- 更新日 : 2026年4月1日
給付基礎日額とは?定義や計算方法を解説
給付基礎日額とは1日あたりの平均賃金を指し、労災保険の保険料や給付金などの計算基準となります。この記事では給付基礎日額の定義や算出方法などをわかりやすく解説します。
給付基礎日額を算出する際の期間や、一人親方の場合の計算方法など、細かな注意点まで紹介しますので、労災保険の手続きを正確に進める上でお役立てください。
目次
給付基礎日額の定義とは
給付基礎日額とは、労働者が労災保険制度によって支給される給付の計算基準となる1日あたりの平均賃金です。給付基礎日額は労災保険の給付金を決定する際の基本となる数値です。
給付基礎日額の計算においては、労働者の平均賃金が基準となります。具体的には、労災が発生した日、もしくは医師による診断日を基準に、直近3ヶ月の賃金総額を対象として算出されます。
ただし、休業期間などがあった場合はその期間を除外することで公平性が保たれます。
給付基礎日額の計算方法
給付基礎日額の具体的な計算手順
算出期間の設定
給付基礎日額を算出するにはまず、算出期間を設定します。原則として労災発生日、疾病の場合は医師の診断日から直近の3ヶ月間が対象となります。この期間の賃金を基に給付基礎日額を計算します。
総支給額の計算
次に、設定した算出期間内の総支給額を計算します。総支給額には基本給、残業代、通勤手当、家族手当、住宅手当などが含まれます。ただし、ボーナスや一時金は含まれません。
暦日数の計算
その後、算出期間内の実際の暦日数を計算します。この際、出産や育児、業務災害など一定の事由による休業期間がある場合には日数から除きます。
平均賃金の計算
総支給額を暦日数で割ることで、平均賃金を求めます。この平均賃金に相当する額が給付基礎日額として決定されます。
例:具体的な計算
例えば、直近3ヶ月間の総支給額が910,000円で、暦日数が91日の場合、給付基礎日額は以下の計算で求められます:
給付基礎日額 = 910,000円 ÷ 91日 = 10,000円
給付基礎日額に含まれる手当と含まれない手当
給付基礎日額を計算する際の賃金に含まれる手当には、基本給、残業代、通勤手当、家族手当、住宅手当などがあります。一方で、ボーナスや一時金は含まれません。これによって、安定した賃金を基にした計算が行われます。
給付基礎日額に含まれる手当と含まれない手当をまとめると、下記の表のようになります。
給付基礎日額に含まれる手当
| 手当 | 説明 |
|---|---|
| 基本給 | 従業員の基本的な賃金 |
| 時間外手当 | 残業や休日労働による追加賃金 |
| 深夜手当 | 深夜勤務に対する追加賃金 |
| 通勤手当 | 通勤にかかる交通費を補助する手当 |
| 職務手当 | 特定の職務や役職に対する追加賃金 |
| 技能手当 | 特定の技能や資格に対する追加賃金 |
| 業績手当 | 業績に応じて支給される手当 |
| 住宅手当 | 住宅にかかる費用を補助する手当 |
| 家族手当 | 家族を養う者に対して生活の補助として支給される手当 |
| 食事手当 | 食事代を補助する手当 |
給付基礎日額に含まれない手当
| 手当 | 説明 |
|---|---|
| 出張旅費・宿泊費 | 出張・宿泊にかかった実費負担分の支給 |
| 保険料 | 従業員を被保険者とした生命保険であって、事業主が全額支払いをする保険料 |
| 退職金 | 退職時に支給される金銭 |
| 慶弔費 | 結婚祝金や災害見舞金など、恩恵的に支払われる金銭 |
特定のケースでの計算方法
短時間労働者・非正規雇用の場合
短時間労働者やパートタイマー、非正規雇用者の場合であっても同様の計算方法が適用されます。しかし、時間給などで労働時間が一定でない場合、平均賃金が低くなり過ぎてしまうことがあります。その場合、原則の方法と、以下の計算方法で算定した金額とを比較して、いずれか高い方を使用します。
労働期間が短い場合
労働期間が3ヶ月未満の場合は、その期間全体を算出期間として計算します。この場合も、総支給額を労働期間の暦日数で割る方法を使用します。
一人親方は給付基礎日額をどのように算出する?
一般の労働者は給与額に基づいて給付基礎日額を計算しますが、一人親方の場合は「給与」がないため、自身で労災の給付額を計算する際に基礎となる給付基礎日額を選択しなければなりません。
選択をする際の目安額は、過去の収入を参考にして考える方法があります。
給付基礎日額の選択方法
一人親方が特別加入をする際に選ぶことができる給付基礎日額は、16段階の金額設定がされています。
給付基礎日額を高く設定すると労災事故が起こった際の給付額が大きくなる一方、一人親方が支払う労災保険料も高額になります。そのため、自身の収入や業種に合った適切な給付基礎日額を選択する必要があります。
金額を決める際の目安の1つが、自身の収入です。具体的には「前年の収入額」÷「365日」で算出された金額と一番近いものを給付基礎日額として選択するという方法です。
必要書類と手続き
一人親方が給付基礎日額を設定して労災保険に特別加入する際には、以下のような書類が必要です:
- 身分証コピー
- 申込書
- 直近の確定申告書など、収入を証明するための書類
※収入を証明する書類は、一定額以上の給付基礎日額を選ぶ人のみが対象です
書類が揃ったら、労災保険の申請窓口やオンラインシステムを通じて手続きを行います。適切な書類を提出しない場合、保険加入が遅れる可能性があるため、全ての書類をきちんと準備することが求められます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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