• 作成日 : 2025年12月10日

弁当屋や惣菜屋で儲かる仕組みを作るには?個人経営での利益確保、売上アップの秘訣を解説

弁当屋や惣菜屋で儲かる仕組みは、工夫次第で十分に構築可能です。成功の鍵は、単に美味しいだけでなく、効率的なオペレーションと適切なコスト管理によって、しっかりと利益を確保するビジネスモデルを確立することにあります。

この記事では、弁当屋・惣菜店が持つビジネスモデルの強み、利益を生み出す具体的な仕組み、そして個人経営で成功するためのポイントや失敗しないための注意点まで、分かりやすく解説します。

そもそも「儲かる弁当屋・惣菜屋」とは何か?

売上高から食材費や人件費などの経費を差し引いた「利益」を継続的に確保できているお店のことです。特に、売上に対する利益の割合である「利益率」を高く維持することが重要です。

飲食店経営において売上は重要ですが、それ以上に利益が重要です。弁当屋や惣菜店は、比較的低価格帯の商品が中心となるため、一つ一つの利益は小さくなりがちです。そのため、適切な原価管理、効率的な運営、そして販売戦略によって、着実に利益を積み重ねていく仕組み作りが「儲かる」ための必須条件といえます。

弁当屋・惣菜屋のビジネスモデルと儲かる仕組みは?

テイクアウト(持ち帰り)を中心とすることで初期投資や固定費を抑えやすく、計画的な生産と販売により食材ロスを削減しやすいビジネスモデルです。また、惣菜を組み合わせることで客単価アップも狙えます。

低コストでの開業・運営が可能

イートインスペースを設けない、あるいは小規模にすることで、物件取得費や内装費といった初期投資を抑えることができます。また、厨房設備に特化でき、接客スタッフも最小限で済むため、家賃や人件費といった固定費を低く抑えやすい傾向があります。

高い回転率と計画生産による効率化

弁当や惣菜は、作り置きが可能で、ピークタイムに合わせて計画的に生産することができます。これにより、お客様の待ち時間を短縮し、販売機会の損失を防ぐことができます。また、閉店間際の値引き販売などで、その日のうちに売り切る工夫をすれば、食材の廃棄ロスを最小限に抑えられます。

食材の工夫による原価管理

使用する食材の種類をある程度絞り込み、大量仕入れによってコストを削減したり、一つの食材を複数のメニューに活用したりすることで、原価率をコントロールしやすくなります。旬の安価な食材を上手に取り入れることも有効です。

惣菜との組み合わせによる客単価アップ

弁当だけでなく、唐揚げやサラダ、煮物といった単品の惣菜を充実させることで、「もう一品」の追加購入を促し、客単価を向上させることができます。「お惣菜屋さんは儲かる」と言われる理由の一つは、この組み合わせ販売による利益確保のしやすさにあります。

弁当屋・惣菜店の利益率はどれくらいか?

一般的に飲食店の原価率は30%前後が目安とされますが、弁当屋では40%近くになることもあります。500円弁当の場合、食材原価だけで150円〜200円かかる計算となり、利益を出すには工夫が必要です。

500円弁当の利益構造(シミュレーション)

あくまで一例ですが、500円の弁当のコスト構造を考えてみましょう。

※下記金額については、税抜金額としております。

  • 売上:500円
  • 食材原価:175円(原価率35%と仮定)
  • 容器代など:25円(5%)
  • 粗利益:300円(60%)

この300円の粗利益の中から、さらに家賃、人件費、水道光熱費、販促費などを支払い、残ったものが最終的な営業利益となります。薄利多売になりやすいため、いかに原価を抑え、効率よく販売するかが重要になります。

利益を確保するためのポイント

  • 原価率の高いメインのおかずと、原価率の低い副菜をバランス良く組み合わせる。
  • 大量調理によるスケールメリットを出す。
  • ドリンクや追加の惣菜など、利益率の高い商品を一緒に購入してもらう工夫をする。

個人経営で成功する弁当屋・惣菜店の特徴は?

独自のコンセプトを持ち、ターゲット顧客を明確にし、効率的なオペレーションを構築しているお店です。また、地域に根差し、リピーターを大切にすることも成功の鍵となります。

個人経営のお店が大手チェーンと差別化し、生き残るためには、独自の強みを生かす戦略が不可欠です。

コンセプトの明確化(ターゲットとメニュー)

「健康志向の働く女性向け」「ガッツリ食べたい学生向け」「地域の高齢者向け」など、誰に届けたいのかを明確にし、そのターゲットに響くメニュー構成や価格設定、店づくりを行います。メニュー数を絞り込み、専門性を高めることも有効です。

立地選定の重要性

ターゲット顧客が多く存在する場所を選ぶことが重要です。オフィス街、工場地帯、住宅街、駅の近くなど、立地によって売れる時間帯や客層が大きく異なります。

効率的なオペレーション(一日の流れ)

仕込み、調理、盛り付け、販売、片付けといった一日の流れをいかに効率的に行うかが、利益を左右します。特に個人経営では、オーナー自身が長時間労働になりがちです。無理なく継続できる、効率的な作業動線を確立することが重要です。

販路の多様化

店頭販売だけでなく、近隣企業への配達、デリバリーサービス(Uber Eatsなど)の活用、イベントへの出店、スーパーなどへの卸売といった、複数の販路を持つことで、売上の安定化と向上を図れます。

地域密着とリピーター獲得

常連客の存在は、個人経営の大きな支えとなります。お客様とのコミュニケーションを大切にし、「また来たい」と思ってもらえるような、温かみのある接客やサービスを心がけましょう。

弁当屋・惣菜屋の廃業率と失敗しないための注意点は?

飲食業界全体の廃業率は決して低くなく、弁当屋・惣菜店も例外ではありません。失敗するケースには、甘い売上予測や原価管理の不足、衛生管理の問題などが共通して見られます。

廃業率の現状

明確な業態別の統計は少ないですが、飲食業全体の開業3年以内の廃業率は約70%ともいわれる厳しい世界です。特に、参入障壁が比較的低いとされる弁当・惣菜業態は競争も激しく、安易な開業は失敗につながりやすいといえます。

失敗ブログなどから見える原因

  • 甘い売上予測:立地や競合を十分に調査せず、「これくらい売れるだろう」という希望的観測で計画を立ててしまう。
  • 原価・利益管理のどんぶり勘定:正確な原価計算を行わず、気づいたら利益が出ていない。
  • 衛生管理の不徹底:食中毒などを起こしてしまい、信用を失う。
  • 集客不足:開業したものの、お店の存在を知ってもらえず、お客様が来ない。

失敗しないための具体的な注意点

  • 徹底した原価計算と適切な価格設定:すべてのメニューの原価を正確に把握し、利益を確保できる価格を設定します。安売り競争に陥らないことが重要です。
  • 衛生管理の徹底:食品衛生責任者の資格取得はもちろん、日々の清掃や食材管理、従業員の健康管理などを徹底し、食中毒のリスクを最小限に抑えます。保健所の指導に従うことが基本です。
  • 集客・販促活動の継続:チラシのポスティング、SNSでの情報発信、デリバリーサービスへの登録など、お店を知ってもらうための努力を継続的に行います。
  • 事業計画の精度向上:開業前に、現実的な売上予測と経費計算に基づいた、詳細な事業計画を立てることが不可欠です。

儲かる弁当屋・惣菜屋を目指して

本記事では、「儲かる弁当屋・惣菜屋」の仕組みと、個人経営で成功するためのポイントについて解説しました。

弁当屋や惣菜屋は、テイクアウト需要の高まりもあり、工夫次第で十分に利益を出せる可能性のあるビジネスモデルです。しかし、そのためには、単に美味しいだけでなく、徹底したコスト管理と効率的なオペレーション、そしてお客様に選ばれ続けるための独自の価値提供が不可欠です。「お惣菜屋さんは儲かる」というイメージだけでなく、その裏にある経営努力を理解し、しっかりとした計画を立てることが成功への第一歩となるでしょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事