小売業界向けの経費精算システムの選び方・比較すべき項目
作成日:2024年4月26日
小売業界において経費精算業務で悩みがちなポイント
紙文化が残っている

小売業界では、紙ベースによって経費精算業務を行う企業も少なくありません。請求書や領収書などが紙媒体で運用されることも多く、これらの管理には相当な労力とスペースを要します。
特に季節ごとのイベントなどに関連して、従業員による出張や消耗品などの立替えも増加するため、経費精算業務の負担も大きくなるでしょう。
また紙文化が残る企業では、経費申請が遅延する場合も多く、会計業務全体の遅れにつながりやすくなります。
申請~承認までのワークフローが非効率になっている

経費精算業務における申請から承認までの一連のプロセスでは、非効率な業務体制に陥ってしまうケースも多いです。
特に多店舗展開をしている小売企業の場合には、地域や店舗ごとに発生する経費の精算手続きを本社で一括管理するケースも多く、経費申請書や領収書をまとめて郵送するなど、経費精算業務が大幅に遅延しがちです。
さらに非効率なワークフローによる経費精算の遅延は、経営判断の遅れにつながるリスクもあるでしょう。
電子帳簿保存法に対応したい

電子帳簿保存法の改正に伴い、請求書や領収書をデータ保存するなど、小売業界でも法令遵守に向けた動きが加速しています。
電子帳簿保存法への対応を機に、ペーパーレス化を目指す企業も多く、会計ソフトや経費精算システムの見直しを行う事例も多いです。
その一方で、人材不足や業務過多により、システム選定や従業員の研修を行えず、電子帳簿保存法対応やペーパーレス化への取り組みが思うように進まない企業も少なくありません。
小売業界の経営者が経費精算システムを比較する際のポイント
スマホアプリやWebで申請・承認を完結できるか
経費精算プロセスをスピードアップするには、スマホアプリやWeb上で経費申請・承認プロセスを完結できるシステムの選定が効果的です。
特に多店舗を展開する小売業界では、店舗間での往来や消耗品の購入など、経費の支出も活発なため、外出先でも簡単に経費の申請や承認手続きを行えるような運用体制が求められます。
このような機能によって、経費精算業務の遅延を防ぎ、経営判断を迅速に行うためのデータ共有が可能となります。
データ連携によって入力を効率化できるか
経費精算業務を効率化するためには、領収書データの読み取り機能や、クレジットカードあるいは電子マネーなどとの連携機能の有無についてもチェックしましょう。
連携機能に優れた経費精算システムを導入することで、従業員による入力作業を自動化できるため、人為的ミスが軽減されるなど、スムーズな業務遂行が可能となります。
また連携機能によってリアルタイムでの経費精算が実現できれば、スピーディーな意思決定にも有用です。
電子帳簿保存法に対応しているか
電子帳簿保存法の改正によって、請求書や領収書データの電子保存が求められるため、経費精算システムに関しても、最新の法令に準拠したサービスを選択しなければなりません。
また電子帳簿保存法への対応を機に、ペーパーレス化に取り組む場合には、経費精算もオンライン完結することで、紙文化からの脱却も追求しやすくなります。
その際には、データ保存やオンライン上での経費精算に関し、社内全体での習熟度向上に努めましょう。
経費精算システムの導入で経理業務を効率化できた事例
生活協同組合コープさっぽろ様の事例
北海道に150以上の拠点を持ち、地域住民の生活を支える生活協同組合コープさっぽろ様では、紙ベースによる経費精算業務に課題を感じていたそうです。そこで「マネーフォワード クラウド経費」を導入して、完全ペーパーレス化に向けた取り組みを開始されました。
その結果、APIやSlack連携による経費精算業務の効率化や、電子帳簿保存法への対応を実現でき、グループ全体の生産性向上やガバナンス強化にも活用されています。
埼玉ダイハツ販売株式会社様の事例
地域密着型の販売店として、埼玉エリアに28店舗を展開する埼玉ダイハツ販売株式会社様では、紙ベースでの非効率な経費精算や電子帳簿保存法への対応に課題を感じていたそうです。そこで「マネーフォワード クラウド経費」と「マネーフォワード クラウド債務支払」を導入されました。
その結果、経費精算業務の完全ペーパーレス化を実現し、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応も完了するなど、数多くの成果を挙げられています。
株式会社藤井大丸様の事例
京都唯一の地場百貨店として、明治3年に創業した老舗百貨店の株式会社藤井大丸様では、長年にわたって自社開発システムを利用されていたそうです。しかし経理業務の遅延を感じ、「マネーフォワード クラウド経費」や「マネーフォワード クラウド会計Plus」などのサービスをまとめて導入されました。
その結果、業務効率化による業務工数の削減に加え、大量の紙が約半分に減少するなど、ペーパーレス化の効果も実感されています。
経理業務の効率化に関する参考資料
小売業界が経理業務の効率化を進めるべき理由
小売業界では、多店舗展開や在庫管理の複雑化により、経理業務が煩雑になりがちです。売上の入金管理、仕入や人件費などの支出管理に加え、季節やキャンペーンによる変動が激しいため、正確な財務状況を把握し続けることは難しくなります。
その一方で、顧客ニーズの変化や仕入価格の変動など、小売業の経営環境は常に変化しており、経理業務の遅延は経営判断の遅れにつながりかねません。
したがって経理業務の効率化を通じて、データ入力作業の削減やリアルタイムでの財務状況の把握、拠点間での情報共有の迅速化を追求し、経営判断のスピードや精度を向上させることが極めて重要です。
さらに経理業務の効率化により、従業員は単純作業から解放され、より戦略的な業務やサービスの向上に注力できます。
このように小売業界における経理業務の効率化は、単に業務フローを改善するだけでなく、企業の競争力強化にも直結するため、積極的な取り組みが求められます。