マネーフォワード クラウド確定申告確定申告ガイド

「青色申告決算書(収支内訳書)」と「青色申告特別控除」の計算の流れ

確定申告で「事業所得」や「不動産所得」がある方は、事業で得た収入や支払った経費を仕訳というかたちで登録し、確定申告時に「決算書」を提出する必要があります。
「決算書」は、青色申告の場合「青色申告決算書」、白色申告の場合「収支内訳書」という書類名です。

マネーフォワード クラウド確定申告では、仕訳を登録することで自動的に「青色申告決算書」や「収支内訳書」が作成されます。

このガイドでは、「青色申告決算書」と「青色申告特別控除」の計算の流れについてご案内します。

目次


以下の青色申告決算書を使い、入力した仕訳がどのように青色申告決算書に反映されるかを説明します。
※白色申告の方が作成する決算書である「収支内訳書」についても、計算についてはほぼ同じ流れです。

この青色申告決算書は、以下の仕訳入力の内容が反映されています。

images_20220131_08

決算書の金額が想定した金額とならない場合には、以下のガイドに記載された確認方法でご参照ください。
決算書の金額が合わないときの確認方法

青色申告決算書の売上(収入)金額の計算根拠

「売上(収入)金額」は、勘定科目「売上高」と「雑収入」などが合算された合計金額が反映されます。
収入と所得
科目で見ると、「各種設定」>「勘定科目」画面のなかの「損益計算書」タブ、「売上(収入)金額」に登録された勘定科目を使用した仕訳が合算されます。

images_20220131_08

以下の例でも、「売上高」(3,000,000円)と「雑収入」(1,500,000円)が合算されています。

収入と所得

事業収入の雑収入と、確定申告書に記載する雑収入の関係

青色申告決算書の売上(収入)金額に記載される「雑収入」は、確定申告書の「収入金額」と「所得金額」にある「雑収入(雑所得)」とは異なります。
仕訳入力の際に入力した「雑収入」は、確定申告書には反映せず、「事業所得」や「不動産所得」内で合算されます。

「雑収入」の違い
会計帳簿で仕訳として入力する「雑収入」は、事業のなかで生じた収入のなかで、雑収入として振り分けられるものが該当します。
確定申告書で入力する雑収入は、事業と無関係な収入(事業外の講演料や、生命保険の個人年金など)が該当します。

images_20220131_08

青色申告決算書の計算の流れ

    青色申告決算書は、以下の流れで収入金額・所得金額が計算されます。

  1. 売上(収入)金額から仕入金額を差し引きます(4,500,000 – 500,000=4,000,000円)。
    収入と所得
  2. 差し引き金額から経費の合計額を差し引きます(4,000,000 – 2,500,000=1,500,000円)。
    収入と所得
  3.  

  4. 各種引当金などを差し引きます(1,500,000 – 1,200,000=300,000円)。
    収入と所得
  5. 青色申告特別控除額を差し引きます(300,000 – 300,000円=0円)。
    収入と所得
  6. 確定申告書第一表の「(58)青色申告特別控除額」に青色申告特別控除が記載されます(300,000円)。
    images_20220131_08
  7.   

  8. 青色申告決算書の売上(収入)金額が収入金額の「(ア)事業(営業等)」に反映します(4,500,000円)。また(1)~(4)で計算した青色申告決算書の「(45)所得金額」が、確定申告書の所得金額「(1)事業(営業等)」に反映します。
    images_20220131_08

青色申告決算書の計算の留意点

「青色申告決算書の計算の流れ」の項目(4)で差し引く「青色申告特別控除額」は、青色申告決算書の「(43)青色申告特別控除前の所得金額」を上限に差し引かれるため、青色申告特別控除を差し引くことにより所得金額がマイナスとなることはありません。

収入と所得

収入より経費が多い場合には、青色申告決算書の「(45)所得金額」がマイナスになります。
その場合、「(44)青色申告特別控除額」は0円となります。

収入と所得

営業と不動産所得がある場合の青色申告特別控除

営業収入と不動産収入がある場合、青色申告決算書(一般)の2ページ目「青色申告特別控除額の計算」で、青色申告特別控除の金額が計算されます。

青色申告決算書に、以下のような仕訳入力を追加した場合を例にご説明します。
収入と所得

  1. 青色申告決算書(不動産所得用)で所得金額が、上記「3.青色申告決算書の計算の流れ」でご説明した流れで計算されます。

    収入と所得

  2. 青色申告決算書(不動産所得用)「(21)青色申告特別控除前の所得金額」の金額が、青色申告決算書(一般)の2ページ目「青色申告特別控除額の計算」の「(6)本年分の不動産所得の金額」に反映します。

    収入と所得

  3. 「青色申告特別控除額の計算」では、青色申告決算書(一般用)の1ページ目「(44)青色申告特別控除額」を算出します。
    今回の場合、「65万円-(8)」と(7)のいずれか少ない方の金額となるため、300,000円となります。

      (650,000 ‐ (8)100,000 = 550,000) > (7)300,000
    収入と所得

  4. 算出された青色申告特別控除額が「(44)青色申告特別控除額」に反映します。
    収入と所得
  5. 確定申告書第一表の「(58)青色申告特別控除額」には、不動産所得の金額または事業所得の金額の合計額が反映されます(100,000 + 300,000=400,000円)。
    ※65万円(55万円)より少ない場合には、その合計額が限度になります。
    images_20220131_08

青色申告特別控除については、以下国税庁のページをご参照ください。
青色申告特別控除|国税庁

想定通りの青色申告特別控除額にならない場合には、以下のページをご参照ください。
Q. 想定している青色申告特別控除額が申告書に反映しません。どうすればいいですか?

操作でご不明点がある場合には

マネーフォワード クラウド確定申告の操作の不明点は、マネーフォワード クラウドコンタクトセンターまでお問い合わせください。

なお、仕訳内容などの経理業務に関するご相談や、申告方法・申告内容などの税務に関するご相談はサポートの対象外です。
経理業務や税務に関するご質問につきましては、税理士などの専門家や税務署へご相談ください。

弊社では、マネーフォワード クラウドを使用している税理士の紹介サービスを無料で提供しています。
必要に応じて、以下ページで条件等を指定し、お申し込みください。
税理士・社労士無料紹介サービス
更新日:2024年02月28日

※本サポートサイトは、マネーフォワード クラウドの操作方法等の案内を目的としており、法律的またはその他アドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトに記載している内容の正確性・妥当性の確保に努めておりますが、実際のご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家に相談するなど、ご自身の判断でご利用ください。

このページで、お客さまの疑問は解決しましたか?
  • ※お寄せいただいた内容に対する個別の返信はいたしませんので、何卒ご了承下さい。
  • ※上記フォームには評価に対する理由のみをご入力ください。誤った情報を入力されたことにより生じたいかなる損害においても、当サイトは一切の責任を負いません。
評価をご入力いただき、ご協力ありがとうございました。

頂いた内容は、当サイトのコンテンツの内容改善のためにのみ使用いたします。

お問い合わせをご希望のお客さまへ

操作方法に関するお問い合わせ、製品の導入検討のお問い合わせなど、お客さまの疑問にお答えする各種サポート・サービスについてご案内します。