• 更新日 : 2020年6月10日

逆粉飾決算とは

粉飾決算とは、利益隠しによる税金逃れや配当金減少を目論むなどの目的で決算書を人為的に操作し、経営成績および財政状態を過小に評価する粉飾決算である。当期に過剰な利益が出たため、当期利益を次期に繰り越すために行われることもある。しかし逆粉飾決算も一般的な粉飾決算と同様不正経理に該当し、株主をはじめ会社関係者に損失を与える行為という点で共通する。発覚すれば会社の信用が大きく失墜し、法的・社会的な制裁を受けることになる。

貸借対照表における逆粉飾決算

貸借対照表における逆粉飾決算では、資産を減少させ、負債を増加させる方向に人為的操作が行われる。
まず流動資産では、支払時期の操作や人件費・福利厚生費の過大計上による現預金の減少、売掛金を未収金として計上するなどによる売上債権の減少、商品の簿外処理などによる棚卸資産の減少、子会社への飛ばしによる有価証券の減少などがよくみられる手口である。
固定資産では、本来経費とすべきでない固定資産を経費で購入する、減価償却を過大計上する、過大な減価償却を行う、などである。
投資等資産では、投資有価証券の含み損の過大計上、各種債権の引当を過大計上などがみられる。
流動負債では、架空仕入の計上、仕入伝票や未払金の二重処理などが挙げられる。

損益計算書における逆粉飾決算

損益計算書における逆粉飾決算では、売上高や利益を少なくするための人為的操作が行われる。
売上を計上しない、売上の一部を記帳せず裏金とする、定価販売の商品を安値販売したことにしてその差額を裏金とする、架空の返品を起票して売上を減らす、など違法性が明確な利益の隠蔽が主たる手口である。
もうひとつの手口としては、売上原価販売費および販売管理費の水増しによる利益の減少である。
たとえば関係会社などから適正価格よりも高価に仕入を行うことで売上原価を水増しするというのが典型的な例であり、このほか接待交際費の不正計上、役員報酬の水増しなども多くみられる。


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