- 作成日 : 2026年1月5日
建設業の許可票の掲示義務とは?サイズ、現場でのルール、緩和措置や罰則まで解説
建設業許可を取得した事業者は、営業所および工事現場の見やすい場所に、法律で定められた「建設業の許可票(標識)」を掲示する義務があります。このルールを怠ると、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
この記事では、建設業の専門家が、許可票の正しい掲示場所、法律で定められたサイズ(A4で代用できるか?)、下請業者の掲示義務、そして近年のデジタル化による規制緩和の内容について分かりやすく解説します。
目次
建設業の許可票(標識)の掲示義務とは何か?
建設業法第40条に基づき、建設業許可を受けた事業者(元請)は、営業所の公衆の見やすい場所に許可票を掲示しなければなりません。加えて、発注者から直接請け負った建設工事の現場ごとにも、所定事項を記載した許可票(標識)を掲示する必要があります。
この義務は、発注者や第三者に対し、その業者が正規の許可を受けた適正な業者であることを示し、責任の所在を明確にするために設けられています。一般的に、営業所に掲げるものは「金看板」、工事現場に掲げるものは「労災保険関係成立票」などと並べて掲示される白いボードやシート状のものがよく見られます。
掲示義務の対象者
掲示義務の対象者は、2020年10月の改正以降、元請業者に限定されています。下請業者はこの義務が免除され、許可票の掲示は不要です。代わりに、元請は施工体系図を掲示し、下請け情報を明らかにする必要があります。
掲示場所とそれぞれのサイズ・記載内容は?
「営業所」と「工事現場」の2カ所で掲示が必要であり、それぞれ法律で定められたサイズ(縦横の長さ)や記載事項が異なります。
営業所での掲示(本店・支店)
公衆の見やすい場所に掲示する必要があります。
- サイズ:縦35cm以上 × 横40cm以上
- 材質:金属製(金看板)が一般的ですが、耐久性があれば材質は問われません。
- 記載事項:商号、代表者名、許可番号、許可年月日、許可業種など。
工事現場での掲示
工事現場の入り口など、公衆が見やすい場所に掲示します。
- サイズ:縦25cm以上 × 横35cm以上
- 材質:雨風に耐えられる材質(プラスチック板やラミネート加工した紙など)。
- 記載事項:営業所の掲示内容に加え、現場の「主任技術者」または「監理技術者」の氏名、専任の有無などを記載します。
A4サイズで作成しても問題ないか?
A4用紙のサイズは「21cm × 29.7cm」であり、工事現場用の法定サイズ(縦25cm以上 × 横35cm以上)よりも小さいため、A4サイズそのままでは法律違反となります。
PCで作成して印刷する場合は、B4やA3サイズで出力するか、拡大印刷をして規定のサイズ(25cm×35cm)を満たすように調整する必要があります。
下請業者も現場に許可票を掲示する必要があるか?
現行法では、工事現場で許可票(標識)の掲示義務を負うのは、発注者から直接請け負った元請業者です。下請業者は現場での許可票掲示義務は原則ありません(※ただし改正前に締結した工事では従前運用となる場合があります)。
掲示義務の「緩和」とは?(デジタルサイネージ等)
国土交通省による規制緩和により、従来の物理的な看板だけでなく、デジタルサイネージ(電子表示機器)等を使用した掲示も認められるようになりました。
建設現場の生産性向上や業務効率化を目的として、ICTの活用が進められています。一定の視認性(明るさや大きさ)を確保し、公衆が常時確認できる状態であれば、モニターやタブレット端末などを使って許可票の内容を表示することも可能です。
デジタルサイネージで掲示する場合は、内容を容易に確認できる画面・文字サイズ等であることに加え、当該機器で標識等を確認できる旨を表示するなど、通知で示された要件を満たす必要があります。これにより、掲示物の作成や貼り替えの手間を削減できます。
掲示義務に違反した場合の罰則は?
建設業法違反として、10万円以下の過料が科される可能性があります。(建設業法第55条)許可票を掲示していなかったり、記載内容に誤りがあったり、サイズが規定より小さかったりする場合、このペナルティの対象となります。
「たかが看板」と軽視せず、現場が始まる際には必ず規定の許可票を準備し、見やすい場所に設置することが、コンプライアンス遵守の基本です。
正しい掲示が、現場の信頼を作る
本記事では、建設業の許可票の掲示義務について、サイズや場所、下請業者の扱いなどを解説しました。
許可票は、その現場が法令を守る適正な業者によって施工されていることを証明する、現場の「顔」ともいえる重要な標識です。A4サイズでの代用不可といった細かいルールや、デジタル活用などの新しい動きを正しく理解し、適切な掲示を行うことが、発注者や近隣住民からの信頼獲得につながります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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