- 作成日 : 2026年1月5日
「とび・土工・コンクリート工事」の建設業許可をとるには?必要な資格、実務経験、工事内容まで解説
「とび・土工・コンクリート工事」の建設業許可は、1件500万円(税込)以上の足場仮設、基礎工事、コンクリート打設などを請け負うために不可欠です。この許可をとるには、国家資格の保有または指定学科を卒業したうえでの実務経験、10年以上の実務経験を持つ「専任技術者」を配置するなど、法律で定められた要件をクリアする必要があります。
この記事では、建設業許可における「とび・土工・コンクリート工事」の具体的な工事内容、許可が必要となる金額基準、そして許可取得の具体的な方法(専任技術者の資格要件など)について、分かりやすく解説します。
目次
そもそも「とび・土工・コンクリート工事」とは何か?
建設工事の業種区分のうち、足場の組立て、基礎工事、掘削、コンクリート打設など、工事の基盤となる非常に広範囲な作業を含む専門工事を指します。
建設業法では、工事の専門性に応じて29の業種(工種)が定められており、「とび・土工・コンクリート工事」はその中の一つです。「とび・土工」と略されることも多く、建設現場の最初から最後まで関わることの多い、基幹的な業種といえます。
「とび・土工」に含まれる具体的な工事内容
国土交通省の例示では、以下のような多岐にわたる工事が含まれます。
- 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置
- 基礎工事、杭打ち、杭抜き
- 掘削、盛土、コンクリート打設、コンクリート圧送
- 地盤改良工事
- 法面(のりめん)保護工事
- 道路付属物設置工事
出典:業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方|国土交通省
「解体工事」との関係は?
平成28年の建設業法改正により、500万円以上の解体工事を請け負うには、別途「解体工事業」の許可が必要となりました。
法改正以前は、「とび・土工」の許可で解体工事も請け負うことができました。しかし、専門性の高い解体工事の適正な施工を確保するため、現在は独立した業種となっています。そのため、「とび・土工」の許可だけでは、500万円以上の解体工事を請け負うことは原則としてできません。
なお、制度新設時には一定期間の経過措置が設けられていましたが、現在は原則として解体工事は「解体工事業」の許可が必要です。
許可が必要となる金額はいくらか?
1件の工事の請負代金が500万円(消費税込)以上となる「とび・土工・コンクリート工事」を請け負う場合に、建設業許可が必要です。(建設業法 第3条)
500万円未満の工事は、法律上「軽微な建設工事」とみなされ、許可がなくても(許可なしでも)請け負うことが認められています。
金額(500万円)の具体的な計算方法
請負代金の額は「消費税込み」の金額で判断します。例えば、契約金額が税抜480万円であっても、消費税(10%)を加えると528万円となり、500万円を超えるため、建設業許可が必要な工事となります。
許可をとるための「専任技術者」要件は何か?
国家資格、学歴+実務経験、または10年以上の実務経験のいずれかを満たす技術者を、営業所に常勤で配置することが必要です。
専任技術者は、建設業許可の5つの要件(経営・技術・誠実性・財産・欠格要件)のうち、「技術」の部分を担う重要な役職です。この要件を満たすルートは、大きく分けて3つあります。
① 国家資格で要件を満たす場合(資格一覧)
「とび・土工」の専任技術者として認められる国家資格は複数あります。「簡単な資格」というものはなく、一定の実務経験や知識が求められるものが基本です。
一般建設業許可で認められる主な資格は以下の通りです。
- 1級・2級 建設機械施工管理技士
- 1級・2級 土木施工管理技士
- 1級・2級 建築施工管理技士(「躯体」または「仕上げ」)
- 技術士(建設部門、農業部門「農業土木」、森林部門「森林土木」など)
- 技能検定:「とび」「型枠施工」「コンクリート圧送施工」「ウェルポイント施工」の1級または2級(2級は合格後3年以上の実務経験が必要)
なお、資格の種別によっては、資格取得後に当該業種の実務経験年数が追加で求められる場合があります。該当可否は国土交通省の「配置技術者となり得る国家資格等一覧」で確認してください。
② 学歴+実務経験で要件を満たす場合
指定学科を卒業し、その後、一定期間の実務経験を積むことで要件を満たせます。
- 大学・高等専門学校(指定学科)を卒業後、3年以上の実務経験
- 高等学校・中等教育学校(指定学科)を卒業後、5年以上の実務経験
指定学科には、土木工学、建築学、都市工学、交通工学などが含まれます。
③ 10年以上の実務経験で要件を満たす場合
学歴や国家資格がない場合でも、「とび・土工・コンクリート工事」に関して10年以上の実務経験を積むことで要件を満たせます。
この方法で申請する場合、過去の工事の契約書、注文書、請求書(および入金確認資料)といった客観的な書類を10年分提示し、その経験が「とび・土工」にあたることを証明する必要があります。
その他の許可取得の要件は何か?
専任技術者の配置に加え、「経営業務の管理責任者」の配置、「財産的基礎(500万円以上)」、「誠実性」、「欠格要件非該当」のすべてを満たす必要があります。
「とび・土工」許可の信頼性
本記事では、「とび・土工・コンクリート工事」の建設業許可について、その工事内容から許可が必要な金額基準、取得要件までを解説しました。
「とび・土工」は建設工事の基盤を支える非常に重要な業種であり、その許可を取得・維持していることは、500万円以上の工事を適正に施工できる技術力と経営基盤を持っていることの公的な証明となります。発注者として業者を選定する際も、この許可の有無は、信頼性を判断する上での重要な指標といえるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
バックオフィス業務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
建設業許可の「名義貸し」はなぜ絶対ダメなのか?バレる理由や罰則、裏ワザのリスクを徹底解説
建設業許可を取得する際、要件を満たす技術者がいないからといって、他人の名前や資格だけを借りる「名義貸し」は、法律で固く禁じられた重大な違法行為です。これは単なる形式的な違反ではなく…
詳しくみる建設業法第7条第2号イロハとは?専任技術者の実務経験要件と15条との違いを解説
建設業の許可を取得する際に必ず登場する「建設業法第7条第2号イロハ」という言葉。これは、建設業の一般許可における「専任技術者」の資格要件のうち、国家資格ではなく実務経験に関する規定…
詳しくみる建設業法の工期と契約日はどう決める?着工前契約のルールや契約工期と実施工期との違いを解説
建設工事の契約において、「契約日」と「工期」の関係は、建設業法によって厳格にルールが定められています。特に「契約書を交わす前に着工する」ことは重大な法令違反であり、発注者・建設業者…
詳しくみる建設業許可は経営経験5年未満でも取れる?要件緩和の仕組みや裏ワザのリスクを解説
建設業許可を取得するためには、原則として「5年以上の経営経験」が必要です。しかし、2020年の法改正による要件緩和によって、個人としての経験年数が5年に満たない場合でも、組織体制を…
詳しくみる建設工事の見積期間はどれくらい設けるべきか?建設業法上のルール、土日の扱いや罰則まで解説
建設工事を発注する際、建設業法で定められた「見積期間」を建設会社に提供する義務があることをご存知でしょうか。このルールを知らずに短い期間で見積もりを要求してしまうと、トラブルの原因…
詳しくみる建設業許可の決算変更届は自分で作成できるか?
時間と労力をかければ、専門家に依頼せず自社で建設業許可の決算変更届を作成・提出することは十分に可能です。 決算変更届は、高度な法的判断を要する新規許可申請とは異なり、基本的には「過…
詳しくみる