたと思います。現在、当社はホールディングス化しており、役員からの「上場企業レベルの体制整備をしてほしい」という要望に応えていくことを目指しているので、組織全体で方針を共有し、体制を築いていくことにも役立てていこうと思います。
また、当社では、新型コロナウィルス流行後の緊急事態宣言の発令よりも前にクラウド勤怠を導入していたので、本社勤務スタッフのリモートワークへの移行もスムーズでした。各営業所では営業社員にスマートフォンを持たせています。直行・直帰や、朝は出社して直帰するといった柔軟な働き方でも、スマホ打刻のおかげで管理しやすかったのは助かりました。
今後は、クラウド勤怠とクラウド給与を連携させ、さらなる効率化に向かいます。現在、従業員情報、組織図情報、人事通知などは手運用をしているので、近い将来にはクラウド人事管理の導入も検討し、バックオフィスを一元管理できる体制を目指していきたいです。
公開日:2021年5月17日 公開当時の情報となります
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