- 作成日 : 2026年2月24日
経理AIエージェントとは?できることや導入メリット、活用事例を解説
経理AIエージェントとは、請求書処理や経費精算などの実務を、AIが自律的に判断・実行する仕組みです。
- 自律的な実務完結: 照合、承認依頼、振込予約までを一貫して代行。
- 柔軟な例外対応: ルールに縛られるRPAと違い、不備を自ら検知し修正。
- 高度なガバナンス: 規程との照合や不正検知をリアルタイムで自動実行。
会計ソフトやRPAとの大きな違いとして、会計ソフトが記録、RPAが定型作業を担うのに対し、AIエージェントは各ツール間の司令塔として、状況に応じた判断と操作を自律的に行う点にあります。
経理AIエージェントは、請求書処理や経費精算などの定型作業を、AIが状況を判断しながら自動で進める仕組みです。生成AIの文章作成やRPAの手順実行より一歩進み、社内規程や過去データを参照しつつ、会計ソフトやワークフローとも連携して一連の処理をつなげられます。
この記事では、経理AIエージェントでできること、メリット、活用事例、比較、費用感、注意点、導入ステップ、失敗しない設計のコツを整理します。
※(免責)掲載情報は記事作成日時点のものです。最新の情報は各AIサービスなどの公式サイトを併せてご確認ください。
目次
経理AIエージェントとは?
経理AIエージェントとは、あらかじめ設定された目的の達成に向けて、AIが自律的に情報の収集、判断、実行を繰り返す仕組みのことです。従来のシステムが入力されたものを処理するだけだったのに対し、経理AIエージェントは不足している情報を探し、ルールに沿って次の工程へ回し、より人間に近い動きをします。
経理AIエージェントは、ゴールに向けて情報収集から作業実行までを一連の流れで進めます。経理実務における作業実行には、請求書と発注書の照合や、不備がある場合の承認依頼、差し戻し通知などが含まれます。
また、会計ソフトへの自動仕訳連携や、支払期限が迫っている案件のリマインドなど、単なる計算だけでなくコミュニケーションを伴う工程までをカバーするのが特徴です。
関連資料|マネーフォワード クラウドAIエージェント紹介資料
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生成AI・RPA・会計ソフトとの違いは?
経理業務で使われる他のツールとAIエージェントには、明確な役割の違いがあります。
生成AIは言葉の処理が得意ですが、そのままでは銀行振込を実行したり、会計ソフトのボタンを押したりすることはできません。一方でRPAは、画面のレイアウトが変わるだけで動作が停止してしまうことがあります。
AIエージェントはこれらを組み合わせ、変化に柔軟に対応しながら業務を完結させる役割を担います。
| ツール名 | 主な得意分野 | 経理業務での立ち位置 |
|---|---|---|
| 生成AI | 文章作成・要約・翻訳 | 補助ツール 実務の接続は人が行う |
| RPA | 定型作業の高速実行 | 自動化ツール 例外判断に弱い |
| 会計ソフト | データの蓄積・集計 | 記録の場 プラットフォーム |
| AIエージェント | 自律的な判断と実行 | 各ツールをつなぐ司令塔 |
経理AIエージェントの仕組みは?
AIエージェントが賢く動くためには、いくつかの要素が組み合わさっています。
- ナレッジ化
社内規程、マニュアル、過去の判断事例をデータとして参照し、判断の根拠とします。 - ツール連携
SlackやTeamsなどのチャットツール、会計ソフト、銀行口座、クレジットカードとAPI(異なるソフトウェア同士が情報をやり取りするための仕組み)でつながり、シームレスにデータを動かします。 - ヒューマンインザループ(Human-in-the-Loop)
最終的な判断は人が行い、AIはその下書きや確認ポイントを提示することで、人間とAIが協調して業務を進めます。
関連記事|会計システムにおけるアカウントアグリゲーションとAPI連携の仕組みを解説
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経理AIエージェントでできることは?
経理AIエージェントを活用すると、これまで人が時間をかけていた確認作業の多くを自動化できるようになります。
請求書処理
請求書を受け取ってから支払うまでの工程は、AIエージェントが得意とする領域です。
受取った請求書の自動読み取りから、支払期日の自動抽出、過去の履歴に基づいた仕訳候補の作成、担当者への承認依頼までを自動で行います。すべてを自動にするのではなく、たとえば3万円未満は自動、それ以上は目視確認といった線引きをすることで、安全に運用できます。
経費精算
申請時の不備チェックとして、領収書の添付忘れ、日付の矛盾、参加人数の過不足をリアルタイムで指摘します。さらに、上限金額を超えていないかどうか・近接した日付で重複申請がないかをチェックし、承認者に対し、「この申請は規程内です」といった要点を伝えます。
仕訳入力や決算の支援
日々の仕訳入力だけでなく、月次決算の準備もスムーズになります。
取引データの自動入力補助や学習による仕訳精度の向上に加え、異常値や二重計上の自動抽出、銀行明細と売掛金の突合のドラフト作成などを行います。
不正検知
AIエージェントは、人間が見逃しがちなパターンの変化に気づきます。普段とは違う支出パターンの抽出や、職務分離に基づいた承認フローが守られているかの監視、さらにはインボイス制度や電子帳簿保存法に合った形式になっているかの判定を自動で行います。
関連資料|請求書のテンプレート(エクセル)一覧
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経理AIエージェントを導入するメリット
経理AIエージェントを導入すると、単なる時短だけでなく、組織全体のガバナンス強化につながります。
工数が削減できる
もっとも直接的なメリットは、作業時間の短縮です。入力作業や差し戻しのメール対応が減ることで、締め作業の前工程が大幅に早まります。これにより、月次決算を数日早く終えることもできるようになるでしょう。
ヒューマンエラーが削減できる
転記ミスや勘定科目の間違いといったケアレスミスが減ります。また、属人化を防ぐ効果もあります。あの人しか判断できないという状況をなくし、AIが過去の類似ケースではこう処理しましたと根拠を示すことで、誰でも一定の品質で業務を回せるようになります。
経営判断が迅速化する
データがリアルタイムで整うため、経営陣が会社の状態を把握するスピードが上がります。予実管理やキャッシュフローの予測が正確になり、次の投資や経費削減の打ち手を早く講じられるようになります。
付加価値の高い業務へシフトする
経理担当者の仕事は、単純な作業からルールの設計やAIの判断のチェック、財務分析へと移っていきます。今後はAIが処理できない例外を判断し、より効率的な運用ルールを考える役割を担うようになるでしょう。これにより、経理担当は付加価値の高い業務へ時間を割けるようになります。
経理AIエージェントの活用事例
実際の現場でどのようにAIエージェントが動いているか、具体的なシーンを見ていきましょう。
社内規程Q&Aで問い合わせ対応を減らす
「この経費は認められますか?」といった、社員からの細かい質問にAIが答えます。単に回答するだけでなく、「旅費規程の第5条に基づき、宿泊費は1万円までです」と根拠のリンクを添えて提示することで、経理への直接の問い合わせを減らせます。
経費精算の申請レビューで差し戻しを減らす
申請が上がってからダメですと返すのではなく、社員が入力している最中に「領収書の日付と一致しません」とアラートを出します。これにより、承認者が差し戻す手間を最小限に抑えられます。
請求書業務で支払遅延や突合作業を減らす
大量の請求書をAIが整理し、未処理のものを自動でピックアップします。支払期日が近いものに色をつけたり、取引先名が一致しない場合に警告を出したりすることで、支払ミスや遅延を防ぎます。
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経理AIエージェント導入時の注意点
経理AIエージェントを導入する際には、以下の点に留意をしましょう。
セキュリティとプライバシー
経理業務では、取引先情報や金額、個人情報など重要なデータを扱います。
そのため、AIエージェントが参照・操作できる情報の範囲を明確にし、役割ごとのアクセス権限を厳密に管理する設計が欠かせません。
ブラックボックス化の対策
AIの判断が見えなくなると、経理業務では説明責任を果たせなくなります。
どのデータを根拠に処理されたのかを確認できるよう、判断根拠の提示、ログ保存、レビュー手順をあらかじめ定義しておく必要があります。
内部統制
AIを導入しても、職務分離(特定の業務プロセスに対して複数の人員が関与する体制を設けること)や承認プロセスは維持する必要があります。
入力・チェック・承認が一つのAIや担当者に集中しないよう、人が関与するポイントを意識的に残す設計が重要です。
法令改正に追従できる運用体制
インボイス制度や電子帳簿保存法など、経理業務に関わる法令は変化します。
AIエージェントの判断ルールも固定化せず、継続的に見直し・更新できる体制を前提にしておく必要があります。
経理AIエージェントの導入手順
経理部門でAIを導入する際には、以下のように進めるとよいでしょう。
1. 目的とKPI (重要業績評価指標)を決める
まずは、AI導入によって何を改善したいのかを明確にします。
削減したい工数や差し戻し回数、月次決算の締め日短縮などを具体的な指標 (KPIなど)として設定します。
2. 現状フローを可視化する
次に、現在の経理業務フローを整理し、どこで時間や手戻りが発生しているかを洗い出します。
AI化の前提として、業務のボトルネックを把握することが重要です。
3. データと規程を整える
AIが正しく判断するためには、参照するデータやルールの整備が欠かせません。
マスタ情報、勘定科目、社内規程、例外パターンなどを整理し、判断基準を明確にします。
4. 小さく始め、例外処理の回し方を決める
経費精算や請求書処理など、影響範囲の限定された業務からPoC (Proof of Concept:概念実証。新しい技術や理論が実現可能か、実際の導入前に小規模に試行して検証すること)を行います。
その中で、例外が発生した際に誰がどう対応するかを確認します。
5. 本番運用と改善
本番導入後も、ルール更新や社員への周知、効果測定を継続します。
運用を通じて精度を高めながら、段階的に適用範囲を広げていくことが重要です。
経理AIエージェントでよくある質問
経理AIエージェントは会計ソフトがあれば不要ですか?
会計ソフトは「記録と集計」が中心で、AIエージェントは「判断と業務連携」を担います。
両者は補完関係にあり、併用することで効果を最大化できます。
経費精算AIエージェントだけ先に入れても効果はありますか?
はい。経費精算はルールが明確で範囲も限定されているため、早期にAI導入の効果を検証しやすい領域です。
段階導入の第一歩として選ばれることが多くあります。
どのくらいの期間で効果が見えますか?
対象業務や体制によりますが、経費精算や請求書処理などの定型業務では、導入直後の初月から工数削減を実感できるケースが多くあります。
社内規程が整っていない場合はどうすべきですか?
AI導入をきっかけに、最低限必要な規程やルールを整理する企業も少なくありません。
経理AIエージェントの導入で経理業務のDX化を進めよう
AIエージェントは日々の経理業務の負担を軽減し、より戦略的な業務に注力するための強力なパートナーです。
AIエージェントが日々の業務をどのように手助けしてくれるかを理解したうえで、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
マネーフォワードでは、請求書処理や請求書受領業務、経費申請、リース契約の自動識別をサポートするマネーフォワード AIエージェントを提供しています。
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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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