- 更新日 : 2026年4月1日
建設業許可は営業所ごとに必要なのか?支店・本社以外の要件、契約行為の可否まで解説
建設業許可は、本社(主たる営業所)だけでなく、建設工事の契約締結などを行う「従たる営業所(支店など)」についても、法律上の要件を満たした上で登録することが必要です。許可は会社単位で取得しますが、その前提として、営業を行う拠点ごとに体制が審査されます。
この記事では、建設業法における「営業所」の定義、支店や本社以外に許可が必要となる具体的な要件、営業所を追加する際の手続きについて、分かりやすく解説します。
建設業法における「営業所」とは何か?
建設業法における「営業所」は、建設工事の請負契約の見積もりや入札、契約締結といった実体的な業務を常時行う事務所を指します。
建設業法第3条第1項に規定されている「営業所」とは、単に登記簿に記載されている本店や支店のことではありません。重要なのは、そこで「建設工事の請負契約に係る実質的な業務を行っているか」という実態です。
営業所に該当するもの
- 本社、本店
- 常時、建設工事の請負契約(見積もり、入札、契約締結)を行う支店、営業所
営業所に該当しないもの
- 単なる登記上の本店(実質的な営業活動を行っていない場合)
- 資材置場、作業員詰所
- 工事現場の事務所(仮設のもの)
- 事務連絡のみを行う連絡所
建設業許可は営業所ごとに必要か?
建設業許可は、1事業者(法人または個人事業主)につき1つに対して与えられます。ただし、営業所をすべて届け出て、営業所ごとに要件を満たす必要があります。つまり、建設業を営むすべての営業所(本社・支店など)が許可の対象として登録され、それぞれ法律上の要件を満たさなければなりません。
建設業法では、許可申請時に「主たる営業所(本社など)」と「従たる営業所(支店など)」の情報をすべて記載します。この際に、各営業所が独立して機能できる体制が整っているか(技術者の配置など)が審査されます。
許可の対象となる「営業所」の主な要件は何か?
主たる営業所には、建設業の経営経験を有する常勤役員等と専任技術者の配置が必要です。また、従たる営業所には見積や契約行為の権限を持つ責任者と専任技術者を常勤で配置することが求められます。
このように、建設業法第7条(一般建設業)および第15条(特定建設業)では、許可を維持するための営業所ごとの体制整備が求められています。
経営業務の管理責任者(または令3条の使用人)
本社である「主たる営業所」には、経営経験を持つ「経営業務の管理責任者」を常勤で配置する必要があります。
支店など「従たる営業所」には、経営業務の管理責任者を置く必要はありません。しかし、代わりに見積もりや契約締結などの権限を委任された「令3条の使用人(支店長や営業所長など)」を常勤で配置する必要があります。
専任技術者の配置
許可を受けたい業種ごとに、国家資格または一定の実務経験を持つ「専任技術者」を、各営業所に常勤で配置することが必須です。本社にしか技術者がいない場合、その技術者が常勤していない支店は、原則として許可営業所として認められません。
営業所としての物理的な実態
単なる登記上の住所ではなく、営業活動を常時行える実態が必要です。
- 電話、机、什器備品などが備えられていること
- 外部からも独立した事務スペースが確保されていること(例:居住部分や他法人の事務所と明確に仕切られていること)
本社(主たる営業所)のみで許可を取得する場合はどうなるか?
本社のみを許可営業所として登録し、契約行為や技術者の配置を本社に集中させる形態です。
建設業法上、許可営業所が一つ(主たる営業所のみ)であっても許可取得は可能です。この場合、本社以外の場所(登記上の支店や作業所など)で、建設工事の請負契約(見積もり、入札、契約締結)を行うことはできません。
もし登録していない支店などで契約行為を常時行っていると、変更届出義務違反や、場合によっては無許可営業として処分の対象となるリスクがあります。
許可取得後に営業所を追加(登録)する手続きは?
許可取得後に営業所を追加(新設)する場合は、その事実が発生してから30日以内に「変更届出書」を許可行政庁に提出する必要があります。この変更届を提出し、新しい営業所が建設業法上の「営業所」として届出された後に、その営業所で契約行為を行うのが原則です。
これは建設業法第11条で定められた届出義務です。この変更届には、追加する営業所の名称、所在地、新しく配置する「令3条の使用人」や「専任技術者」の証明書類、そして営業所の実態を示す写真や賃貸借契約書などを添付します。この届出が受理されて初めて、その新しい営業所で適法に契約行為が行えるようになります。
許可業者の「営業所一覧」はどこで確認できるか?
国土交通省が運営する「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、誰でも無料で検索・閲覧が可能です。
このシステムは、許可業者の透明性を確保し、発注者保護を図るために一般に公開されています。会社名で検索すると、許可番号や許可業種に加え、許可を受けている「主たる営業所」および「従たる営業所」の名称と所在地の一覧を確認できます。これにより、取引先が契約行為を行う支店が、正規の営業所として登録されているかを発注者側も確認できます。
契約行為を行う拠点はすべて登録が必要
本記事では、建設業許可における「営業所」の定義と、許可が営業所ごとに必要とされる理由について解説しました。
建設業の許可は会社(事業者)単位で与えられますが、その前提として、見積もりや契約締結といった実質的な営業活動を行うすべての拠点が、法律上の要件を満たし、適切に登録されている必要があります。本社以外に支店や営業所を設置する場合は、必ず専任技術者や令3条の使用人を配置し、適法な手続きを行うことが、コンプライアンス遵守の第一歩といえるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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