マネーフォワード クラウド会計Plus使い方ガイド

「スキャナ保存」に対応するために必要な設定・操作について

概要

マネーフォワード クラウド会計Plusは、国税関係帳簿と国税関係書類の電子保存に対応しています。
このガイドでは、スキャナ保存に対応するために、クラウド会計Plusで必要な操作についてご説明します。

対象のお客さま

マネーフォワード クラウド会計Plusをご利用中のお客さま

目次

スキャナ保存の要件

「スキャナ保存制度」とは、請求書や領収書などの紙の書類をスキャナで読み取りデジタル化したデータ(スキャン文書)を一定の要件を満たして保存することで、紙の書類(原本)の保管を不要とできる制度です。
「相手方から受領した紙の取引関係書類(見積書や請求書等)」と「自身が手書きなどで作成した取引関係書類」において、スキャナ保存が認められています。

番号要件要件の概要
入力期間の制限以下どちらかの期間内にスキャナ保存およびそのスキャナデータの情報の入力・保存を行うこと※1

  • 早期入力方式:書類を作成または受領してからおおむね「7営業日」以内
  • 業務処理サイクル方式※2:それぞれの会社で採用している業務処理サイクルの期間(最長「2ヶ月」以内)+おおむね「7営業日」以内
一定水準以上の解像度による読み取り解像度200dpi相当以上で読み取ること
カラー画像による読み取り赤色・緑色・青色の階調がそれぞれ256階調以上(24ビットカラー)で読み取ること※3
タイムスタンプの付与一定期間内にスキャナデータにタイムスタンプの付与を行うこと
解像度及び階調情報の保存2023年12月31日以前にスキャナ保存を行う書類は、解像度および階調情報の保存を行うこと
大きさ情報の保存2023年12月31日以前にスキャナ保存を行う書類のうち、原本のサイズがA4よりも大きい場合や、原本の受領者以外がアップロードを行う場合は大きさ情報を保存すること
ヴァージョン管理(訂正又は削除の事実及び内容の確認)スキャナデータの訂正・削除を行った場合に、その記録が残るシステムまたは訂正・削除ができないシステムを利用すること
入力者等情報の確認2023年12月31日以前にスキャナ保存を行う書類は、スキャナデータに関する情報を入力した人またはその人を監督している人に関する情報を確認できること
スキャン文書と帳簿との相互関連性の保持スキャナデータとそのデータに対応する帳簿との間で、相互に関連性が確認できること※4
見読可能装置等の備付け14インチ以上のカラーディスプレイ・カラープリンタ・操作マニュアルを備え付けること※5
速やかな出力データを以下の状態で速やかに出力できること

  • 整然とした形式
  • 書類と同程度に明瞭
  • 拡大又は縮小して出力することができる
  • 4ポイントの大きさの文字を認識できる
システム概要書等の備付けスキャナ保存を行う際の事務処理規程に関する以下のような書類を備え付けること

  • システム等の概要書
  • 仕様書
  • 操作説明書
  • スキャナ保存を行う際の手順や担当部署・対象書類などを明らかにした書類(スキャナによる電子化保存規程)
検索機能の確保
  • 1:取引年月日・取引金額・取引先により検索できること
  • 2:日付または金額を範囲指定により検索できること※6
  • 3:2つ以上の項目を組み合わせて検索できること※6

※1 一般書類の場合は、「要件①:入力期間の制限」の対応を不要とすることもできます。
※2 「業務処理サイクル方式」は、その会社における、書類を作成または受領してからスキャナ保存を行うまでの各事務の処理規程を定めている場合のみ採用できます。
※3 一般書類の場合は、白黒(グレースケール)でも問題ありません。
※4 2024年(令和6年)1月1日以降、一般書類の場合は「要件⑤:帳簿との相互関連性」の対応が不要となります。
※5 白黒(グレースケール)の一般書類は、カラーに対応していないディスプレイ・プリンタでの出力でも問題ありません。
※6 税務調査時に税務職員から帳簿・書類データのダウンロードを求められた際、これに応じることができるようにしている場合、「要件⑬:検索機能の確保」のうち2および3の要件への対応が不要となります。

「一般書類」向けのルールを採用する場合、スキャナ保存を行う際の「事務処理規程」を備え付ける必要があります。
参考資料(各種規程等のサンプル)>スキャナ保存に関するもの|国税庁

各要件を満たすための機能・操作

要件①:入力期間の制限

以下のいずれかの対応方法に応じて、定められた期間内にスキャナ保存およびそのスキャナデータの情報の入力・保存を行う必要があります。※1

  • 早期入力方式:書類を作成または受領してからおおむね「7営業日」以内
  • 業務処理サイクル方式※2:それぞれの会社で採用している業務処理サイクルの期間(最長「2ヶ月」以内)+おおむね「7営業日」以内

※1 一般書類の場合、「要件①:入力期間の制限」の対応を不要とすることもできます。
※2 「業務処理サイクル方式」は、その会社における、書類を作成または受け取ってからスキャナ保存を行うまでの事務処理規程を定めている場合のみ採用できます。

「業務処理サイクル方式」で対応する場合は、お客さま自身で事務処理規程を作成する必要があります。
詳細については、以下国税庁のページをご参照ください。
スキャナ保存に関するもの>国税関係書類に係る電子計算機処理に関する事務の手続を明らかにした書類|国税庁

<ご注意>
スキャナ保存の運用を開始する日やスキャナ保存の対象とする文書などを定めるため、別途「スキャナによる電子化保存規程」の作成が必要です。
詳細は以下国税庁のページをご確認ください。
スキャナ保存に関するもの>スキャナによる電子化保存規程|国税庁

要件②:一定水準以上の解像度による読み取り

ハンドスキャナや複合機で取り込んで作成したデータや、スマートフォンで撮影したデータを保存する場合、一定水準以上で読み取りを行う必要があります。

手段説明
ハンドスキャナ・複合機ハンドスキャナや複合機で読み取る場合は、「25.4ミリメートル当たり200ドット以上(200dpi)」で読み取る必要があります。
一般的なスキャナの設定は「200dpi以上」を超えるため、そのままスキャンすることで問題ない想定です。
スマートフォンスマートフォンでは「dpi(単位面積あたりのドット数)」を取得できないため、別途A4サイズ相当の解像度が要件になっています。
そのため、明確に原本がA4サイズに収まる場合は、A4サイズの画素数である「約387万画素(縦2,338画素、横1,654画素)」を満たすように撮影してください。

一方で、原本がA4サイズより大きい場合、387万画素を満たしていても必要な画素数を満たしません。
必要な画素数を税務署や税理士などの専門機関へ確認し、該当のファイルが必要な画素数を満たしていることを確認してから保存を行ってください。

<ご注意>
以下の使い方をすると、解像度要件が満たされない場合があります。

  • スマートフォンの標準カメラなどで画像を撮影する。
  • メールやチャットに添付してファイル共有サービスなどでPCに画像を送信する。

操作手順

マネーフォワード クラウド会計Plusで「証憑添付」機能を利用してアップロードすると、「マネーフォワード クラウドBox」で解像度および階調情報のチェックが行えます。

  1. 会計処理設定」画面を開き、「電子帳簿保存法」の「スキャナ保存」で「有効」を選択して保存します。
  2. 仕訳帳」画面等で「スキャン文書」を選択して証憑を添付します。
  • 「証憑添付」機能については、こちらのガイドをご参照ください。
  • クラウドBoxについては、こちらのガイドをご参照ください。
  • 添付したファイルが画像ファイル(jpg・png)が解像度要件を満たさない場合、クラウド会計Plus上にもエラーメッセージが表示されます。

要件③:カラー画像による読み取り

重要書類に分類される書類は、赤色・緑色・青色の階調がそれぞれ256階調以上(24ビットカラー)で読み取る必要があります。
一般書類の場合は、白黒階調(グレースケール)で読み取ることも認められています。

要件④:タイムスタンプの付与

クラウド会計Plusでは、「振替伝票入力」画面や「仕訳帳」画面などから「証憑添付」機能を利用して証憑を添付することで、クラウドBoxに証憑が連携され、タイムスタンプが付与された形で保存されます。

「証憑添付」機能の詳細については、以下のガイドをご参照ください。
「証憑添付」機能の使い方

要件⑤:解像度及び階調情報の保存

2023年12月31日以前にスキャナ保存を行う書類は、解像度および階調情報の保存が必要です。
振替伝票入力」画面や「仕訳帳」で仕訳に添付したPDFファイルや画像ファイル(jpeg・png・gif)の情報はクラウドBoxに連携され、ファイルの詳細画面にある「スキャン」欄に表示されます。

要件⑥:大きさ情報の保存

2023年12月31日以前にスキャナ保存を行う書類のうち、原本のサイズがA4よりも大きい場合や、原本の受領者以外がアップロードを行う場合は大きさ情報の保存が必要です。
以下の手順では、「振替伝票入力」画面で操作する場合を例に説明します。

  1. 「振替伝票入力」画面で「+証憑を追加」をクリックし、「ファイルを追加」を選択します。
  2. 「ファイルを選択」をクリックし、仕訳に添付するファイルを追加します。
  3. 「スキャン文書」を選択し、「大きさ」に情報を入力します。
  4. 「アップロード」をクリックします。

要件⑦:ヴァージョン管理

クラウド会計Plusの「証憑添付」機能を利用してアップロードしたデータは、クラウドBoxで訂正・削除できない仕組みです。
これにより、スキャナ保存の要件である「ヴァージョン管理」に対応しています。

クラウドBoxの「ファイル削除」機能については、以下のガイドをご確認ください。
「ファイル削除」機能の使い方

要件⑧:入力者等情報の確認

振替伝票入力」画面や「仕訳帳」画面などで仕訳に証憑を添付すると、クラウドBoxに証憑が連携され、証憑を添付したユーザー名も連携されます。

クラウド会計Plusでは、クラウドBoxに表示される「アップロード者」を設定できません。
「アップロード者」を設定する場合は、「マネーフォワード クラウドの管理コンソール」で操作してください。

要件⑨: スキャン文書と帳簿との相互関連性の保持

クラウド会計Plusでは、各仕訳に設定されている取引No.によって、スキャナデータとそのデータに対応する仕訳が登録されている仕訳帳との間で、関連性を持たせています。

  • 仕訳帳:登録した各仕訳に取引No.が設定される。
  • スキャナデータ:仕訳に証憑を添付することで、クラウドBoxに証憑や取引No.を含む仕訳情報が連携される。

この仕組みにより、スキャナ保存の要件である「帳簿との相互関連性」を満たしています。

要件⑩:見読可能装置の備付け

電子計算機(PC)・14インチ以上のカラーディスプレイ・カラープリンタ、およびその操作マニュアルなどについては、お客さま自身で用意する必要があります。

要件⑪:速やかな出力

クラウド会計Plusでは、画面上の表示やファイルのダウンロード機能により、要件を満たしています。

要件⑫:システム概要書等の備付け

システム等の概要書・仕様書・操作説明書などについて

マネーフォワード クラウドでは、サービスごとにサポートサイトをご用意しています。
そのため、お客さま自身での対応は不要です。
マネーフォワード クラウド会計Plusサポートページ

事務処理規程について

事務処理規程については、お客さま自身で用意する必要があります。
詳細は以下国税庁のページをご参照ください。
参考資料(各種規程等のサンプル)>スキャナ保存に関するもの|国税庁

要件⑬:検索機能の確保

仕訳に証憑を添付すると、仕訳に設定されている取引先がクラウドBoxに連携されます。
これにより、クラウドBoxですべての要件を満たした形で検索できます。

仕訳登録時は、必ず仕訳に取引先を設定してください。

更新日:2025年08月25日

※本サポートサイトは、マネーフォワード クラウドの操作方法等の案内を目的としており、法律的またはその他アドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトに記載している内容の正確性・妥当性の確保に努めておりますが、実際のご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家に相談するなど、ご自身の判断でご利用ください。

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