• 更新日 : 2020年6月10日

控除対象外消費税額等とは

控除対象外消費税額等とは、会社において消費税を計算する際、課税売上高に応じて控除できない仮払消費税等のことである。

控除対象外消費税額等の発生理由

その会社が税抜経理方式を採用している場合、仮受消費税等の額と仮払消費税等の額との差額が納付すべき(あるいは還付されるべき)消費税等の額となる。
多くの場合、仕入控除税額は課税仕入等に対する消費税額の全額とされるが、同一課税期間中の課税売上高が5億円を超えた場合もしくは課税売上割合が95%未満の場合、仕入控除税額は課税売上割合によって算出される。この場合、仕入税額控除ができない仮払消費税等が発生する。これを「控除対象外消費税額等」という。
なお、税込経理方式を採用している会社においての消費税額等(消費税額+地方消費税額)は資産の取得価額と経費の額に含まれるため控除対象外消費税は発生しない。

控除対象外消費税額等の区分

控除対象外消費税額等のうち資産に係る控除対象外消費税額等は繰延消費税額等として資産計上し、5年以上の期間で償却しなくてはならない。ただし下記の一定の要件に該当する控除対象外消費税額等については損金処理が認められている。また資産に係るもの以外の控除対象外消費税額等は租税公課として損金算入できる(後述の交際費等に係るものは除く)。
なお、資産に係る控除対象外消費税額の全額を個々の資産の取得価額に算入することも認められている。
資産に係る控除対象外消費税額等のうち、損金算入が認められているものは
1. 課税売上割合が80%以上のもの
2. 棚卸資産に係るもの
3. 1の資産にかかる控除対象外消費税額等が20万円未満のもの
である。ただし損金経理を要件とする。

交際費に係る控除対象外消費税額等の規定

経費に係る控除対象外消費税額等は原則として上記のように損金算入ができるが、交際費等に係る控除対象外消費税額等に相当する金額については交際費等の損金不算入額の計算を行う必要がある。これは法人が交際費等を支出した場合には、一定の損金算入限度額を超える金額は損金の額に算入されないことによる。また法人税の申告書では「交際費等に係る控除対象外消費税の額」として別途加算計上が必要な場合もある。

<関連記事>
確定申告の租税公課について
青色申告の不動産所得の計算


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談していただくなど、ご自身の判断でご利用ください。