• 作成日 : 2026年5月28日

Copilotに自社のデータを学習させる方法とは?活用時の注意点も

PointCopilotの学習は安全?

Copilotは社内データを追加学習せず、RAG方式で参照するため法人向けライセンスなら安全に活用できます。

  • 入力データは基盤モデルの再学習に使用されない
  • 既存のアクセス権限内でのみ情報を参照
  • 業務特化の回答で誤情報リスクを軽減

Q. 機密情報が他社に流出する心配はない?

A. 法人向けライセンスなら入力内容が他社向け回答改善に使われることはありません。

Microsoft Copilotを業務に活用する上で、「社内の機密情報がAIの学習に使われないか」を懸念する企業は少なくありません。結論として、法人向けライセンスを利用する限り、入力したデータがAIの再学習に使用されることはなく、安全に自社専用のAIとして運用できます。Copilotは追加学習ではなく、RAG(検索拡張生成)と呼ばれる仕組みで社内データを参照するため、機密情報の流出リスクを抑えながら業務に即した回答を得ることが可能です。

当記事では、社内データを参照させる目的や仕組み、具体的な活用方法と運用上の注意点などを解説します。

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※(免責)掲載情報は記事作成日時点のものです。最新の情報は各AIサービスなどの公式サイトを併せてご確認ください。

Copilotは社内データを「学習」しているのか?

Microsoft 365 Copilotは、社内データを勝手に再学習する仕組みではありません。ここでは、安全性と回答生成の仕組みを順に解説します。

【結論】安全に「自社専用AI」として活用できる

Microsoft 365 Copilotは、既存のMicrosoft 365の権限やセキュリティの範囲内で社内データを参照して回答できるため、自社専用AIに近い形で活用できます。実際には、SharePoint、Teams、Outlookなどに保存された情報のうち、利用者が閲覧権限を持つ内容だけをもとに応答します。

Microsoftは、Copilotが組織の境界、権限、コンプライアンス、プライバシーを尊重して動作すると案内しており、既存のアクセス制御をそのまま引き継げる点も、社内利用で安心しやすい理由です。導入済みの権限設計が土台になる点も重要です。

入力した機密情報がAIの再学習に使われることはない

入力した機密情報や、Copilotが回答を作るために参照した社内データは、基盤モデルの再学習には使われません。Microsoftは、プロンプト、応答、Microsoft Graph経由でアクセスしたデータは、Microsoft 365 Copilotで使われる基盤LLMの学習に使わないと明示しています。

Copilot Chatでも、エンタープライズデータ保護の下では、プロンプトと応答は基盤モデルの学習に使われません。機密情報を入力しても、内容が他社向けの回答改善や汎用モデルの訓練に回る設計ではない、という理解で問題ありません。情報流用を不安視しすぎる必要はありません。

仕組みは「追加学習」ではなく「検索・参照(RAG)」

Microsoft 365 Copilotの仕組みは、社内データをAIに追加学習させる方式ではなく、質問のたびに関連情報を検索・参照して回答を作る方式です。Microsoftは、CopilotがMicrosoft Graphとセマンティックインデックスを使って、組織内データの関係性や文脈を把握し、検索精度と回答精度を高めると説明しています。

つまり、社内文書を恒久的にモデルへ覚え込ませるのではなく、都度必要な情報を取り出して回答の根拠に使う仕組みで、一般にRAGに近い考え方と理解すると分かりやすいでしょう。追加学習型とは発想が異なります。

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なぜCopilotに社内データを学習(参照)させるのか?

社内データを参照させる理由は、回答を業務に近づけ、誤情報を減らし、社内の知見を使いやすくするためです。ここでは、主な目的を3つに分けて解説します。

業務特有の専門的な回答を得るため

社内データを参照できるCopilotは、一般論ではなく、自社の業務に即した回答を返しやすくなります。たとえば、社内で使っている用語、部門ごとの運用ルール、過去案件の経緯、会議やメールで共有された前提情報まで踏まえて応答できるため、抽象的な説明で終わりにくくなります。

Microsoft 365 Copilotは、利用者が権限を持つメール、会議、文書、チャット、予定表などを文脈として扱う仕組みです。Microsoftもcontent and contextを基に、関連性が高く文脈に合った回答を返すと説明しています。そのため、一般的な生成AIでは拾いにくい社内特有の前提も反映しやすく、現場でそのまま使いやすい回答につながります。

事実に基づかない誤情報の発生を抑えるため

社内データを参照できるCopilotは、一般的な知識だけを基に答えるのではなく、自社の文書や会話履歴、予定、メールなどの情報を踏まえて応答を組み立てられるため、事実に基づかない説明が出にくくなります。Microsoftは、Groundingによってプロンプトの具体性が高まり、業務にとって関連性と実行性のある回答につながると説明しています。

また、Microsoft 365 Copilotのセマンティックインデックスは、組織内データを検索しやすい形に整理し、必要な情報を見つけやすくする仕組みです。外部の一般知識だけで補完するのではなく、社内文書や会話履歴などの根拠に寄せて回答できるため、思い込みや文脈外れの説明を抑えやすくなります。もちろん誤りが完全になくなるわけではありませんが、根拠の薄い回答が出る可能性は下げやすくなります。

埋もれている社内ナレッジを再発見するため

Copilotが社内データを参照できると、資料の保管場所や作成者を知らなくても、必要な情報へたどり着きやすくなります。Microsoftは、CopilotがMicrosoft Graphとセマンティックインデックスを使って、組織内データの関係性や文脈を踏まえながら、適切な情報検索につなげると説明しています。

また、コネクタを通じて外部システムの情報も扱えるため、Microsoft 365の外にあるデータも含めて自然言語で探しやすくなります。資料がSharePoint、Teams、Outlook、外部ツールなどに分散していても、利用者は保存先を細かく意識せずに質問できるため、担当者しか把握していなかった知見や、過去の会議資料、やり取りの記録なども活用しやすくなります。

Copilotが社内データを安全に処理する仕組みとは?

Copilotは、指示をそのまま学習するのではなく、検索・参照・応答生成の流れで社内データを扱います。ここでは、処理手順を順に解説します。

ユーザーの指示から検索クエリを生成する

Copilotは、ユーザーの指示を受けると、すぐに答えを作り始めるのではなく、まず「何の情報を探せばよいか」を整理します。たとえば、会議の要点を知りたいのか、社内資料の内容を確認したいのかを読み取り、必要な情報を探しやすい形に整えてから検索に進みます。

Microsoftも、Copilotは入力された指示を前処理し、Microsoft Graphやセマンティックインデックスを使って関連情報を取得すると説明しています。つまり、質問文をそのまま読むだけではなく、社内情報を探す準備をしてから動いている仕組みです。

権限のある範囲内で社内情報を検索する

Copilotが社内情報を探すときは、利用者本人が見られる範囲だけが対象になります。たとえば、自分に閲覧権限のない資料やチャット、メールの内容まで勝手に調べることはできません。Microsoftは、Copilotが組織の境界や既存の権限設定、プライバシー、コンプライアンスを尊重して動作すると案内しています。

社内データを安全に扱える理由は、Copilotだけに特別な閲覧権限があるのではなく、普段のMicrosoft 365と同じ権限管理の仕組みの中で情報を探しているためです。

取得した情報を基に応答文を構成する

必要な情報を見つけた後、Copilotは集めた内容を基に回答文を組み立てます。このときは、社内文書やメールの内容をそのまま並べるのではなく、ユーザーの質問に合う形へ整理して返します。Microsoftは、Copilotが取得した社内情報を使って応答を生成し、その後もMicrosoft Graphやセマンティックインデックスを用いて後処理を行うと説明しています。

重要なのは、社内データをAIに覚え込ませるのではなく、その場で必要な情報を参照して答えている点です。そのため、安全性を保ちながら、業務に合った回答を返しやすくなっています。

実際にCopilotにデータを学習(参照)させる使い方は?

Copilotに社内データを参照させる方法は、ファイルを直接渡す、共有先に保存する、外部システムを接続する、の3つが基本です。ここでは、実務で使いやすい方法を順に解説します。

チャット画面に参照ファイルをアップロードする

すぐにCopilotへ内容を見せたい場合は、チャット画面にファイルをアップロードする方法が分かりやすいです。Microsoftは、Copilot ChatでWord、Excel、PDFなどのファイルをアップロードし、その内容を踏まえて回答させられると案内しています。会議資料の要約、契約書の要点整理、表の読み取りなどをその場で依頼しやすい点が特徴です。

毎回ファイルを添付する必要はありますが、特定の資料だけを一時的に参照させたいときには最も手軽です。社内全体の知識を常時参照させる方法ではなく、そのチャットで使う資料を都度渡す使い方だと理解すると分かりやすくなります。

社内共有フォルダに参照用データを保存する

継続的に参照させたい社内資料は、OneDriveやSharePointなどの社内共有先に保存しておく方法が基本です。Microsoft 365 Copilotは、利用者が権限を持つMicrosoft 365内の文書、メール、チャット、予定表などを文脈として使います。つまり、必要なファイルが個人PCの中だけにあるより、SharePointやOneDriveで適切に共有されているほうが参照されやすくなります。

実務では、手順書、提案書、議事録、Q&A集などを整理して保存しておく形が現実的です。ここで重要なのは「AIに追加学習させる」のではなく、「参照しやすい場所へ置いて検索しやすくする」という考え方です。

専用の接続ツールでデータベースと連携する

Microsoft 365の外にあるデータベースや業務システムをCopilotで扱いたい場合は、Copilotコネクタのような専用の接続機能を使います。Microsoftは、Copilot connectorsによって外部の基幹業務データをMicrosoft 365 Copilotへ取り込み、検索や推論に使えると案内しています。方式には、外部データをMicrosoft Graphへ取り込んで索引化する方法と、必要なときにリアルタイムで取得する方法があります。

これは個人がチャットで設定する使い方ではなく、管理者が組織向けに整備する仕組みです。社内DB、顧客管理、在庫管理などを横断して参照したい場合に向いており、本格的に「業務で使えるCopilot」へ近づける方法と言えます。

安全に学習(参照)・活用を進めるための注意点とは?

安全に使うには、保護機能、権限設計、入力ルールの3点をそろえることが重要です。ここでは、実務で押さえたい注意点を順に解説します。

法人向けライセンスで商用データ保護を有効にする

業務でCopilotを使うなら、個人向けではなく、Microsoft Entraアカウントでサインインし、Enterprise data protectionが適用される法人向け環境で使うことが重要です。Microsoftは、Microsoft 365 CopilotとCopilot Chatの入力内容と応答について、契約上・技術上の保護を提供すると案内しています。

Copilot ChatではEnterprise data protectionが適用されると、画面上部に緑の盾が表示されるため、保護の有無も確認しやすくなっています。業務利用では、まずこの保護が効く環境を前提にすることがポイントです。

従業員のアクセス権限を適切に設定する

Copilotの安全性は、AIの性能だけでなく、普段のアクセス権限の整え方にも大きく左右されます。Microsoft 365 Copilotは既存の権限とアクセス制御の中で動作し、利用者が見られる情報だけを参照します。反対に、共有範囲が広すぎる資料や、管理が不十分なコンテンツがあると、その情報まで回答に使われるおそれがあります。

Microsoftも、過剰共有や不十分なガバナンスはリスクを高めると案内しています。部署ごとの閲覧範囲や最小権限を見直し、古い共有設定を放置しないことが重要です。

著作権や機密保持に触れるデータ入力を避ける

保護機能があるからといって、どのような情報でも無条件に入力してよいわけではありません。Microsoftは、Enterprise data protectionの下で著作権リスクへの保護として protected material detection や Customer Copyright Commitment を提供していますが、使う側でも入力内容の妥当性を確認する必要があります。

また、Copilot Chatでは入力内容と応答が監査や電子情報開示のために記録されます。権利関係が不明な原稿の丸ごと貼り付けや、共有範囲が未整理の機密情報の投入は避け、社内ルールに沿って必要最小限の情報だけを扱うことが大切です。

Copilotの仕組みを理解して安全に業務活用を進めましょう

Microsoft 365 Copilotは、社内データをAIへ追加学習させるのではなく、必要な情報を都度検索・参照しながら回答を作る仕組みです。そのため、権限のある範囲内で社内文書やメール、会議情報などを活用し、業務に合った回答を得やすくなります。

実際の活用では、ファイルのアップロード、共有フォルダへの保存、外部システム連携などの方法があり、用途に応じた使い分けが重要です。一方で、安全に運用するには、法人向け環境での保護機能、適切なアクセス権限の設定、著作権や機密保持に配慮した入力ルールの整備が欠かせません。仕組みと注意点を押さえておくことで、Copilotを自社業務に合わせて活用しやすくなります。


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