• 作成日 : 2026年1月5日

建設業許可の29業種とは?一覧と業種区分、必要な資格まで分かりやすく解説

建設業許可を取得するには、建設業法で定められた「29業種」の中から、自社が行う工事内容に合った業種の許可を選ぶ必要があります。この業種区分は、工事の専門性に応じて2つの一式工事と27の専門工事に分類されており、それぞれ必要な専任技術者(営業所技術者等)の資格も異なります。

この記事では、建設業許可の基本となる29業種の一覧と、それぞれの略称、そして「一式工事」と「専門工事」の区分の考え方について、分かりやすく解説します。

建設業許可の「29業種」とは何か?

建設工事の種類を、その専門性や工事内容に応じて分類した29のカテゴリーのことです。建設業の許可は、この業種(工種)ごとに取得する必要があります。

建設業法では、工事の品質確保や発注者保護のため、工事の種類を29に区分しています。建設業の許可は、原則として29業種ごとに必要です。ただし以下の軽微な建設工事(いずれも税込)だけを請け負う場合は、許可不要です。

  • 建築一式:1,500万円未満または木造住宅で延べ150㎡未満
  • 建築一式以外:500万円未満

建設業許可「29業種」の一覧と略称

建設業の業種は、大規模なプロジェクトを統括する2つの「一式工事」と、個別の専門的な技術が求められる27の「専門工事」に大別されます。

建設業許可 業種区分一覧表

業種名略称業種名略称
【一式工事】【専門工事】
1. 土木一式工事16. ガラス工事
2. 建築一式工事17. 塗装工事
【専門工事】18. 防水工事
3. 大工工事19. 内装仕上工事
4. 左官工事20. 機械器具設置工事
5. とび・土工・コンクリート工事21. 熱絶縁工事
6. 石工事22. 電気通信工事
7. 屋根工事23. 造園工事
8. 電気工事24. さく井工事さく
9. 管工事25. 建具工事
10. タイル・れんが・ブロック工事26. 水道施設工事
11. 鋼構造物工事27. 消防施設工事
12. 鉄筋工事28. 清掃施設工事
13. ほ装工事29. 解体工事
14. しゅんせつ工事しゅ
15. 板金工事

出典:業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方|国土交通省

業種区分の考え方:「一式工事」と「専門工事」の違い

「一式工事」は複数の専門工事を統括する大規模な総合工事を指し、「専門工事」は個々の具体的な専門分野の工事を指します。

一式工事(土木一式・建築一式)とは?

一式工事は、主に元請負人の立場で、大規模かつ複雑な工事の企画、指導、調整を行い、複数の専門工事業者を管理して一つの工作物を完成させる工事です。

  • 土木一式工事:道路、橋、ダム、トンネル、河川工事など。
  • 建築一式工事:住宅、ビル、商業施設、学校などの新築や大規模な増改築。

専門工事(27業種)とは?

専門工事は、一式工事に含まれる個々の要素(大工工事、電気工事、管工事など)や、それ単体で成立する工事を指します。例えば、リフォーム工事の多くは、この専門工事に該当します。

「建築一式」許可は万能か?

「建築一式」の許可を持っていれば、あらゆる建築関連の専門工事を請け負える、というわけではありません。

例えば、500万円以上の内装仕上工事のみを単独で請け負う場合は、建築一式許可ではなく、「内装仕上工事」の専門工事許可が別途必要となります。一式工事の許可は、あくまで総合的なマネジメントを行う工事のための許可です。

なお、主たる工事に付随して必要となる工事(附帯工事)との関係で判断が分かれる場合があるため、契約形態(単独請負か一式の一部か)も含めて業種該当性を整理する必要があります。

各業種の許可をとるための「資格」要件とは?

29の業種ごとに、それぞれ専任技術者として認められる国家資格や実務経験が定められています。

建設業許可を取得するには、5つの要件(経営・技術・誠実性・財産・欠格要件)を満たす必要があり、その中でも「技術」の要件として、営業所ごとに専任技術者を配置しなければなりません。

この専任技術者になるためには、業種ごとに指定された国家資格(1級・2級施工管理技士、建築士、電気工事士など)を保有しているか、または一定期間(原則10年、学歴により3~5年に短縮)の実務経験が必要です。

さらに、許可要件には資格要件や実務経験をはじめとした要件に加え、適正な社会保険への加入も含まれます。

例:業種と必要な国家資格(一般建設業の場合)

  • 建築一式工事:1級・2級建築施工管理技士(建築)、1級・2級建築士
  • 内装仕上工事:1級・2級建築施工管理技士(仕上げ)
  • 電気工事:1級・2級電気工事施工管理技士、第一種・第二種電気工事士
  • 管工事:1級・2級管工事施工管理技士

発注者として29業種を理解するメリットは?

依頼したい工事に合った適切な許可を持つ建設会社を選ぶことができ、工事の品質確保やコンプライアンス遵守につながるためです。

発注者自身が業種区分を理解しておくことで、依頼先の業者がその工事を請け負うための適切な資格(許可)を持っているかを見極めることができます。

例えば、飲食店経営者が800万円の厨房の給排水設備工事を発注する場合、相手方が「管工事」の許可を持っているかを確認する必要があります。もし「建築一式」の許可しか持っていなければ、その業者はその工事を適法に請け負うことができません。

このように、29業種の区分を知ることは、無許可営業といった法令違反のリスクを回避し、信頼できる専門業者を選ぶための第一歩となります。

適切な業種理解が、信頼できる業者選びの鍵

本記事では、建設業法で定められた29の業種区分について、その一覧と基本的な考え方を解説しました。

工事を発注する際は、その工事内容がどの専門業種(工種)にあたるのか、そして取引先の建設業者がその業種の許可を正しく保有しているかを確認することが重要です。適切な許可を持つ専門家とパートナーを組むことが、事業の成功を支える質の高い工事の実現につながります。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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