- 作成日 : 2026年1月5日
建設業許可の変更届の期限は?代表者変更や決算届など「2週間・30日・4ヶ月」のルールと遅れた場合の対処法
建設業許可を取得した後、商号や所在地、役員などに変更があった場合、必ず所定の期限内に「変更届」を提出しなければなりません。もし期限を過ぎてしまうと、始末書の提出を求められたり、最悪の場合は罰則の対象となったりするリスクがあります。
この記事では、建設業の専門家が、変更内容ごとの具体的な提出期限(2週間・30日・4ヶ月)、期限を過ぎてしまった(忘れた)場合の対処法、そして代表者変更や決算変更届に必要な書類のポイントについて、分かりやすく解説します。
目次
変更届の提出期限は「内容」によって3つに分かれる
建設業法における変更届の期限は、変更内容の重要度に応じて「2週間以内」「30日以内」「4ヶ月以内(事業年度終了後)」の3パターンに厳格に区分されています。
どの変更がどの期限に該当するかを正確に把握し、法令遵守を心がけましょう。
① 2週間(14日)以内の届出が必要な事項
建設業許可の根幹に関わる「人」に関する変更は、2週間(14日)という短い期限が設定されています。
- 経営業務の管理責任者(経管)の変更:退任、就任、氏名変更など
- 専任技術者(専技)の変更:退任、就任、氏名変更など
- 令3条の使用人(支店長など)の変更:退任、就任、氏名変更など
これらのポジションは許可要件そのものに関わるため、変更があった場合は速やかに行政庁へ届け出る必要があります。
② 30日以内の届出が必要な事項
会社の基本情報や組織に関する変更は、30日以内に届け出る必要があります。
- 商号(会社名)の変更
- 営業所の所在地(本店・支店)の変更
- 資本金の変更
- 役員(代表取締役・取締役など)の変更:経管や専技を兼ねていない役員の変更
- 支配人の変更
③ 4ヶ月以内の届出が必要な事項
これは「決算変更届(事業年度終了届)」を指します。
- 毎事業年度終了後:決算日から4ヶ月以内
実務上は、決算変更届と一緒に工事経歴書や財務諸表などをまとめて提出するのが一般的です。
変更届の提出を「忘れた」「期限を過ぎた」場合はどうなる?
期限を過ぎてしまった場合でも、気づいた時点で速やかに提出すれば、多くの場合は受理されます。 ただし、遅延の理由書(始末書)の提出を求められる可能性がある点には注意が必要です。
「期限が過ぎたからもう出せない」ということはありません。むしろ、未提出のまま放置することのほうがリスクは大きいです。
期限後の提出とペナルティ
- 始末書(理由書):
なぜ遅れたのか、再発防止策はどうするかを記載した文書の提出を行政庁から求められます。 - 罰則(建設業法第50条):
法律上は、変更届を提出しなかった場合、または虚偽の記載をして提出した場合、「6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金」という罰則規定があります。
通常、数日の遅れでいきなり罰則が適用されることは稀ですが、長期間放置したり、度重なる遅延があったり、悪質と判断された場合は処分の対象となり得ます。
許可更新や業種追加ができなくなる
最も実務的なリスクは、変更届が出ていない状態では、5年ごとの「許可更新」や新たな「業種追加」の申請が受理されないことです。更新期限直前になって過去の変更届漏れが発覚し、大慌てで数年分の書類を作成するケースも少なくありません。
「代表者変更」や「決算変更届」の注意点と必要書類
特によくある変更手続きについて、ポイントを解説します。
代表者(代表取締役)の変更の場合
- 期限:30日以内
- 注意点:代表者が「経営業務の管理責任者」や「専任技術者」を兼任していた場合、単なる役員変更(30日)ではなく、経管・専技の変更(2週間)として処理する必要があるため、期限が短くなります。新代表者が「経営業務の管理責任者」の要件を満たさない場合、別途経管の選任が必要です。
- 主な必要書類:
- 変更届出書
- 役員の一覧表
- 誓約書
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 登記されていないことの証明書、身分証明書(新代表者のもの)
決算変更届(事業年度終了届)の場合
- 期限:決算日から4ヶ月以内
- 注意点:税務申告とは別に、建設業法に基づいた形式で毎年提出する必要があります。「自分で」作成することも可能ですが、工事経歴書の作成や財務諸表の書き換えに専門知識を要するため、行政書士に依頼するケースも多いです。
- 主な必要書類:
- 変更届出書
- 工事経歴書
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額
- 財務諸表(建設業法様式)
- 納税証明書(事業税など)
変更届の書き方や様式(手引き)はどこで入手するか?
各都道府県(許可行政庁)のウェブサイトで、「建設業許可変更等届出の手引き」や様式(記入例を含む)をダウンロードできます。
申請書類の様式や添付書類の詳細は、自治体によってローカルルールが存在します。必ず、許可を受けている自治体(東京都なら東京都都市整備局、大阪府なら大阪府建築振興課など)の最新の手引きを確認してください。
変更届は「会社の履歴書」の更新
本記事では、建設業許可の変更届について、3つの期限区分(2週間、30日、4ヶ月)と、期限を過ぎた場合の対処法を解説しました。
変更届は、単なる事務手続きではなく、その建設業者が適法に営業を続けていることを証明する「会社の履歴書」を更新する作業です。万が一忘れていた場合は、隠さずに速やかに提出することが、事業へのダメージを最小限に抑える唯一の方法といえるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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