- 作成日 : 2026年8月28日
MATLAB Copilotとは?できることや導入方法、GitHub Copilotとの違いを解説
MATLAB CopilotはMathWorks公式の生成AIで、自然言語によるコード生成・エラー解説・Excel連携スクリプト作成に対応します。
- 利用にはR2025a以降と専用ライセンスが必要
- GitHub Copilotと異なりMATLAB専用の機能
- 日本語入力でコード生成・エラー対処が可能
Q. 既存のMATLABライセンスでそのまま使える?
A. 原則不可。Copilot専用ライセンスの追加取得が必要ですが、一部の包括契約には標準で含まれます。
MATLABでのコード作成やデータ集計に時間がかかり、AIの力を借りて業務を効率化したいと考えるバックオフィス担当者は少なくないでしょう。MATLAB Copilot(マトラボ コパイロット)は、MathWorks公式の生成AIアシスタントで、自然言語によるコード生成やエラー解説に対応します。本記事ではMATLAB Copilotの機能、GitHub Copilotとの違い、導入手順、費用対効果の考え方までを解説します。
※(免責)掲載情報は記事作成日時点のものです。最新の情報は各AIサービスなどの公式サイトを併せてご確認ください。
MATLAB Copilotとは何か?
MATLAB Copilotとは、MathWorks社がMATLABデスクトップ環境向けに提供する生成AI機能で、コードの生成・修正・エラー解説などをチャット形式で支援するツールです。MATLABワークフローを支援し、MATLAB固有の情報に基づいた応答を返す点が特徴で、技術の習得やアイデアの具体化、生産性向上を目的として利用できます。
利用にはWindows・Linux・Macのいずれかの環境でMATLAB R2025a以降が必要で、MathWorksアカウントでのサインインとインターネット接続が前提となります。なお、MATLAB Copilotは中国では利用できません。プログラミングに不慣れな担当者でも、「このデータをグラフにしたい」「エラーの原因を教えて」と日本語で入力するだけで、対応するコードや解決策の提示を受けられる点がメリットです。
チャットでコード生成や修正を依頼できる
MATLAB Copilotの中核機能は、対話形式によるコード生成です。MATLABデスクトップ上のCopilot Chatパネルでやりたい処理を文章で伝えると、会話形式のテキストと生成コードの両方を含む応答が返されます。コードの説明やエラーの解説といった定型的な作業には、エディタ・ライブエディタ・コマンドウィンドウのメニューからCopilotアクションを呼び出すことも可能です。
例えば「CSVファイルを読み込んで月別の売上推移を折れ線グラフで表示して」と入力すると、readtable関数やplot関数を使ったコードが出力されます。エディタで入力を続けると、現在のコードに基づいて自動補完(オートコンプリーション)が提案される機能も備わっています。
エラー解説やテスト自動生成にも対応する
コード実行時にエラーが出た場合、その原因と対処法をAIが解説してくれる点も特徴です。MATLAB Copilotはエラーメッセージに対して発生原因の見立てとトラブルシューティングの提案を行うほか、コードの概要・要約・処理の流れの説明にも対応します。さらにMATLAB Testと組み合わせることで、コードの動作を検証するテストケースを自動生成することもできます。
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MATLAB CopilotとGitHub Copilotの違いは?
MATLABでAIコーディング支援を使う方法は、MathWorks公式の「MATLAB Copilot」と、VS Code(Visual Studio Code)などで動く「GitHub Copilot」の2つに大別されます。両者は動作環境・ライセンス体系・対応言語の範囲が異なるため、自社の利用状況に応じた選択が求められます。
| 比較項目 | MATLAB Copilot(公式) | GitHub Copilot |
|---|---|---|
| 動作環境 | MATLABデスクトップ/MATLAB Online | VS Code・JetBrains系IDE等 |
| 必要バージョン | MATLAB R2025a以降 | 主要エディタの最新版 |
| ライセンス | MATLAB Copilot専用ライセンスが別途必要(一部バンドルに含まれる) | 個人・組織向けプラン契約 |
| 料金の目安 | 個別購入または法人契約(要見積もり) | Pro:月額10ドル Business:月額19ドル/ユーザー Enterprise:月額39ドル/ユーザー 各プランに月間AIクレジットが含まれ、設定によっては超過分が追加課金される |
| 対応言語 | MATLABに特化 | Python・JavaScript等を含む多言語対応 |
MATLAB Copilotは追加ライセンスが必要な公式AI機能
MATLAB Copilotは、既存のMATLABライセンスに自動で含まれる機能ではなく、専用ライセンスの取得が必要です。個人向けライセンスは商用・アカデミック双方の顧客が購入可能で、キャンパスワイドライセンスやInstitute-Wide License、スタートアップ向けのMATLAB Suiteといった一部の包括契約には標準で含まれています。ツールボックスのような別途インストールは不要で、MathWorksアカウントを通じてライセンスが有効化される仕組みです。
すでにMATLABを契約中の企業であっても、Copilotを使うには管理者への確認や追加契約が必要になるケースがある点に注意しましょう。
参考:MATLAB Copilot FAQ|MathWorks
GitHub Copilotは多言語対応で複数のエディタで利用できる
GitHub CopilotはVS Codeなどの汎用エディタ上で動作し、MATLAB以外の言語も同じ環境で扱える点が強みです。個人向けにはPro・Pro+・Maxといったプランがあり、組織向けにはBusiness・Enterpriseが用意されています。2026年6月以降は、各プランに月間のAIクレジット割当てが付与され、超過分は利用量(トークン消費)に応じて課金される方式に移行しました。
複数言語のプロジェクトを一つのエディタで扱いたい開発チームには、GitHub Copilotの汎用性が向いているケースが多いでしょう。
参考:GitHub Copilot Plans & Pricing|GitHub
MATLAB Copilotの導入・設定手順は?
MATLAB Copilotの導入は、ライセンス確認・サインイン・起動の3ステップで完了します。専用ソフトのインストールは不要です。
STEP1 対応バージョンとライセンスを確認する
MATLAB Copilotを利用するには、MATLAB R2025a以降のバージョンと、Copilot専用ライセンスの両方が必要です。確認すべきポイントは以下のとおりです。
- MATLABのバージョンがR2025a以降であること
- MATLAB Copilotのライセンスが自分のMathWorksアカウントに紐づいていること(未取得の場合はライセンス管理者に確認するか、MathWorksストアで購入・トライアルを申請)
- インターネット接続が利用可能な環境であること
- 利用地域がMATLAB Copilotの提供対象であること(中国では非対応)
STEP2 MathWorksアカウントでサインインする
MATLABデスクトップ右上のサインインボタンから、Copilotライセンスが紐づいたMathWorksアカウントでログインします。ライセンスが有効であれば、起動時に複数のCopilot機能が自動的に表示されます。
STEP3 Copilot Chatパネルを開いて利用開始する
サインインが完了すると、Copilot Chatパネルやエディタ上のAsk Copilotテキストボックスから対話を開始できます。エディタ内では、カーソル位置でCtrl + Shift + P(macOSではCommand + Shift + P)を押すことでCopilotへのコード生成を呼び出すショートカットも用意されています。
なお、企業のIT管理者がライセンスを一括管理している場合は、Copilot機能の利用許可設定が別途必要なケースもあるため、社内のIT部門へ事前に確認しておくとスムーズです。
参考:Set Up MATLAB Copilot|MathWorks
MATLAB Copilotで業務効率化できる活用例は?
MATLAB Copilotは、エンジニアやプログラマー専用のツールではありません。データ集計・可視化・レポート作成といったバックオフィス業務でも、コード記述の手間を減らす助けになります。
売上データのグラフ生成を自動化できる
「月別売上をカテゴリ別の積み上げ棒グラフにして」と入力するだけで、グラフ描画コードが生成されます。CSVデータの読み込みにはreadtable関数、描画にはplot関数などが自動的に組み込まれ、体裁調整の指示も自然言語で追加できます。
Excel連携プログラムを自然言語で作成できる
MATLABはExcel(エクセル)ファイルの読み書きに標準対応しており、Copilotを使えばExcel連携のコードも自然言語で作成できます。「Excelファイルの売上シートからB列の数値を読み込み、平均・最大・最小を計算して結果シートに書き出して」と指示すれば、readtable・writetable関数を用いたスクリプトが生成されます。VBA(Visual Basic for Applications)のマクロを書く知識がなくても、自動処理を組める点がメリットです。
機械学習モデルの構築やSimulink連携も視野に入る
MATLAB CopilotはMATLABコードの生成・修正を主目的としていますが、周辺領域のAI活用も進んでいます。Simulinkのモデル生成については、Model-Based Designに最適化された別製品のSimulink Copilotが用意されています。Simulink Copilotはモデルやエラーの説明、設計方針の提案、モデリング標準のチェックやコード生成といった定型タスクの自動化を支援します。データ分析ツールとしてMATLABを使いつつ、機械学習モデルの構築補助やSimulink連携まで検討したい場合は、両製品の役割分担を把握しておくとよいでしょう。
MATLAB Copilot導入の費用対効果はどう考えるべきか?
MATLAB Copilotの費用対効果は、追加ライセンス費用と、コード記述・修正・エラー対応にかかる時間の削減効果を照らし合わせて判断する必要があります。公開されている統一的な削減時間や金額の統計は確認できないため、自社での試験導入による実測が現実的なアプローチです。
ライセンス費用と削減効果を照らし合わせる考え方
Copilot専用ライセンスの費用は契約形態によって異なり、個別購入・法人契約ともにMathWorksへの見積もり確認が必要です。一方で、キャンパスワイドライセンスやスタートアップ向けの包括契約を利用している組織であれば、追加費用なくCopilot機能を使える場合があります。自社がどのライセンス体系に該当するかを確認したうえで、コード記述・デバッグ・レポート作成といった定型作業の頻度と照らし合わせ、投資対効果を見極めることが重要です。
外注コストとの比較で内製化を検討する
データ解析やグラフ作成を外部のデータサイエンティストやSIerに委託している企業では、MATLAB Copilotを活用した内製化によって、仕様伝達や修正依頼にかかるやり取りの手間を減らせる可能性があります。ただし、実際の削減効果は業務内容や担当者の習熟度によって大きく変動するため、まずは一部業務でパイロット導入を行い、自社の作業時間の変化を実測したうえで本格導入を判断するとよいでしょう。
MATLAB Copilotのよくある質問
MATLAB CopilotやMATLABでのAI活用について、導入前に寄せられやすい疑問をまとめました。
ライセンス費用はどれくらいかかる?
MATLAB Copilotの利用には専用ライセンスが必要で、個別購入の場合はMathWorksへの見積もり確認が必要です。ただし、キャンパスワイドライセンス、Institute-Wide License、スタートアップ向けのMATLAB Suiteといった一部の包括契約にはCopilot機能が標準で含まれています。自社の契約内容がどちらに該当するか、まずはライセンス管理者に確認しましょう。
MATLAB Onlineでも利用できる?
MATLAB Online(ブラウザ版MATLAB)でもMATLAB Copilotのフル機能を利用できます。これに対し、MATLAB Mobileでは利用できる機能が限定されており、Copilot Chatでの生成コードをエディタへ直接反映する操作はできず、コピー&ペーストでの利用が必要です。フル機能を求める場合はデスクトップ版かMATLAB Onlineの利用が前提になります。
セキュリティ上の懸念はある?
MATLAB Copilotはクラウドでホストされた大規模言語モデル(LLM)を利用して応答を生成する仕組みで、MathWorksはユーザーが入力したデータをAIモデルの学習には使用しないと公式に明言しています。ただし、機密性の高いデータを扱う場合は、社内のセキュリティポリシーとの整合性を事前に確認しておくとよいでしょう。MATLAB Copilotの機能自体は、設定画面からユーザー単位で無効化することも可能です。
日本語でのチャット入力に対応している?
MATLAB Copilotは英語以外の言語でプロンプトを入力した場合、その言語で応答を返す仕様になっており、日本語での指示にも対応します。複雑な処理を依頼する場合は、英語で指示した方が精度の高い結果を得やすい傾向があるとされるため、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
MATLAB Copilot導入で解析・レポート業務を効率化するには
MATLAB Copilotは、MathWorks公式の生成AIアシスタントとして、自然言語でのコード生成からエラー解説、Excel連携スクリプトの作成まで対応しています。ただしR2025a以降のバージョンと専用ライセンスが前提条件となるため、GitHub Copilotとの違いや自社の契約状況を踏まえて導入可否を判断することが欠かせません。まずは対応バージョンとライセンス条件を確認し、パイロット導入から効果を見極めていきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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