• 更新日 : 2026年8月21日

AIを活用したOCRおすすめツール比較|選び方・活用シーンを解説

pointAI OCRのおすすめはどう選ぶ?

AI OCRは自社帳票で精度を検証し、連携・セキュリティも含めて比較してから導入することが重要です。

  • 非定型・手書き帳票はAI OCRが有利
  • DX Suite・SmartReadなど用途別に選ぶ
  • 精度100%前提の運用は失敗のもと

Q. AI OCRを選ぶ際に最も重要なポイントは?

A. 公称精度ではなく、自社で実際に使う帳票を使ってトライアル検証することが最重要です。

紙の請求書、申込書、発注書、契約書などを手入力で処理していると、確認・転記・修正に多くの時間がかかります。AIを活用したOCRは、紙やPDFの文字を読み取り、業務システムで扱えるデータに変換する仕組みです。

本記事では、AIを活用したOCRのおすすめツールを比較し、選び方や活用シーン、注意点を解説します。

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※(免責)掲載情報は記事作成日時点のものです。最新の情報は各AIサービスなどの公式サイトを併せてご確認ください。

AIを活用したOCRと従来型OCRの違いは?

AIを活用したOCRを選ぶ前に、まず従来型OCRとの違いを押さえておく必要があります。どちらも文字を読み取ってデータ化する技術ですが、得意な書類や運用のしやすさが異なります。

【AIを活用したOCR】非定型帳票や手書き文字に対応しやすい

AIを活用したOCRとは、AIの画像認識や機械学習などを使い、紙やPDFに書かれた文字を読み取ってデータ化する仕組みです。従来型OCRは、あらかじめ決まった位置にある活字を読み取る用途に向いていました。一方、AIを活用したOCRは、帳票内の項目名や配置を判別し、請求書番号、取引先名、日付、金額などを抽出できるものがあります。

たとえば、取引先ごとに請求書のレイアウトが異なる場合、従来型OCRでは帳票ごとの設定が増えやすくなります。AIを活用したOCRであれば、事前に細かく座標を指定しなくても、書類の種類や項目を判別できる製品があります。

【従来型OCR】定型帳票の大量処理に向いている

従来型OCRにもメリットがあります。読み取る帳票のフォーマットが固定されており、文字が活字中心であれば、安定した処理が期待できます。社内で同じ様式の申請書を大量に処理する場合や、読み取り位置が毎回変わらない帳票では、従来型OCRでも十分なケースがあります。

取引先ごとに形式が異なる請求書、FAXで届く注文書、手書きの申込書などは、従来型OCRだけでは修正作業が増えやすい領域です。AIを活用したOCRを導入するかどうかは、「帳票の形式がどれだけ揺れるか」「手書きが含まれるか」「読み取り後にどのシステムへ連携するか」で判断する必要があります。

比較項目 従来型OCR AIを活用したOCR
得意な書類 定型帳票、活字中心の書類 非定型帳票、手書き、複数レイアウトの書類
事前設定 読み取り位置の設定が必要になりやすい 項目抽出や自動判別に対応する製品がある
読み取り精度 帳票が固定されていれば安定しやすい 帳票や学習データ、画像品質により変動する
向いている業務 同じ様式の申請書、定型帳票処理 請求書、注文書、申込書、契約書などの処理
注意点 帳票変更に弱い 運用設計と人の確認が必要
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AIを活用したOCRのおすすめツール比較は?

ここでは、国内企業でも検討対象になりやすい代表的なサービスを整理します。

【DX Suite】帳票処理を本格的に効率化したい企業向き

DX Suiteは、AI insideが提供するAIを活用したOCRサービスです。請求書、申込書、注文書、アンケート、FAX書類など、幅広い帳票処理で検討される代表的な製品です。公式料金ページでは、Lite、Standardなどのプランが示されており、月額費用と読み取り範囲・枚数に応じた従量課金の考え方を確認できます。

向いているのは、毎月一定量以上の帳票を処理している企業です。経理・受発注・金融・自治体関連など、紙やPDFの入力業務が多い部門で効果を検証しやすいでしょう。処理枚数が少ない企業では、月額費用に対して費用対効果が合わない場合があります。

【SmartRead】文書の仕分けや非定型文書のデータ化向

SmartReadは、文書のデータ化を支援するAIを活用したOCR・IDPサービスです。IDPとは、文書を読み取るだけでなく、分類、抽出、確認、出力まで含めた文書処理の自動化を指します。SmartReadの料金ページでは、項目単位やページ単位の課金、非定型文書に関する料金の考え方が示されています。

向いているのは、請求書や申込書だけでなく、複数種類の文書をまとめて処理したい企業です。反対に、決まった1種類の帳票だけを低コストで処理したい場合は、よりシンプルなサービスのほうが合う可能性があります。

【LINE WORKS OCR】定型・特化型・汎用の使い分けをしたい企業向き

LINE WORKS OCRは、用途に応じてTemplate OCR、特化型OCR、General OCRなどを使い分けられるサービスです。公式解説では、定型フォーム向け、請求書・レシート・領収書・注文書などの特定書類向け、フォーマットがない書類や画像を読み取る汎用型の考え方が説明されています。

向いているのは、処理したい帳票の種類が比較的明確で、用途に応じたサービスを選びたい企業です。申込書のようにフォーマットが固定された帳票にはTemplate OCR、請求書処理には特化型OCR、文字情報を幅広く抽出したい場合にはGeneral OCRを検討できます。料金体系は、General OCR、Template OCR、特化型OCRで異なります。月額料金や処理枚数に応じた料金が設定されているため、利用するOCRの種類と処理量をもとに費用を確認する必要があります。

【Google Document AI】開発体制のある企業向き

Google Document AIは、Google Cloudが提供する文書処理サービスです。請求書、領収書、身分証明書など、事前トレーニング済みのプロセッサを利用でき、APIを通じてシステムに組み込めます。

向いているのは、クラウド環境やAPI連携を前提に、自社システムへ文書処理機能を組み込みたい企業です。SaaS事業者、社内システム開発部門、データ基盤をGoogle Cloudで構築している企業では検討しやすいでしょう。ノーコードで画面操作だけをしたい企業や、導入支援を含めて任せたい企業には、国内向けの業務特化型サービスのほうが合う場合があります。

【Azure AI Document Intelligence】Microsoft環境との連携を重視する企業向き

Azure AI Document Intelligenceは、Microsoft Azureが提供する文書分析サービスです。PDF、画像、フォームなどからテキスト、キーと値のペア、テーブル、文書構造を抽出できます。Microsoft 365、Azure、Power Platformなどを利用している企業では、既存環境との連携を検討しやすい点が特徴です。

向いているのは、Microsoftのクラウド基盤をすでに利用している企業や、業務アプリケーションに文書読み取り機能を組み込みたい企業です。Power Automateなどと組み合わせれば、読み取り後の承認、保存、通知といったフローも設計しやすくなります。

ツール名 特徴 用途・適性
DX Suite 国内で利用実績の多い、AIを活用したOCR。帳票処理向けの機能が豊富 請求書、申込書、注文書、FAX書類などの大量処理
SmartRead OCRに加えて、文書分類・抽出を含むIDP型の文書処理に対応 複数種類の文書処理、非定型文書のデータ化
LINE WORKS OCR 定型、特化型、汎用型を用途別に選びやすい 申込書、請求書、領収書、注文書、汎用文書の読み取り
Google Document AI APIで文書処理をシステムに組み込みやすい 開発体制のある企業、Google Cloudを利用している企業
Azure AI Document Intelligence Microsoft環境との連携を検討しやすい Azure、Microsoft 365、Power Platformを利用している企業

AIを活用したOCRのおすすめツールを選ぶポイントは?

AIを活用したOCRは、知名度や公称精度だけで選ぶと失敗しやすいサービスです。ここでは比較時に見るべきポイントを整理します。

自社帳票で読み取り精度を確認する

最も重要なのは、自社で実際に使っている帳票を読み取れるかどうかです。公式ページに高精度と書かれていても、自社の帳票で同じ結果が出るとは限りません。紙の状態、スキャン解像度、手書き文字の癖、FAXのノイズ、押印や罫線の有無によって、読み取り結果は変わります。

特に確認すべき書類は、処理量が多い帳票と、ミスが起きると影響が大きい帳票です。経理なら請求書、受発注なら注文書、人事なら年末調整書類や申請書が候補になります。トライアルでは、きれいなサンプルだけでなく、実際に現場で届く紙やPDFを使って検証します。

対応帳票と読み取り項目が業務に合うか確認する

AIを活用したOCRには、請求書に強い製品、手書き帳票に強い製品、汎用文書の文字起こしに向く製品などがあります。すべての書類に同じように強いわけではありません。帳票の種類と読み取りたい項目を先に整理する必要があります。

請求書処理であれば、取引先名、登録番号、請求日、支払期日、税込金額、消費税額、税率別金額などを抽出できるかが重要です。申込書であれば、氏名、住所、電話番号、チェックボックス、丸囲み、手書き文字への対応が論点になります。契約書であれば、全文検索用のテキスト化と、契約日、相手方、契約期間などの項目抽出を分けて考える必要があります。

会計ソフト・ERP・RPAとの連携可否を確認する

AIを活用したOCRで読み取ったデータを、結局手作業でコピーしていると効率化の効果は小さくなります。読み取り後に、会計ソフト、ERP、販売管理システム、ワークフロー、RPAなどへ連携できるかを確認しましょう。

連携方法には、CSV出力、API連携、RPA連携、クラウドストレージ連携などがあります。経理業務では、読み取った請求書データを会計ソフトへ取り込み、仕訳や支払処理につなげられるかが重要です。受発注業務では、注文書の情報を販売管理システムや基幹システムに連携できるかが成果を左右します。

セキュリティと保存要件も選定条件に含める

AIを活用したOCRでは、請求書、契約書、本人確認書類、従業員情報など、機密性の高い書類を扱う場合があります。そのため、読み取り精度や価格だけでなく、セキュリティも選定条件に含める必要があります。

確認すべき項目は、データの保存場所、通信の暗号化、アクセス権限、操作ログ、データ削除、学習利用の有無、外部委託先の管理などです。個人情報や取引情報を含む書類を扱う場合、AIに入力したデータがどのように保管・利用されるかを確認しないまま導入するのは危険です。電子帳簿保存法への対応を目的にする場合は、スキャナ保存や電子取引データ保存の要件も別途確認する必要があります。

AIを活用したOCRのおすすめ活用シーンは?

AIを活用したOCRは、紙やPDFの情報をデータ化する工程で効果を発揮します。手入力が多く、定期的に発生し、読み取り後の処理が決まっている業務ほど導入効果を測りやすくなります。

【請求書処理】経理の入力工数を削減しやすい

経理部門では、取引先から届く請求書の確認、金額入力、支払期日の登録、仕訳作成などに時間がかかります。請求書は取引先ごとに形式が異なるため、従来型OCRでは帳票設定が増えやすい領域です。AIを活用したOCRを使えば、請求書内の取引先名、請求日、金額、税額、登録番号などを読み取り、会計ソフトや支払管理システムへ連携しやすくなります。

インボイス制度への対応でも、適格請求書発行事業者の登録番号、税率ごとに区分した金額、消費税額などの確認が重要です。AIを活用したOCRだけで税務判断を完結させるのではなく、登録番号や記載事項の確認を支援する仕組みとして使うとよいでしょう。

【受発注業務】FAXや注文書の入力を効率化できる

受発注業務では、FAX、PDF、メール添付の注文書を見ながら、商品名、数量、納期、取引先名を販売管理システムへ入力する作業が発生します。入力ミスがあると、誤出荷、納期遅延、請求ミスにつながるため、単純作業でありながら慎重な確認が必要です。

AIを活用したOCRで注文書を読み取り、販売管理システムへ連携できれば、入力作業を減らせます。取引先ごとに注文書の形式が異なる企業では、非定型帳票への対応力が重要になります。

【人事・総務】申請書や年末調整書類のデータ化に使え

人事・総務では、入社書類、扶養関連書類、住所変更届、各種申請書、アンケート、名刺、契約書など、多くの紙書類が発生します。手書きの書類が残りやすい領域でもあるため、AIを活用したOCRの対象になりやすい業務です。

たとえば、年末調整関連書類の記載内容を読み取り、人事労務システムへ入力する工程を効率化できます。また、紙の契約書をOCRでテキスト化しておけば、契約書名、契約先、契約日、更新期限などを検索しやすくなります。

AIを活用したOCR導入で失敗を防ぐには?

AIを活用したOCRは、導入すればすべての入力作業が自動化されるツールではありません。読み取りミスや確認作業は残るため、導入前の検証と導入後の運用設計を分けて考えることが重要です。

トライアルでは実際の帳票を使って検証する

トライアルでは、ベンダーが用意したサンプルではなく、自社で実際に処理している帳票を使って検証します。きれいなPDFだけでなく、FAX、スキャン画像、手書き、押印あり、罫線が多い書類なども含めると、導入後の精度を判断しやすくなります。

確認すべき項目は、読み取り精度、修正画面の使いやすさ、出力形式、読み取り項目の追加しやすさ、権限設定、ログ管理、外部システムとの連携方法です。現場担当者が使いにくい画面では定着しにくいため、トライアル段階で実際の担当者にも操作してもらうことが重要です。

精度100%を前提にしない確認フローが必要

AIを活用したOCRでも、読み取り精度100%を前提にした運用は危険です。金額、取引先名、口座番号、登録番号、数量、納期など、ミスの影響が大きい項目は人が確認する必要があります。

すべてを人が確認すると効率化の効果が下がるため、重要項目や信頼度が低い項目を重点的に確認する設計が有効です。導入直後は修正データが多く出ることもあるため、最初の数か月は運用改善期間として扱うと定着しやすくなります。

電子帳簿保存法やインボイス制度への対応は別途確認する

AIを活用したOCRで請求書や領収書をデータ化しても、それだけで電子帳簿保存法やインボイス制度に対応できるとは限りません。電子帳簿保存法では、電子取引、スキャナ保存、電子帳簿等保存など、保存方法ごとに要件が異なります。

また、インボイス制度では、登録番号、取引年月日、税率ごとの対価の額、消費税額などの記載事項を確認する必要があります。AIを活用したOCRは確認を支援する手段であり、最終的な保存要件や税務判断は別途確認しましょう。

参考:電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律|e-GOV

AIを活用したOCRは自社帳票で比較してから導入しよう

AIを活用したOCRは、紙やPDFの請求書、申込書、注文書などをデータ化し、入力作業の削減に役立つツールです。導入前に比較し、自社で実際に使う帳票で精度を検証することが重要です。費用だけでなく、対応帳票、外部連携、セキュリティ、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応も確認しましょう。まずは処理量の多い帳票から小さく試し、効果を見ながら対象業務を広げると失敗を防ぎやすくなります。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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