さんきゅう倉田が語る「コロナ禍における芸人生活のリアル」

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コロナ禍で、多くのフリーランスが打撃を受けています。もちろん、そのほとんどが個人事業者である芸人も同様です。

若手芸人の中には、アルバイトすらなくなって慣れないオンライン配信や執筆活動に時間を浪費する人もいれば、新たな収益獲得方法を見つけて富を築いた人もいます。

ぼく個人でいえば、決まっていた講演会や営業がキャンセルになり、それどころか向こう数カ月の新規依頼もなく、自己研鑽や準備に励んでいます。(執筆者:元国税局職員・お笑い芸人 さんきゅう倉田)

ぼくの芸人生活に起きたこと

吉本興業に感謝

ぼくが所属する吉本興業は、3月初週頃から全劇場を閉鎖しました。芸人の中には、ライブ出演のギャラを頼りに生活している人もいます。ライブがなくなれば、彼らの収入もほとんどなくなってしまう。

しかし、吉本興業は、キャンセルしたライブのギャラの一定額を芸人たちに支払ってくれました。芸人たちは驚き、そして、事務所や社員のみなさんに感謝したと思います。ぼくは、ライブの出演予定がなかったので、そのような補償の対象外でしたが、無観客公演での生配信の仕事を頂戴し、いくばくかの報酬を得ました。

ぼく自身に起きたこと

2月下旬の講演会を最後に、ぼくの人前に立つ仕事はキャンセルになりました。具体的には、3~6月に行われる予定だった講演会10本以上とキャッシュレス関連のいくつかのイベントです。

講演会は、「また改めてご依頼します」と連絡がありましたが、キャッシュレスに関連したカード会社のイベントは、キャッシュレス還元が6月で終了すれば、再度の出演依頼はないでしょう。

最も困るのは「先行きが見えないこと」

最も困っているのは、講演やイベントがなくなったことではなく、コロナが収束するまでそれらが企画・検討されないことです。

事態の先行き不透明感が、みなさんのイベントを企画しようという気持ちを奪ってしまいました。平時であれば、数カ月先の出演予定がいくつか決まっていますが、年内のスケジュールは真っ白です。

ふだんは底抜けに明るいぼくでも、来年の確定申告のことを考えると、少し悲しい憂鬱な気分になります。

大きな反響があった仕事&継続しなかった仕事

コロナの影響で、ぼく個人が新たに始めた仕事はほとんどありません。唯一、数回だけnoteを書きましたが、仕事として継続して行うには至っていません。

同期や後輩は、様々なことに取り組んでいます。版画や粘土、大喜利配信、ヒゲモノマネなどがありますが、収益になる人とならない人がいるようです。

大きな反響があった仕事

今までの活動の延長ではありますが、ぼくは、新型コロナでの給付金についての情報と短い動画をTwitterに投稿しています。

所得税の確定申告の時期にも同様の活動をしていますが、その反響の違いに驚きました。この数カ月でたくさんの知らない方や同期や先輩、後輩の芸人から問い合わせがあり、多くの人が情報の不足に困っていると知りました。

給付金に関連して動画や生放送の出演依頼もあり、今ならではの仕事があると実感しています。

試してみたけど継続しなかった仕事

Twitterでの発信内容をまとめ、解説や補足を加えた記事をnoteに書きましたが、販売数もいいねの数も奮わず、継続的に執筆するには至りませんでした。

そういった役立つ記事よりも、並行して書いた社長の悪口の方がたくさん売れたことは、今後の活動の参考になりました。売れてほしいものは売れず、売れなくて良いものが売れることがあるようです。

浮き彫りになった“仕事の無駄”

今まで、なにか話し合うことがあれば、芸人たちは所属事務所の本社に行き、2時間や3時間、ときには夜半から始発まで、ゆったりと時間を使っていました。

しかし、集まることができなくなって、打ち合わせはすべてZoomになりました。すると、みんな「今までの打ち合わせも集まる必要がなかった」と気づきます。それにより、今後の無駄な招集が減ることは、大変喜ばしいと思います。

また、この数カ月で取材をいくつか受けましたが、実際に会うことも写真撮影もなかったので、移動や身だしなみを整える時間が省略できました。会わないことによってデメリットもありますが、良い面もあると思います。

新時代に対応した個人事業者だけが生き残る

緊急事態宣言が解除されても、ライブやイベントの開催には、配慮や工夫が求められます。

ぼくも、一カ所に人が集中しない配信の講演を依頼されても対応できるように準備しています。新しい時代に対応した、進化した個人事業者だけが生き残ることができると考えているからです。

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Bizpedia編集部

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