• 更新日 : 2020年6月10日

創立費とは

創立費とは、会社の設立登記までの間に支出した諸費用を計上するための勘定科目である。創立費は法人を法律的に設立するための支出であり、当該法人の負担に帰すべき性質のものであることから、原則として支出時に営業外費用として処理をする。なお、会社設立前に支出した費用については設立の日付で仕訳を行うこととする。

創立費に計上する費目

創立費に計上する具体的な費目としては、

定款および諸規則等の作成費用
・株主募集のための広告費用
・目論見書・株券等の印刷費
・創立事務所の賃借料
・設立事務に携わる使用人の賃金
・金融機関/証券会社の取扱手数料
・創立総会に関する費用
・発起人が受ける報酬で定款に記載された金額
・設立登記の登録免許税

などが該当する。

なお、会社成立後営業開始時までに支出した開業準備のための費用は「開業費」として、創立費とは別に計上することとする。

創業期の費用を任意償却可能

創立費を「繰延資産」として計上することは会計・会社法・税法上ともに任意となっており、仕訳処理については60ヶ月の均等償却と任意償却のいずれかが選択できる。

なお任意償却を選択した場合、償却期間・償却額は自由に設定して必要経費に繰り入れることも可能であり、会社が黒字になるまで繰延資産のまま計上しておくことも任意となっている。ただし支出の効果が期待されなくなった場合、未償却残高を一時的に償却する必要がある。

一般に、会社創業当初は売上よりも費用が先行しがちである。創立費はこうした期間に生じる費用をいったん資産として計上し、利益があがりだした段階で徐々に費用として償却できるというメリットがある。

なお、創立費の繰延資産にかかる課税仕入れ等については、その課税仕入れ等を行った日の属する課税期間において行う。多くの会社は会社設立期において消費税を免除されるケースが多いため、繰延資産を任意償却する際には消費税の区分に注意する必要がある。


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