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【電帳法かんたんガイド】「電子帳簿等保存」に対応するために必要な設定・操作について

概要

このガイドでは、「電子帳簿保存法」の区分である「電子帳簿等保存」について、「電子帳簿等保存ってなに?」「電子帳簿等保存の要件は?」「電子帳簿等保存に対応するためにクラウド会計・確定申告で何をしたらいいの?」などの疑問をわかりやすく説明しています。

「電子帳簿保存法って結局なに?」「電子帳簿保存法に関する用語がそもそもわからない!」という方は、以下のページをご参照ください。
【電帳法かんたんガイド】電子帳簿保存法について
【かんたんガイド】インボイス制度・消費税・電子帳簿保存法に関する用語集

目次

「電子帳簿等保存」について

「電子帳簿等保存」とは?

「電子帳簿等保存」は、「電子帳簿保存法」の3つの保存区分のうちの1つです!

「電子帳簿等保存」に該当するのは、「国税関係帳簿」と、「国税関係書類」のうちの「決算関連書類」です!
また、「国税関係帳簿」は、「優良な電子帳簿」と「その他の電子帳簿」に分けられます。

「その他の電子帳簿」の要件にプラスしていくつかの要件を満たすと、「優良な電子帳簿」として保存できます。
「優良な電子帳簿」として保存すると、特別な控除が受けられたり、税金をおまけしてもらえたりする優遇措置を受けられますが、事前申請が必要で要件が厳しくなっています。

「優良な電子帳簿」と「その他の電子帳簿」それぞれの要件については、このあと詳しくご説明します。

<ご注意>

  • 「優良な電子帳簿」に対応する場合、対象の事業者で作成・管理しているすべての帳簿について「優良な電子帳簿」の要件を満たす必要があります。マネーフォワード クラウド会計・確定申告以外のサービスやExcelなどで作成した帳簿がある場合、その帳簿も「優良な電子帳簿」の要件を満たす必要があるので注意しましょう。
  • 手元の書類が電子帳簿保存法のどの区分に該当するかがご不明な場合は、税務署等の専門機関に確認するようにしましょう。

どんな時に「電子帳簿等保存」に対応すればいいの?

「電子帳簿等保存」の対応は任意です。
ですが、税法では帳簿の保存を「紙」で行うルールのため、「電子帳簿等保存」に対応しないままだと、クラウド会計・確定申告で作成した帳簿を印刷して「紙」で保存する必要があります。

そのため、クラウド会計・確定申告で作成した帳簿をデータの状態で保存するためには、「電子帳簿等保存」への対応が必要です。

「電子帳簿等保存」の要件は?

「電子帳簿等保存」の要件は以下のとおりです。

各要件の詳細については、「要件を満たすためにクラウド会計・確定申告で何をしたらいいの?」で詳しくご説明します。
表の中のリンクからも確認が可能です!

番号要件要件の説明優良な
電子帳簿
その他の
電子帳簿
書類
税務職員による
調査時のデータ提供
税務調査時に税務職員から帳簿・書類データのダウンロードを求められた際に、これに応じること※1※2※3
関係書類等の備付け使用している会計ソフトなどの操作マニュアル等を備え付けること
見読可能性の確保
  • PCなどを備え付けて帳簿・書類データをいつでも確認できるようにすること
  • 使用しているPCなどの操作マニュアル等を備え付けること
訂正・削除履歴の確保
  • 帳簿内容を訂正・削除した場合に、その訂正・削除の履歴が残るソフトを使うこと
  • 事務処理規程を設けている場合、通常の業務処理期間経過後に帳簿の入力を行った際はその入力履歴が確認できるソフトを使用すること
相互関連性の確保複数の帳簿間で、相互にその関連性が確認できること
検索機能の確保
  • 1:取引年月日・取引金額・取引先により検索できること
  • 2:日付または金額の範囲指定により検索できること
  • 3:2つ以上の項目を組み合わせて検索できること
※1※3

※1 「要件①:税務職員による調査時のデータ提供」を満たす場合、「要件⑥:検索機能の確保」のうち2および3の要件への対応は不要です。
※2 「優良な電子帳簿」の要件をすべて満たす場合、対応は不要です。
※3 「要件⑥:検索機能の確保」の要件を満たす場合、「要件①:税務職員による調査時のデータ提供」への対応は不要です。

重要!
「優良な電子帳簿」として保存して優遇措置を受ける場合は、以下の届出を事前に提出する必要があります!
国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等に係る過少申告加算税の特例の適用を受ける旨の届出|国税庁
届出についてご不明な点がある場合は、お近くの税務署等の専門機関にご確認ください。

また、所得税の申告時に青色申告特別控除として「65万円控除」を受ける場合、「優良な電子帳簿」として保存しなくても、クラウド確定申告アプリもしくはe-Taxを使って電子申告を行うことで要件のうちの1つを満たせます!
「65万円控除」の詳細については以下のガイドをご参照ください。
Q. 青色申告特別控除65・55・10万円の違いについて教えてください。

クラウド会計・確定申告で何をしたらいいの?

要件を満たすためにマネーフォワード クラウド会計・確定申告で行う操作や設定についてご説明します。
お客さまの対応が必要な要件もあるので、1つずつ一緒に確認していきましょう!

要件①:税務職員による調査時のデータ提供

「要件①:税務職員による調査時のデータ提供」は、税務調査時に税務職員や調査官から帳簿・書類データのダウンロードを求められた際に、これに応じるという要件です。

対応が必要か否かは以下のとおりです。

お客さまの対応が必要かクラウド会計・確定申告での
対応は可能か
クラウド会計・確定申告で
操作が必要な画面

税務調査時に帳簿や書類データをダウンロードする必要があるため、お客さま自身による対応が必要です!
帳簿・書類データはすぐダウンロードできるようにしておきましょう。

  • 「その他の電子帳簿」「決算関連書類」の場合に対応が必要です。
  • 「優良な電子帳簿」の場合は対応不要ですが、要件を満たすと「要件⑥:検索機能の確保」のうち「2:日付または金額の範囲指定により検索できること」「3:2つ以上の項目を組み合わせて検索できること」の対応が不要になります。

要件②:関係書類等の備付け

「要件②:関係書類等の備付け」は、使用している会計ソフトなどの操作マニュアルや、その事業者でどのように会計処理を行うかの事務処理規程等のシステムに関係する書類を備え付けるという要件です。

対応が必要か否かは以下のとおりです。

お客さまの対応が必要かクラウド会計・確定申告での
対応は可能か
クラウド会計・確定申告で操作が必要な画面
個人用:クラウド確定申告のサポート
法人用:クラウド会計のサポート

クラウド会計・確定申告をご利用の場合、会計ソフトの仕様書や操作マニュアルとしてサポートサイトを活用できます!
クラウド確定申告のサポート(個人事業主用)
クラウド会計のサポート(法人用)

事業者でどのように会計処理を行うのかを定めた「事務処理規程」については、お客さま自身で作成・管理を行ってください。

事務処理規定は、国税庁のページにサンプルが用意されています。
以下のページを参考に、事務処理規程を準備しておきましょう!
参考資料(各種規程等のサンプル)>電子帳簿等保存に関するもの|国税庁

  • 「優良な電子帳簿」「その他の電子帳簿」「決算関連書類」すべての場合で対応が必要です。
  • 事務処理規程を作成する際に分からないことがあれば、お近くの税務署等の専門機関にご相談ください。

要件③:見読可能性の確保

「要件③:見読可能性の確保」は、以下どちらも対応できるようにするという要件です。

  • パソコンなどを備え付けて帳簿・書類データをいつでも確認できるようにすること
  • 使用しているパソコンなどの操作マニュアル等を備え付けること

対応が必要か否かは以下のとおりです。

お客さまの対応が必要かクラウド会計・確定申告での
対応は可能か
クラウド会計・確定申告で
操作が必要な画面

PCなどの機器類やその操作マニュアルを備え付けるという要件であるため、お客さま自身の対応が必要です!
PCなどの使用している機器類が使用できるか、機器類の操作マニュアルが手元にあるかを確認し、備えておきましょう!

「優良な電子帳簿」「その他の電子帳簿」「決算関連書類」すべての場合で対応が必要です。

要件④:訂正・削除履歴の確保

「要件④:訂正・削除履歴の確保」は、以下どちらも対応できるようにするという要件です。

  • 帳簿内容を訂正・削除した場合に、その訂正・削除の履歴が残るようなソフトを使うこと
  • 事務処理規程を設けている場合、通常の業務処理期間経過後に帳簿の入力を行った際はその入力履歴が確認できるようなソフトを使用すること

対応が必要か否かは以下のとおりです。

お客さまの対応が必要かクラウド会計・確定申告での
対応は可能か
クラウド会計・確定申告で操作が必要な画面
事業者」画面 など

クラウド会計・確定申告において「入力・訂正・削除の履歴が残る」ようにするためには、「仕訳履歴保存」機能を利用する必要があります!

「各種設定」>「事業者」画面の「電子帳簿保存法」にある「帳簿保存」で「仕訳履歴保存機能を利用する」にチェックを入れ、「設定を保存」をクリックし、「仕訳履歴保存」機能の利用を開始してください。

実際に「入力・訂正・削除履歴」を確認する方法については、事業者区分に応じて以下のガイドをご参照ください。
仕訳履歴保存機能の使い方(個人事業主用)
仕訳履歴保存機能の使い方(法人用)

<ご注意>

  • 「仕訳履歴保存」機能は、クラウド会計を「ビジネス」プランでご利用中の法人の事業者、およびクラウド確定申告をご利用中の個人の事業者が利用できます。
  • 訂正・削除履歴は年度の最初から残す必要があるため、その年度で1件でも仕訳が登録されている場合は「仕訳履歴保存機能を利用する」にチェックを入れることができません。チェックを入れることができない場合、法人の事業者はこちら、個人の事業者はこちらをご確認ください。
「優良な電子帳簿」の場合にのみ対応が必要です。

要件⑤:相互関連性の確保

「要件⑤:相互関連性の確保」は、複数の帳簿間で、相互にその関連性が確認できるようにするという要件です。
例えば、仕訳帳・総勘定元帳・現金出納帳の3つの帳票において、仕訳の取引Noで関連性を持たせることで要件を満たせます。

対応が必要か否かは以下のとおりです。

お客さまの対応が必要かクラウド会計・確定申告での
対応は可能か
クラウド会計・確定申告で
操作が必要な画面

クラウド会計・確定申告では、仕訳登録時に各仕訳に「取引No.」が付番されます。
この「取引No.」によって帳簿間の関連性を持つようになるため、お客さまの対応は不要です!

「優良な電子帳簿」の場合にのみ対応が必要です。

要件⑥:検索機能の確保

「要件⑥:検索機能の確保」は、以下3つすべてに対応できるようにするという要件です。

  • 取引年月日・取引金額・取引先により検索できること
  • 日付または金額の範囲指定により検索できること
  • 2つ以上の項目を組み合わせて検索できること

対応が必要か否かは以下のとおりです。

お客さまの対応が必要かクラウド会計・確定申告での
対応は可能か
クラウド会計・確定申告で操作が必要な画面
振替伝票入力」画面 など

「日付または金額の範囲指定により検索できること」「2つ以上の項目を組み合わせて検索できること」は、クラウド会計・確定申告の「振替伝票入力」画面や「仕訳帳」画面で要件を満たした形で検索できます。

ですが、「取引年月日・取引金額・取引先により検索できること」を満たすためには、仕訳に「取引先」の情報を記載する必要があります。
仕訳登録時に以下いずれかの対応をお客さま自身で行ってください!

  • 仕訳の摘要欄に取引先名を入力する
  • 仕訳の借方・貸方に「取引先」を設定する
  • 「優良な電子帳簿」の場合にのみ対応が必要です。
  • 固定資産台帳」画面に登録する固定資産には、資産の「名前」欄に「取引先名」「資産名」を入力する必要があります。
  • 固定資産台帳」画面に登録している固定資産の減価償却費の仕訳には、「摘要」欄に「取引先名」「資産名」を入力する必要があります。

電子帳簿保存法についてのサポートページまとめ

電子帳簿保存法に関するサポートページは以下にまとめています。
こちらもぜひご参照ください。
電子帳簿保存法について

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更新日:2023年12月22日

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