• 作成日 : 2026年1月5日

2級建築施工管理技士は建設業許可でどのような役割を果たすか?

2級建築施工管理技士資格があれば、一般建設業許可を取得するために必要な「営業所の専任技術者(営業所技術者等)」および現場に配置する「主任技術者」になれます。

建設業者が建設業許可を取得するには、営業所ごとに常勤の「専任技術者」を配置しなければなりません。。2級建築施工管理技士の資格保有者は、実務経験の証明(通常10年)を必要とせず、この専任技術者の要件を満たします。つまり、建設業許可取得のハードルが大幅に下がるのです。

1級建築施工管理技士との違い

1級建築施工管理技士は「特定建設業許可」の専任技術者や、大規模工事の「監理技術者」になれるのに対し、2級は原則として「一般建設業許可」の専任技術者および「主任技術者」に限られます。つまり、元請として大規模な下請契約を結ばない限り、2級で十分なケースが多く存在します。

2級建築施工管理技士の「3つの種別」と対応する許可業種は?

2級建築施工管理技士は「建築」「躯体」「仕上げ」の3つの種別に分かれており、それぞれ取得できる建設業許可の業種が異なります。そのため、「2級を持っていれば建築系の許可は何でも取れる」と考えるのは危険です。

合格した種別によって、専任技術者として認められる業種が明確に区分されています。自身が取得したい許可業種に対応した種別の資格を持っているか、確認することが重要です。

① 「建築」種別の対応業種

建築一式工事の許可を取得できるのが最大の特徴です。

  • 建築一式工事
  • 解体工事
  • 内装仕上工事

解体工事業については、技術検定に係る資格は平成27年度までの合格者は、資格とは別に「解体工事に関する1年以上の実務経験」または「登録解体工事講習の受講」が必要です。

② 「躯体(くたい)」種別の対応業種

建物の骨組みに関わる工事の許可に対応しています。

  • 大工工事
  • とび・土工・コンクリート工事
  • タイル・れんが・ブロック工事
  • 鋼構造物工事
  • 鉄筋工事
  • 解体工事(※一定の条件あり)

解体工事業については、「建築」種別と同様です。技術検定に係る資格は平成27年度までの合格者は、資格とは別に「解体工事に関する1年以上の実務経験」または「登録解体工事講習の受講」が必要です。

③ 「仕上げ」種別の対応業種

建物の内装や外装の仕上げに関わる工事の許可に対応しています。

  • 大工工事
  • 左官工事
  • 石工事
  • 屋根工事
  • タイル・れんが・ブロック工事
  • 板金工事
  • ガラス工事
  • 塗装工事
  • 防水工事
  • 内装仕上工事
  • 熱絶縁工事
  • 建具工事

2級建築施工管理技士で「解体工事」の許可はとれるか?

「躯体」または「建築」の種別合格者であれば解体工事業の専任技術者になることができます。

2016年の法改正により「解体工事業」が新設されたことに伴い、経過措置期間終了後は要件が厳格化されました。現在は、単に2級建築施工管理技士(建築・躯体)を持っているだけでは不十分な場合があります。

解体業許可をとるための条件

平成28年(2016年)以降に合格した「建築」または「躯体」種別の2級建築施工管理技士は、実務経験の証明や講習受講なしで専任技術者になれます。

平成27年(2015年)までの合格者は、解体工事の実務経験1年以上(解体工事業登録事業者でのみ有効)の証明、または登録解体工事講習の受講が必要です。実務経験の証明としては、登録証の提出が求められます。​

なお、「仕上げ」種別では専任技術者になれない点に注意が必要です。

2級建築施工管理技士の請負金額に「上限」はあるか?

資格自体による受注金額の上限はありませんが、一般建設業許可の範囲内での活動となるため、下請に出せる金額に制限があります。

「2級だから〇〇円までの工事しか請け負えない」という受注金額(元請契約額)の上限はありません。1億円の工事でも10億円の工事でも受注すること自体は可能です。

一般建設業許可としての制限

2級建築施工管理技士がなれる専任技術者は、主に「一般建設業」です。そのため、元請として工事を受注した場合、その工事を下請に出す金額の合計を「5,000万円未満(建築一式工事の場合は8,000万円未満)」に抑える必要があります。

これを超える規模の下請契約を結ぶには「特定建設業許可」が必要となり、原則として1級の資格者が求められます。なお、一般建設業許可で「下請」で工事を請け負う場合は、金額に制限はありません。

「種別廃止」の噂とは何か?

技術検定制度の見直しにより試験の構成は変わりましたが、建設業許可における「建築」「躯体」「仕上げ」の3区分の効力は現在も存続しています。

近年、施工管理技士の試験制度が「学科・実地」から「第一次検定・第二次検定」へと再編されました。しかし、これは試験制度の話であり、建設業許可の専任技術者としての資格区分(コード表などで管理される区分)においては、依然として合格した種別によって担当できる業種が分かれています。「種別が廃止されて2級なら何でもできるようになった」わけではないため注意が必要です。

土木施工管理技士との違いは?

土木施工管理技士は土木一式を中心に、建築施工管理技士は建築系工事を中心に対応しますが、とび・土工や鋼構造物、解体など一部で対応領域が重なる場合もあります。

2級土木施工管理技士(土木)の場合、取得できる許可業種は以下の通りです。

  • 土木一式工事
  • とび・土工・コンクリート工事
  • 石工事
  • 鋼構造物工事
  • ほ装工事
  • しゅんせつ工事
  • 水道施設工事
  • 解体工事(※実務経験や講習が必要な場合あり)

建築物を建てるなら「建築施工管理技士」、道路や橋を作るなら「土木施工管理技士」というように、自社の事業内容に合わせて適切な資格者を配置する必要があります。

2級建築施工管理技士は一般建設業の要

本記事では、2級建築施工管理技士と建設業許可の関係について、種別ごとの対応業種や解体工事への対応、請負金額の考え方を解説しました。

2級建築施工管理技士は、一般建設業許可を取得し、500万円以上の工事(建築一式は1,500万円以上)を請け負うための最も確実なルートの一つです。特に「建築一式」や「内装仕上」など、需要の高い業種をカバーできるため、中小規模の建設会社にとっては非常に価値の高い資格といえます。自社に必要な許可業種と、保有している資格の種別を照らし合わせ、適切な許可取得を目指しましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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