PCA×freee×マネフォが登壇。3社が語る「クラウド会計の現在とこれから」

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2019年2月27日にスタディプラスで開催された「クラウド会計meet up」。クラウド会計サービスを提供するピー・シー・エー、freee、マネーフォワードの3社が登壇し、「クラウド会計の現在とこれから」をテーマに自社サービスの特徴や展望を語りました。本稿では各社のプレゼンテーションの様子を紹介します。
(※プレゼンテーションはピー・シー・エー、マネーフォワード、freeeの順で行いました。)

ピー・シー・エー:高い信頼性と柔軟なサービス

渋井 潤(しぶい じゅん)
ピー・シー・エー株式会社 パートナー&広域事業部 エキスパート営業推進課主任

渋井:ピー・シー・エー株式会社の渋井と申します 。本日はよろしくお願いいたします。

弊社は創業1980年、今年で39年目を迎えます。公認会計士の有志が設立した会社で、もともとはパッケージソフトメーカーでした。

「PCAクラウド」のラインナップは大きく「会計」「人事給与」「税務」「販売管理」に分けられ、建設業など各業種向けのソフトもあります。もともとパッケージソフトメーカーなので、パソコン1台で使うスタンドアロン版やサーバーを利用するパッケージ版、そしてクラウド版など、お客様に様々な選択をしていただけます。それぞれ機能面は同じで、データがパソコンにあるか、サーバーにあるか、それとも外部のデータセンターの方にあるかの違いです。

「PCAクラウド」のサービスは2008年からスタートして、10年以上稼働、業種を問わず中小企業から大企業まで10,000法人以上でご利用いただいています。

他のクラウドベンダーと同じようにインターネットを利用してデータのやり取りをするサービスで、もちろんデータは暗号化されるので安全を担保しています。また、サービス利用可能時間は朝5時から夜中12時までとなっていて、 それ以外は土日祝日も問題なくご利用いただけます。

高い信頼性

弊社は関東と関西の2つのデータセンターと契約しています。なぜ2つあるかといいますと、夜中に関東でデータのバックアップを取り、合わせてそのデータを関西でも分散して保管するためです。この作業を夜中にするので利用できない時間を設けています。

また、弊社側の障害などで利用できない、または稼働率が99.5%に満たなかった場合には一部返金といったサービス品質保証制度もあります。万一の場合でもすぐに自動復旧するようにデータセンター側で設定しています。

さらに、「PCAクラウド」の利用時には、サーバー接続時とソフト起動時の2段階認証があります。より一層セキュリティを担保したいお客様のために、オプションにはなりますがワンタイムパスワードも用意しています。

加えて、米国公認会計士協会の定める「SOC2報告書(セキュリティや機密保持などに関する内部統制の保証報告書)」を取得しており、国際的なセキュリティ基準に対応しています。そのため報告書が必要なお客様には無償でこちらの報告書をご用意することもできます。

柔軟なサービス

「PCAクラウド」はパソコンにソフトをインストールするため、通常のパッケージ版と同じ操作性でご利用いただけます。例えば伝票入力するとき補助科目を検索したいなら、ショートカットキーを使いながら入力することができます。ここが「PCAクラウド」の特徴です。

また、「PCAクラウド」では同時接続台数がライセンスの数となっていて、例えば同時に使うのが1人の場合、同時接続1台という契約を結んでいただきます。まず経理の方が伝票の入力をして、経理の方が使っていないときに上長や会計事務所の方が確認をする。このように時間帯をずらせば少ないライセンスでご利用できます。ライセンスは1~72台までプランがあるので、ニーズに合わせてご契約していただきます。インストール台数やログインユーザー数に関しては制限がありません。同時に何人の方が利用するかだけでライセンスは変わってきます。

業務状況に合わせてライセンスの契約数を変更することもできます。月々お支払いいただくプランの場合、繁忙期だけライセンスを増やして、落ち着いたらライセンスを減らすなど、月ごとにライセンスの上限を変更することができます。例えば通常は3人でご利用いただいて、決算前後の3カ月間だけ5人に増やし、また落ち着いたら3名に戻したりですね。

また、弊社のサービスはお客様はもちろん、顧問先の会計事務所や社労士事務所も閲覧可能です。

さらに、クラウドサービスはインターネットへの接続が大前提ですが、「PCAクラウド」は緊急時用のスタンドアロン版も用意しています。インターネットが使えないときはクラウドからバックアップをリカバリーすれば、スタンドアロン版でもご利用していただけます。先ほど夜中は使えないという話をしましたが、どうしても決算が近くて確認したい場合などにはこのような形で運用することも可能です。

オプションになりますが、スマートデバイスオプションというものもあります。こちらはスマートフォンやタブレット向けに会計モジュールと販売管理モジュールがありまして、営業の方が在庫数や得意先の情報を見たいときにスマホなどからチェックできます。

また、「PCAクラウド」はWeb-APIを公開できるようになっています。スライドの運用イメージのように、 もともとワークフローシステムで経費精算をしている場合、そのデータを「PCAクラウド」の伝票に反映されるようにしてワークフローに経費を登録すれば、APIを介して、会計の振替伝票にその内容が登録される仕組みを作れます。ただこれに関しては開発が必要なので、その分の費用はかかります。また、「PCAクラウド」と連携できる他社クラウドサービスもありますので、詳細はホームページをご確認ください。

今後の展開

現在ピー・シー・エーのソフトは「DX」というバージョンをリリースをしていますが、2019年2月から「会計hyper」「固定資産hyper」という上位モデルをリリースしました。 こちらはグループ企業での統合的な管理や企業をまたいだセグメント管理、取引先マスターやマスタースペックの拡張などが可能です。もちろんクラウドでご利用できますし、管理会計をしたい企業もご利用いただけます。

価格についてはホームページに価格シミュレーションがあります。サポートサービスなどの保守料金も、シミュレーションの価格に全て含まれております。今年の消費税増税や軽減税率にも対応できますし、正式契約の前に2カ月間のテスト利用が可能です。

ご清聴ありがとうございました。

マネーフォワード:創業から上場までクラウドの恩恵を

李 春幸(リ チュンヘン)
株式会社マネーフォワード 事業戦略部副部長 兼 経理財務領域事業責任者

李:マネーフォワードの李です。今日はせっかくなので「我々がどんな思いでプロダクトや事業を展開してきたか」「今後どんな世界観を実現していくために取り組んでいるのか」をお話しさせていただきます。

大事にしている3つのこと

まず我々が大事にしている3つのことについてです。

1つ目は、「経理の知識がちょっとでもある人にとって使いやすいプロダクト」であること。複式簿記の歴史は中世ヨーロッパからと非常に古く、今でも世界における基本的な会計基準となっています。そこで、「マネーフォワード クラウド会計」では勘定科目・補助科目での入力形式など、経理の知識がちょっとでもある人にとって使いやすいUI/UXを追求することを、プロダクトの設計思想としています。

2つ目は「既存の業務内容を“ユーザーに寄り添いながら”改善し、クラウドの価値を提供する」こと。 例えば現場の経理業務を取り巻く課題として、IT化の遅れにより大量の領収書請求書を紙で扱っている状況があります。

ここで、ツールを提供するベンダーが「紙なんか一気になくしてしまえ」と言って、自社のツールを導入するためにユーザーに急激な業務内容の変化を強いた結果、「ITツールを導入する前より生産性が悪化した」というケースをこの1年ぐらいでよく聞くようになりました。

我々はユーザーを置いてけぼりにせずに寄り添いながら、かつクラウドの価値を提供することを大事にしています。紙文化の課題であれば、弊社グループ会社のクラビスが提供する「STREAMED」という紙証憑をデータ化するプロダクトや、「マネーフォワード クラウド会計」の自動入力や自動仕訳などで向きあっています。

また、「業務内容の0.5歩先」の世界観を提供することも非常に大事にしています。イノベーションは世間よりも1歩先に行き過ぎると流行らないという話がありますが、ユーザーが置いてけぼりになってしまって本質的な業務効率化や売上向上につながらないのは本末転倒ですよね。我々は今後もしっかりユーザーに寄り添いながら、一緒になって生産性向上を支援していければと思っています。

最後3つ目です。当たり前のことですが、「業務アプリケーションであるからこそのサービス安定性」というのを大事にしています。ユーザーの業務を止めないとか、データ量が増えてもユーザーがストレスなく操作できるとか、集計結果の数字がバグらないとか。サービス安定性の例としては、SLA(サービス品質保証契約)で稼働率99.5%以上を保証していまして、実際100%近く稼働を継続しています。

おかげさまでユーザー数も拡大しており、それにともない取扱データ量も加速度的に伸びています。そういった中でもサービス安定性を維持するために、約2年前からいくつかの課題に取り組んできました。例えば仕訳のデータ量が増えてもユーザーへのレスポンスが遅くならないように、集計処理を高速化するなどです。

一方で、これらの対策を2年間全力で取り組んできたために、ユーザーから改善や新機能のご要望を受けたにも関わらず、お応えできなく本当に申し訳なかったと思っています。ただ、こういったサービス安定性というのは業務アプリケーションを提供する上で大前提と思っています。安定性を担保する取り組みはある程度進んできたので、今後はしっかりとユーザーの期待にお応えできればなと思っています。

チャレンジしていく3つのこと

じゃあどういった形で期待に応えていくのか、後半は我々のチャレンジの話をしていきます。

まず1つ目のチャレンジは「創業から上場までクラウドの恩恵を」です。我々は「マネーフォワード クラウド」を約5年前にリリースして、中小企業や個人事業主、会計・税理士事務所をユーザーとしてきましたが、上場(準備)企業に対してもしっかりと我々のクラウドの価値を提供したいと思っています。そのために必要な機能として、仕訳承認機能やログ機能を今冬にリリース予定で、「SOC1報告書(財務報告に関する内部統制の保証報告書)」も受領予定です。

ところで、「ポストモダンERP」という言葉を聞いたことがありますか? ERPはベンダーとユーザーの優劣関係が改善されないとか、ERP内のいろんな機能が密接につながっているため「販売管理のAという機能を改善しようと思ったら在庫管理のBという機能に影響して改善できない」といった課題がありました。

これに対し、ERPの中でもコアな機能は残しながら、ERPでは弱い業務領域に特化したクラウドのSaaS型アプリと疎結合に連携することで、変化の激しいビジネス環境に対応していこうというのがポストモダンERPです。我々も今後強く提唱していきたいと思っています。

具体的な例として、Salesforceと「マネーフォワード クラウド請求書」をAPIで連携したアプリ「マネーフォワード クラウド for SFA」を3月にリリースします。Salesforceに登録してある取引先や見積・請求データを「マネーフォワード クラウド請求書」に連携でき、「マネーフォワード クラウド請求書」における入金済み・未入金といった入金データを、営業担当者がSalesforce上で確認することができるようになり、未入金先に対して迅速な督促回収が出来るようになる結果、キャッシュフローの改善を実現できます。

また債権管理、とくに入金消込についてですが、「V-ONEクラウド」や「Victory-ONE」を提供するアール・アンド・エー・シー社と昨年末に業務提携しました。これは入金消込に特化したプロダクトで、平均の自動消込率が80%、高くて99%という素晴らしいプロダクトです。その「V-ONEクラウド」と「マネーフォワード クラウド」がシームレスに連携して、請求から入金消込、会計業務まで効率化を実現できればと思ってます。

今後はこういったポストモダンERPの思想で、特化型ソリューションを提供する各社とのAPI連携をますます強化して、上場企業にもクラウドの恩恵を提供できるようにチャレンジしていきます。

2つ目のチャレンジは、「消費税増税・軽減税率対応のピンチを、業務効率化のチャンスに変える!」です。何も対策しないまま軽減税率制度を迎えてしまうと、売上データ上で複数の税率が混在してしまう、税率ごとに分けて仕訳を作成しなくてはいけない、受け取る側の領収書や請求書も軽減税率の対象かどうか担当者ベースで確認するなど様々な問題が生じると思います。

「マネーフォワード クラウド会計」なら追加費用なしで軽減税率に対応するのはもちろん、「マネーフォワード クラウド請求書」と連携して複数の税率を保持したまま自動仕訳したり、先ほどの「STREAMED」で軽減税率対象の書類を判別し、不備がない場合は複数税率で分けて仕訳できます。皆さんにはこのタイミングをピンチと思わずに、業務効率化のチャンスと捉えていただきたいです。

最後に、「業務効率化以外の付加価値の提供」というチャレンジです。今まで我々は「マネーフォワード クラウド会計」や「STREAMED」の提供を通して、事業者や会計・税理士事務所における業務効率化を実現してきましたが、今後は、経営分析や資金繰りといった支援も強化していくことで、業務効率化以外の付加価値を提供することにチャレンジしていきます。

経営分析ですと、「Manageboard」を提供するナレッジラボが、昨年7月にマネーフォワードグループにジョインしました。元々「マネーフォワード クラウド会計」ではデータの収集や入力の自動化などの価値を提供していましたが、そのデータを使った予実分析やキャッシュフロー分析、経営のネクストアクションを支援するようなツールが「Manageboard」です。こういった形で業務効率化のみならず、収益向上にも寄与できるようにトライしています。

資金繰り支援では、クラウド会計業界初の試みとして、「マネーフォワード クラウド会計」のデータを元に金融機関からの借入可能額を自動で算出する機能を提供しています。これにより自社がどれだけ借入れできるかをリアルタイムに把握でき、柔軟な資金繰りを可能にしています。

一方で、金融機関側の与信審査によっては借入れできない企業もあります。そこで我々は、「マネーフォワード クラウド会計・請求書」などのデータとAI技術による融資審査モデルを開発し、オンライン融資サービスを提供するマネーフォワードファインというグループ会社を昨年7月に設立しました。今まで与信が通らなかった中小企業や個人事業主に融資することで、多くの事業者をファンにしていこうと考えています。2019年4月頃にサービス開始予定です。

こういった形で、今後も多くの事業主をエンパワーメントするために、ユーザーに寄り添ってプロダクトを提供していければと思っています。これからも応援していただければ幸いです。ありがとうございました。

freee:「freeeアプリストア」が目指す世界観

髙村 大器(たかむら たいき)
freee株式会社 ミッドマーケット事業部 営業部部長

髙村:髙村と申します。今日は僕が「これまでのfreee」について話し、その後に水野谷から「これからのfreee」について話します。

これまでのfreee

早速ですが、よく言われているのが「クラウド会計はIPOでは使えない」ということです。数年前までは1~100名規模の中小企業をずっとターゲットにしていたので、お客様の中には「規模も大きくなってきたし、ちゃんとした会計ソフトに変えようかな」「これからIPOするからパッケージ型の会計ソフトに乗り換えようかな」というケースがありました。

この現象は僕らが元々やりたかったビジネスと大きな乖離がありました。スモールビジネスの成長を支援したいのに、成長するとみんなfreeeを卒業する。そんな悲しい状況がありました。また、「freeeでぜひIPOしたい」というお客様が数社あったので、2年半前に上場対応するぞと意思決定したんです。

言葉がまるかぶりでびっくりしたんですけど(笑)、2017年3月 に「創業から上場まで使えるfreee」としてエンタープライズプランをリリースしました。エンタープライズプランは2月28日で2周年を迎えます。 初めてfreeeで上場していただいたソウルドアウト様は、上場半年前にfreeeに移行して上場されました。 昨年だとラクスル様が上場してます。

また、すでに上場しているGMOペパボ様から「上場企業であればこういう機能を作っていくといいよ」というアドバイスをいただいてます。例えばfreeeはワークフロー機能と会計機能が繋がっていて、APIではなくfreeeの中にワークフロー機能があるというのが日本の会計ソフトではユニークなんですが、そういうアイデアもいただきました。

結果、日本の未上場ベンチャーで資金調達の金額がトップ100社のうち41社がすでにfreeeを使っていて、2年前にfreeeでIPOできないからと卒業されていた状況がかなり改善したと思っています。これからIPOする会社でfreeeを使っている会社はどんどん増えていくんじゃないでしょうか。

シームレスなプロダクト

よくクラウド会計というカテゴリで語られますが、じゃあクラウド会計って今までの会計システムをクラウドに乗っけたものとイコールか。僕らは明確に違うと思っています。ガラケーからiPhoneに変わったように1歩も2歩も先を行く、そんなプロダクトを目指しています。

会計システムといっても分断があると思います。いわゆる会計って仕訳の業務だと思うんですけれど、その上流業務として費用であればワークフロー、 売上であれば基幹システムやSalesforceなどがあり、経理業務である債権債務の処理などがある。そこでやっと会計の記帳と、経営のレポーティング分析というのがありますよね。


会計業務における分断

従来の中小・中堅向けの会計システムだと、データが大きく4つに分かれているのが大きな問題だと我々は捉えています。仕訳を打つのではなく、つなげてシームレスにしていくというアプローチです。例えば購買申請や経費申請といったワークフローをfreeeで入力、そのまま債権債務に繋がり会計へ、分析データまでつなげようと考えています。

つながっているのでドリルダウンもできます。経営状況として分析データを見て、そこからワークフローや証憑データまでドリルダウンしてコストの内容を見れる。これは大手向けも含めて日本のソフトの中では本当にユニークで、うちしかないと自信を持っています。

もちろんfreeeの中だけでシームレスというわけではありません。約1年半前に「freee for SFA」をリリースして、そのAPIでSalesforceやkintoneといった他社サービスとどんどん連携しています。入金消込が自動で行われてSalesforceにデータが戻される、Salesforceで商談完了していればそのまま請求書が自動で作れるなど、シームレス連携をすでに実現しているプロダクトです。

あとはより大きな会社のために、「freee連結決算キット」をリリースしました。連結対象10社ほどの会社からすると、そこまで大きな連結システムは必要ないけど「エクセルで手入力は非常に辛い」といったお声をいただいて、クラウド同士で連結を完結させるプロダクトを昨年11月にリリースしました。

「freee連結決算キット」のユーザーではないですが、グループ経営管理ということで、野村ホールディングスのグループ会社のN-Village様でfreeeを使っていただいてます。この2年でシェアード先、アウトソース先の会計システムをfreeeに統一していくというプロジェクトをやってきました。今20社中15~6社までfreeeに切り替わっていて、最近はこういった超大手の東証一部上場のグループ会社での事例も増えています。

これからのfreee

水野谷 将吾(みずのや しょうご)
freee株式会社 プロダクトマーケティングチーム APIエバンジェリスト

水野谷:ここからはfreeeのこれからについて水野谷が話します。

先ほどAPIや拡張性の話が出てきましたが、freeeは2013年3月にクラウド会計「freee」をリリースしてから7カ月後に、国内初の会計のPublic APIをリリースしています。CEOの佐々木大輔が創業当初から強い思いを持ってAPIを進めてきました。

さらに、本格的に大きな事業所向けのサービスを立ち上げたりだとか、最近はIT企業から農業・工業・製造業の方までご利用いただいている中で、ちょっとずつ自社だけで全てのユーザーの業務に徹底的に向き合うことが難しくなってきて、改めてAPIに力を入れています。

実はfreeeはこれまでも多くのサービスと連携をしてきて、創業当初から自分たちだけで全ての業務を効率化することはあまり考えていませんでした。ユーザーが自分の業務に合わせてカスタマイズが出来たり、freeeで機能が足りないところは他社サービスを使ってもらうという思想を、2013年10月ぐらいの段階から持ってきました。

そこで、2019年1月30日に「freeeアプリストア」というAPI連携のプラットフォームをリリースしました。何を作りたいかというと、AppleのアプリストアのBtoB版です。アプリストアが機能してiPhoneにアプリケーションが乗ることで、個人にとって快適なスマートフォンというのが出来上がっていくようなものをバックオフィスの世界にも持ち込みたいなと思っています。

当然僕らだけでは不可能なので、 例えば会計に関連するようなサービスを提供している会社や税理士法人、監査法人からスピンアウトされた個人の開発者など、そういう方々と一緒にアプリケーションプラットフォームというのを作っていきたいなと思っています。

スマホを使っていて、何のアプリもダウンロードしたことない方はほとんどいないと思います。 そのぐらい、自分向けにカスタマイズをして使っていくのが当然の世界になってるので、僕らも「このサービスにはこういう限界があるから諦めないといけない」ではなく、「自分たちはこうしたいからこのアプリケーションを使うんだ」ということが実現できる世界を作っていきたいなと思っています。

ポストモダンERPの話に少し触れますと、「freeeアプリストア」上にはNPO 法人のための会計アプリ「Nport」や、社会福祉法人向けの「社会福祉法人 with freee」など、 いくつかの業者向けアプリがあります。freeeというプラットフォームの上に乗っかって、バーティカルサービスが生まれていく世界がちょっとずつ生まれてきているので、楽しみにしてもらえたら幸いです。ありがとうございました。

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